ダフロン

2011年07月22日

寄生彼女サナ/砂義出雲

4094512810寄生彼女サナ (ガガガ文庫)
砂義 出雲 瑠奈璃亜
小学館 2011-07-20

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平凡な高校生の僕の腹から、突然全裸で飛び出してきた謎の美少女・サナ。その少女は寄生虫が進化した生命体「パラシスタンス」で、僕から栄養をもらう代わりに、僕を守ってくれるらしい……。さらに、僕の「彼女」にもなってくれるって!? いや、可愛いんだけど、寄生虫の彼女なんて、ぶっちゃけありえないって!

 寄生虫と恋しよ

 腹から現れた寄生虫の美少女の宿主になってしまった高校生のキセイ系ラブコメ。

 よりにもよって寄生虫のヒロイン擬人化か・・・・・・これまた"キセイ"概念をぶち破った設定である。
 寄生虫が進化した「パラシスタンス」の美少女・サナに寄生された主人公・唐人が、騒動を巻き起こすサナに振り回されつつ、避けていた人との付き合いを取り戻していく姿が微笑ましかった。
 寄生虫という言葉から受けるイメージほどグロくなく、むしろ微エロいラブコメでした。

 宿主である唐人に献身的だが人間社会の常識に疎く、危険から唐人を守るという名目の元に突っ走ってドタバタを繰り広げるサナが騒がしくもありつつ、素直で健気なところが可愛かった。
 宿主と寄生虫という関係であるから一緒にいなくてはならない二人だけど、そんな事情を知らない周囲の人々から見ると人目をはばからずイチャイチャしているバカップルにしか見えないのがポイント。

 誰かに寄生しないと生きていけないサナと、誰にも迷惑をかけずに一人で生きていきたい唐人との対比も物語の見所だと思うのだけれども、唐人側の悩みが漠然としていてイマイチ共感しにくいかな。
 「パラシスタンス」が宿主に与える悪影響は確かに気がかりだけれど、見方を変えれば、宿主がやりすぎたときに唯一それに対抗できるパラシスタンスは宿主の最後の良心になれるんじゃないのかな。

 最初はヒロインが寄生虫ってどうよ?と思ったけど、ゲル状や不定形の邪神系ヒロインがアリなら、寄生虫のヒロインもアリだな。むしろサナにライバル心を燃やす従妹が痴女すぎてこれはないわー。
 ちなみに細かい事を言うようだけど、どうやって唐人のお腹の中にいる本体から分体に栄養を送ってるのかとか、それそも寄生虫に雄雌ってあるのかな・・・・・・はいはい、こまけーこと気にすんなですね。

 そのうち『萌え萌え寄生虫図鑑』とか、萌え系教材が出る日も近い。
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2011年07月20日

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。/渡航

4094512861やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)
渡 航 ぽんかんG
小学館 2011-07-20

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美少女ふたりと部活をしても、ラブコメ展開にはちっともならない。携帯アドレス 交換しても、メールの返事が返ってこない。とっても可愛いあのコは男子。個性と いう名の残念さをそれぞれ抱え、相変わらずリア充の欠片もない0点の学校生活を送る奉仕部の部員たち

 ぼっち魂はゆらがない

 ひょんなことから美少女と部活動をすることになったヒネクレ高校生の一風変わった青春ラブコメ。

 どんだけ地雷を仕掛けてんだよ! 我らぼっちメンにはこのラブコメは超エキサイティンすぎるぜよ!
 ぼっちでも充実した青春ライフを満喫する八幡が、またしても奉仕部に持ち込まれてくる奇妙な依頼を受けて古傷を抉られまくり、人間としての残念っぷりを暴露していく姿がとても可笑しかった。
 笑いつつも過去に埋めて忘れたはずのトラウマを踏んで起爆させて泣いてる俺ガイル…〜< ´;ω;`>

 格好良くもないのにクールぶって、ところどころで非常に変態な八幡がどうしようもなく痛キモい。
 ヒネクレてるけれども基本はいい奴なんだよなぁ。少なくとも友達面して裏で悪口を言っているような薄っぺらい友情しかないリア充のクラスメイトよりは人として信用できるんじゃないかと思った。
 多少は見直してもすぐにダメ人間なところが露呈するので株価は決して上がったりはしないのだが。

 八幡は人間関係に過敏すぎるんでしょうね。空気が読めないんじゃなくて、逆に空気を読み過ぎて、自分のせいで周囲が居心地の悪い雰囲気になるのを恐すぎてしまってるんじゃないのかと。
 そんな八幡だからこそ悩める依頼人たちのコミュニケーションの問題点に気づくことができたんでしょう。なんとも八幡GJでした。一方、雪ノ下と由比ヶ浜は百合ってるだけで活躍なかったような。メイド要員か。

 そして最後にリア充フラグが立ってるのに、それを理解してあえてヘシ折る八幡さんカッケー!
 何があっても弱者とは決して馴れ合わない、ぼっちとしてのプライドを見た。まさにぼっちの鑑だな。
 だが、このままだと彩加ルートに入っていきそうな気がする。彩加くんメインヒロインすぎワロタ。
 八幡に懐く妹も可愛かったですが、雪ノ下の家庭事情は複雑のようで、次回はそちらに絡むかな?

 ところで、なんでまたこの作品の帯の推薦文は、他レーベルの作家からもらってきてるんだろう。ぼっち作家繋がりなのか? 自分で言っててなんだその矛盾した言葉は。
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2011年06月21日

GJ部 6/新木伸

4094512780GJ部(グッジョぶ)6 (ガガガ文庫)
新木 伸 あるや
小学館 2011-06-17

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カンカンな太陽と、清涼なこかげ。四ノ宮京夜が過ごすのは、個性的な五人の彼女たちとの、ゆるふわな時間。二年目は節電の夏?燃やせGJ部魂。「ケーキの日」以外も、部室でゴロゴロしていくようになったタマ。見習い部員の彼女と同格かと思われていた京夜は、どうやら正部員になっていたようで

 GJ部魂で夏をのりきれ!

