ダフロン

2011年12月29日

豚は飛んでもただの豚?/涼木行

4840143331豚は飛んでもただの豚? (MF文庫J)
涼木行 白身魚
メディアファクトリー 2011-12-21

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春から高校生になる真宮逢人は、バイト先から逃走する食い逃げ犯を追いかけていた。逃げられそうになったところを、ポニーテールの美少女・藤室綾に助けられる。入学式当日、綾のことをなぜか忘れられずにいた真宮の目の前には、見覚えのあるポニーテールが揺れていて、思わぬ再会を果たす。

 春は出会いと恋と青春の季節

 元不良の少年と美少女三姉妹が織り成す青春×初恋×ぽんこつストーリー。

 中学時代、バイトとケンカに明け暮れていた元不良の主人公・真宮が、高校に入学し三つ子の美少女姉妹と親しくなり、初めて出来た異性の友人と初めての恋心に揺れる姿が初々しかったです。
 純朴な少年とそれぞれタイプの異なる三つ子のヒロインたちが交流を深めていき、その過程でいままで知らなかった感情を抱いて思い苦しむ光景が直球ストレートな青春もので素晴らしかった。

 男勝りな長女の稜、大人しい次女の雲雀、活発な三女の瑞姫と三者三様の三姉妹が魅力的でした。
 無愛想で負けず嫌いではあるが、根は純朴な少年である真宮が、次第にヒロインたちと仲良くなるにつれ、慣れない異性との人付き合いに困惑したり、初めて抱いた恋愛感情に戸惑う姿が甘酸っぱくもあり、なんとも若さに弾けていて瑞々しい。硬派なようでちょっとヘタレたところもあるのが好印象だった。

 真宮の本命はクラスメイトの長女の稜なんだけれども、ナンパされていたところを助けたことで次女の雲雀からは頼りにされ、バイト仲間である三女の瑞姫とは一番気軽に話せて一緒にいる時間が長くと、本命以外のそれぞれの姉妹とも親密度を深めていく過程がにやにや。三人とも可愛いくていい子だから悩ましい。
 稜に仲を誤解され、ぎくしゃくしてしまった真宮と瑞姫だけれど、幸い元の関係に戻れてよかった。

 ただこのタイトルだと指している主人公は風太郎になっちゃうよな。え、まさか真宮はモブキャラ?
 それとライトノベルとしては真っ当な青春ストーリーすぎて、インパクトやユーモアが足りてないような気がしてならないのは私がラノベ的展開に毒されているからだろうか。いや、完成度は高いんですが、あまりに清純派すぎて綺麗すぎて逆に落ち着かないこのもどかしさ・・・今回はあくまでキャラ紹介のようなので次回に期待。
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2011年12月28日

緋弾のアリア XI Gの血族/赤松中学

4840143315緋弾のアリア XI (MF文庫J)
赤松中学 こぶいち
メディアファクトリー 2011-12-21

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『師団』と『眷属』の争いに身を投じたアリアとキンジ。その最中、キンジは自称「妹」のかなめと同居生活中だ。この事態に黙ってはいられないバスカービル女子の面々が、かなめに「決闘」を申し込む。キンジはその決闘でかなめ側に付くことになり……?

 人間は不完全であるが故に

 武装する探偵、『武偵』の卵の少年少女たちが凶悪犯に立ち向かう学園アクション&ラブコメディ。

 Gの血族はみんなツンデレか! 男のツンデレは可愛くないわー需要ないわー。
 かなめと名付けられたジーフォースとバスカービルの女の子たちの容赦のない熾烈なリベンジマッチと、それに続く最先端兵器を用いるジーサードとキンジの白熱した激戦に血肉が沸き立つ。
 このシリーズの最大のウリである超人バトルがパワーアップして帰ってきた。やっぱりこうでなくては。

 かなめに負けたこととキンジを取られたことへの女子陣の嫉妬が生々しいけれど、決闘でリベンジを果たした後の切り替えの速さは・・・なんでそんなすぐ仲良くなれる・・・女って怖いわー・・・。
 体育祭イベントは、よいインターバルにもなったしお約束のサービスシーンが美味しい。口絵と挿絵でバスカービル全員の水着カットがあるのが素晴らしい。こぶいちさんはいつも最高の仕事をするな。

 再来したジーサードからバスカービルと戦うように強制されるかなめだけれど、その行動に迷いが生まれたのは人間の心が芽生えたからで、その心が芽吹いたのもそれこそ最初から兵器なんかではなかった証拠でしょう。人間を否定するジーフォースだけれど、彼やキンジの発揮するHSSは紛れも無い感情の力で、感情があるからには彼もまた無機質な兵器ではない。完全な存在なんて夢物語。

 お互いに新たなHSSのモードの発揮、戦いの中で編み出される新必殺技の応酬が圧巻でした。
 いくら技術が発達しても、最後にモノをいうのは根性論という泥臭さが男臭くてかっちょええです。
 『眷属』との戦いはまだまだこれからだけれど、着実に味方を増やして勢力を増しているのが心強い。
 しかし、これまたクリフハンガーな引き・・・あざとい実にあざとい! 続きが気になって仕方がないぞ!

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2011年12月27日

オーバーイメージ/遊佐真弘

4840143374オーバーイメージ (MF文庫J)
遊佐真弘 さんた茉莉
メディアファクトリー 2011-12-21

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色を失った世界。純白の世界。彼はそこで、二人の少女が戦いを繰り広げているのを目撃する。ひとりは見たことのない金髪の少女(巨乳)。もうひとりは高校の先輩・魅影(貧乳)。そして現実世界に戻った彩の前に、金髪の少女が転校生としてやってきた。

 
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 願いを叶えるゲーム『オーバーイメージ』に参加した少年少女のプログレッシブ学園バトルアクション。

 ルビ文字の二つ名とか、異能を使って異世界で殺し合うとか、中二病要素てんこ盛りな作品。
 勝ち進めば願いを叶えてくれるゲーム『オーバーイメージ』に巻き込まれた主人公・彩が、自分の願いのために誰かを踏みにじるのが当たり前のゲームの中で、自分の信念を貫く姿が格好良かったです。
 しかし、キャラは可愛いけれど、それ以外のストーリーやアクションにはなんの新鮮味も感じなかった。

