![]() | シャーロットはガラスの靴の夢を見るか 都築 由浩 藤丘 ようこ ソフトバンククリエイティブ 2006-05-12 by G-Tools |
【両親に買ってもらったアンドロイドに「シャーロット」と名付けた昴一。姉のように接する彼女と幸せな時を過ごしていたが、ある日何者かに彼女が誘拐される。昴一は再び彼女に再会できるのか】
メイドを探して幾星霜
アンドロイドたちに親愛の情を抱き、
人間と同様に接する昴一の純粋な心根が清々しい。
姉のように慕うアンドロイド、シャーロットを誘拐された彼の
無力な子供であるが故の悔しさ。頼りにならない大人たちへの失望と憤りには共感できるものがあります。
まったく大人たちは、メイドの稀少性を理解してないよな!
小学生の頃に生き別れたメイドロボを探す。
という、これだけ聞くと倒錯的な感じのストーリーですが、
五年もの歳月をかけ、数奇な運命を辿ったシャーロットの人生を、波乱に満ちた人間ドラマとして描いています。
だが不愉快でした!
誘拐され、様々な人の手に渡っていくシャーロットですが、
行き着く先の持ち主は、人間として最低な奴らばかり。
老いた義母の介護を任せっきりにするオバハンだとか。
友達に自慢するためにアンドロイドを欲しがるクソガキとか、
特にこのガキが昴一と違いすぎて非常に腹が立ちました。
他人からもらった付属品で威張ろうとしてんじゃねぇよ!
コイツの親父は息子に言われてシャーロットを捨てるよりも、
根性のねじれた息子の頭を殴って叱るべきじゃないのか?
自分で努力して、他人に認められることを覚えないから、
いつまでたっても自信が持てなくて苛められるんだよ。
シャーロットたちアンドロイドが純粋で献身的である分、
主人である人間たちの醜さが強調されて実に興醒めの感。
最初、小学生だった昴一が、終盤になっていきなり高校生になっていたりと、時間軸が一気に飛ぶのもついていけない。
むしろ変に時間が空いた構成にせず。
誘拐されたシャーロットを昴一の手で密売組織から救い出す、ってストーリーの方がシンプルで飲み込みやすかったな。
もしくはシャーロットに関った者たちが、それぞれに思いを描きながら最後の場面で収束していく群像劇にするとか。
シャーロット視点だから受け身でいけなかったのかも。
もっと主人公として昴一を前面に出してれば違ったのに・・・。
正直、キャラがパワー不足だし、感動分もイマイチ。
執筆中の昴一×恵壬那パートの続編は厳しいかもしれない。
人間を見るたびに、ますますメイドロボが好きになる。