 個性豊かな5人の美少女たちとのゆるふわなひとときを描いた萌え四コマ的コメディ。

 ついにシスターズが本編に合流! 妹分増量で熱い夏がさらにヒートアップ!
 季節は夏、新入部員のタマもGJ部のペースにすっかり馴れて、むしろキョロ以上に馴染みすぎているのが可笑しくって、いつも通りだけど、ちょっと変化もある部室の光景が微笑ましかった。
 お菓子のように甘い女の子たちとのトークがサクサクとした読み応えで美味しゅうございました。

 恒例のキョロ弄りでは正座して順番に美少女に叱られるとか、それは我々の業界ではご褒美だわぁ。
 そしてタマには先輩として扱われてませんね、うちの親戚の飼い猫もよく人の膝に乗ってくるわー。
 部長は可愛いし、紫苑さんはカワイイ生き物だし、恵ちゃんはマジ天使だし、綺羅々はオモロイし、リア充なのにその幸せに無自覚なキョロが憎い!その点トッポってすげぇよな!最後までチョコたっぷりだもん!

 名前だけ出ていた人たちもチラホラと部室に遊びに来たり、ガマン大会や節電でGJ部らしく暑い夏の暑さを楽しんだり、何もなくても何かしら楽しみを見つける彼らの姿に和まされる。
 まーちゃん設定はいいのかそれで、高三だろ部長。というか、中一にして漸化式を解くキョロ妹天才か!
 そしてGJ部+シスターズたちとプールに出かけるキョロ……リア充ばくはつしろー!

 キョロも女の子たちに弄ばれるだけでなく、ときたま男らしい姿を見せて女の子たちをドキドキさせるところもあったり、キョロと女子陣の距離感もちょこっとずつ変化していっているのが香ばしい。
 そういえば、さらりと部長がキョロの家に上がりこんでいたが、そろそろGJ部ガールズのお家訪問というのもある時期かな。お屋敷だったり、テントだったり、神社だったりそれだけでもユニークだし。

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2011年05月24日

装甲のジェーンドゥ!/永福一成

4094512721装甲のジェーンドゥ! (ガガガ文庫)
永福 一成 希
小学館 2011-05-18

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「電離層大厄災」というカタストロフに見舞われ、精密機器や通信機器が使えなくなってしまった近未来。人体を流れる微弱電流で稼働するアーマード・スーツが開発され、さらにそのスーツで戦う地下格闘興行が密かな人気を集めていた。

bashingtag.jpg


 アーマードスーツを着て地下格闘技場で戦う女子高生の近未来学園ラブコメ&スーツバトル。

 女子高生が発勁の達人でアーマードスーツを着て地下プロレスって……とてもB級映画臭がした。
 両親を亡くし後見人の元に身を寄せる主人公の結々子が、生活費を稼ぐためにパワードスーツを着て闘う地下格闘興業に参加し勝ち進んでいくんですが、設定としてやや苦しいものを感じました。
 ぶっちゃけ、女子高生が氣とか発勁の使い手ってだけで、あまりの現実味の無さに苦笑してしまった。

 幼い頃より父親から武術を仕込まれ、体力はないものの運動神経はいいという設定の結々子ですが、自分の足につまずいて転んでいるような、普段のドジっこぶりは体力の有る無しでは違和感あるなぁ。
 スーツを着た途端に動きがよくなるけど、機械的アシストがあろうがなかろうが本来の体捌き、足捌きは変わらないだろ。あと格闘技の達人ほど動きに無駄がなくなり体力を使わなくなるものなのに、どんだけ日常生活で無駄が多いんだよ。

 っていうか、カタストロフなSF世界観は別に無くてもよかったような。戦闘機や戦車が時代遅れで、パワードスーツが次世代の兵器として有力視されてるのは現実も同じですし。
 同棲している三郎とも、他人行儀すぎてお互いに壁があって、これはラブコメって言えるのかな。もっとプライベートでイチャイチャしているような描写があれば色気も出るんだが、素っ気なさすぎです。

 いろいろ惜しいな、というのは、やっぱり主人公があっさりと勝ちすぎて緊張感がないところ。地下興業のバトルにしてもお金目当てのドライ思考なので、読者のモチベーショもイマイチ盛り上がりに欠ける。
 根本的には女子高生がアーマードスーツを着て闘うとか、非現実な状況を読者に納得させる行動原理が薄い。お金が無かったらコンビニでバイトすればいいんじゃね。なんで地下プロレスなんてブラックな職業に発想が飛躍するんですか・・・・・・。
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2011年05月23日

ハレの日は学校を休みたい!/陸凡鳥

409451273Xハレの日は学校を休みたい! (ガガガ文庫)
陸 凡鳥 切符
小学館 2011-05-18

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響川晴は学園祭嫌いな高校生。生徒会に届いた「学園祭を中止しろ」という脅迫状の容疑者にされ、学園祭実行委員にして軍人コスプレとかしちゃってる詩ノ森ミアと犯人探しをすることに。真犯人を捕まえられたらミアと生徒会長タチアナのおっぱいを好きにしていいが、捕まえられなければ退学。

 祭りは始まる前までが楽しい

 すべての学園祭嫌いに贈る、ほんの少し学園祭が好きになるかもしれない青春ラブコメ。

 またそうやってぼっち系読者のトラウマを抉る……こういうのマジやめてクダサイオネガイシマスorz
 生徒会に送られた脅迫状の容疑をかけられた反学園祭活動家の主人公・晴が、自分の無実を証明するためヒロインのミアと共に騒動を起こしつつも、悩める人々のために奔走する姿が愉快でした。
 最近、流行りの残念系青春ラブコメというやつで、キャラクターがどいつもこいつも残念で面白かった。

 脅迫状を送りつけた真犯人を見つけなければ退学ということで、妙にやる気なミアとしぶしぶ犯人探しに乗り出す晴ですが、晴以外の学園祭準備をボイコットしている容疑者候補を調査していくうちに、彼らの他人には言えない悩みや秘密を知ってしまい、ついついお節介から口を出したり、手を貸してしまったりと、お調子者の変態のようでなかなかに熱い男気を持った主人公だった。

 「学園祭なんてなくなればいい」といいながら、結果的にその嫌いな学園祭を実行する手助けをしてしまうところが可笑しい。本当は晴も誰かと楽しく学園祭を過ごしたいのに意地を張ってるだけなんじゃ?と思いきや、実は学園祭に参加できない重い事情があってという意外な展開には唸らされた。
 本当なら恨んでもいいはずだったミアを助けるためにトラウマを乗り越えた晴が格好良かったです。

 いやぁ、キャラクター同士の掛け合いもユーモアありましたし、合言葉が「POW!」なのには笑ったわ。
 基本ギャグコメとラブコメで、完全にエンターテイメントとして読者を楽しませようとして書かれているので気軽に読みやすいし、学生時代に学園祭ボイコット組だった読者なんかは共感とトラウマ呼ぶうわあああああああああああ!!! 同作者のシリーズの中では一番好きでした。次回作もこのノリでよろ。