 高飛車なお嬢様だけれど世間知らずで残念なツンデレのピリカと、かつて彩に救われたことで彼を慕って一途に尽くすクーデレな魅影先輩の犬猿の仲の二人の間で板挟みになる姿はラブコメでよかった。
 バトルロイヤル方式のゲームに一方的に放りこまれた彩が、互いに殺し殺されが当然のゲームの現状に嫌悪感を抱き、不殺の信念で戦い抜くというプレイスタイルも素直に好感が持てる。

 けれど、ピリカや魅影先輩が『オーバーイメージ』で叶えたい願いや参加した動機が明かされないままなので、どうして彼らが戦っているのかが、イマイチ共感できずに話の展開にノリきれないんだよなぁ。
 それと想像力がすべてだと、根性論や急な能力の覚醒が平然とまかり通る世界観になっちゃうのが・・・・・・。案の定、チート能力を発揮する彩には、「ああ、うん・・・すごいね・・・」としかリアクションの返しようがない。

 ありがちな中二病学園異能モノの話を作者なりに再構築する過程で、能力設定や世界観や面白味の所在がフワッと曖昧になってしまい、俺TUEEE系のテンプレになってしまってるのがどうにも勿体ない。
 相対評価ならレーティング方式にするとか、能力に代償をつけるとか、ゲームとして面白くするためにルールの縛りをもっと設ければ、もうちょっとバトルも盛り上がったんじゃないかなぁ。
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2011年12月26日

泳ぎません。2/比嘉智康

4840143439泳ぎません。 2 (MF文庫J)
比嘉智康 はましま薫夫
メディアファクトリー 2011-12-21

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その日、学校一の美少女と謳われる小田部桜子から呼び出され、交際を申し込まれた卵太郎は丁重にお断りしてしまう。その夜、卵太郎は、近所の女の子の美唄と一緒に、日課となっている近所の大型プール施設に行く。そこに現れた桜子が美唄とプールで遊びはじめ、卵太郎は振り回されることになる。

 脱ぎました。

 プールサイドで水着姿の美少女たちが繰り広げる日常系ガールズトークコメディ。

 ドキッ! 美少女だらけのプールサイド(ヒロイン増量200%) ポロリもあるよ!
 学校一の美少女からの告白を断った少年・神卵太郎が、水恐怖症を直すためにやってきたプールで赤裸々なガールズトークに巻き込まれて、純真な男心を揺さぶられる姿が可笑しい。
 もうこれ水着ハーレムじゃないか。ただし女性陣から男として見られてないんじゃないかという罠。

 完璧超人のお嬢様と言われていた桜子さんでしたが、意外に大ボケをかます面白い子でした。
 神卵太郎に丁重にフラれてしまったものの、偶然出会ったプールで彼を脅してでも再び交際を迫る根性はなかなか見上げたものがある。猛烈アピールを仕掛けてくる桜子さんや、たまたま居合わせた野々宮先生のあられもない痴態にダメだと思いつつも誘惑されてしまう思春期の男子の悲しい性が笑える。

 新聞部の取材として水泳部に体験入部したら、今度は男子に興味を持つ日唯に研究対象にされてしまったり、男子に無関心なもい子の無防備さに惑わされたり、水着姿の魅力的な美少女に振り回されつつも彼女たちと次第に交流を深めていく神卵太郎が羨ましいやら妬ましいやら。
 最後に男嫌いの八重との伏線もしっかり回収して、ちょっと男を見直すキッカケになってくれたかな。

 しかし、新キャラ登場したのに、もう打ち切りかよ! いや、視点変更からすると元々2巻構成のつもりだったのかもしれないけれど、それにしても比嘉智康はスロースターターだから、こういう短いシリーズは向いてないんですよね。もうちょっと書かせてあげて欲しかった。ヤンデレ化した水泳部ガールズを見てみたかったよ。かなり物足りない感が拭えないけれど、次回作に期待。

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2011年11月29日

四人の魔女とエメラルドのキス/石川ユウヤ

4840143048四人の魔女とエメラルドのキス (MF文庫J)
石川ユウヤ みついまな
メディアファクトリー 2011-11-23

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緒伏麻琴は監禁されていた。見た目だけ美少女、中身は天然というかちょっと過激なクラスメイトの火澪沙耶の手によって。「冬姉に近づかないで!」彼女の剣幕は並々ならぬものだけれど麻琴は冬姉のことを知らないし――ここひと月の記憶が何もないのだ。

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 ヒロインがいろいろ酷い。相変わらず、この先生の描く作品はヒロインに可愛げが欠けてるな。
 ツンデレというとお約束に思えるんだけれど、主人公と会話が通じてない、一方的な思い込みで突っ走って自滅する、自分が悪いのに反省もなくやたらと暴力的という、長所や可愛いらしさが見つからない。
 主人公へのツンも、結局は自分へ劣等感の裏返しで、なんかいろいろ情緒不安定でイタい。

 主人公もふにゃふにゃしてどうにも頼りない。いろいろ考えている素振りは見せるものの、いつも行動は他人まかせで受け身で動くからヒロインたちに振り回されるし、敵にも簡単に騙される。
 サブヒロインもなんか見るからに怪しげで信用できないっていうか、ことあるごとに都合よく情報を与えてくれてミスリードされてるのがわかるじゃないですか。伊吹さんは可愛いかったけど、出番ねえええ。

 これまでのシリーズを見返すと、まず主要キャラクターに魅力が足りない。
 どうすれば読者に好感を持ってキャラクターたちを受け入れてもらえるのかという感性がズレてる。
 今回のようにキャラの属性をテンプレに日和っても、まずキャラクターの背景、人間関係、行動原理に読者の共感が得られていないので理解しづらい。いつも成長しない意固地なキャラになってしまっている。

 オリジナリティについては今更とやかくは言わないけれど、ストーリーにも練りが足りない。
 話の流れが単純すぎる。読者に展開を先読みされるのはあってはならないことでしょうよ。
 それとテーマが明確でない。話の見所が魔法バトルであればもっと戦わせるべきだし、ラブコメであればもっとヒロインとの心の交流を描くべきが、つまらない探索にページ数を割いている。これは無駄です。

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2011年11月28日

キミはぼっちじゃない!/小岩井蓮二

4840142971キミはぼっちじゃない! (MF文庫J)
小岩井蓮二 鳴瀬ひろふみ
メディアファクトリー 2011-11-23

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稲葉悠大にはロリコン疑惑があった。幼女のパンツを手にさまよっていれば誰だってそう思うこと。決定的な場面を見られてしまい、警察に通報されそうになる悠大だが、これにはとある訳があった! 子育て。悠大は幼馴染のしおりと二人で、五歳のリリィを本当の両親が見つかるまで育てているのだった。

 俺たちは家族だ!

