龍ヶ嬢七々々の埋蔵金10 (ファミ通文庫) 鳳乃 一真 のん KADOKAWA/エンターブレイン 2015-10-30 by G-Tools |
《ゲーム》の終盤で起こった、GREAT7や七重島総合警備保障ら大人の介入によって、コレクション保持者たちの間に不穏なムードが立ち上る中、七重島に重護が帰還。決意を新たにした重護が始めたのは、誰もが想像をもしない計画で……!?
盗人からの挑戦状
最強地縛霊少女(ただしニート)の"埋蔵金"をめぐる、奇想天外トレジャーハント・ロワイヤル。
さすが重護汚い。いや、前回このヒモ野郎もげればいいのにと思ってたが、やっぱり主人公だったな!
《ゲーム》で起きた大人たちの介入や、七々々コレクション強奪事件の発生でコレクション保持者たちが動揺するなか、GREAT7を相手に真っ向から勝負を挑み、澱んだ状況を一気に吹っ飛ばす重護の奇策が痛快でした。
しかし、キャラクター増えましたね。人物紹介一覧がパッと見わけわかんないことになってるー。
主人公不在でも七重島では状況が動いていて、《ゲーム》の影響で第七高コミュニティが勢力を増したり、混乱に乗じて唯我部長が暗躍したり、人それぞれに事態を受け止めて、これからを考えていく決意が印象深い。
妹と元婚約者を連れて戻った重護は、いつにも増して女の子に囲まれて姦しいな! すっかり雪姫姉さんもデレてるし。これはユリシーズちゃんに刺されるのも時間の問題ですわ。いつの間にか勝ち組じゃないですか!
重護が積極性を出して悪巧みしてると、どんなドッキリを見せてくれるのかとワクワク感がたまらない。そしてその期待を裏切らないんだから好きだよ。周囲を操るフィクサーとしての顔を隠さなくなってますね。
一人の女を奪うために、恋のライバルに挑戦状を叩きつける男気がカッコイイ。無謀な挑戦だからこそ応援したくなる。かつては義賊なんて古臭いと拗ねていた重護が、ここにきて一回り大きく成長して見えました。
一方、唯我部長は、どんどん暗黒面に堕ちていくなぁ。イケメンが敗北感に打ちひしがれて足掻く光景はどうしてこうもメシが旨いのか。名前からして一鶴派に入りそうな気がしていましたが、そのうち自滅しそうだ。
七々々ちゃん殺害事件の犯人探しにも重護が先んじて一手をかけて、内心焦る壱級の今後の活躍にも期待だな。本編ではやられてばかりだが、重護に負けない好敵手でいて欲しい。さて、二学期編と新作も楽しみです。