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2011年05月22日

キミとは致命的なズレがある/赤月カケヤ

4094512691キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)
赤月 カケヤ 晩杯あきら
小学館 2011-05-18

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海里克也は保健室で目を覚ました。なぜここにいるのか?保健医の鏡司によると、階段で転んで気を失っていたらしい。……覚えていない。十歳のとき、大きな事故で両親と記憶を失ってしまった克也には、ここ数年の記憶しかない。また記憶が消えてしまったのだろうか。

 門の向こう側の世界

 幼い頃に記憶を無くした少年が、不幸の手紙から己の過去と向きあうサイコサスペンス。

 ここに精神病棟を建てよう、とでもいいたげな、これぞガガガ文庫とでもいうべき、病みっぷり。
 過去に殺人事件の重要参考人とされながら当時の記憶を無くしている主人公・克也が、不可思議な不幸の手紙をきっかけに、過去の自分と向きあい、徐々に明かされていく真実に背筋に寒気が走った。
 作中の登場人物の意識や認識がズレる感覚がなんとも言えない気持ち悪さでもにょる。

 どこからともなく克也の手元に届く奇妙な不幸の手紙を気にかけつつ、表面通りは普通の学生として仲の良い友人たちと何気ない日常をおくるのだけれども、やがて失った記憶のフラッシュバックが頻繁に起こるようになり、さらに克也の周囲で不審者の影がちらついてきてと、ストーリーが進むにつれて次第に忍び寄る平穏の崩壊の気配に不安感を掻き立てられる。

 育ての養父から、自身が未解決の殺人事件の容疑者とされていたことを聞き出し、今の自分は仮りそめの人格で、本当の自分は殺人鬼なのではないかと悩み悶える姿はなんとも痛ましい。
 ですが、自分への疑いをもったまま逃避するのではなく、現実の過去と向き合い、記憶を取り戻す決意を定めたのはよかったです。明かされた真実は……凄惨の一言。

 まあミステリの要素は叙述トリックで示唆されていることを含めて、概ね予想通りで驚きはしなかったのですが、主人公もヒロインもいい狂いっぷりだった。ただ読んで欝になるので続きはごめんなさいしたくなった。
 しかし、昨日の『屋上』といい、よくガガガはこんな作品を拾い上げたな、と思ったらゲスト審査員に麻枝准がいた。ある意味納得である。他のレーベルと致命的なズレがあるような気はしないでもない。
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2011年05月21日

こうして彼は屋上を燃やすことにした/カミツキレイニー

4094512705こうして彼は屋上を燃やすことにした (ガガガ文庫)
カミツキレイニー 文倉 十
小学館 2011-05-18

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彼氏にフラれた私・三浦加奈は、死のうと決意して屋上へ向かう。けれどそこで「カカシ」と名乗る不思議な少女、毒舌の「ブリキ」、ニコニコ顔の「ライオン」と出会う。ライオンは言う。「どうせ死ぬなら、復讐してからにしませんか?」そうして私は「ドロシー」になった。

 つらいときにはソラを見上げて

 屋上に集まった自殺志願の男女4人組が織り成す心に残る青春ジュブナイル。

 こんなことで・・・と思うようなことで思い詰めて悩める純粋さ。それが若さで、青春なのだよなぁ。
 自殺をしようと学校の屋上に登った主人公・加奈が、そこで同じく死のうとしている三人と出会い、一風変わった彼らの悩みと向き合っていくうちに、加奈自身も立ち直っていく姿に心が洗われた
 ストーリー自体はシリアスで重いんだけど、若者たちの苦悩や葛藤が盛大に炸裂していた。

 自分達を苦しめた相手に復讐を果たすまでの屋上の仲間となった加奈、ライオン、カカシ、ブリキの三人ですが、それぞれが別の事情を抱え、心に傷を負っているのが痛々しくて読むのが辛かった。
 彼らと付き合っていくうちにそれぞれの苦しみを知って、救いの手を差しのべる加奈はとても立派。
 自分も苦しいのに、他人にこんなにも親身になってあげれる子は今時そうそういませんよ。

 勇気のないライオンに自信を与え、知恵のないカカシの支えとなり、残すところあとブリキ一人というところで、それまでのライオンとカカシの話が最後に繋がってくる構成は上手かった。
 ブリキは1年前に助けられなかったソラへの罪悪感で心が埋め尽くされてしまっていたんだろうなぁ。
 嫌いな自分を消すことではなくて、好きになれる自分へ変わることを選んだ彼らの今後を応援したい。

 しかし、加奈をフッた元カレもどういう神経してるのかね。他に好きな子ができたからって、ああもあっさり乗り換えるなんて薄情すぎないか。別れた相手といってもなんであんな無関心なの、自分が原因なのに加奈に顔向けできると思ってるの? 私がもし女なら、あんな誠意の感じられない野郎は御免だわー。
 他人から見れば歪んでいるのかもしれないけれど、当人たちはまっすぐに生きている。そんな青春の苦味に満ちた作品でした。次回作はどんなものがでてくるのかな。
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2011年04月20日

羽月莉音の帝国 7/至道流星

4094512675羽月莉音の帝国 7 (ガガガ文庫)
至道 流星 二ノ膳
小学館 2011-04-19

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ロシアで宇宙ミサイル開発に着手した俺たち。だが、うまくいきすぎた。俺たちが開発した技術をかすめ取ろうとする某国は、ミサイル起動プログラムに必要な俺の眼球を奪うために諜報機関を放つ。極寒の地ロシアで、俺は沙織を連れながらの逃亡劇を強いられる。

 経済という名の戦争

 自分たちの国を建国するため、ベンチャービジネスに乗り出す高校生たちのサクセス起業ストーリー。

 ギガスキャンセラーの有効射程は500万キロ…だと…!?そうか道理で俺にギガスが発現しないと!
 ロシア政府の協力を得てロケット開発もトントン拍子に進んでいるかと思いきや、技術を横取りしようと企むFSBにより、一転命を狙われるようになった革命部との攻防がまたしても手に汗握りますね。
 自分を犠牲にして莉音を育てて、いまもなお巳継たちを支える一馬おじさんの愛情にホロリ。

 他国より優れたロケット技術を得るためとはいえ、いつもながら大胆な莉音の作戦には驚かされる。
 まさに湯水のごとくお金をばら蒔いて最短距離を突っ走れるのも、お金に執着がないからだよなあ。
 そうしてお金をつぎ込んだロケット社が謀略によって奪われてしまい、ロシア領内を追われる事態に陥って、国家的スケールの暴力に屈服せざるをえない彼らの姿がなんとも歯がゆい。

 命からがら日本に戻り、囚われた一馬おじさんを助けるために反撃に転じた革命部の戦略がこれまたエゲツない。これはまさしく戦争だ。つくづく敵に回してはいけない奴らを敵に回したな。おそロシア。
 FSBも黙ってなんだけれど、無関係の人間に被害を与えるやり方には憤りを感じずにいられない。
 一方で誰の犠牲も払わずに世界を手玉に取ってみせた恒太の大芝居は痛快でした。グッジョブ!

