ダフロン

2013年06月16日

浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って/青柳碧人

4062774917浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って (講談社文庫)
青柳 碧人
講談社 2013-04-12

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テロ組織「黒い三角定規」が、いよいよ浜村渚に直接対決を挑んできた。渚と武藤龍之介をミュージカル劇場に招き寄せ、一次方程式を解けという。だが、その問題は普通のやり方では解けないうえに、「黒い三角定規」の驚くべき策略を示唆するヒントも仕込まれていた!

 数学は真理を探す旅

 数学マニアのテロリストが起こす難事件に天才数学少女が挑む数学ミステリ。

 数学テロを起こす連中って、ただ単に女子中学生と話したいだけじゃないのか……その気持ちわかるわー。
 数学テロ組織「黒い三角定規」に浜村渚の存在が知られるようになり、彼女を名指しで挑戦してくる数学テロリストたちが巻き起こす、残忍だけれど、どこか滑稽でユーモラスな事件の数々が面白可笑しかったです。
 随分前に買って放置して忘れていたのですが、なんですぐに読まなかったのかと後悔しきりですね。

 『モンティ・ホール問題』、『四角数』、『バーゼル問題』、『四平方の定理』。数学を愛する女の子・浜村渚にかかればそんな難解な数学用語が、世界の秘密を解き明かす不思議な魔法の言葉のように聞こえてくる。
 数学が大好きな彼女の情熱が周囲の人々にも伝わって、一人また一人と数学の世界の魅力に気づいていき、凶悪犯罪に加担する数学テロリストたちも本来の純粋な気持ちを思い出して改心していく姿が微笑ましいです。

 名前だけはこれまでも何度か登場していた浜村渚の親友・千夏の言葉にも、ハッとさせられる。今の社会も、何が良くて何が悪いか、大人たちが勝手に決めつけて押し付けて、子供たちが忘れ去られていますよね。
 初めから大人が選別して取り上げてしまったら、子供は良し悪しを判断できない大人になってしまう。未来の可能性は誰かが決めつけることはできず、すべての確率は"同様に確からしい"ものでなくてはいけませんよね。

 突如として始まったミュージカル表現は何事か!?と思いました。挑戦的な試みでしたね。視覚化できたら楽しいだろうけれど、どこかやってくれないものか。実写ドラマ化したら面白いと思うんだよねこの作品。
 「黒い三角定規」にも大転機が訪れ、彼らを追いかける武藤龍之介も警察官としての仕事というだけではいられなくなってきました。コミック連載も始まりましたし、さて今後の展開に期待であります。

 ときにニコ動で、作中で歌っていた『ドレミの歌』の「歌わせてみた」がうpされてて、これはナイス。

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2011年09月10日

少女不十分/西尾維新

4061828002少女不十分 (講談社ノベルス)
西尾 維新 碧 風羽
講談社 2011-09-07

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少女はあくまで、ひとりの少女に過ぎなかった…、妖怪じみているとか、怪物じみているとか、そんな風には思えなかった。

 正常であるための不十分条件

 とある小説家に影響を与えた10年前の奇妙な体験談。

 ページを捲るたびに戦慄が走るこの読み応え、久しく忘れていました。まさに原点回帰。
 小説家の主人公が10年前に出会い、束の間、一緒に過ごした少女・Uの抱えた心の闇に圧倒され、彼女がどうしてそうなってしまったのかという謎が明かされるにつれ背筋がゾッとしました。
 あたかも作者の西尾維新本人の自叙伝のような印象を与える語り口で、読み解いていくと興味深い。

 大学への通学途中で遭遇した交通事故をきっかけに、普通とは少しズレた感性を持ってしまった少女・Uと出会い、彼女との共同生活に陥っていくのですが、甘い雰囲気なんてどこにもない・・・・・・。
 いつでも逃げ出せるのに現状維持に努めて、ニヒルを気取る主人公は小学生相手に何をやってん。
 それ以外の自分自身についてのいくつかのエピソードからも生来のダメ人間っぽさを伺わせますね。

 ごくごく普通の女子児童のようでありながら、何気ない所作や言動のそこかしこで奇妙な違和感を与える少女・Uの不可解さと不気味さに最初は惑わされましたが、時折、年相応の無防備な一面も垣間見せる彼女に徐々に憐憫の情を抱き始め、一向に姿を現さない彼女の両親の存在を訝しんだ主人公が除き見てしまった真実はあまりにも悲惨で過酷だった・・・・・・。

 彼女を救うためには、もっと早くて、もっといい解決方法が他にあったのかもしれませんが、心を病んだ彼女に生きる気力を与えられたのは、小説家としての主人公の存在があったからこそじゃないかなぁ。
 本当の絶望に陥っている者に、ひとときの夢物語で希望を見せるのが、小説家という職業なのかもしれないですね。ほとんどセリフや会話文のない、淡々とした独白形式でしたが、それが話の独特の雰囲気を盛り上げているように思いました。台詞回しはなくとも言葉遊びに溢れている、これこそ西尾節。

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2011年05月10日

虚構推理 鋼人七瀬/城平京

4061827685虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス シP- 1)
城平 京
講談社 2011-05-10

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深夜、悲運のアイドルの亡霊は鉄骨を片手に街を徘徊する。その都市伝説の名は、『鋼人七瀬』。真実を求めるよりも過酷な、虚構の構築。自身もまた怪異的な存在である岩永琴子の推理と知略は本物の怪異が起こす事件を止めることができるのか。

 ここにはひとつの真実もない

 世を乱す怪異から秩序を守るため知恵の神の少女が虚構の構築に挑むオカルティック・ミステリー。

 この推理は酷いw いい意味でだけれど、真実を虚構で塗りつぶすとか、とんだ名探偵もいたもんだ。
 とある地方都市で発生した都市伝説・『鋼人七瀬』の怪異を止めるために、妖怪たちのトラブルシューター・岩永琴子が解決に乗り出すのだけれど、その解決の仕方がまた型破りで驚愕させられる。
 漫画原作以外の久しぶりの小説だけれど、やっぱり城平京はスゲェ!としかいいようがないわー。

