![]() | ゼロから始める魔法の書 (電撃文庫) 虎走かける しずまよしのり KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-02-08 by G-Tools |
世界には魔女がいて『魔術』が存在していた。人々に“獣堕ち”と蔑まれる半人半獣の傭兵がいた。日々、人間になることを夢見る彼が出会ったゼロと名乗る魔女は、世界を滅ぼしかねない魔法書を何者かに盗まれ、それを探す旅の途中だという。傭兵は、人間にしてもらうことを条件に、魔女の護衛を引き受けるのだが

禁断の魔法書を巡る魔女と獣人の傭兵の異世界ファンタジー
面白い……かなぁ? つまらないとは言いませんが、個人的にはあまり興味をそそられなかった。
一人で旅を続ける半獣半人の傭兵が世間知らずの魔女・ゼロと出会い、魔法の使い方を記した"ゼロの書"を巡って、一国で起きている魔女狩り騒動に関わっていくうちに芽生えていく絆が微笑ましかったです。
しかし、一言で言うと、世界観にも魔法設定にも目新しさ、オリジナリティが足りない。
魔女といえば、街外れの小屋や人里はなれた洞窟に住む老婆だったり、怪しい美貌の美女だったり。それで魔法陣を描いて悪魔と契約して魔法を使う。そんな魔女と聞いたら誰しも連想する、パブリックイメージから一歩も出ていないのはどうなんだろうか。ラノベ読者がファンタジーに期待してるのってそこじゃない?
王道やお約束が悪いとはいいませんが、普通はさらにその上にオリジナティを加えるものでしょう。
ゼロと獣の傭兵の心の交流はいいです。お互いに一般人から迫害される対象である魔女と獣堕ちが出会って、最初は打算から相棒となったものの、旅を続けるうちに友情が芽生えていく過程は微笑ましかったです。
絡まり合った人間関係のすれ違いを少しずつ解いて、ぶつかり合い、喧嘩し合いながらも誰もが幸せになれる未来の妥協点を探っていくストーリーも、都合主義の綺麗事だが嫌いじゃない。でも、地味なのが残念。
児童向けファンタジーならいいですが、ライトノベルのファンタジーだとしたらちょっと古臭すぎる。
私自身が読書量の多いラノベ読者だからかも知れませんが、新しいもの、現代の作品を読んだ気がしない。
この作品でしか味わえないもの、この作者にしか書けないものがアピールしきれていないように思います。
電撃大賞の大賞作は一般大衆に広くウケるものが選ばれるからこれでいいのかも知れませんが、物足りない。


