2008年10月05日

時載りリンネ! 4/清野静

4044732043時載りリンネ! 4 とっておきの日々 (角川スニーカー文庫 203-4)
清野 静
角川グループパブリッシング 2008-10-01

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「夏休みの自由研究は、流れ星を止めるのっ!」。宿題に切羽詰まったリンネが言い出した僕らの夏の終わり。 つーか、時止めの力って宇宙まで届くのかな? 時を止める少女が織りなす、わくわくする4つの大冒険!

どきどき、わくわくが止まらない

活字嫌いな文学少女、リンネの日常風景を描いた短編集です。

いつも突拍子もないことを思いつく彼女ですが、夏休みの自由研究のために、時載りの力で流れ星を止めて写真に撮ろうと言い出すお話、『天体観測』は、いつになくスケールがでかい。
リンネの提案を検証する遊佐と久高の議論を聞くと、いかにとんでもないかよくわかります。
でも、できるできないは、実際に挑戦してみなくちゃわからない。だから物事は楽しいんですよね。
そして現実に体験して得た経験は、どんな本を読むより勝る。
流星雨を見た彼らの感動は、ただ部屋にこもっているだけでは味わえなかったんじゃないかな

リンネの活発さが改めて表れているのが、威張りんぼな男子に女の子だらけのチームでフットサル勝負を挑む『フィーバー・ピッチ』。
ボールを持てば運動神経バツグンなリンネの独壇場なわけですが、さらに試合中に能力まで使うのは卑怯な気がしないでもない。リンネはまだしも、凪はやりすぎ。
リンネは、遊びや面白そうなことが絡むときだけ嫌いな活字にもやる気になるんですよね。
まあ同感です。人間、遊びは全力で、勉強や仕事はほどほどにやっておくのが一番です。
誰とでもすぐに仲良くなってしまって、わくわくどきどきに顔を輝かせるリンネの明るさが元気をくれます。

リンネばかりではなく、いつも箕作家の書庫でリンネを出迎える美人司書、Gの日常を描いた『ジルベルト・ヘイフィッツの優雅な日々』では、毎日、司書の仕事に励む彼女の素顔がちょっぴり覗けます。
お互いに親しげに話すGと知らない男性の姿を見て、二人の仲を誤解するリンネが面白かった。
自分のことをあまり話さないGが、ほんの少しずつだけれどリンネの家族への思いを明かすところが愛に溢れてよかったです。
この二人って、お淑やかなお姉さんとお転婆な妹という典型的なタイプの姉妹ですよね。

最終話の『凪、凪、夕凪』は、いつも不自由を強いられている久高の妹、凪が一ヶ月に一日だけ自由に振る舞える「凪の日」を描いたお話。
この娘も普段から無口無表情なだけに、何を考えているのかよくわかりません。
けど、お兄ちゃんが大好きってのは伝わってきます。それなのに久高は妹に冷たくないかと。
リンネとは真逆にゆっくりと時間が流れているような彼女のスローテンポが和みます。
時載りの出生について聖書のバベルの話が出てきたところを見ると、やはり凪も今後の物語のキーパーソンになってくるのかなぁ。

これからもわくわくするような彼女の冒険の物語を期待しています。
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2008年09月06日

放課後の魔術師 1 オーバーライト・ラヴ/土屋つかさ

4044740011放課後の魔術師 (1)オーバーライト・ラヴ (角川スニーカー文庫 208-1)
土屋 つかさ
角川グループパブリッシング 2008-09-01

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ある朝、播機遥は見慣れぬ少年秋津安芸と出会う。転校生かと思い親切にするが、17歳で自分のクラスの担任教師になると知って愕然とする。そして彼の出現と同時に学園で不可思議な現象が起き始め・・・。


女子高生オーバードライブ

プログラム言語のような呪文で魔術を発動させる論理魔術師の教師(17)と女子高生(16)のカップルが織り成す学園ファンタジーです。

播機遥はイマドキの女子高生でありますが、芯がしっかりしていて、律儀なところがマル。
イギリスからやってきた、頭はいいけれどちょっと鈍い新米教師・秋津安芸を意識するようになるんだけれども、その想いにさっぱり気づいてない安芸に、自分から突進していく姿がとっても素敵。
最初はクールに接していた安芸も、彼女の溢れる行動力に振り回されて、次第に気になる相手へと変わっていくのがいいですねぇ。
安芸は教師としての理性から、遥は女子高生のプライドから、お互いの一線を踏み越えないように気張っちゃってるところなんて、二人とも若いなぁと思わず笑みがこぼれちゃう。
この二人のなんとももどかしい関係が最高に甘酸っぱいんですよ。ふふふ。