 迷子の幼女を育てることになった高校生夫婦の子育て奮闘記。

 タイトルからまた学園スクールカーストものかと思ったら、普通にアットホームものだったでコザル。
 迷子の幼女リリィ(5)を保護した主人公・悠大と幼馴染・しおりが、本当の両親が見つかるまでの間、彼女の親代わりとなるのですが、一緒に暮らすうちに家族の絆が芽生えてくる姿が涙を誘った。
 高校生にして子持ちパパになってしまった主人公の父性本能の荒ぶる様が可笑しかった。

 長年連れ添って気心の知れた幼馴染・しおりとの夫婦生活が和気藹々としていいなぁ。
 リリィの持つ不思議な力で、何故か高校生にして夫婦として、金髮碧眼でどう見ても日本人じゃないリリィも二人の子供として周囲の人々に認識されてしまい、同棲生活をしながら子育てをすることになるのですが、そんな超常現象をあっさり受け入れるこの夫婦の脳天気さがいい意味でスウィート。

 悠大は簡単そうに言うけど、子育ての苦労とか、こんな甘いもんじゃないだろうと思うのですが……。
 子育て生活をしてるからといって、それまでの関係と変わらないと思っていたのに、とあるアクシデントから男女を自覚してしまい、過剰に意識し合ってぎこちなくなってしまう姿がニヤニヤ。リリィGJ!
 赤の他人とは思わず、しっかりとリリィに愛情を注ぐ悠大としおりの姿がとても心温まった。

 ただ、後半の「人間死ぬときはいつもひとりぼっち」論を語り始める悠大は、それまでの雰囲気を台無しにしてくれやがったな……。それまで家族愛に熱い男だと思っていたのに、なんかガッカリした。
 ギャグ会話が多めで、肝心の子育てシーンがあまり描かれていないところも物足りなく感じましたね。
 脇役もSMコンビの掛け合いはさすがに冗長だとに思ったし、エレナはどうしてあんなに一方的で話が通じないのかイライラさせられたり。なんかテーマが脇道にそれてイマイチな感が残念だった。
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2011年11月27日

魔法戦争/スズキヒサシ

4840143056魔法戦争 (MF文庫J)
スズキヒサシ 瑠奈璃亜
メディアファクトリー 2011-11-23

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七瀬武はちょっと暗い過去を持ってはいるが普通の高校生だ。しかし、ある日彼は校内で、見たことのない制服を着た少女・相羽六が倒れているのを発見する。彼女との出会いにより、武の運命は大きく揺さぶられ、そして変化していくのだった。

 魔法はじめました

 普通の少年と魔法使いの少女が出会い、別世界での魔法戦争に巻き込まれていく魔法アクション。

 なかなかに王道な魔法バトルもの。世界観のスケールが大きく、今後の物語の広げ方に注目。
 魔法使い同士の抗争に巻き込まれ、魔法使いとなってしまった主人公・武と幼馴染・くるみが、魔法使いの少女・六と共に、無法者の魔法使い集団を相手に繰り広げる魔法バトルの戦闘に手に汗握った。
 現実世界とは異なる平行世界を戦場として戦争を展開する魔法使いたちの姿にワクワクしました。

 あまりにもモテすぎる幼馴染・くるみの男避けとして偽装カップルの関係を続ける武ですが、くるみの方は意地を張ってキツイ物言いをしながらも武には心を許しているのが透けて見えていいツンデレでした。
 事故で武を魔法使いにしてしまい、責任を感じた六が魔法使いとして生きていくため何くれとなく世話をやくんだけど、武に他の女の子が近づくのが面白くないくるみが嫉妬してと、修羅場が美味しい。

 ただ魔法バトルが作品のウリのはずなのに、魔法の使い方が地味だったな……。
 魔法を封印された現実世界でばかり戦ってるので、どうしても肉弾戦メインになってしまい、魔法がめくらまし程度にしか活用されてないのが非常に勿体ない。もっと派手な魔法の打ち合いを期待してた。
 敵も小物だったしなぁ。同じ相手と似たようなチャンバラ試合を3連続って、これは変わり映えが……。

 魔法の世界観はシンプルで、今後いくらでも調理しなおせる設定なので、次回以降に期待しよう。
 現実世界では居場所がなかった武やくるみが、平行世界での居場所を築いていけるんだろうか。
 六と十の兄妹の問題を通して、溝の出来てしまった七瀬家の兄弟仲にも徐々に解決の糸口が掴めるのかな。月光は敵キャラ化する予想しかみえないが。

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2011年10月31日

正捕手の篠原さん/千羽カモメ

4840142637正捕手の篠原さん (MF文庫J)
千羽カモメ 八重樫南
メディアファクトリー 2011-10-22

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明神高校2年生の篠原守は野球バカの優等生。今日も今日とて、仲間たちと一緒に青春の汗を流しながら栄光の甲子園を目指す……ということはなく、あまり野球ができない日々を過ごしているのだった……。

 女の子だって野球がしたい

 野球バカのキャッチャーと男装少女のピッチャーのバッテリーがおくるほのぼの青春ラブコメ。

 投手と捕手のバッテリーがイチャイチャしているバカップルにしか見えない件について小一時間。
 弱小校ながら野球バカの揃った硬式野球部にて、経験豊富な野球部員たちと、そこに混ざった野球経験ゼロな素人との頓珍漢な掛け合いが可笑しく、毎回巻き起こる騒動が愉快なギャグコメディでした。
 野球部と聞いてスポ根青春ストーリーかと思えば日常雑談系ラブコメだった。お前ら、野球しろし!

