豚は飛んでもただの豚? (MF文庫J) 涼木行 白身魚 メディアファクトリー 2011-12-21 by G-Tools |
春から高校生になる真宮逢人は、バイト先から逃走する食い逃げ犯を追いかけていた。逃げられそうになったところを、ポニーテールの美少女・藤室綾に助けられる。入学式当日、綾のことをなぜか忘れられずにいた真宮の目の前には、見覚えのあるポニーテールが揺れていて、思わぬ再会を果たす。
春は出会いと恋と青春の季節
元不良の少年と美少女三姉妹が織り成す青春×初恋×ぽんこつストーリー。
中学時代、バイトとケンカに明け暮れていた元不良の主人公・真宮が、高校に入学し三つ子の美少女姉妹と親しくなり、初めて出来た異性の友人と初めての恋心に揺れる姿が初々しかったです。
純朴な少年とそれぞれタイプの異なる三つ子のヒロインたちが交流を深めていき、その過程でいままで知らなかった感情を抱いて思い苦しむ光景が直球ストレートな青春もので素晴らしかった。
男勝りな長女の稜、大人しい次女の雲雀、活発な三女の瑞姫と三者三様の三姉妹が魅力的でした。
無愛想で負けず嫌いではあるが、根は純朴な少年である真宮が、次第にヒロインたちと仲良くなるにつれ、慣れない異性との人付き合いに困惑したり、初めて抱いた恋愛感情に戸惑う姿が甘酸っぱくもあり、なんとも若さに弾けていて瑞々しい。硬派なようでちょっとヘタレたところもあるのが好印象だった。
真宮の本命はクラスメイトの長女の稜なんだけれども、ナンパされていたところを助けたことで次女の雲雀からは頼りにされ、バイト仲間である三女の瑞姫とは一番気軽に話せて一緒にいる時間が長くと、本命以外のそれぞれの姉妹とも親密度を深めていく過程がにやにや。三人とも可愛いくていい子だから悩ましい。
稜に仲を誤解され、ぎくしゃくしてしまった真宮と瑞姫だけれど、幸い元の関係に戻れてよかった。
ただこのタイトルだと指している主人公は風太郎になっちゃうよな。え、まさか真宮はモブキャラ?
それとライトノベルとしては真っ当な青春ストーリーすぎて、インパクトやユーモアが足りてないような気がしてならないのは私がラノベ的展開に毒されているからだろうか。いや、完成度は高いんですが、あまりに清純派すぎて綺麗すぎて逆に落ち着かないこのもどかしさ・・・今回はあくまでキャラ紹介のようなので次回に期待。