 幼い頃に妖怪に攫われ、知能の低い物の怪たちにかわって問題を解決する知恵の神となった主人公の岩永琴子ですが、特殊な過去を持つわりには俗っぽくて強かで小賢しくて、面白い子なんですよね。
 同じく子供の頃に怪異的な存在になってしまった九郎先輩にベタ惚れなんだけど、彼は好みのタイプじゃない岩永には冷たくて、でも、岩永は諦めずにアタックし続けてという、そんなやり取りが可笑しい。

 現実に人を襲うようになってしまった都市伝説『鋼人七瀬』という怪異を生み出しているのが、ネット上にある"まとめサイト"を見ている閲覧者たちだと気づいて、噂を払拭するために推理を投稿し始めるのですが、『鋼人七瀬』が誰かの仕業だと信じこませようと事件関係者や見ず知らずの人々に罪をなすりつける虚構の推理をでっちあげるのだから、なんともえげつない。岩永さんマジイイ性格してるわー。

 勿論、推理といっても証拠もないデマカセだから、ちゃんと警察が捜査すればバレるんだけれど、空想にしてはリアリティがあるというか、説得力があるから思わず納得してしまいそうになるんですよね。
 推理というか、やっていることは弁論ですね。真実かどうかよりも、観客を納得させれば勝ちみたいな。
 読者を物語に引き込む力がすごかった。作者にはできれば、こういう小説をどんどん書いて欲しいですねぇ。

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2010年06月20日

大正野球娘。 4/神楽坂淳

4198508666大正野球娘。 4 (トクマ・ノベルズ Edge)
神楽坂 淳 小池 定路
徳間書店 2010-06-17

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次なる勝負は紅葉率いるアーミナ女学校と野球の試合だ。初詣で集まった桜花会のみんなは勝利を祈った。そんな年明け早々、父から来た一通の手紙が静を悩ませていた。「巴か静どちらでもいい。千本氏(京都の呉服屋)の後妻に入れ」という内容だった。

 幸せの味の人生探し

 男尊女卑の世の中で、新しい時代に向けて奮闘する乙女たちの大正浪漫活劇。

 大人の都合で振り回される乙女たちのやり切れない思いがなんとも歯痒かった。
 親のいいつけで結婚されそうな巴と静を助けるために、桜花会が一致団結する姿に心温まる。
 人形のようだった姉妹も人間味を見せるようになり、仲間を信じる前向きな姿勢が喜ばしい。
 けど、また野球してないし……。練習回だとしても、ランニングだけとか地味だなぁ。

 すっかり小梅は桜花会のマスコット的存在ですね。人気上昇っぷりが収まるところを知らない。
 乙女たちの間に漂う微百合な空気が甘くてときめきます、ときに小梅を巡って緊張感走る修羅場もたまらない。唯一、小梅を嫌っていた静もようやく素直に向き合うようになってきて、ますます桜花会の内部のフラグ率がやばい。小梅さん、ぱねぇっす!

 そして出てくる料理がまた美味しそう。料理小説として読んでも間違いじゃない気がしてきた。
 フライ作りに夢中になる三郎に、もう自分に飽きてしまったのかと不安になる小梅がいじらしい。
 そもそも小梅が料理をお願いしたからこそ、三郎くんも真剣なんですよ。婚約者に頼られて奮い立つ男心もわかってあげてください。両思いなのに何故か想いがうまく伝わらない恋模様がじれったい。

 桜花会もアーミナ女学校も、それぞれ作戦を練って、戦う前の駆け引きからもいい勝負を期待できそう。
 若干、邪な人の不穏な介入も見え隠れするけれども、どちらともフェアな試合を望みたいな。
 男子陣も乙女たちへ積極的にアプローチしてきて、恋の花開く春の訪れを予感させますね。
 次回はいつごろだろうか、1年以上はさすがにないだろうけれど、まあ気長に待つことにいしますか。

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2010年04月02日

零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係/西尾維新

4061826808零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 (講談社ノベルス)
講談社 2010-03-25

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兄弟になったばかりの零崎人識と無桐伊織は人類最強の請負人・哀川潤を勝算を持って襲撃する。その結果二人は彼女の『仕事』に巻き込まれる羽目に! 向かう場所は“殺し名”序列二位、闇口衆の拠点・大厄島、向かう敵は生涯無敗の結晶皇帝、六何我樹丸!

 殺人鬼の家族遊戯

 殺人鬼『零崎一賊』の鬼子・零崎人識と彼にまつわる人々との人間関係を描いた人間シリーズ最終章。

 お兄ちゃん大好きっ子・崩子ちゃんの妹っぷりが弾けまくってました。
 双識から託された伊織に対して兄として振る舞おうと努力する人識の成長ぶりが窺えますが、兄妹して馬鹿で脳天気なお笑いコンビの掛け合いが笑えます。
 人識のファッションセンスをカッコ良いと思っていた私の心にナイフがぐさぐさ……。お洒落じゃね?

 重体の身体なのに意味もなく意地張って無茶をして、潤さんは相変わらず思いつきで生きてますね。
 ひとつの油断が命取りに直結するこの世界でよくそれ生きていられたもんだけど、人類最強でも死ぬときゃ死ぬと割り切っているからこそ、あの自由奔放な生き様なんでしょう。
 けど、HPゲージ残り7%でどうやって元気百倍モードの真心ちんを躱せたんだろう。

 伊織はつくづくKYでしたが、さすがは双識の見出した逸材。あのバーサクっぷりは怖かった。
 殺人衝動のままに理性をかなぐり捨てて特攻するあの姿こそが真に零崎らしい零崎の姿なのかな。いつか本当に『自殺志願』の後継者として認められる日もくるのでしょうか。
 そして家族から背を向けても、決して家族の絆から逃れられない人識もまた『零崎一賊』に相応しい殺人鬼なのでしょう。双識にーちゃんの面影が浮かんで切ない。

 崩子ちゃんは一人ぼっちかもしれないけど、たくさんの家族に囲まれて愛されてますね。
 ただ、最後に六何我樹丸が急に崩子ちゃんを認めた心変わりの理由はよくわからなかったなぁ。
 折れない崩子ちゃんの兄思いの気迫に押されたというカンジでしたが、それだけでは弱い。
 そして、また戯言シリーズの後日談になっちゃってるなぁ。補完はいいけど別でやってください。
 さらに零崎が出張ってきて敵味方脇役誰一人として死んでないなんて、なんて事だ!
 西尾さん、新作の執筆も立て続けの上に『めだかボックス』の原作で疲れてるのかな(´・ω・`)