 クールな王子様と女生徒からモテモテなエースピッチャー、その実、正体は男装女子な綾坂真琴と、そうとは知らないマイペースなキャッチャー・篠原の二人の関係が美味しくてニヤニヤしてしまった。
 チームメイトとして打ち解けようと親しく接する篠原に対し、秘密を抱えた綾坂は気が気でなくて、男同士なら何気ないボディタッチや部室での着替えにも反応してしまい赤面してしまう初々しい姿が可愛い。

 古参の部員たちに混じって、顧問の涼子先生や入部部員の杏といった野球素人組が野球用語を聞いて誤解したり、そもそも野球のルール自体わかってなかったりと、どこかピントのズレた会話に笑った。
 素人でも毎日一生懸命に練習に励む姿を見て、温かく受け入れる部員たちの優しさが身にしみる。
 悪戯好きなマネージャー・深見の起こすドタバタ騒動も賑やかで楽しそうで飽きない。

 こんなに女子が多ければ野球部もさぞかし楽しいだろうと思うけれど、現実ではありえないな。
 綾坂さんを始め、女性陣にやたらモテモテな篠原はイチローのレーザービームを受けて爆発しろ!
 そして野球をやっているシーンよりも、何故だかパワ●ロやってるシーンの方が印象に残る……。
 野球バカップルな篠原と綾坂さんの関係が今後どうなっていくのか期待したい。
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2011年10月30日

Tとパンツとイイ話/本村大志

4840142645Tとパンツとイイ話 (MF文庫J)
本村大志 前田理想
メディアファクトリー 2011-10-22

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朝、日渡陽太が目を覚ますと後頭部が抱き枕のジョゼ子と一体化していた。この抱き枕は悪友から預かってくれと頼まれたもので俺の趣味ではないんだけど、このシルエットはどう見ても……"T"!しかたなく「斬新な髪型」で押し通して出かけるが、登校途中で女の子の胸と俺の手が一体化してしまう。

 節度を守ってこそ変態

 ある日、唐突に不思議体験に巻き込まれた少年少女の学園ラブコメ。

 変態とは常に己の分をわきまえた紳士・淑女でならなければならない! ( ;∀;)イイハナシダナー
 人間の思念エネルギーが撚り合わさることで不可思議な能力を得た思念能力者たちのゴタゴタに巻き込まれるなかで、主人公・陽太とヒロイン・光里が魅せる正義感と優しさに心温まりました。
 エロスも満載だけれど、生々しくはなく、どこかユーモラスで初期のMF文庫のノリが帰ってきた。

 可愛いもののためなら命をかけたムチャする光里と、そんな彼女のことが放っておけずにいつも頭が一杯な陽太のカップルがなんともお似合いで、幼馴染ならではの距離感の近さとお互いに意識し合う相思相愛な二人がとても微笑ましかった。ツッコミ不在でどこまでもボケ倒すやり取りが可笑しい。
 陽太の悪友・影時もどう見ても変質者なのにここぞというときは活躍して、なにこの変態超格好良い。

 『思念』と呼ばれる超能力で、色々なものと身体が融合してしまったり、学校中の女生徒のパンツが盗まれたり、迷子の幼女がゴジラになったりとハチャメチャな大騒動が起こったりするのですが、そんな異常事態に遭遇しながらも、正義を貫き、誤ちを正し、そして誰かを一心に愛して救おうとする陽太、光里、影時の姿に胸が熱くなりました。笑いあり、エロスあり、そして心が洗われるイイ話でした。

 しかし、タイトルはどうしてこうなった! いや、間違ってないんだけれども、むしろ話のポイントを的確に表しているんだけれども、あまりにもストレートすぎんだろ! もっとオブラートに包む努力しろし!
 タイトルで敬遠した方は、少なくとも想像した内容よりは健全だと思います。まあヒロインがノーパンだったり、逆に下着しかつけてなかったりする場面が大半だけど……フォロー無理だったー!
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2011年10月29日

お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 4/鈴木大輔

4840142688お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ4 (MF文庫J)
鈴木大輔 閏月戈
メディアファクトリー 2011-10-22

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学校では授業を受けながら小説のネタを練り、寮に帰れば寮長と小説家の二足のわらじを履き、妹や那須原さんや銀兵衛が持ち込んでくる相談にも乗り……って、そんな多忙な毎日を送ってたら案の定、風邪と過労で寝込んでしまった。生徒会の面々が付きっきりで看病してくれたのだけど……

 ラブコメに至る病

 長い間、生き別れていた兄妹が綴る平凡よりは少し騒がしい日常系ラブコメ。

 やたらと男前だった会長さんだけれども、ヒロインとしてはラブコメ不足で早くも戦線離脱か?
 秋子にも隠していた秘密を二階堂嵐に知られてしまい、それでも表向きは平穏な日常生活を過ごすも、体調を崩してしまった秋人を代わる代わる看病にあたるヒロインたちの甲斐甲斐しさが魅力的でした。
 そして、さらりと新事実と新キャラを出すんじゃねーよ。期待と興奮がうなぎのぼりだわー。

 前巻のあれだけ衝撃的な引きをあっさりとスルーしたかと思えば、さらなる予想外の新事実を次々と……弟って…婚約者って……。これ以上、人間関係を複雑にするなよ。オラ、ワクワクしてきたぜ!
 秋人は学校内でも自宅でも魅力的な女の子たちに囲まれて、賑やかだけれど気の休まる時間がないでしょうね。友達が少ないのは、彼の交友関係のレベルが高すぎて絡みづらいからじゃないかな。

 それに秋人も生徒会にいるだけあって十分変人だし。自覚のないバカップルとか、目の毒だわー。
 倒れた秋人を交代で看病することになり、慣れない看病に戸惑うアナスタシアの無表情クールなイメージと世間知らずな内面のギャップが相変わらず美味しいし、真面目で一生懸命だけれどもちょっと限度を越えてしまうギンや、妹としての絆の繋がりの深さを感じさせる秋子と、みんなそれぞれ可愛かった。

 結局は会長さんに花をもたせた形になったけれども、年上キャラだからか、秋人争奪戦よりも後輩たちの騒動を一段上の立場から見守るポジションに落ち着いてしまってる感があるんですよね。
 それはそれで大人の魅力ですが、ヒロインとしてはもっと可愛らしい姿をアピールして欲しかったところ。
 さて、そして最後に新ヒロインがハーレム入りktkr! 秋子との妹ポジション争いとなるのかな。

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2011年10月03日

僕は友達が少ない 7/平坂読

4840142211僕は友達が少ない7 DVD付き特装版
平坂 読 ブリキ
メディアファクトリー 2011-09-21

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学園祭に備えての活動を開始する隣人部のメンバーたち。紆余曲折の末、文化祭の出し物の内容は映画作りに決定し、脚本は夜空が担当することに。だが、やたらと小鷹との過去の関係を強調する夜空と他の女子部員たちとの間に不穏な空気が流れ始める。

 今を大切に生きること

 学校に友達のいない高校生の男女が部活動で友達作りを目指す残念系青春ラブコメディ。

 肉がメインヒロインすぎて夜空が生きているのが辛い。なーんか、徐々に夜空の株価が落ちてくよ?
 学園祭に向けて隣人部で映画を撮ろうということになり、脚本作りや配役決め、撮影に励む彼らだけど、次第にそれまであえて目を背けてきた肝心なことと向き合わざるを得なくなっていく姿が切なかった。
 今回は短編でありながら一貫したストーリーの中で、それぞれのヒロインが引き立ってました。

