![]() | 神曲奏界ポリフォニカ エイフォニック・ソングバード (GA文庫) 榊 一郎 カントク ソフトバンククリエイティブ 2012-05-15 by G-Tools |
優れた演奏技術を持ちながらも、神曲楽士を目指す事への情熱を失い、トルバス神曲学院へ転校してきたラグナスは、そこで少女と出会う。彼女の名はウリル。誰よりも精霊が大好きで、底抜けに明るく、ひたむきに神曲楽士を目指す女の子だ。ところが、彼女はとてつもなく致命的な問題を抱えていて! ?
沈黙の歌姫は夢に舞う
色々自由過ぎなトルバス神曲学院を舞台に少年少女たちが織りなす、ボーイミーツガールストーリー
どんな状況でも希望を捨てなかった少女の歌が、新しい希望を生み出していく。そんな物語。
神曲楽士を目指す情熱を持てなくなり、トルバス神曲学院へと転校してきた主人公・ラグナスが、耳の聞こえない少女・ウリルと出会い、ハンデを背負いながらも神曲楽士を夢みる彼女が巻き起こす騒動に振り回されていくうちに、神曲に感動し音楽を楽しむ心を蘇らせていく姿に胸を揺さぶられました。
カントク絵効果もあるのだろうけれど、暴走娘のウリルが可愛くて仕方がないです。
生まれつき耳が聞こえないという、神曲楽士を目指す者としては絶望的な欠点を抱えていながらも、精霊が大好きで、ときには周りに迷惑をかけるけれど、まっすぐひたむきで明るい姿が愛くるしいです。
そんな自分にはないエネルギーに満ちたウリルに惹かれていくラグナス君が実にツンデレでニヤニヤ。
もし神曲を奏でられたら間違いなく精霊たちを魅了する魂を持っているけれど、演奏技術の稚拙さは如何ともし難くて、ままならない現実や彼女を心よく思わない周囲からのバッシングに晒される姿がやるせない。
それでも神曲楽士のヤワラべや講師のフォロンの助力によって打開策を見出し、ウリルの夢を実現させるために仲間たちと力を合わせて特別な演奏方法を模索していく光景に心が浮き立ちました。
神曲を完成させるまでには、また一波乱あるのだけれど、そうした騒動も初々しくて微笑ましかった。
どんな者にも道は常に開かれている。これまでにない新しい神曲の可能性を垣間見させてくれました。
神曲奏界ポリフォニカもオワコンと囁かれて久しいけれど、まだこれだけの感動を与えてくれるのだから、打ち切りにしてしまうのは惜しいよなぁ。もっと新しい作家さんをどんどん参入させて続けて欲しい。