 まあ今回、最も恵まれていたのは沙織でしたかね。一途な想いがようやく結ばれて、感無量。
 巳継が格好良すぎて惚れる。思えばもう7巻目だったんだなぁ。莉音に振り回されるばかりだった最初の頃と比べると、いつの間にやらヒロインたちからも頼れる男に成長していて、もう何も言うことはない。
 ロシアとの戦争は手打ちに持ち込めたけれど、戦後処理の後始末はさて、どうなるのか。

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2011年03月21日

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。/渡航

4094512624やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)
渡 航 ぽんかん(8)
小学館 2011-03-18

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孤独に負けず。友達もなく、彼女もなく。青春を謳歌するクラスメイトを見れば「あいつらは嘘つきだ。欺瞞だ。爆発しろ」とつぶやき、将来の夢はと聞かれれば「働かないこと」とのたまう──そんなひねくれ高校生・八幡がひょんなことから美少女と出会い……どう考えてもラブコメ展開!?

 ぼっちは誇りを持っている

 ひょんなことから美少女と部活動をすることになったヒネクレ高校生の一風変わった青春ラブコメ。

 これは面白い。が、俺の黒歴史がアイタタタ!!! ちょっと自分の過去を振り返って泣けてきた。
 友達のいない寂しい高校生活をおくる主人公・八幡が、生徒の悩みを手助けする『奉仕部』に入り、学校一の美少女・雪乃や変わり者の依頼人たちとドタバタを繰り広げていく光景がなんとも楽しかった。
 周囲に馴染めず浮いてしまうことに苦悩する高校生たちがそれでも踏ん張って生きる姿に励まされます。

 ヒネクレ者の八幡と毒舌家の雪乃のお互いに遠慮のない掛け合いが愉快だった。
 意地を張って屁理屈をこねる八幡に対してキツイ言葉を投げつける雪乃ですが、顔が可愛いせいで同性からの嫉妬に晒されて嫌な思いを味わってきた過去があるだけに、上辺だけの友情を嫌悪する気持ちは八幡以上で、建前で繕わない彼との会話は喧嘩しているようで気兼ねしない空気がとても心地良かった。

 物事を円滑に進めるためにはそれなりに周囲に合わせることも大切だけど、自分だけ苦しい思いをしてまで他人に合わせなきゃいけないっていうのは、なんか間違ってますよね。
 自分を曲げてまでリア充の仲間になりたくねぇやと金髪縦ロールや爽やかイケメンを見て思いました。
 周囲に気を使えるだけぼっちの方がマシ。ぼっちはいつも邪魔にならないように隅っこにいるんだぞ!

 孤独でありながら、友達が欲しいなどと甘えたことは言わず、あくまでも自分の信念を貫くぼっちの生き様を見せつけられました。あまり卑屈にならなくていいと思う、逆に考えろ、ぼっちは勝ち組だと。
 青春に正しいも、間違ってるもない。それを決めるのは貴様の心だ!(ただ言ってみたかっただけです
 全体的に物語としてよくまとまっていて、マンガネタやサブカルネタに笑わせてくれました。続編に期待。
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2011年03月20日

GJ部 5/新木伸

4094512616GJ部 5 (ガガガ文庫)
新木 伸 あるや
小学館 2011-03-18

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いつものGJ部にあやしい影――いや、新入部員? 環がGJ部の部室にやってきたのは、四月もなかばの頃だった。部長とは、わーきゃー噛みつきあい、紫音さんにかわいがられ、恵ちゃんには懐き、綺羅々をすこし怖がっている……。ちょっとだけ変わった部室の風景、変わらない"GJ部魂"。

 萌えよ、GJ部魂

 個性豊かな5人の美少女たちとのゆるふわなひとときを描いた萌え四コマ的コメディ。

 さり気無く増えていた新入部員の環がウザカワイイ。生意気でマイペースなところに笑った。
 新一年生の環を新メンバーに加え、二年目に突入したGJ部ですが、いつも通りのゆるふわテイストでひと足早く春らしい長閑で朗らかな気分にさせてくれました。ああ、GJ部魂は永久不滅なり。
 後輩が増えても部内のキョロの立ち位置は変化なし。きみは ほんとうに ふつうだなぁ。

 女の子と深夜に電話でお喋りとか、リア充度が高すぎて素人にはオススメできないよ!
 部長がやり始めると皆が後に続くなぁ。楽しいことはみんなで分かち合うのがGJ部流ですね。
 一人ではつまらない事でもみんなでやったら楽しいし、一緒に食べるもんじゃ焼きも美味しい。
 そういう一緒にいて楽しい存在がいることが、なによりも素敵なことなんでしょうね。

 それにしても今回の「しおんさん」は当社比3.5倍増しでカワイイ生き物だったなー。
 「ばけらった」で涙目になったり、サバ缶で大喜びしたり、ぷちぷちシートにハマったり、駅の改札口で行き止まりになったり、驚異的な可愛さを爆発させていた。老眼鏡でもいいじゃない「しおんさん」だもの
 相変わらず、それぞれが自由に好き勝手していて、些細な話題で盛り上がれる空気が好きです。

 キョロもオレマン第二段階を発揮して時々、格好良かったですね。いつもオレマンでいれば、女性陣からおもちゃ扱いされることもないだろうに……まあキョロですからね。恵ちゃんはオレマン期待し杉。
 妹ちゃんズも中学校で合流してるのかなぁ。GJ部中学生編というのも覗いてみたいですね。
 第二期は妹ちゃんズの出番も増量ということなので、本編の登場を期待しています。

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2011年02月22日

花咲けるエリアルフォース/杉井光

4094512578花咲けるエリアルフォース (ガガガ文庫)
杉井 光 るろお
小学館 2011-02-18

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「乗れ、おまえの翼だ」――桜とリンクした戦闘機の適合者として選ばれたぼくは、桜子とともにその超兵器《桜花》のパイロットとなり、色気過多の先輩や凶暴な空母艦長に囲まれ、新しい仲間と災難続きの訓練、そして激化する戦争に否応なく巻き込まれていく。