 夜空って実は隣人部の中でも一番精神的に不安定なキャラですよね。あの偉そうな態度も本当はの自信のなさの裏返しで、星奈に勝てるところといえば小鷹との幼なじみの立場ぐらいしかない。
 だから、それを強調したい気持ちもわからないでもないけれど、自分と小鷹を投影しようとするのはやりすぎでした。みんなで作ろうとしている映画ですし、そこは我儘を通して良いものではないですから。

 なので、星奈と小鷹の幼なじみ&婚約事実の発覚は、なにかと過去に拘る夜空には少しいい気味だと思ってしまった。過去にしがみついていないで、もっと今を大事に生きて欲しいな。
 実は人気者だった小鳩ですが、周りがああも特別扱いしてくると、逆に居心地悪いでしょうね。喧嘩するほど仲が良いといいますが、マリアとは自然体で遊べるから、いいストレス発散になってるんだろう。

 星奈は相変わらず肉でメインヒロインやった。残念は残念だが、夜空のようにジメジメとした陰鬱さとは真逆のカラッとしたおバカっぷりが可愛いんですよね。夜空も嫌いというわけではないんだけれども、僻みっぽい内面がジワジワと評価を下げていく・・・・・・。作者、夜空のこと嫌いなの?
 迷走する小鷹たちを見かねて本音を言ってしまった理科は読者の思いを代弁していた。

 本編は大きなターニングポイントを迎えましたかね。アニメ版も放送開始間近で、ゲームやフィギュアへと広がっていく『はがない』ワールドを期待してます。
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2011年09月30日

まよチキ! 9/あさのハジメ

4840142408まよチキ!9 (MF文庫J)
あさのハジメ 菊池政治
メディアファクトリー 2011-09-21

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涼月家を出た俺たち坂町兄妹は、マサムネの家に居候していた。相変わらず素直じゃないんだが、少しずつ紅羽とも打ち解けてきたようで、人当たりも柔らかくなった気がする。どこか家族のように温かな、ちょっと悪くない、つかの間の生活。だが、そんな居候デイズも突然の訪問者により終わりを迎える。

 本当の家族になりたくて

 女性に触れられると鼻血を噴いて失神する女性恐怖症の少年と男装執事少女の学園ラブコメディ。

 ジローは、どこに行っても犬小屋とペット暮らしが似合うメガネだなぁ。え、彼好きでやってるんでしょ?
 涼月家での使用人暮らしから開放され、マサムネの高級マンションで暮らすようになったジローですが、学園側に同居生活がバレてマサムネと付き合っていることになってしまって、涼月さんの悪ふざけに巻き込まれたりと、相変わらず周囲の状況に対する流されぶりがとどまるところを知らない。そろそろ懲りろ。

 マサムネとの同棲生活。さぞや美味しい展開が待ち構えているだろうと思いきや、男性恐怖症の治療と称して手を繋ぐのがやっとって、初々しいにも程がある。まあその潔癖さがマサムネの長所だけど。
 坂町兄妹との疑似家族生活で一家団欒の温もりを知って少しずつトゲが取れていく彼女が愛おしい。
 それでも未だに意地を張ってしまうんだけれども、デレているのが見え見えの姿に頬が緩みぱなし。

 ジローとスバルの関係の変化を目ざとく察知した涼月さんの今回の悪だくみはインパクトあった。
 常に過去の驚愕を覆していくデビル涼月さんマジラスボスやわぁ。ただ本音はスバルとジローのことを思っての行動だったんじゃないかな。途中まではジローたちを手玉に取っていた涼月でしたが、マサムネの思わぬ反撃は完全に予想外でした。丸くなってマサムネにも自分が見えてきたんでしょうね。

 誰もがお互いを思いやっているのに、少しずつすれ違って傷つけあってしまう姿はホントに辛い。
 これまで涼月にいいように弄られっぱなしだったマサムネがついに逆襲の機会を得て、ストーリーもそろそろ終盤を迎えてきたかな。ジローだけでなく、スバルや涼月までもが迷走状態にある中で、今後どのようにまとめてくれるのかが楽しみです。

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2011年09月29日

変態王子と笑わない猫。 4/さがら総

4840142076変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)
さがら総 カントク
メディアファクトリー 2011-09-21

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横寺陽人は頭の中身が煩悩まみれな高校一年生。ある日、陸上部の練習をサボって保育園に潜入したところ、鬼の仮面をつけた小さな女の子に見つかってしまい――? 1巻発売前のモバイル立ち読みで大きな反響を呼んだ「第0話」の加筆修正版のほか、計5編!『変態王子』初の短編集!

 その言葉で救えるもの

 願いを叶える"笑わない猫"の力に巻き込まれた少年少女たちが織り成す青春ラブコメディ。

◆第一話 月光ロストワールド
 練習が厳しいあまりに練習をサボって保育園に忍びこむとか、なにこの変態。お巡りさん、こいつです。
 最初の笑わない猫の事件よりもはるか前に、すでに月子と出会っていたことに気づいてないのか。
 いくら印象が変わってしまっても、声とか体格とかでわかりそうなものやが。髪型なんてまんまだし。
 いったいどこを見てるんだお前は・・・・・・って、乳とか、おへそとかですね、わかります。

◆第二話 沖縄ハッピーエンド
 横寺のいないところで友人相手に惚気るぺちゃぱいが可愛すぎる。
 まあカップル旅行のはずが、肝心の横寺にドタキャンされて女友達だけで来てるわけだが・・・・・・。
 友人に横寺との関係の進展を聞かれて、あることないこと妄想乙。妙に気合の入った水着姿が眩しくも一部分が哀愁を誘うな。いろいろあったけれども友人との友情を取り戻せたのは本当よかった。

◆第三話 教会シンドバット
 小学生の女の子の前でパンツ脱ぐとか、なにこの変態。お巡りさん、こいつです。
 ワガママで暴力的なエミに振り回されながらも、人付き合いが不器用で寂しがり屋な彼女の孤独を紛らわせる横寺が、いい近所のお兄ちゃんしていて素敵なエピソードでした。
 ちょっと情けなくてバカだけど、そんな彼だからこそエミも自然体で向きあうことができたんだろうなぁ。

