ダフロン

2013年05月11日

一つの大陸の物語 下 アリソンとヴィルとリリアとトレイズとメグとセロンとその他/時雨沢恵一

4048916009一つの大陸の物語 (下) ~アリソンとヴィルとリリアとトレイズとメグとセロンとその他~ (電撃文庫)
時雨沢恵一 黒星紅白
アスキー・メディアワークス 2013-05-10

by G-Tools

トラヴァス少佐を乗せた軍用機が突如爆発。制御を失ったその機体は、人里離れたルトニ河の川縁に墜落してしまう。その頃、ロクシェ首都では、消息を絶ったトラヴァス少佐が麻薬犯罪に関与したという疑惑が持ち上がり、過剰とも思える証拠が次々と明らかになっていく。

 ハッピーエンドは結婚式のあとで

 一つの大陸を舞台にしたアドベンチャー・ストーリー×ドキドキハラハラワクワクドタバタ学園物語

 まさかあの時のあんな脇役にまで、もう一度出番が!というようなサプライズが満載でした。
 ルトニ河に墜落し、瀕死の重傷を負いながらも生き残ったトラヴァス少佐ことヴィルが、昔のツテを頼って、自らに書けられた冤罪の容疑を晴らし、黒幕を追い詰めていく展開にハラハラドキドキさせられました。
 変わり者の両親が隠していた真実をいっぺんに明かされて戸惑うリリアの姿が可笑しいです。

 航空機墜落による重傷に苦しみながらも冷静に状況を分析し暗殺のターゲットが自分だと推察して、何が何でも生きのびて、巻き添えになった操縦士たちの仇討ちを誓うトラヴァスの強い執念に思わず身が竦みます。
 幸運にも善意の人々に助けられ、予想外の人物との再会に涙するヴィルの姿にはもらい泣きを誘い。イクストーヴァの二人の力も借りて、黒幕の手掛かりを探っていく先での刺客との遭遇戦には息が詰まりました。

 これまでのヴィルとアリソンの道順を逆に辿っていくかのような場面転換は歴史の流れを感じましたね。どんなときもヴィルを信じてあっけらかんとしたアリソンのポジティブさだけは変わらないのが魅力的でした。
 ヴィルとアリソンの悪巧みを知らされず、次々と巻き起こる衝撃的事件が振り回されて心労を募らせていくリリアが哀れでなりません。トレイズはこういう時に頼れる男アピールをすればいいのに、甲斐性ないなぁ。

 学園の新聞部や大使館の仲間たち、王族関係者たち関係者を一同に集めての、ネタばらしと真相究明は、我々、読者だけは真実をすべて知っているだけに、お前らようやく気づいたのかと、ニヤリときますね。
 アリソン組やリリトレ組だけでなく、さらりと爆弾発言をかましてくれるメグに噴き出した。作者はやり切ったようですが、いち読者としてはメリエル王女の話がもっと読みたかったですね。とまれ新作に期待しましょう。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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