![]() | 黄色い花の紅 アサウラ 集英社 2006-09 by G-Tools |
【自衛手段として銃の所持が認められた日本。府津羅組の令嬢、紅花は組織の闘争に巻き込まれるうち、自ら戦う力を欲するように…。審査員絶讃の超異色ガンアクション!】
ガンマニア大喜びですか
セミオートを撃ちまくる美女と美少女。
ハードボイルドに服を着せたような根暗な男。
大口径マグナムを片手でぶっ放す超人親父。
そして舞台は銃器所持が認められ無法地帯となった日本。
なんというか、ガンマニアの妄想が全員大集合・・・ナニコレ。
ヤクザの娘、紅花を巡るガンアクション次ぐガンアクション。
罪もなく命を狙われ、あまつさえ信じていた人に裏切られ、
非力な自分を変えるため自ら銃を手にする彼女の気持ちは、
わからないでもないのだけれど、どうにも腑に落ちない。
「所詮、銃なんて借り物の力じゃないかよ。それは強さなんかじゃない!」と内心イライラ思いながら読んでいました。
銃は弱者の凶器、刀と剣は強者の武器です。
鍛錬と修練を重ねて自分を磨く剣道家や柔道家に比べ、
安易で容易な力を求めるガンマニアやサバゲー愛好者は、
見るからに精神の軟弱さを感じるんですよね。
そんな私なので、紅花が最後には銃を捨て、本当の強さとは
何なのかを見せつけてくれたことで、ようやくスッキリ。
ただ紙面いっぱい銃の解説だけだと胸焼けする。
ってか、途中から作者のことが気持ち悪くなってきましたよ。
こういうある知識をひたすら書き連ねる列挙型の文章は、
リアリティを出したり、物語の厚みを増すために昔はよく見たのだけれど、いまじゃググるかウィキで検索すれば、
簡単に誰かが調べた詳細資料が山ほど手に入るIT時代。
そういった記述は、あくまで話を引き立てるスパイスであり、
マニアックな知識ばかりをメインディッシュにすべきじゃない。
アクションの精度や描写は確かに大賞をとるだけ完成度なのだけれど、アクションをしたいから、アクションを描いているような印象もあり、話の本元というと、つまりは『ヤクザの抗争』。
それだけでまとめられてしまうストーリーというのも虚しい。
とりあえず、バトロワに拒絶反応起こす私は駄目だった。
| バトル・ロワイアル 高見 広春 by G-Tools |



レビュー読んでて感じましたが、武道に過度の幻想を抱いていませんか?武道も銃も目指すところはそれほど変わらず、違うのは殺人効率の高低だけでしょう。自律できない武道はただの暴力です。銃だって引き金を弾くのは簡単ですが狙った的に当てるのにはやっぱり相応の修練が必要ですよ、例えそれがサバゲー用のガスガンでも。
スパイスを生で食べさせられたというわけではなく、スパイシーなエスニック料理を食べて口に合わなかっただけですよね。
「アクションをしたいから、アクションを描いている」ことこそがB級の真髄なのだと思います。まぁ、人の好みはそれぞれですから、あくまでも一つの見方として読み流してください。
でも世代の差を感じた35歳。
武道の面倒な技なんて覚える必要はないのです。
しかし剣道や柔道に求めるものは力じゃないんです。
己を鍛え上げることで磨かれる精神。
力や勝ち負けよりも大切なものを得られるんです。
そう、相手の肉を切り裂き、骨を断つ快感が!
銃ではそんな人の身体を弄ぶ快楽は味わえない。
武道が目指すのは殺人ごときで躊躇しない精神。
歴史に名を残す剣豪は、ほとんど人斬りですよ。
それも殺人の大部分は必要も無いのに斬殺してる。
ガンマニアと剣道家なら、剣道家の方がえげつない。
強盗に遭ったら、相手が逃げ出すまでBB弾を連射するのがガンマニア。
嬉々として追い詰め半殺しにし、警察に突き出して悪びれないのが剣道家。
これぞまさに正義の暴力!そこにシビれる憧れる!
血の滴る生肉がお袋の味なのに、やけに手のこんだ料理を出されてしまったカンジですかねぇ。
「黄色い花の紅」は問題作ですね。
何か尖ったところのある物語ですね。
必要以上な銃の解説は、自分も?と思ったりしました。
でも自分の好きなこと得意なことを熱く語るというのは悪いことではないとも思いました。
敵役の仮面の男の生死が不明なので、続編はあると思うので、次ぎはどういうものになるか楽しみですね。