◆第四話 陸上ダイヤモンド
 重度のシスコンだけれど、不意打ちのように女の子らしい一面をみせる鋼鉄さん、やりおる。
 仲の悪い横寺と副部長の関係を修復しようと、『鋼鉄の王』がレクリエーションを通じてダイヤモンドのような結束を築こうとするんだけれども、余計に関係をこじらせてややこしくなっているのが可笑しい。
 下着渡しフェチってなんやのん。この高校の陸上部は、どいつもこいつも変態ばかりか。

◆第五話 幻想メリーゴーウンド
 遊園地で女の子とデートとか、都市伝説ですし。それにしてもストレートにデートに誘ったなぁ。
 おめかしモードでデートプランも準備万端な小豆梓のデレっぷりがぱない。ひょっこりライバルが現れても、本妻の余裕を感じさせる・・・・・・これはもう完全に小豆梓ルート入りましたかね。
 関係の長さは果たして劣勢を覆すことができるのか、そもそも関係の長さという点ではエミの方がげふんげふん。
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2011年09月28日

いもうとがかり/月見草平

4840142386いもうとがかり (MF文庫J)
月見草平 pun2
メディアファクトリー 2011-09-21

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僕、天乃翔太は理系タイプ。どんなことでも科学的に考える超理論派。そんな僕はこれから好きな人に告白をする。相手は同級生で成績優秀・容姿端麗の一片愛さん。玉砕覚悟で想いを伝えると……。「つきあってもいいぞ、木星人の私でよければな」――告白する相手を間違えたorz。

 電波女と現実男

 電波な妹の世話をする“いもうとがかり”になってしまった理系少年のトライアングル学園ラブコメ。

 電波でも可愛い女の子に慕われてなにが不満なんですかー!!!むしろポイント高いだろ電波(キリッ
 自分を木星人だと自称する少女・恋に人違いで告白してしまい、付き合うことになった理屈屋の主人公・翔太が、電波な彼女と交際を深めるうちに自分の気持ちに素直になっていく姿に心和みました。
 妄想設定を垂れ流す恋を論破しようとして逆にやりこめられる翔太がなんとも滑稽で笑いを誘う。

 ちょっとばかり電波が激しく、自分を木星人と主張して譲らない恋ですが、それ以外のことはしっかり言い聞かせれば素直に聞くし、時折、普通の女の子らしい感性も覗かせる一面が可愛いいです。
 地球人の生態調査と称して、翔太とのデートをねだったり、愛情表現を迫ってくるなど、恋人になったばかりの翔太を一途に慕って、次第に心を許していく彼女が愛らしくてたまらんです。

 一方、すぐに誤解を解けばいいものを、体裁が悪いからといつまでも言い出さない翔太が不誠実で、理屈屋っぽいキャラや、何かと確率確率言い出す言動がイチイチ気に障るんだけど、彼もどこかで道を外れて、夢を見失ってしまった存在だとわかってくると、ちょっと哀れな奴かなと思えてくる。
 結局は彼女を傷つけてしまったけれど、関係を正しくやり直すためには避けて通れなかったのだろうなぁ。

 恋と付き合うことで、夢に向かって駆けずり回っていた過去の自分を取り戻していく過程は、読んでいて自分自身の子供の頃を思い出して懐かしさにしみじみ胸を打たれますね。
 現実と常識に囚われている主人公と空想と妄想に捕らわれているヒロインの二人がうまく中和しあって、お互いにいい方向に変わっていくのが清々しかったです。さて、次回は姉のデレがくるか?
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2011年08月27日

アキハバラヴァンパイアナイト/七位連一

4840142068アキハバラヴァンパイアナイト (MF文庫J)
七位連一 Anmi
メディアファクトリー 2011-08-24

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半吸血鬼だが特別な力のないカズマの部屋に、突然吸血鬼の兄妹が押しかけてくる。日本が吸血鬼たちの居住地として適しているか調査する斥候員だという。そのわりにアニメやマンガに興味津々な様子の二人は、カズマの幼馴染で真性オタ娘の雫と意気投合してしまい。

 アキバの夜は、萌えているか

 アキバオタクな吸血鬼兄妹と同居生活を過ごすことになった少年の泥沼非日常生活ラブコメ。

 誇り高き吸血鬼と萌えアキバ文化の異色のコラボ。よりによってどうしてこの二つを混ぜたし・・・・・・。
 ドイツからホームステイにやってきた吸血鬼の兄妹を預かることになった主人公・カズマ。ところが、幼馴染の少女・雫はヴァチカン公認の魔物ハンター。お互いに真性のオタク同士で打ち解けあうも、狩る者と狩られる者との間で秘密を抱えて板挟みになるカズマの狼狽えぶりが可笑しかったです。

 吸血鬼の兄・クルスが重度のオタク。マンガやアニメ、メイド喫茶まではともかく、虎穴の18禁コーナーで荒ぶるな!w しかし、ここまでアキバを満喫してくれると、それはそれで見ていて気持ちいい。
 妹のクレアも表面では無関心を装っているが、兄よりも知識量がディープな隠れオタク(コスプレ系)なのは間違いなくて、自分をオタ娘と認めたがらないちょっと照れ屋なところがとっても可愛い。

 カズマ本人はオタクではないものの、パワフルな兄妹たちに流されてアキバを連れ回され、目当ての宝物へと暴走していく二人が巻き起こす騒動のフォローで散々な目に合うのですが、次第にそれが吸血鬼の兄妹との友情を深める楽しい思い出となっていく光景には心が温まりました。
 アキバの名所はひと通りコンプリートしてましたが、西口方面だけで満足してもらっては困りますぜ。

 コミカルな描写に多くを割くのはいいのですが、ラブ要素やアクションもあっさりしすぎかなという印象。
 前半と後半の落差が極端。吸血鬼モノというとラノベの王道と言っても過言ではないジャンルですが、そこにアキバ文化を混ぜたら吸血鬼とか、どうでもよくなる謎の現象が発生している。
 アクションはいらないので、もし続編が出るなら、もうちょっとラブ寄せに期待したいところ。

 ときに現実主義的な読者は、雫みたいな女子高生なんていねーよ!ともーじゃん?
 残念だが、美少女現役女子高生公認エクソシストは実在している!!!!

 現役女子高生による「美少女ぞろいの悪魔払いチーム」が世界で大活躍

 バチカン市国ハジマタ! あとはドイツ政府が吸血鬼の存在を認めるだけだな!