 大空に咲く弾丸

 時を止め、永遠に舞い散る桜とともに、戦空を生きる少年少女の美しくもせつない物語。

 ブルマを履いた美少女天皇陛下に「靖國で逢おう」とか言われたら、そりゃあ日本国民命かけますよ。
 皇国の超兵器《桜花》のパイロットになった主人公・佑樹が、同じく《桜花》のパイロットで皇族の最後の生き残りである桜子と共に、戦死者たちの遺志を胸に抱いて空を翔ける光景が儚く美しかった。
 やはり杉井さんはこういう切ない系のボーイミーツガールを書かせたら天下一だなぁ。

 佑樹のヘタレっぷりと陰気さには辟易させられましたが、ソメイヨシノを通じて繋がった仲間であるということをきっかけとして、それまで頑なだった桜子の心を開いていく様子が素敵でした。
 皇族の生まれと軍属の肩書きから一線を引いていた周囲のクラスメイトとも少しずつ打ち解けていき、怒ったり、微笑んだり、豊かな表情と人間味が生まれていく桜子がとても可愛らしかった。

 本来ならば、そうして楽しい青春を謳歌しているはずの年頃である彼らが、大人たちの都合で死と隣り合わせの戦場へと赴かなければならない、この不条理な世界を思うと怒りが込み上げてきます。
 これまで国家のために死んでいった者たちの犠牲を無駄にしないために、皇国の象徴である自分の義務を果たそうと最前線を飛ぶたびに心をすり減らしていく桜子の姿がやりきれない……。

 死者の存在が生者を苦しめるのであれば、いっそ靖國なんてぶっ壊しちまえばいのにと思ったくらい。
 靖國へ還ってきた者たちの声が、せめて自分の代わりに誰かの幸せを願うものであって欲しい。
 戦闘機乗りたちの血が滾る熱い空戦シーンなどというものはありませんが、若い登場人物たちの悲痛な心理描写が胸を抉って、ぽっかりと空いた穴を埋めるように人恋しくなれるラストでした。

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2011年02月21日

羽月莉音の帝国 6/至道流星

409451256X羽月莉音の帝国 6 (ガガガ文庫)
至道 流星 二ノ膳
小学館 2011-02-18

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決死の覚悟で莫大な投資をした中国での衣料チェーン事業が、反日暴動で崩壊寸前。絶望的な状況の俺たち革命部の前に、日本闇社会のフィクサー海胴総次郎が現れる。「CIAに行くぞ」と言って莉音と俺を連れ出すのだが――海胴ってCIAを裏切ったせいで何度か殺されかけたはずじゃなかったか?

 世界と君の二者択一

 自分たちの国を建国するため、ベンチャービジネスに乗り出す高校生たちのサクセス起業ストーリー。

 ツンデレ海胴さんがうわああああ!! まさかこんなところで……。極悪人でしたが偉大な人でした。
 反米暴動で進退窮まった革命部が、CIAや洪門から得た情報を武器にいざ巻き返しを計るというところで予想だにしない事態に息を飲んだ。ここまでくると実業家のやることじゃねぇよ。もうずっと前からか。
 巳継と莉音の関係も少しずつ変化して、恋愛パートの行方もさらに見逃せなくなってきました。

 いやぁ、それにしても殺しても死ななそうに思えた彼が、こんなあっさりと居なくなってしまうとは。
 これまで振り回されてきたのにああなってしまうと彼の人生も可哀想なものに思えてくるんですよね。
 それでも人生の最後で自分の後継者を見つけることができたのが唯一の救いだったんでしょうか。
 彼が莉音たちに残していってくれたものは、現金以上に頼りになる力となることでしょう。

 そして次なる一手・『スケール追求』でついに世界に羽ばたいた革命部の躍進ぶりが華々しい。
 というか、やってることは世界平和を人質に金を引き出しているのとかわらないような……。
 破綻するときは世界と心中よ、って、酷いビジネスもあったもんだ。投資詐欺じゃねぇのかこれ。
 集めた金でとうとう核ミサイルの開発まで……、海胴が可愛く思えるようなテロリストっぷりである。

 こんな奴らに世界の行く末を任せるのはちょっと不味いんじゃないかと思い始めてきた。
 初出のカルヴァート公爵は思い描いていた印象とは正反対で親しみが持てて好きになれそう。
 次回の舞台はロシアか中東ですかね。タイムリーに民主化ドミノを物語に絡めてきそうですが。
 シリーズも折り返し地点、革命部の行く手にどんな世界が待ち受けているのか。

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2011年02月20日

人類は衰退しました 6/田中ロミオ

4094512551人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)
田中 ロミオ 山崎 透
小学館 2011-02-18

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季節は冬。祖父の趣味サークル「大砲倶楽部」の一員として南に向かったわたしは、「鳥人類コンテスト」の安全対策係として、各チームの機体をチェックすることに。思うに……みなさん、死にそうです。クスノキの里を同類誌のイベント会場にしてしまった友人Yと、白い部屋に密室監禁!さて、どちらが危ない

 世界の声が聞こえる

 衰退した人類と"妖精さん"のとの間を取り持つ"調停官"のわたしのほのぼの活動記録。

◆妖精さんたち、すかいはい
 パロディネタの嵐にワロタ。主人公、どこのゾロリだよ( `・ω・´)ゞ解☆決!(横ピース)
 鳥人間コンテストの安全対策係に任命されてしまった主人公が、趣味人たちの作ったトンデモ飛行機の欠点を密かに修理するのですが、相変わらず妖精さんのひみつ道具が大活躍で非常にバカバカしい。
 丸めておくと携帯に便利とか、カプセル怪獣か! 用が済んだらまた驚かせて持ち運びしやすくしてと、主人公の妖精さんの使い方がいろいろ酷い。

 トンデモながらも空を飛ぶためにそれぞれユニークな発想で作られた飛行機たちが面白かった。

◆妖精さんたちの、さぶかる
 人類は衰退しても腐女子はどこまでも腐っていた。文化復興した結果がこれだよ!
 同人誌ならぬ同類誌作りにハマった友人Yが一大ムーブメントを巻き起こし、楽しいこと好きの妖精さんが悪ノリして主人公に飛び火してと、サブカルに対する皮肉と風刺に溢れていて苦笑しきり。
 衰退してても二万人も集まるんだすげぇなBL!ファンレターのコメントが海外の反応ネタっぽかった。