この作品の一番のキモは人物視点の描き方ですね。
基本は一人称ですが、播機遥と秋津安芸の視点が頻繁に入れ替わるんです。
これは米ドラマ『24』で用いられた「一人称多視点」と呼ばれる珍しい技法が使われています。
場面ごとに一人称の視点を切り換えて、それが繋がっていくことで物語になるという手法です。
時系列を追いやすい、心理描写が描きやすい、マルチな視点から事象を俯瞰出来るという、「一人称」と「三人称」の両方のメリットを備えた便利なものなのだけれど、ラノベで使っている作家はほとんどいませんね。もっと人数が増えたバージョンで成田良悟くらいかな。
最初は読み分けが混乱しそうですが、慣れてくれば次々に移り変わる視点が文章に心地良いスピード感を与えているのを実感できると思います。

論理魔術の設定については、他の作品でも似たようなものがチラホラあるけれど、作者がさすが元SEという肩書きなだけあって、ちゃんとしたプログラミング言語のように見える。
けど、魔術で出来ることと出来ないことの違いがイマイチよくわかりません。
紙切れを小鳥にしてから光に変換しているが、いきなり紙切れから光にはできないのでしょうかね。

安芸と遥の家庭環境はイイカンジに倒錯ラブってます。
嫉妬に狂った理事長と播機妹が手を組んで、安芸と遥の仲に介入するといった展開を所望。
安芸と播機妹がバトるって流れも面白そう。香音はハックされて妹側に回りそうだ。

全体的な完成度は非常に高く、キャラクターもそこまで奇抜ではないのに個性的に描かれています。
一見して欠点があまり見つからない優等生ですね。新人でこれはレベルが高い。

未読の方にはイチオシしておきます。
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2008年07月08日

レンズと悪魔 VIII 魔神変光/六塚光

4044707146レンズと悪魔 VIII 魔神変光 (角川スニーカー文庫 179-14)
六塚 光
角川グループパブリッシング 2008-07-01

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復讐は忘れたころにやってくる

八眼争覇は、エルバたちの同盟によって膠着状態にあった。
しかし、ブルティエールで起きた殺人事件を調査するエルバの前に、かつて打ち破ったはずの男が現れ、再び戦いへと引き戻す。そしてもう一人、エルバを宿命へと導く男が現れて・・・。

なんですか、このエルバのサクラフラグの嵐はっ!?
エルバの前によく現れるようになった「正義の味方」が、まさか死んだといわれていた"あの人"で、落ち込んでいたサクラが急に元気になってしまったことに、内心面白くなくて対抗心を燃やすエルバですが、テッキ姐さん派としては、そういう嬉し恥ずかしのラブコメは、姐さん相手にやってくれと言いたい。

八眼争覇も佳境にさしかかり、あとは最後の一人だーと楽観してたのに、ここで鬼神シリーズ追加とか、すっごい予想を裏切られましたね。というか、むしろ余計だった気もする。
まあエルバ組は魔神契約者が3人に凄腕のサクラやクラヴリーもいるから、パワーバランス調整のためには仕方がないのかもしれないけれど、なんか話がややっこしくなってきたなぁ。

それと最近、堕ち目の激しいフィールディング兄さんは、どうにかなりませんかね。すっかり荒んじゃってるが。
とりあえず、デブは好きなように殺していいから、その後でできればエルバたちに合流してくれないかなぁ、と思ってみたり。
フィールディングとデイジーのカップルの行く末が気になる。

今回の悪魔戦は、両雄大激突って感じではなく、大事の前の小競り合いといった程度でしたが、これからクライマックスってことで、いろいろな伏線をたっぷり張ってきましたね。
しかし、この作者のことだから、どんな悲惨な結末をてぐすね引いて用意していることか、不安でいっぱいです。