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2011年08月26日

疾走れ、撃て! 6/神野オキナ

4840139717疾走れ、撃て!6 (MF文庫J)
神野オキナ refeia
メディアファクトリー 2011-08-24

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ダイダラの大規模発生の予兆を察知した軍上層部は、小隊に対して特別任務を与えることを決断する。激戦の予感に怯える理宇たちの予想に反して、与えられた任務は前線ではなく、国民的アイドル「リヴァーナ」の護衛任務だった!!

 戦場に立つアイドル

 異次元から現れる怪物に魔法の戦車に乗って戦う少年少女の軍隊青春ラブコメ。

 スーパーロボットは男のロマンですよ。という、これまでとは趣の異なる世界に突入していったな。
 国民的アイドル・リヴァーナの護衛任務を与えられ、喜び勇む紫神小隊でしたが、敵であるダイダラのまたも予想外の行動で窮地に陥り、次第に追い詰められていく緊迫した展開にハラハラさせられました。
 徐々に『万能の杖』としての理宇の秘密も明かされて、ダイダラたちの謎にも迫っていきますね。

 ツンデレ委員長の五巳さん回でしたね。理宇に頼りにされて胸をドキドキさせたり、憧れのリヴァーナに親しげにされ感極まって嬉し泣きしてしまったり、いつも厳しい彼女の隠れた人間味が感じられた。
 アイドルの存在に浮かれるのは五巳さんだけでなく小隊メンバーも同様で、いまではすっかり軍隊生活が身に染まってきた彼らも、やっぱり年相応の若者たちなんだなぁと、ちょっとホッとしますね。

 はしゃいでるばかりもいられずに再び前線へと赴くんだけれど、生態を変化させたダイダラたちがまたしても予想不能な攻撃に打って出てきて、ダイダラたちに包囲され前線で孤立していく理宇と、リヴァーナを守って逃走劇を繰り広げる五巳さんの双方の場面での大ピンチに手に汗握りました。
 助けも期待できない状況で、それでも己の成すべき責務を投げ出さない彼らの姿が胸につまる。

 絶体絶命の理宇を土壇場で救った新兵器のびっくりどっきりメカは、流れとしてはいいんですけど・・・・・・これまでの話の方向性が変わってきちゃうなぁ。スーパーロボット無双はあんまり望んでなかった。
 戦闘パートもいいんですけが、理宇、ミヅキ、虎紅らの恋愛模様はまったく進展しなかったなぁ。理宇が次第に物事に動じなくなってきている・・・・・・理宇さんパネェ。次回でそろそろ終わりが見えてくるかな?

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2011年08月25日

この部室は帰宅しない部が占拠しました。2/おかざき登

4840140006この部室は帰宅しない部が占拠しました。 2 (MF文庫 J お 8-10)
おかざき登 ぺこ
メディアファクトリー 2011-08-24

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設立に反対する生徒会長との戦いに勝利した帰宅しない部の面々は、いつの間にか日常へと化していた学校での生活を、平和に過ごしていた。しかし、彼らの前にどこか守ってあげたくなるような、超絶美少女が現れ……?「兄様、今日は帰ってきて欲しいですの」「うん、わかった」

 帰宅しない部の帰宅

 自宅に帰宅せずに部室で暮らす「帰宅しない部」を巡る学園ラブコメディ。

 帰宅しない部なのに、帰宅していいのか? 可愛い妹にせがまれたらそれも仕方ない、ですよねー!
 夕也の妹・耶宵が旅先から戻り、愛すべき妹を一人で家に置いておくわけにもいかず、自宅に戻らなくてはいけなくなった夕也ですが、妹にばかりかまける彼に他の女性陣たちがあの手この手で気をひこうと積極的にアプローチを仕掛けるラブコメ光景にニヤニヤ笑いが止まらない。

 新キャラの耶宵は予想通りの小悪魔系で、兄の夕也のみならず世の男共をその『超妹力』で骨抜きにして手玉にとる腹黒ぶりがたまりません。巨乳なことといい、琴音と同じ血を引いているなぁ。
 こんな妹がいたら夕也も洗脳されてシスコンになるなと納得したが、耶宵のほうも相当なブラコンで兄の周囲に近寄るようになった女の子たちとガチ張り合う姿が、なかなかにいじらしい。

 帰宅しない部の活動を休止して自宅に帰ってしまった夕也を追いかけ、恋子、ゆすら、琴音の三人娘まで家に乗り込んできて、妹から彼を引き離そうと誘惑して迫ってくるから面白いんだ。
 結局、誘惑が成功したかというと、逆に女性陣の方が、夕也の作る美味しい料理の虜になって彼のことを惚れ直すという始末で、これ普通にハーレムの場所が変わっただけじゃないか、リア充爆発しろ。

 周囲が危惧した妹の呪縛も夕也本人の決断で解くことができたわけですが、謎の保健委員の存在はとくにいらなかったな。出すなら出すで、もうちょっと前から出しておけ。非常に後付け感が・・・・・・。
 最後はまた部室に戻ってきたけど、何をしたいのか未だにテーマがブレてるな。夜の学校の平和を守りたいのか、変人たちが集まれる居場所を作りたいのか。次回はその辺をキチンと明確にして欲しい。

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2011年07月30日

緋弾のアリア ]/赤松中学

4840139695緋弾のアリア ] (MF文庫J)
赤松中学 こぶいち
メディアファクトリー 2011-07-22

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ジーサード、ジーフォースと名乗る二人組が現れる。彼らの手によって壊滅させられたバスカービルのメンバーを救うため、現場に向かったキンジは、ジーフォースに「お兄ちゃん!」と迫られる。彼女はキンジの部屋にまで押しかけてきて……?

 妹が**デレなんですけど!