 あとがきでは好きな順番で読むように推奨してますが、個人的にはやはり友人に勧められた通り「戯言」→「出夢」→「双識」→「伊織」が正解でしたね。
 正直、「戯言」が一番つまらないからまず最初に読んでおいた方がいい。そして「出夢」→「双識」の順が時系列的にも合ってるし、敵が次第にスケールアップしていくので面白さが持続する。
 そして「伊織」で家族愛について語りつつ零崎一賊の行く末を暗示させて綺麗に引く。

 ともあれ、人間シリーズこれにて終幕。放浪の殺人鬼はまた再び何処へと旅立った。
 長きにわたってのシリーズ完結、お疲れ様でした。

 ところで付録についてきた『零崎一賊の人間コロシアム』だけど、結局どうやって遊べばいいんだろう。
 ここはラ管連TCG部員として、遊び方のひとつでも考えなければ……。

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2010年04月01日

零崎人識の人間関係 零崎双識との関係/西尾維新

4061826816零崎人識の人間関係 零崎双識との関係 (講談社ノベルス)
講談社 2010-03-25

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零崎人識、17歳、もっとも自由だった全盛期の春。“殺し名”七名の対極に位置する“呪い名”六名――時宮病院、罪口商会、拭森動物園、死吹製作所、奇野師団、咎凪党――の寄せ集め、裏切同盟と兄・零崎双識との戦闘に、彼は否応なく巻き込まれ――

 殺人鬼の青春時代

 殺人鬼『零崎一賊』の鬼子・零崎人識と彼にまつわる人々との人間関係を描いた人間シリーズ最終章。

 双識と間違られた人識と『呪い名』集団・裏切同盟とのスピーディなバトル展開が見物でした。
 決して正面からは戦いを挑まず、邪道とも言える裏技や搦め手で襲ってくる裏切同盟に対して、相手の盲点をついた勝ち方には、人識ならではの特異性がよく現れている。
 いつもの力押しの超人バトルとはちょっと違うメンタル面での駆け引きが新鮮でした。

 『呪い名』のそれぞれの特性がきちんと明かされるのはこれが本邦初ですね。
 脳内干渉やら精神支配やら嫌らしいスキルだなぁ。罪口に至っては"呪い"とか、「そんなオカルトありえません」と言いたくなったけど。確かにあんなチートを使う相手とは戦わないのが正しい選択かも。
 咎凪だけ戦う前にログアウトしちゃったからわかりませんが、ページ数の問題か、単に作者が飽きたか。

 そして『零崎双識との関係』というくせに、肝心の双識にーちゃんがエピローグまで出てこない。
 直木三銃士といい、裏切同盟といい、双識本人を知らない人にとってはマインドレンデルの評価がやけに高いなぁ。どれだけ変態に見えても、やはりそれだけ偉大な人物なんだろうなぁ。変態だけど。
 曲識と姫ちゃん、軋識と玉藻はずっと戦いっぱなしなんだろうか、そちらもとても気になった。

 双識に対する人識の思いはなんとなく掴めたような。少しばかり反抗期なだけで本当は兄思いと。
 裏切同盟も勘違いをせずに双識本人を相手にしていたらまた展開は違ったのだろうけれど、『殺し名』の天敵である彼らにとって、この頃の人識こそが天敵だった。
 人識の少年時代の終わりがちょうどこの頃だったのでしょうか、出夢への想いを吐露する人識の姿にはまた切なさがこみ上げてきました……。バトル小説と思わせて、これはいい青春小説でした。

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2010年03月31日

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係/西尾維新

4061826794零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係 (講談社ノベルス)
講談社 2010-03-25

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「零崎一賊」――それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。汀目俊希として中学校に通う零崎人識の下に、彼の友人を名乗る人物が現れた。“殺し名”序列一位、匂宮雑伎団の次期エース、匂宮出夢である。その口から発せられた『お願い』とは……!?

 殺人鬼の恋愛事情

 殺人鬼『零崎一賊』の鬼子・零崎人識と彼にまつわる人々との人間関係を描いた人間シリーズ最終章。

 人格的には男のはずなんだけど、どうしてこんなにも出夢が可愛く見えてしまうんだろう。
 人識と出夢の絡みがいちゃいちゃしいが、デートの誘い文句が「殺しの仕事手伝って」というのはさすが殺人鬼と殺し屋のカップルだなぁ。さらに狂戦士・玉藻も加えて三角関係。人識モテモテですね。
 愛するが故に殺し合う、殺人鬼と殺し屋の不器用な恋愛模様が切なくて愛おしかった。

 人識との気楽な関係に心地良さを感じる度に出夢はどんな苦悩や葛藤を抱えていったのかな。
 強さに特化した出夢だからこそ、弱さには人一倍脆かったというのもあるけれど、絆が強さに変わる『零崎一賊』と絆を弱さと捨てる『匂宮雑伎団』という、彼らの属する『殺し名』の思想の違いがここにきて表出してしまったようにも思えます。

 殺し屋と殺人鬼。似て非なる者同士いつかは別れてしまう関係だったかもしれませんが、まだ若い彼らにとってはあまりにも早すぎる決別だった。人類最悪は本当に最悪なことをしてくれた!
 人識たちが命をかけて戦っていたのも狐さんのあんな身勝手な目的のためだったとは!!
 甘い二人の関係の唐突な幕切れに、狐に化かされた気分です。相思相愛になった瞬間に殺し合わずにはいられない二人の姿が辛かった。そして人識の自分探しの迷走がここから始まったんですね。

 しかし、それでも出夢を愛していると言える人識は、強い。出夢も決して弱いわけではなく、「匂宮」としての自分の存在理由を脅かすほどに人識を愛しすぎてしまったんだろうなぁ。
 殺人鬼に愛されることは幸せなんだろうか、逆に殺人鬼を愛することは不幸なんだろうか。
 二人の関係は『不運』ではあったけれど、二人の関係は『不幸』ではなかったと信じたいですね。

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2010年03月30日

零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係/西尾維新

4061826824零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社ノベルス)
講談社 2010-03-25

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「零崎一賊」―それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。死んだ人間みたいな目をした少年と、顔面刺青の殺人鬼。二人の出会いが、そして語られることのなかった京都連続通り魔事件の真相がついに明かされる!零崎人識の動機と、その無惨なる結末は…!?