ときにクラヴリーとカエデの掛け合いは面白かった。
カエデは改めて委員長キャラ気質だよなぁ。
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2008年07月06日

時載りリンネ! 3 ささやきのクローゼット/清野静

4044732035時載りリンネ! 3 ささやきのクローゼット (角川文庫―角川スニーカー文庫)
清野 静
角川グループパブリッシング 2008-07-01

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時間のご利用は計画的に

「時砕き」としてバベルの塔から正式に認められたことで、いつでも塔に行くことが可能になったリンネ。
冒険を求め塔に出かけたリンネと久高は、時載りの少女ネリーと友達になる。だが、その出会いに思わぬ落とし穴が・・・。
本を読むことで時を止める少女リンネのあらたな冒険物語。

リンネと"塔の住人"の少女ネリーの友情が泣かせます。
"塔の住人"とはいえ、どこにでもいそうな普通の少女ネリー。
リンネとすぐに仲良くなって、久高そっちのけでおしゃべりに夢中になる姿が、なんとも女の子らしくて微笑ましい。
二人がもじもじしながら「友達になろう」と言い交わすところなんて可愛すぎて軽く悶絶ものです。女の子っていいなぁ。

しかし、外と塔とで時間の流れに差があるせいで、二人の時間がどんどんすれ違っていくのが見ていて切ない。
最初はその時間差を利用して、上手いこと塔で遊びほうけていたリンネには、仕方がないともいえる報いだけれど、
そんなことは関係がないネリーにとっては、リンネに会いたくても会えないもどかしい気持ちでいっぱいだったでしょうね。

そうした思いを募らせたあまり、ネリーが無理をして深刻な事態に陥ってしまうのですが、リンネと久高は彼女のために駈けずり回ってよく頑張りましたよ、ホント。
いろいろあったけれども、やっぱり最後はみんな笑顔で大団円になれるのがよかったです。

クローゼットの向こうに別世界が広がっていると聞くと、ぱっと思いつくのは『ナルニア国物語』だけれど、バベルの塔の実像としては、エンデの『はてしない物語』に出てくるファンタージエン図書館が一番イメージに近いかな。
でも、大人に文句を言われず好きなだけ遊べて、帰るときには元の時間というと、むしろドラえもんの映画『雲の王国』かw

なぜかノスタルジックでとっても甘酸っぱい。
相変わらず、このどきどき、わくわく感が素敵ですねぇ。
ページをめくるたびに少年時代に戻っていってしまいそう。
でも、もし、いまの自分のところにこんな便利な道具があったら、一日中だらけて余計に時間を無駄にしてしまうだろうな。
というか、ひきこもってずっと出てこない可能性大w

リンネにも新しい目標ができて、これで少しは成長するかな。
さて、では次回を待つ時間もまた楽しんで待つとしましょう。

ときに設問の間の「言葉では開かぬ扉」の答えは、久高が他の誰かに「開けろ」って命令して、開けてもらえば開くと思う。
素手で開かないとは、設問のどこにも書いてないしね。
言霊使いじゃなきゃ通れないならフェアじゃないですから。

ファンタージエン 秘密の図書館ファンタージエン 秘密の図書館
酒寄 進一

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2008年04月02日

レンタルマギカ ありし日の魔法使い/三田誠

4044249199レンタルマギカ ありし日の魔法使い (角川文庫―角川スニーカー文庫)
三田 誠
角川書店 2008-04-01

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お気楽社長と若手社員の苦悩

魔法使い派遣会社<アストラル>に布留辺市を流れる霊脈の調査依頼が舞い込んだ。初代社長、「魔法を使わない魔法使い」伊庭司は、調査を開始したが、そこに待ち構えていたのは、<螺旋なる蛇>の禁忌の魔法使い達だった・・・。
今回は、いつきの親父の司と若かりし頃の猫屋敷の物語。

伊庭司。駄目人間を絵に描いたような不良社長ですが、
ダラダラしていてもイザというときは魔術結社の首領としての貫禄というか、覚悟を秘めた迫力がありますね。
まあもし自分の上司だったら相当ウザイでしょう。
こんな大人気ない社長イヤです。