 武装する探偵、『武偵』の卵の少年少女たちが凶悪犯に立ち向かう学園アクション&ラブコメディ。

 新しいヒロインは、妹・・・だと・・・!? それ何てエロゲ?と思ったら、**だった・・・なにこれ怖い。
 バスカービルのメンバーを単独で圧倒した謎の少女・ジーフォースに「お兄ちゃん」と懐かれてしまい、激怒する女子陣との狭間で振り回されるキンジのヘタレっぷりが相変わらずで可笑しかった。
 一巻ごとにハーレム要員が増えていく状況に次第に疑問に思わなくなってきた自分がいて困る。

 最先端の科学兵器を装備したジーフォースをこちらの陣営に引き入れるため、キンジの天然タラシスキルが光る。むしろヒステリアモード時の戦闘力よりも、そっちの能力の方が脅威ですよね。
 当然、自分たちを倒したジーフォースに優しくするキンジにヒロインたちが黙ってるわけはなくて、女にだらしないキンジに激怒しつつも、自分の気持ちを一生懸命に伝えたアリアが可愛かった。

 押しかけ妹のジーフォースも、キンジとアリアたちを引き離した手口こそは強引だったけど、キンジに妹として認めてもらおうと健気にかいがいしく家事をこなす姿は、なんというか実にいいものですね!
 キンジも彼女の特殊な境遇に同情し、お互いに信頼を築いていけるかと思いきや、そんな甘い考えで済むレベルじゃなかったぜ!これも普段の行いが招いた結果というか、いつも味わってる幸福との等価交換かな。

 相手の自滅でしたが、うまく話も纏まったのに最後に面倒な後始末が残ってましたね。
 さすが表紙、やってくれたぜ。白雪を呼び出したあたりからもう嫌な予感しかしていなかったけど。
 というか肝心の師団と眷属の戦いはどうなったんや・・・身内で無駄な争いをしてていいんだろうか。
 世界の覇権を巡る戦いよりも、乙女たちには恋のバトルのほうが一大事か。戦いの趨勢は如何に?

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2011年07月29日

星刻の竜騎士 X/瑞智士記

484013975X星刻の竜騎士 X (MF文庫J)
瑞智士記 〆鯖コハダ
メディアファクトリー 2011-07-22

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学院長に赴任したシルヴィアの姉・ミラベルの命令により、アッシュとエーコはシルヴィアの部屋に同居することになる。ひとときの平穏な日々を過ごすアッシュ。だが、ナヴィーからのメッセージを受けて、アッシュたちはマザー・ドラゴンに会いにアルビオンの森に向かうことに

 恋する夏の大三角形

 人間の女の子の姿をした竜とそのご主人様になってしまった竜騎士見習いの学園ファンタジー。

 あからさまに触手プレイが強引すぎるが、触手なんて飾りです偉い人にはそれがわからんのです。
 夏休みの間、シルヴィアの部屋に間借りすることになったアッシュとエーコ。お互いに距離感の近い共同生活に二人の少女の間でアッシュの心も揺れ、三角関係の様相を呈して、ますますヒートアップしていく恋模様から目が離せません。ヒロインがどっちも可愛すぎて身悶える。

 いやぁ、前巻の騒動でアッシュへの好意を自覚し始めたエーコとシルヴィアの猛攻勢にやられました。
 ほかの女の子よりも、自分だけを見て欲しい、けれども素直になれない乙女心がなんともいじらしい。
 デレ期をこじらせて急にしおらしい態度をとるようになったエーコとシルヴィアのギャップに戸惑うアッシュもいままで以上に二人を意識して、そんな彼らが共同生活をしてるんだから面白くないわけがない。

 シルヴィアにとっては初恋の男の子がアッシュではないかという疑惑もあって落ち着かず、エーコも人間と竜族の種族の差について悩んでいたり、普段よりもいくらか情緒不安定なのが不安材料だったんだけれど、マザードラゴンと対面したアッシュがエーコの出生の秘密やシルヴィアとの出会いの記憶を取り戻して彼女たちの憂いの原因を晴らしてくれたのがよかったかな。

 今回はキスに始まりキスに終わった。ドラゴンに乗ってのバトルこそは無かったけどいいラブ寄せ。
 ここにいないヒロインは脱落だろうか。やっぱりシルヴィアとエーコの一騎打ちになったなぁ。
 個人的にはシルヴィア王女さまが好みなので応援したいけど、エーコと子作りしないと竜族が絶滅してしまうのも問題だな。もう二股エンドかハーレムエンドでいい気がしてきたんだけどダメですかね?

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2011年06月25日

彼女に耳としっぽがついてる理由を説明できない。/三上康明

484013944X彼女に耳としっぽがついてる理由を説明できない。 (MF文庫J)
三上康明 Nardack
メディアファクトリー 2011-06-23

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「この娘を、頼む」そう言って、黄金色の髪を持つ少女は俺の目の前に倒れ伏した。―素っ裸、で。俺、草壁悠人はごく平凡な高校生だ。神社の息子であり、年間300匹以上のネコがここに捨てられて来るってこと以外は。眼を覚ました彼女を問い質すも、全く要領を得ない。

 俺の居候と幼馴染と妹が修羅場すぎる

 記憶喪失の猫耳少女を拾ってしまった神社の息子がおくる奇想天外なケモノミミラブコメ。

 タイトルが長い、そして「○○ない」で終わる。わかってて狙ってやってるとしか思えんぞ。
 実家の拝殿で記憶喪失の猫耳少女・ゆみなを拾った主人公・悠人が、彼女の記憶を取り戻す謎のキーワード『かみつき』を探す過程で巻き起こるドタバタラブコメっぷりがなかなか愉快でした。
 ラブコメの王道で、テーマもハッキリしてるんだけど、ありふれている感は否めないかも……。

 学校ではヤンデレな幼馴染みに振り回され、家に帰れば無愛想な妹様の世話に追われ、それ以外は捨て猫の里親探しとアクティビティにお人好しぶりを振りまく悠人には好感が持てました。
 記憶も行く当てもなく悠人の家に居候し始めた猫耳少女と幼馴染と妹が彼を巡って修羅場る光景に2828できた。そうした三人の仲が悪い理由に肝心の悠人だけが気づいていないのもお約束だけど。

 それでメインヒロインは猫耳少女のゆみななわけだが、ぶっちゃけこのメインヒロインいらなくね?
 理由としては活躍らしい活躍をしてないんだよなぁ。真っ先に突っ走るくせにまるで役立たずだし。
 むしろ気まぐれで悠人に迷惑ばかりかけているくせに、反省して恥じるどころか調子に乗るし、可愛げが感じられないのはどうかと。まあ猫っぽいキャラではあるんだけど、ヒロインとしては魅力がない。

 この結果だと、ケモノミミ+しっぽつきヒロインのハーレムを築く展開しかみえてきませんね。
 ラブコメ大量産中のMF文庫でそれだけだと持ち味としては弱いんではないかな……。獣耳ラブコメの某シリーズの後釜を狙っているのかもしれないが、全体的にウリとなるものがちょっと物足りない。
 とりあえず、イラストは神がかってますし。どこが悪いとも言えないけど、どこが良いとも言えなかった。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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