![]() | ライタークロイス 川口 士 富士見書房 2007-07 by G-Tools |
【騎士を目指し故郷の村を出たカイン。騎士登用試験を受けるべく帝都にやってきた彼は、そこで同じ騎士志願者の仲間たちと出会い・・・】
成り上がり騎士物語
騎士になるべく田舎からやってきた少年カインが、同じ志願者仲間との交流や事件に巻き込まれたりして成長してくお話。
何故かファンタジア大賞を受賞した前作の『戦鬼』はあまりに酷い出来でしたが、今回はまともな王道ファンタジー。
ってか、面白いじゃん。最初からこっちを出せばよかったのに
正義感が強くてお人好しな主人公・カインは私好みです。
まず真っ先に自分のことを考えるべきなのに、気がつけば他人の世話を焼いているその下っ端根性が気に入った!
いかにも軽薄っぽいレイクと無愛想なバルトの男子トリオの掛け合いも小気味よかっただけに後半の展開は残念。
それとアルファとイングリドの女同士の対決も見物でした。
元の雇用主に関わる金銭の問題が、いつしかカインを巡る三角関係のような意地の張り合いに発展しちゃってくれてw
アルファは典型的ツンデレだけれど、ときに落ち込んだカインを励ますために大胆な行為に走るイングリドが素敵。
テーマとしては騎士としての名誉よりも、人としての正義を正すことの方が大事ということなんでしょうが、
うるさく言えば、己の正義に見返りを求めてはいけませんよ。
報酬を与えてしまったら、それはただの仕事ですから。
そう考えれば、ラストで安易に騎士に叙勲されなくてむしろよかったと思いますね。
しかし、カインたちの憧れる「聖獣」の存在が空気ですな。
作者としては、ここから世界観の根幹に関わる要素として盛り上げていくつもりなのでしょうけれど、あくまでも触りの部分しかその魅力が描けていなかったのが中途半端かな。
というか、続編あるの? これで完結だったら、伏線未消化でまたキレますよ俺?