 男の浪漫もある種の病気ですが、女の妄想は魂を腐らせる呪いなんじゃないかと思うよ。

 今回はいつになく薄い本でしたね。同人誌的な意味ではなく単純にページ数が。本来ならもう1エピソードくらいは執筆待って入れられたんじゃないかと思うけど、早めにアニメ化を告知したかったのかな。
 そんなに焦って出して、読者の人気を下げる結果にならなければいいですな。突然「アニメ化中止!ごめーん」とかにならないように、今年は作者さんに存分にガガってもらいたい。

 ときに公式PVはご覧なりましたかね。このゆるゆるボイスがいい。バナナ万能説。


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2011年01月23日

とある飛空士への恋歌 5/犬村小六

4094512489とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)
犬村 小六 森沢 晴行
小学館 2011-01-18

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休戦交渉の座に就いた空の一族の要求は、風呼びの少女の身柄だった! 出立の日、カルエルは想いの丈を彼女にぶつける。「このまま逃げよう、ふたりで。空の果てまで」ふたりの選ぶ未来は……。王道スカイ・オペラ、「恋歌」堂々完結!

 世界が奏でる、愛の歌

 空飛ぶ島『イスラ』に乗り、遙か西の果ての新天地を目指す飛空士見習いの少年少女たちの物語。

 これは涙なくしては読めない。愛する少女のために大きく成長したカルエルに拍手。
 度重なる苦難を乗り越えお互いの想いを通じ合えた途端、引き裂かれてしまうカルエルとクレアの運命にやり切れない思いを噛みしめつつ、長かったイスラの旅が終りを迎える光景に感無量でした。
 多くの出会いと別れを繰り返し、先へ先へと前進していく若者たちの未来に幸あれ。

 別れ際までクレアは優しくて強かった。その強さもカルエルを信じていたからでしょうね。
 アリーメンによって解き明かされた世界の奇妙な真実には、ちょっと驚き。そこまでファンタジーな世界観だったとは。いやまあ、空を飛ぶ島が出てきた時点ですでにファンタジーなんですが。
 事象の境界へ消えていくイスラとの別れも感慨深い。イスラもまた苦楽を共にした旅の仲間でした。

 故郷に戻ってからの世界の人々を動かす一世一代の演説には、あのヒネくれていたワガママ王子がよくぞここまで成長したと、胸に込み上げてくる熱い気持ちを抑えきれない。
 憎しみだけでは人は前へ進めない、愛だけが人々の心を一つにまとめて未来を作る力に変えてくれる。まさにカルエルの母親が伝えたかった『愛が憎しみを乗り越える』瞬間でした。本当によくやった!

 冒険が人を変え、歴史を作り、世界を開いていく。きっとそれはカルエルだけでなく、人間だれもが持っている可能性という名前の種子なのでしょう。故郷へと帰っていった友人たちもそれぞれの道で辛いときにはイスラでの暮らしを思い出して頑張って欲しい。アリエルとチハルは悲恋に終わってしまったけれども、その悲しみもいつか前に進む力に変えて欲しいと道半ばで絶えた仲間たちも願っていると思います。

 今巻は戦いらしい戦いもなく、4巻まででの「起承転結」のその後の「終」といった感じでしたが、今回で世界観がより壮大に、ぐっと広がりましたね。語りが足らなかったようなところもあるし、その辺りは次回作に期待かな。

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2011年01月21日

うちの魔女しりませんか?/山川進

4094512470うちの魔女しりませんか? (ガガガ文庫)
山川 進 CUTEG
小学館 2011-01-18

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魔女が、絶滅危惧種として保護されている世界。僕は誰にも内緒で、ちいさな魔女を飼うことになった。この世界にひとりぼっちの魔女・ミラと、ひとつ屋根の下で秘密の二人暮らしが始まって――。ところが、ミラはほうきに跨れば家を壊し、カタコトでしか喋れず、食事は三食たい焼き……?

 小さな魔女と空飛ぶモップ

 世界最後の小さな魔女との出会いと別れを描いたボーミーツガール。

 幼女を自宅に連れ込んでペットにするとか、とんでもない話ですが、これは許せる!
 森の奥で見つけたちびっこ魔女・ミラをこっそり飼うことになった主人公・文哉ですが、最初はペット感覚だったのが、一緒に暮らすうちにかけがえのない家族の絆が生まれていく光景に心温まりました。
 むしろ、主人公がブラジャーとパンティをつけて女子を玄関で迎えるあたりが変態すぎてもうね……。

 魔女といっても魔法少女的なアレではなく、人類と異なる進化を遂げた不思議生物の通称なのですが、外見は女子小学生されど中身は野生児で、いつもニコニコと無邪気に微笑むミラがとても愛らしい。
 常識知らずで騒動を巻き起こしたり、魔法が苦手で家を壊したりしてしまうけれども本人には悪気がないから怒れない。そんな危なっかしくて目が離せない野良猫のような幼女様のいる生活プライスレス!

 そんな前半のほのぼのとした雰囲気から、ミラに自分の母親が死んでいたと知られてしまってからの急展開には予想は出来たけど辛いものがありました。
 お互いに天涯孤独となった文哉とミラが寄り添い合って本当の家族になる姿がとても素晴らしく、大切な存在となったミラを目の前で奪われた文哉が、友人たちと取り戻しに行くところもまた燃えでした。

 物語内ではミラの可愛さが前面に出ているけれども、そのミラの可愛さに撃沈して当初のツンツンお嬢様キャラの仮面が崩れて、本当は優しくて寂しがり屋な素顔を見せていく茉莉もちょお可愛かった。
 最後は、切ない別れになってしまったけど、ミラにとってはこれがベターだったのかな。離れ離れになっても絆はずっと残ると思います。もう少し大人になってから、また再会できれば素敵ですね。
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2010年12月22日

GJ部 4/新木伸

4094512438GJ部(グッジョぶ)4 (ガガガ文庫)
新木 伸 あるや
小学館 2010-12-17

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いまだに見習い部員らしい僕、四ノ宮京夜が過ごすのは、個性的な四人の彼女たちとの、ゆるふわな時間。冬はこたつむり……。イベント盛りだくさんの年末年始に突入です。天使家でのクリスマスパーティー、初詣に雪あそび、気になるバレンタインにホワイトデーまで。春になったら京夜も先輩!?