 殺人鬼の証明問題

 殺人鬼『零崎一賊』の鬼子・零崎人識と彼にまつわる人々との人間関係を描いた人間シリーズ最終章。

 戯言シリーズの第二作目、『クビシメロマンチスト』において起きた京都連続殺人事件を脇役たちの視点から映したお話となっているのだけれど、この事件から『零崎一賊』が初めて世に出てスピンオフが始まっていったというとなにやら感慨深い。読んだのがかなり昔なので本編自体がもはや忘却の彼方。
 ぶっちゃけ、『零崎一賊』って、いーちゃんよりもファンに好かれてるんじゃないかと思いますもん。

 サブタイでは『戯言遣いとの関係』というものの、いーちゃんとの絡みはなく。話のほとんどが本編の裏側で人識とニアミスしていた脇役たちの一人称であり、それも殺人直後の犯人もしくは通りすがりの変人としか描かれていないので、誰がメインなのかよくわかりませんけどね。
 まあこれまでまったく描かれなかった佐々沙咲、江本智恵、木賀峰約、七々見奈波らの内面の一端は窺えましたが、人識の活躍は相当削られていて、ちょっと期待していたものと違ったような。

 複数の視点から捉えた人識の姿だけなく、いーちゃんに対する評も少しずつ語られていますが、みんなして口を揃えて異常者扱いなんですね……。見た目が大変薄気味悪いのはわかるんだけれど、そこまで異常でしたか? あれで結構アホなことばかり考えているお茶目なところもあるんだけどなぁ。
 いーちゃんも人識以上に出てきませんでしたが、久しぶりに俺様ちゃんの姿が拝めたのは嬉しかったなぁ。ゴスロリの潤さんは是非とも挿絵に出して欲しかったのに……。

 事件の動機については一応の納得はできたけれど、その理由はロマンチストにもほどがある。
 ときに、今回の物語を通して人識と一番積極的に絡んでいたのは哀川潤じゃないのかな。
 これが潤さんとも初対面となるわけだし、『人類最強との関係』と題した方が正しかったですね。
 ちなみに同時出版された四部作のうち、最初にこの『戯言遣いとの関係』を読みました。
 刊行順とは違いますが、友人から「戯言」→「出夢」→「双識」→「伊織」の順で薦められたので、とりあえず素直に言われた通り次は「出夢」を読もうかな。

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2009年07月26日

浜村渚の計算ノート/青柳碧人

4062828049浜村渚の計算ノート (講談社Birth)
青柳碧人
講談社 2009-07-22

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義務教育から数学が消えた。抗議する天才学者ひきいる数学テロ組織が次々と事件を起こす。数学を学んだ者は洗脳されているおそれが強いことが発覚し、数学好きの女子中学生・浜村渚が警視庁に助っ人として起用された。警察もビックリする彼女の活躍で、事件は解決していく!

 世界は数学で満ちている

 数学マニアが起こした難事件に天才数学少女が挑む数学ミステリ。

 理数系ならば、誰もが感嘆してしまうであろう"数学的"に美しいミステリでした。
 「感情を排した論理的な思考は人間性を否定する」という理由で、教育指導要綱から数学が減らされたことに抗議する数学テロ組織"黒い三角定規"により、数学の実証と称した無差別テロ事件が日本中で起こるという、エキセントリックな書き出しにまず衝撃を受けましたが、毎回、犯人である数学マニアの出す数学問題を数学大好き女子中学生・浜村渚が鮮やかに解いていく手並みが読んでいて気持ちいいー!!

 事件の真相を解き明かす浜村渚の数学の才能もさることながら、歪んだ狂気に憑かれた数学マニアたちを説き伏せ、罪を悔い改めさせる数学へのひたむきな愛に惹かれました!
 「0で割っては、ダメです」には感動した。私もプログラミングやる人間なので0除算の禁則事項は重々承知だったけれど、とっさにそんな言葉出てこないよ!
 日常を数学の問題に変えてしまう、ちょっと変人っぽい予測不能な行動も可愛いですね。パイナップルがフィボナッチ数列に通じているとは、知りませんでした。数学トリビアも興味深い。

 数学テロ組織の指導者・高木源一郎は、単純な狂信者や殺人鬼などではなく、おそらくは事件を通して社会に数学の危険性と有用性とを同時に訴えているんだろうな。
 将来、数学が衰退した社会で、数学的な事件が起こったとき、誰もそれに対抗できないとしたら・・・・・・。それはとても怖い想像ですよね。
 有史以来、発展させ続けてきた数学という学問を停滞させている社会への憤りも理解できるなぁ。

 いやぁ、数学ってこんなに面白くて崇高な学問だったのかと、認識が改まりましたね。
 私も高校時代は数学が一番の得意科目でしたが、渚や犯人たちほどひた向きに数学に打ち込んではいませんでした。もう少し早く魅力に気づいていればと後悔しています。
 渚の目には、この世界が美しい数字や数式で満ちあふれているように見えているんだろうなぁ。私もその世界を見てみたい。再び数学への興味がむくむくと湧いてきました。

 数学好きを自称する人や「数学用語に萌えるよ!」っていう人は読むべき! っていうか、読めっ!!
 数学が苦手な人も、数学の知識の浅い人も、これを読めば絶対に数学が好きになります。
 キャラクターもユニークで、文章もスッキリとして読みやすく、数学的に無駄のない論理の虜になる。
 これはまさに傑作ミステリと呼んで過言ない。
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2008年07月03日

誰かのリビングデッド 1/海原育人

4125010358誰かのリビングデッド 1 (1) (C・NovelsFantasia う 2-4)
海原 育人
中央公論新社 2008-06

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リビングデッドのおしごと

ある日、パン屋の下働きのプラスは、畑で死体を掘り出した。
デルと名乗るそのリビングデットは、自分を作り出した魔法使いを探して旅を続けているという。
しばらくの間、彼と生活することになったプラスだが、顔馴染みの少女ナムから、魔法使い殺しを手伝えと持ちかけられ・・・。
ドラゴンキラーで人気を博した作者の新シリーズはリビングデッドのお話。

リビングデッドのデルのキャラが捉えずらいですね。
ちょっと変わってるけれどもわりと常識的な優男かと思えば、あっさりと敵に鞍がえったり、ただ事態を混乱させてるだけのような行動をとるので、マトモなのか狂ってるのか、判断がつけにくい。やたらと明るいくせに、淡白なところもチグハグ感。

政治を支配する魔法使いに恨みを抱くナムに付き合わされる形で魔法使いの元にスパイに送り込まれるプラスですが、
さすがに若すぎるせいか、やはり『ドラゴンキラー』シリーズのココなんかと比べると、駆け引きや立ち回りにも精彩を欠く。
前作のようなピカレスクロマンを期待しすぎたのか、どうにもイマイチ話にパンチが足りない印象を受けてしまいました。

ただ相変わらず、妙に中年キャラに味がありますねw
嫌うに憎めない口の悪い店長がどうにもお気に入りです。
まさかこの親父が作中でキモとなるあの男だったとは。
まあプラスもナムもこれからの成長に期待ですね。
デルももう少し役に立つ活躍があればいいのになぁ。

というか、デルと三人で旅に出ちゃったら、次回からフリー姐さんが出てこなくなっちゃうじゃないですか!!
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2007年04月17日

書物狩人/赤城毅

4061824872書物狩人
赤城 毅
講談社 2007-04-06

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【書物は知識を伝える。書物は感情を豊かにしてくれる。書物は遠い異国のことを教えてくれる。そして書物はときに人を殺し、一国の政治を揺るがすこともある。】

書物とは、歴史の証人也

一冊の書物をめぐって繰り広げられる壮大な歴史ミステリー。
政府や企業、好事家からの依頼を受け、合法非合法を問わず標的の書物を入手する闇のプロフェッショナル『書物狩人』。
古書に秘められた歴史の真実。それに踊らされる現代の人々。下された依頼の裏に隠された真相が暴き出される、どんでん返しが見事な歴史ミステリをあつかった短編集です。

一見して気障な白髪の青年、ナカライ助教授。
その正体は凄腕の『書物狩人』、ル・シャスール。
決して善人なんかではないけれど、貴重な書物が失われゆくことを心の底から憎む、書籍にかけたクールな情熱。
そして自らの価値観、『書物狩人』としての美意識に従って行動する彼の仕事振りには共感しちゃいましたね。

N.Y.の古書店から強奪された教科書。
イヴァン雷帝の書庫から持ち出された写本。
ナポレオンが死の間際に読んだとされる小説。
古代中国の記述が記された漢籍。
物語の重要な鍵となる本たちも立派な登場人物です。

それぞれ単なる稀覯本としての価値以上に、ひとつの国家の政治を揺るがしかねない威力が秘められているのですが、
なによりも書籍にそんな力を与えてしまった人間たちの複雑な歴史の流れというやつに想いを馳せますね。
少なくとも昭和の話だと思ってたのに、携帯電話が普通に登場してビビッた! いつのまにか時代観が狂わされてた!w

あまりの設定の厚み、歴史の深みに圧倒されます。
これぞ赤城節。いつにも増して作品の完成度が高い。
いつも参考資料を巻末に記載しているけれど、今回は山のように積んでますね。これだけの作品にまで磨き上げるのに、どれくらい試行錯誤を重ねたことか想像もつきません。

我こそは書物中毒と自負されるみなさま、必読のバイブル。
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2006年11月18日

零崎軋識の人間ノック/西尾維新

4061825097零崎軋識の人間ノック
西尾 維新 竹
講談社 2006-11-08

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【殺し名の第三位に列せられる殺人鬼の「零崎一賊」。『愚神礼賛』こと零崎軋識。次から次へと現れる殺し名の精鋭たちの死闘の行く末にあるものは一体!?】

ロリショタがいっぱいだw

零崎一賊の釘バット、『愚神礼賛』こと零崎軋識。
あろうことか零崎一賊を狙った策士・萩原子荻の策略に、
零崎人識、零崎双識と共に立ち向かっていきます。
でも、見所は軋識より脇役のはずのロリショタキャラたち。
≪期待の人間シリーズ二人目は釘バット! ただし中身は戯言キャラの同窓会≫みたいなっ!

序盤は人識に先達者としての貫禄をみせていたものの、
あっさりと人識の異常性にビビらされてしまう零崎軋識。
その後も、鉄火面メイドてる子さんに敗北を喫してしまったり、
横からしゃしゃり出てきた人類最強に振り回されたりと、
主人公なのに踏んだり蹴ったりな役割を演じます。

零崎一賊の零崎軋識として、また≪チーム≫の式岸軋騎として、家族と玖渚友どちらが大切なのかと自問自答したり、
あの独特の語尾もキャラ作りだったというのが笑えます。
零崎なのにやたらと普通の人間っぽいヘタレキャラでした。

萩原子荻、西条玉藻、匂宮出雲、凪萌太、そして哀川潤。
戯言シリーズのキャラたちのオールスターバトルですね。
とくに子荻ちゃんと双識の運命の出会いはよかったw
それまでクールでニヒルな自分像を持ってた子荻ちゃんが、
変態殺人鬼・双識のペースに流され、後半ぐだぐだになっていく様が面白すぎて可愛すぎて悶えます。双識兄ぃ最高っ!

次回は『少女趣味』こと零崎曲識のお話ということですが、
また懐かしのキャラたちの再登場が見られるのでしょうか、
そしてなんとしても再び子荻ちゃんの大活躍を見せねばファンが黙っていませんよ!
もしくは萩原子荻の謀略シリーズの新刊立ち上げを・・・。

ときにおまけのTCG。哀川潤、ちょwwwナニコレwww!!
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2006年08月06日

xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル/西尾維新

4062135094×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル
西尾 維新
講談社 2006-08-02

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【残忍な眼。壱原侑子に相対し、私が最初に抱いた印象は、その一言についた。どんな願いも叶う店。ただし同等の対価が必要。この世のすべては<必然>の奇跡】

「ちなみに私は一条さんのファンよ」
「や、わかりやすいけれども! けれども!
 一条さんは確かに、誰もが認める
 素敵極まりないキャラクターですけれども!」

またマンガネタか!


トリビュート維新、弐さつめ。
内容は中編1話、書下ろしの短編2話。
幸福を享受できない女性。死者からメールが届く携帯電話。
そして「あやかし」と「まやかし」を視る異色眼を持つ男。
デスノよりは、本来の西尾と原作のダークなまったり感が合っていました。でも、さすがにマンガネタをやりすぎだろ!