 いくつも いいこと あったかタイム

 個性豊かな4人の美少女たちとのゆるふわなひとときを描いた萌え四コマ的コメディ。

 キャラ小説と日常系コメディのお手本だと思う。時間つぶしにはこれを読め!
 いつものようにGJ部の女性陣にからかわれてばかりの人畜無害なキョロ君ですが、それでも和気藹々とした雰囲気とゆったりとした時間の流れる日常の光景が心を和ませてくれます。
 冬の寒い日にほんのりと安らげる温もりがいっぱい詰まっていました。

 それにしてもつくづくキョロ君は女の子たちの暇つぶしのおもちゃですねぇ。
 不思議な踊りを踊らされたり、オレマンに変身させられたり、ドッキリを仕掛けられたり、絵本を書かされたりと尻に敷かれてますが、そうやってキョロ君をいじるのも、それで彼が怒ったりしない優しい人とみんなが思っているからですよね。まあただのヘタレなだけなんですが。
 バレンタインデーにチョコを貰えないくらいでなにも泣くようなことじゃ……全俺が泣いた(`;ω;´)

 そうやってときどき意地悪だったりする女の子たちですが、やっぱりみんな可愛いです。
 常識に疎くてもそれが魅力になる紫音さんがまた素敵ですね。そんな紫音さんを非常識とバカにするくせに、本人は未だにサンタを信じていたりと子供っぽい部長も毎度賑やかで楽しい。
 天真爛漫な恵ちゃんは部長のせいで深読みすればするほど腹黒くみえてきたりというのも面白いし、野生児のようでいてときおり女の子らしい内面を覗かせる綺羅々さんも見過ごせない。

 番外キャラとしては、天使家のメイドさんである森さん、お兄ちゃん子なキョロの妹の出番が増えたのが嬉しかった。新登場は綺羅々さんの妹がいたな。そういえば、この小説は何気に妹率が高いな!
 話の時系列がちょっと混乱するところがあったけど、一冬のイベントが綺麗にまとまっていました。
 次巻からシリーズも二年目に突入するそうで、GJ部にも新しい後輩が入部してくるのかな。

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2010年11月22日

女子モテな妹と受難な俺/夏緑

4094512411女子モテな妹と受難な俺 (ガガガ文庫)
夏 緑 ぎん
小学館 2010-11-18

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小生意気な妹は、俺を兄っちと呼んでメチャクチャ世話を焼いて甘えてくる。女は悟りをはばむ邪悪な悪魔だ、煩悩のかたまりだ!ピュアな俺の心を癒てくれるのは荘厳なる仏教への愛で写経に没頭するひととき。しかし妹の甘えんぼさん攻撃は止まらない。さらに“妹の親友”を自称する謎の美少女たちまで現れ

 俺の妹がこんなにモテるわけがない

 女子にモテモテの妹を持ってしまった平凡な兄貴の苦労を描いたラブコメディ。

 ハーレムを作るのが主人公じゃなくて、主人公の妹。でも、結局は主人公がハーレムの中心っていう。
 お兄ちゃん大好きな妹・今日子に惚れた女の子たちから下心満載のアプローチを仕掛けられ、望みもしないモテ期に辟易しつつも、妹を傷つけないために奔走する兄・明日太がいい兄貴でした。
 やっぱり妹っていいなぁ、でも、女ってつくづく面倒くせぇ!と思ったり思わなかったり。

 小生意気というか、普通に可愛くていい妹じゃないかなぁ。実の妹を意識しすぎだよ兄貴さん。
 まあ流石に高校生にもなってところかまわず恋人のようにベッタリくっついてきて、湯上りで兄貴の部屋に乱入してきたり、ベットに潜り込んでくるような無防備さはちょっと引くかもしれない。
 案外、この妹は兄貴がビシッとしたら素直に言うがままになっちゃうタイプじゃないだろうか。

 今日子に恋する女の子たちは、邪魔な明日太を蹴落とすために色仕掛けで迫るけれど、ノンケの彼女に嫌われるのが怖いからという理由では、同情も共感もできませんよね。
 相手に嫌われる覚悟がなければ人を好きになる資格はないでしょう。それなのに自分勝手な想いをアレコレ押し付ける女性陣は、本当に手に負えないよなぁ。女って生き物はこれだから……。

 自分を逆恨みする妹の親友とも和解して予想外のデレがきたけれど、ひょっとしてこれからも妹を好きになった女子を順番に食っていく流れになるんじゃないだろうな……。
 女子に振り回されつつも、やっぱり妹と仲は良いし、周囲に女を侍らせてるし、なんだかんだリア充すぎて顔面クリムガンだわぁ。というか、あまり百合な感じはしなかったのが残念。

 ときにリアル妹がいる人は妹には萌えないといいますが、私の知り合いにはリアル妹がいて妹萌えという変態が何人もいる。Twitterを覗くとたまにリアル妹自慢TLが発生してたりして、無妹人な私は『お前ら、妬ましいぞキィキィ!』と物欲しそうな目でいつも見ている。誰かアイツらなんとかしてください……。

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2010年11月20日

羽月莉音の帝国 5/至道流星

409451242X羽月莉音の帝国 5 (ガガガ文庫)
至道 流星 二ノ膳
小学館 2010-11-18

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破たん寸前の日本商業銀行の買収に成功した革命部。だが新頭取がTVや雑誌であることないこと吹きまくるせいで、ガンガン集まる定期預金。融資の実態を探ると明らかになった、山のような不良債権。預金者に払う金利2.1%以上に稼がなければ即死確実。そこに満を持して登場―恒太開発グローバル金融商品?

 天才春日頭取の生活

 自分たちの国を建国するため、ベンチャービジネスに乗り出す高校生たちのサクセス起業ストーリー。

 恒太がここまですごい奴だったとは……恒太様マジパネェっす! でも、やっぱり仕事は他人任せw
 巳継たちに断りもなく大見栄をきってしまった恒太のせいで増え続ける預金の金利の支払いに追われ、リスクの高い勝負に打って出るんですが、ますますやる事が博打めいてきて目が離せません。
 投資銀行再建に中国市場進出。そうだったのか!と学べるニュース解説つきなのが助かりました。

 各種のメディアで大法螺を吹きまくる恒太ですが、そうやって注目を自分に引きつけることで、いままで流言飛語に傷ついてきた巳継たちから世間の目を逸らそうという考えもあったんじゃないでしょうか。
 自分の身を盾にして仲間を庇おうという覚悟に少し彼を見直しましたが、それはそれとして言動が非常にムカつくのは別の話ですね。あれで中二病をこじらせていなければ紛れもない天才なのに……。