いや、一条さんは最高だが

1話目までは原作に忠実にやろうとしてますが、
書下ろしの2、3話までくると西尾維新が食い始める。
真面目に書いてるうちに飽きてきたんでしょうなきっと・・・。
西尾維新の大好きな言葉遊びの連発。オリキャラでやたら凶悪な化町婆娑羅といい、自分色にベッタリ塗りたくってます。

ホリックファンと西尾ファンで評価が二分化してます。
四月一日に対する侑子のSっぷりに拍車がかかっててよかったと思うのですけれども、ホリックファンには不評です。
西尾センテンスに慣れていない読者は戸惑って当然かも。
それなりに両方とも読み込んでる私としては、西尾スパイスの効いたホリックは珍味な食感で楽しめました。

それより問題は、四月一日と侑子の絡みだけで、
他の主要メンバーの登場が皆無ということですよ!
百目鬼や九軒ひまわりどころか、モコナの出番がねぇよ!!
モコナが四月一日をいじらないホリックなんてホリックじゃねぇ

それとノベライズするにあたってのエピソード選びかな。
確かにホリックは、おどろおどろしい怪奇談もあるんですが、
狐の親子なんかの「あやかし」との心温まるエピソードも決して少なくないわけで。ホラーとほのぼのの割合が微妙です。

魅力的なあやかしキャラすらいないと面白味も半減。
私なんて九軒ひまわりよりも、座敷童を正ヒロインにと常々思ってるくらいだから。そこは見過ごせない問題でした。

ときに侑子は「ルパン三世」なら誰が好きか聞いてみたい。

ぱにぽに 1 (1)ぱにぽに 1 (1)
氷川 へきる

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2006年08月05日

DEATH NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件/西尾維新

4087804399DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件
西尾 維新 大場 つぐみ 小畑 健
集英社 2006-08-01

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【ビヨンド・バースディが第三の殺人を行ったとき、ついに世紀の名探偵Lが事件の解明に乗り出した。過去の事件の裏で繰り広げられるBとLの因縁の対決。これぞLの伝説(ノート)】

「いや、私も『赤ずきんチャチャ』は大好きでしたけど、
 愛と勇気と希望でホーリーアップしてましたけど」

ナオミさん壊れた!


犯行現場に藁人形を残していく怪奇な連続殺人事件。
休職中の南空ナオミは、Lに依頼され捜査を開始する。
事件の現場で遭遇したのは、竜崎という怪しい私立探偵。
ナオミと竜崎の噛み合わないコンビのトークがワロタw
ってか、ナオミさんに何てセリフを言わせてるんだ!

西尾グッジョブ!www


始終、ナオミさんがツッコミ役にハマってました。
西尾プロデュースでキャラが180度アクロバット回転してます。
第一の事件で、残されたメッセージから犯人が『赤ずきんチャチャ』のファンで、性格はヒネくれた神経質という犯人像が浮かび上がったところで、「犯人は竜崎お前だあぁぁあああ!!」と心の中で絶叫していました。懐かしすぎだよ、チャチャ。

まあ当時の私は少女コミといえば『赤ずきんチャチャ』よりも、
『姫ちゃんのリボン』よりも、『きんぎょ注意報!』でした。
ちーちゃんは素晴らしいツンデレでしたともさ!
『赤ずきんチャチャ』も間違いなく名作なので、未読の方は是非とも読んで欲しい。と竜崎が申しております。

今回の事件では、キラも死神のノートも出てきません。
本筋はナオミと竜崎が、犯人の残したメッセージを読み解き、
一見、繋がりのない被害者たちのミッシングリンクを解き明かしていくミステリーなのですが、これがよく出来ている。
密室トリックなどはショボイものの、知恵を絞って論拠を揃えていく形式の超難解パズルの様子を呈しています。

でも、ネタノートだよね

以前から、西尾維新とデスノは絶対に融合しないだろと、
内心で不安と恐怖の暗雲たちこめていましたが、計算通り。
蓋を開けてみれば、西尾維新がデスノを食っていましたよ。
途中までは、デスノをなんとかトレースしようとした痕跡は認められますが、中盤からはびっくりするほど西尾維新でした。

サスペンスの緊迫感よりも、ギャグが+されていたかな。
原作の世界観とは、処々で違和感を感じてしまうのですが、
例えば、二〇〇二年のロサンゼルスにツンデレという言葉が普及してたのか怪しいな・・・。

そうかこれはノベライズという名のトリビュート本だったんだ
赤ずきんチャチャ (#1)赤ずきんチャチャ (#1)
彩花 みん

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姫ちゃんのリボン (1)姫ちゃんのリボン (1)
水沢 めぐみ

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きんぎょ注意報! 1 新装版 (1)きんぎょ注意報! 1 新装版 (1)
猫部 ねこ

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2006年05月02日

工学部・水柿助教授の逡巡/森博嗣

434400924X工学部・水柿助教授の逡巡
森 博嗣
幻冬舎 2006-01

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【ミステリィ作家になった水柿君。時間があれば小説を書き続ける毎日。たまたま出版社に送ったら本になり、売れた!そして幾星霜、水柿君はすっかり小説家らしくなったが…。】

ZAREGOTO
99%


某国立大学、工学部建築学助教授の水柿君。
それまでまったく本を読まなかった彼が、いかにしてミステリィ作家などという奇々怪々なる職業になってしまったのか。
これは彼とその妻・須摩子さんの努力と感動の記録である。
って、ページの99%は作者の戯言じゃないですか!!!

ザ・脱線小説

理屈っぽくて世間ズレしている水柿君と須摩子さん。
二人のとことんドライで、マイペースな会話が実にユニーク。
話の骨子はとてもシンプルなのに、すぐに話が横道に、わき道にそれて、明後日を向いた駄文が物語の大半を構成する。

駄話満漢全席

とにかく話のバラエティが多岐に富んで、業界の薀蓄だったり、珍しいトリビアだったり、下らない駄洒落だったり。
普通はぜい肉になってしまうのに、それがとても面白い!
タイムマシンはJIS規格されてないから、目覚まし時計を「タイムマシンです」と売り出してもよいらしい。んな、バカなw

メッタメタですよ


森博嗣の戯言独壇場。
作者の生声が頻繁に地の文に登場するメタな文体。
蛇足だらけの文章、快活で饒舌な語り口が病みつきになる。
噺家の講談調で描かれる水柿君が可笑しくて仕方がない。

雑学ネタだけでこれほど面白く。
一冊書けてしまえるほど話の引き出しがある森博嗣スゴイ。
だが、本文以外でこんなに文字数を稼ぐのはズルイ!w
水柿君と須摩子さんの日常だけでも十分に読む価値はある。

ちょwww脱線しまくりんぐwww!!!と電車内で読んでてオモタ。
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2006年02月26日

西尾維新クロニクル

479665092X西尾維新クロニクル
宝島社 2006-01-30

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戯言シリーズ完結記念。
これまでのすべてを振り返る西尾維新クロニクル。
キャラクターファイルから、作者インタビューはもちろん。
これまでいーちゃんが「戯言」といった回数など、
戯言を読み解くための大辞典。

さらに戯言の世界とリンクする京都観光案内。
作者と歩く四国巡礼の旅などなにこの観光ガイト。
とはいえ、作者特製の書き下ろし小説「ある果実」までついて破格の価格定価1600円迷わず買ったけど高いよ!!

◆ある果実
【電車で本を読んでいるぼくの隣で、あからさまに覗き込んでくる奇妙な女子高生・・・なに?】


やはり本好き=変人と

そしてさらに作家=狂人であるんだといいたいわけですね。
小説を純粋に面白く読めるのは初心者のうちだけで、
小説を読むたびに、小説をつまらなく感じていってしまう。
しいては、嫌々やり続けるしかない行き止りがある。

そげんことねいやろ


面白い本を読んだときの感動と興奮は、
つまらない本を読んだ時のむなしさとは別次元に存在する。
それに私はつまらない本を読んだら、さっさとこのブログに思いつく限りの誹謗中傷を書いて全部忘れることにしてる。

排泄物ブログでスマソ

うん、まあそんなわけで、いつまでもネチネチと駄作を引きずるような読書はラノベラーならしない。だって中毒だもん。
みんなラノベなしじゃ、マトモな生活できないんでしょ?
なんとか誤魔化してやってけてるんでしょ?

電車内だろうが、どこでも本の世界に逃避できる。
つねに鞄の中やコートのポケットにラノベを携帯している。
現実社会の中でちっぽけな虚構だけを頼りに生きる。
それがラノベ中毒患者ラノベラーの生態。

この毒男ども

ぶっちゃけ、大好きオマエラ。大、大、大、愛してる。
分けわかんなくなってきたからもう寝るオヤシミ。
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2006年01月03日

ネコソギラジカル下/西尾維新




『ネコソギラジカル 下 青色サヴァンと戯言遣い』
西尾 維新  講談社ノベルス


【玖渚友との決別。想影真心の暴走。そして哀川潤の復活。すべてを貫く伏線の楽譜は絡まり合い、一気に奔流をはじめる!「戯言シリーズ」ついに大団円!】

遅ればせながら、決定的に遅刻して真相を知るいーちゃん。
幸福な嘘で戯言遣いを傷つけた青色サヴァンの少女は、
いままで内に隠して、欠くしてきた本心を語りだす・・・。

芸風変わってない?


今巻の根幹であるいーちゃんと友ちゃんの決別シーンだが、
急に友ちゃんに人間味が出てきてしまったような・・・。
平然として自分の死を受け入れているトコに『死線の蒼』の魅力を感じていたのですが。
普通に弱気な友ちゃんは痛々しすぎて見てらんない。

「うん。そりゃまあ確かにさあ、あんときブン殴られて意識オチちゃったけどさあ、勝つとか負けとか強いとか弱いとか、そういうのをあれだけの材料で判断されてもこっちは困っちゃうわけだよ。あれだけのことでもう哀川潤は最強じゃなくなったなんていってほしくないなあ。うん。」

言い訳なんて聞きたくないや!

    。。
   。     。 +  
゜ 。・ 。 +゜  。・゜ (;゜`Дフ。哀川サンのバカァァァン!!
             ノ( /
               / >

セルフフォローに必死でむしろ哀れすぎて見てられない。
アナタは少なくとも、この純真な少年の夢を壊しました。
しかも、親子水入らずで何イチャってるんだろう・・・。
ヒーローとしての赤き制裁の燃焼力が落ちたような。

それにしてもあっけない

最後はやはり赤き制裁がキメてくれましたが、
それにしてもあっけない。あっけなさすぎる途切れ方です。
いつも最後の最後でブチ壊しな意外性が根にあるのに、
あっけなくキャラが死んでいく不条理さがあったのに。
予想航路の予定調和といった様で、緊迫感がないです。

物語の整合性として、最後の戦いの後に、
いーちゃんと友ちゃんの対話が必要だったと思う。
いかなる戯言で玖渚友をこの世に繋ぎ止めたのか。
そこにいーちゃんの最後の成長を演出すべきだった。

それなりにしっかりと社会で生きているいーちゃんの「その後」が描かれていたのは良しとします。
ただ、いーちゃんと妹の経緯や六年前の玖渚機関との事件も曖昧だし、伏線がすべて回収できてないような。
最後の最後でコケてしまったなぁ・・・。
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2006年01月02日

ネコソギラジカル中/西尾維新




『ネコソギラジカル 中 赤き征裁VS.橙なる種』
西尾 維新 講談社ノベルス


【世界の終わりを望む「狐面の男」の挑戦を受け、登場したのはかつて自分が殺したはずの親友、想影真心。橙なる種と赤き制裁の人類最強同士の戦いが始まる】

      || ̄   ぼくらのヒーロー
      ||_(д゚ )  赤き制裁が・・・。
      \⊂   )
        (  ┳'

           チョ、チョットマッテ
      || ̄
      ||_(д⊂)ゴシゴシ
      \ つ  )
        (  ┳'

      || ̄ 
      ||_(д゚ ) ・・・。
      \⊂   )
        (  ┳'

      || ̄ 
      ||_(;゚д゚) 瞬殺されてますよ!?
      \⊂   )
        (  ┳'

こんな哀川さん(;´Д`)嫌だあぁぁああ嗚呼!!!
立て! 立つんだ! 人類最強の請負人!!
こんなヤラレ役な赤き制裁は見たくなかった!
秒殺瞬殺、絶対無敵が赤き制裁のキャラなのに・・・。
いきなり撃沈して、即退場するとは思わなかったよ。

うはぁ、猟奇分キタコレw


なんとか生き残ったかと思いきや、あんな死に方をするとは。
死に様泣けるなぁー最後まで立ち位置が微妙っぽかったような気もするけど崩子ちゃんは悶死するほど同情した。
お互いを思いやる哀しき兄弟愛(゚∀゚)イイ!!