 新たなビジネスのために日本を飛び出して中国市場へ参入したものの、タイミング悪く発生してしまうリスク問題が、なんかもう時事ネタすぎて笑ってしまった。まったく国土は広いのに器量が狭い国である。
 現実でも中国って経済観がないですよね。レアアースの輸出停止も、国策としては中の下だと思うんですが。だって政治問題が起こるごとにいちいち貿易を停止するような国とは誰も商売しなくなりますよ。
 (まあそんな脅しに簡単に屈してしまう日本政府の対応こそ下の下の策でしたが)

 国家を一つの企業とする視野で考えると、政治というのも経営の一分野に過ぎないのかもしれない。
 それこそ時代を変える革命家というのは、優れた経営者としての素質が求められるんだろうなぁ。
 窮地に陥った巳継たちにわざわざ力を貸しにやってきてくれる海胴ですが、そんなツンデレで大丈夫か? 大丈夫だ、問題ない。一番いいツンデレを頼む。VS共産党編の次回も楽しみ。

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2010年09月24日

羽月莉音の帝国 4/至道流星

4094512306羽月莉音の帝国 4 (ガガガ文庫)
至道 流星 二ノ膳
小学館 2010-09-17

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世界一の原子力企業ウェスタンユニオンを手に入れるため、その親会社EEにTOB(株式公開買付)を仕掛けることになった…というか莉音やアクアス立花社長にけしかけられた俺。だがEEは世界第14位の超大手総合家電メーカー。資金のアテもないのに本当に買収できるのか?

 日本金融にギガス爆誕!!

 自分たちの国を建国するため、ベンチャービジネスに乗り出す高校生たちのサクセス起業ストーリー。

 最凶の敵、現る……かと思いきや、なんだこのツンデレ……。
 核兵器を手に入れるため圧倒的に各上の大企業相手に一芝居打って成功したはいいものの、裏の財界の大ボスの反感まで買ってしまい……と、一難去ってまた一難の連続にハラハラしっぱなしです。
 度重なるメディアの悪評風評に耐え忍び、それでも自分たちの信念と理想を貫く生き様が眩しい。

 表の世界の利権だけでなく図らずも裏の世界でも覇権を広げつつありますね。果たしてそれが回り道となるか近道となるかは、彼ら次第ですが、この先正しい道ばかり歩いてはいられないだろうなぁ。
 それにしても柚さんの天然っぷりにも困ったもんですが、これで沙織も今以上に奮起してくれるかな。
 たまにこういう高校生らしいラブコメが飛び出すから、味気ないビジネス書と違って華やかさがあります。

 莉音の凄いところは、財テクや発想力、行動力よりも、それまで敵だった人物までいつの間にか味方に引き入れている人間的魅力なんじゃないかな。革命家にはカリスマ性が不可欠ですものね。
 ときには弱音を吐いたり、仲間に助けられたり、決して完璧でないところも人間味があっていい。
 しかし、ここまでふてぶてしい笑みが似合う女子高生もいないだろうなぁ。やはり巳継たちを振りまわして、元気に突っ走る姿が一番魅力的です。

 そして最後にバカがやらかしやがった!w やっと見直されてきたなと期待した結果がこれだよ!
 なんか周囲の評判を聞くと彼だけえらく評価が低いですが、実はこれでも私は彼を高く買ってます。
 一般人の中にいれば彼だって群を抜いて優秀な人間のはず、しかし、莉音はまさに本物の天才。
 彼も幼馴染として彼女を見て内心忸怩たる思いを抱えて育ってきて、そうした鬱屈が、あの中二病として現れているんじゃないのかなと。そう考えると、一概に中二病と嫌えないんですよねぇ。

 さて、予想だにしない身内の造反に、次回どうなる? ギガスの真価がハッタリでないことを祈ります。

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2010年09月21日

Wandervogel/相磯巴

4094512314Wandervogel (ガガガ文庫)
相磯 巴 ハラカズヒロ
小学館 2010-09-17

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ここは剣と魔法のモンスターの世界。新たな開拓地を目指す「飛行船」兼「冒険者養成学校」に乗船した、消極的な僕と暴力的な姉。姉は騎士学科のエリート特待生、オマケの僕はいざという時の「捨て駒」要員――??どうして僕は冒険になんか来ちゃったんだろう――

 その旅立ちは冒険か?

 新天地を求めて旅立った、史上最も"流されやすい"勇者のRPG風コミカルファンタジー。

 イラストと内容のハマリ具合がピッタシですね。本当に表紙通りのファンタジーでした。
 空飛ぶ船に乗って新天地を目指す姉弟とその仲間たちが、周囲を巻き込んで大騒動を繰り広げるドタバタっぷりと危機的状況に瀕しててもユーモアを忘れないコミカルな掛け合いが面白かった。
 ほのぼの系MMORPGがそのまま小説になったかのような世界観で気軽に物語に入っていけました。

 能天気でブラコンの姉タマキと消極的で主体性のない弟ユウキのどこか常識とズレた倒錯感が笑える。
 弟の事となると見境を無くすタマキの姿はまさにヤン姉というに相応しいし、力加減を知らない姉の過剰な愛情表現でボコボコになりながらも何故か喜んでるユウキは、Mなの?ドM弟なの?
 下ネタ大好きな獣使いのアイや何事もお金で解決しようとする商人のリリア、一番LVは強いくせに何故か一番立場が低い侍のイサミ、厳しい様でお人好しの格闘家のゼノ。
 実力はあれどどこか残念な仲間たちばかりがどんどん集まって行くのがなんだか楽しかった。

 しかし、登場人物たちが旅に出る目的が曖昧なのは、ちょっと気にかかりましたね。
 「冒険者は旅に出るもの」とは言え、タマキとユウキの姉弟は、とてもいい加減な出発だったし……。
 バトルについても、めちゃめちゃ動機が軽いな。自分たちが世界の命運を担っている自覚もなさそうで、ボスについても雑魚モンスターがエンカウントしてきた程度の認識しかなさそうな……う〜ん。
 冒険のワクワクよりも、むしろそこにたどり着くまでのパーティ間のドタバタがメインでしたね。

 キャラはかなり好きなんだけど、設定自体は既存のRPGの枠を出ていないから、斬新性は薄いな。
 出発するまでは、作中に存在するいろんな国の特色や冒険者を主体とした独特の文化を細かく描けていたのに、目的地に着いた途端にクエストが発生してモンスター退治一辺倒に進んでしまい、急に味気なくなってしまった。ページ数が少なくてやや駆け足になってしまったんでしょうかね。
 まあ作風自体は嫌いじゃないどころか、RPG好きな私にクリティカルなので、次回作に期待。
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