流れが違うような

まあ直接対決ってのは、いーちゃんらしくないんで、
からめ手でくるのは予想できました。
ただ、各階段との接触といい、狐さんの敗北宣言といい、
いくらなんでもうまく行き過ぎじゃないんでしょうか。
さすがにご都合主義を感じますね。
いや、人間失格様の登場はカコイイ!!のでいいんですがw

「お前が無事に玖渚機関に戻れてさ。
ぼくがくだらないいざこざから生還できたらさ」
「何?」
「結婚しようぜ」


 *     +    巛 ヽ
            〒 !   +    。     +    。
      +    。  |  |  プロポーズ!
   *     +   / /   コレキテルワマジデイャフゥォォオオ!!!
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / +    。     +    。   *
      ,-     f
      / ュヘ    | *     +    。     +   。 +
     〈_} )   |
        /    ! +    。     +    +     *
       ./  ,ヘ  |
 ガタン ||| j  / |  | |||
――――――――――――

いままで一番の戯言だよ、いーちゃん。
お前はやった。立派に人を愛せたじゃないか。
益体もない、無気力な愚痴ばかり吐いてたあの子が、
今ではこんなに立派に成長するなんてね、

そんなに死亡フラグが欲しいとは

私と同じく地雷を踏むのが趣味だと共感してたが、
自分から死ににいくとは、これでユーも一人前の主人公だ。

って、死亡ルートそっちかYO!

あの時のセリフは嘘なのかー<(;´Д`)>
うーん、あとがきの通り、確かに空転の期待をしてしまった。
つーか、サブタイといい、期待を裏切るシナリオナニコレ。
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2006年01月01日

ネコソギラジカル上/西尾維新




『ネコソギラジカル 上 十三階段』
西尾 維新 講談社ノベルス


【世界を、そして物語を終わらせるため、「ぼく」こと戯言遣い・いーちゃんに「狐面の男」はささやく。キーワードは、加速。そして、世界の終わり。何より、物語の終わり。】

新年戯言始め


あけおめ。
この駄文遣いの私に相応しい年の幕開けの一冊です。
今年もいっそう自己中心的テンションで、一日一冊、毎日更新で頑張ります。
皆様よろしくお願いします。
社交辞令は短めに。では、感想。

十三歳はまずくないよ

むしろ美味ですよ、みぃ姉さん。
くの一幼女崩子ちゃん。禁断の味だねっ!
っぽいとは思ってたが、戯言遣いのお兄ちゃんラヴか。
友ちゃんの活躍がめっさりない代りのロリ分補給。
そしてペドエロスを感じる・・・。これが代替可能かー!

でも=死亡フラグ

いーちゃんを好きになるヒロインは、すべからく死ぬんだよな。
「ヒトクイ」のときの感想通り、みぃ姉さんにも危機が・・・。
本当に萌えヒロイン殺しに作家人生捧げてるよな西尾維新。
いや、そんな殺×愛に悲惨なところが萌えなんですが。

ちょい物足りナス

いーちゃんの性格破綻な戯言は脳髄にクるし、
哀川さんの最高に決めキメな暴走はニヤケが止まらない。
ただ、全体としては、まだ登場人物の紹介と、走り出し未満。
いーちゃんと哀川さんの過去を遡るシナリオに期待は大きいが、いつもの中毒的な猟奇性の発露はまだまだですね。

「終わクロ」完読した後でこれ読んで、世界の終わりとか、
話の中では全然、実感できないんだが・・・。
明かされるいーちゃんと友ちゃんの過去に萌えを所望ナリ。
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2005年10月05日

猫丸先輩の推測/倉知淳

『猫丸先輩の推測』
倉知淳 講談社ノベルス




【『病気、至急連絡されたし』 手を替え品を替え、毎夜届けられる不審な電報、花見の場所取りを命じられた孤独な新入社員を襲う数々の理不尽な試練、商店街起死回生の大イベントに忍びよる妨害工作の影……。年齢不詳、神出鬼没、つかみどころのない猫丸先輩の鋭い推理が、すべてを明らかにする・・・?】

うほwwwいいぬこwww!!

三十男とは思えない童顔で小柄な年齢不詳のフリーター。
いつも陽気で初対面の相手にも人懐っこいくせに、
やたらと人が悪く大人とは思えない大のイタズラ好き。
面白そうな出来事に出合うや首をつっこんで、
ときには事件すら起きてないのに解決してしまう。

ぬこ丸先輩大好きです!

∧_∧
(*゚ー゚)  ;
し  つ==・
l l l
__)_)

毎日エサお弁当を持っていってあげたくなりました。
ぬこ丸先輩の和みオーラがすさまじい。
これは絶対に女性にウケるキャラだ、
御手洗さんに続く講談系婦女子のアイドルになるな。

殺人なし、血なまぐささも猟奇なし。
日常でも起こり得るような小さい不思議や謎を、
「これが真実じゃなく、証拠もないただの推測なんだけど」
と自分なりの解釈を語りだしていくのですが、
論理を組み立てて謎解きをしていく先輩は間違いなく名探偵。

ひたすらマイペースな彼に、周囲は振り回されつつも、
毒気を抜かれて、溜めていたストレスすら忘れてしまう。
それは彼自身が、自由で好奇心に満たされた生き方をしているからだと思う。

よくTVで田舎に引っ越して幸せに暮す生活を紹介してるけど、
本当に心が豊かな人間なら、都会だろうがどこだろうが、
住む場所関係なくいつも満ち足りているはずだろうよ。
楽しいことは見方を変えれば身近に転がっている。
まず都会を忌避する前にそれに気づくことが大事っしょー。

というか田舎はアニメ見れないから嫌

追記
つーか、すでにアンソロ本出てるのかぬこ丸先輩。
やヴぁい探さなきゃ☆ 都会マンセーw

名探偵猫丸先輩の事件簿
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