こんな部下にイタズラばかりする社長に付き合っていたら、そりゃ隻蓮も猫屋敷も年のわりに達観しちゃうだろうなぁ。
いいように司の手の上で踊らされて、振り回されて、気がつくといつの間にか<アストラル>の空気に馴染んでしまってる自分に愕然とする猫屋敷のツンデレっぷりに萌えw

「魔法使いだからって人並みの幸せを望んではいけないのか」という司の信念は、普通の魔法使いにとっては、甘っちょろい戯言として笑い飛ばされる類のものでしょうが、全てを犠牲にして魔法を追い求める<螺旋なる蛇>にとっては、己の存在理由を否定される<協会>以上の脅威でしょうね。
改めて<アストラル>が魔術社会で異端かが分かります。

いつきが親父のこのレベルに達するのは相当先か、もしかすると一生こないかもしれんな。
妖精眼発動状態ならまだマシだが、普段がヘタレすぎる。
最初の頃のユーダイクスが、いつきの社長就任にごねたのも納得できるけれど、まあいつきにはいつきの人望や魅力があるんじゃないかなと思う。

さて、司の信念を継いだいつきは、アディや穂波と魔法使い達の世界をどう変えていくのか。
出来ることならば、魔法使いの誰もが魔法使いであることを幸せに思える結末を見たい。
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2008年02月07日

ミスマルカ興国物語 1/林トモアキ

404426614Xミスマルカ興国物語 1 (1) (角川スニーカー文庫 150-20)
林 トモアキ
角川書店 2008-02-01

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国家を騙す大詐欺師!

ミスマルカ王国のマヒロ王子は勉強も剣の訓練もせず、いつも近衛騎士パリエルに叱れてばかりのぐーたら王子。
そのミスマルカに大陸制覇を狙う帝国の精鋭部隊が迫る。
家臣たちが徹底抗戦を叫ぶなか、マヒロは「話し合いで解決しない」と言い始めて・・・。
口先だけで大陸の統一を目指すバカ王子の王道戦記モノ。

勉強も剣の稽古もせずに遊び惚けているニート王子マヒロ。
ふざけたことばかり言っている大馬鹿のように振る舞いつつ、
決して周囲に本当の実力を見せない大した役者です。
圧倒的な暴力に対し、詭弁とハッタリだけで立ち向かっていくところが単調なパワーゲームにならずに面白いですね。

ってか、この王子は、いい意味でも悪い意味でも頭おかしい。
ハッタリがすべてがその場凌ぎの演技とは思えません。
相手を騙すことに冗談でなく命を賭けているから怖い。
いったいどこまで本気なのか、バカすぎてさっぱり読めない。
そう感じさせてしまうのが彼の最大の武器でしょうか。
そうした王子の突拍子もない行動に毎回振り回されるお供のパリエルの七転八倒ぶりが楽しい。

バカばっかりしてても国民にわりと慕われている人気者なのに、何故か自分自身をいらない存在だと思い込んでいる。
その辺りが、「もっと自分を大切にしろ」と、パリエルやエーデルワイスの憤懣おさまらぬところですね。
今回はたった一人で軍隊を撃退してしまったマヒロですが、大切な国民や仲間を守るため、なんでも自分が背負おうとしているのは、そうした人々を信用していないってことじゃないんでしょうか。
次回はそうした人々と団結した力を見せて欲しいですね。
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2008年02月05日

レンズと悪魔 6/六塚光

404470712Xレンズと悪魔 6(角川スニーカー文庫 179-12)
六塚 光
角川書店 2008-02-01

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戦慄の破壊竜、復活!!

八眼争覇の参加者であるバルヒーヨの策略により、博物館を追われ地下迷宮に潜伏すためになったエルバたち。
反撃の機会をうかがう彼らだったが、エイジが罠にはまりバルヒーヨの手に落ちてしまい・・・しろがねの悪竜ついに復活!

フィールディングの堕ちっぷりがヒデェ・・・。
大切な家族を殺された復讐を果たすため、夜な夜な容疑者を闇討っていく彼の精神状況はそうとう追い詰められてますね。
ここまで人生捨ててかかってきたら悪魔も逃げ出すわ。
っていうか凶器はペンチ? 作者は工具大好きだなホント。

可哀相な人といえば、もうひとり。エイジ。
自ら逸って罠に飛び込んでいってしまったのは、自業自得ですが、助けようとした仲間に裏切られ、念願の星空もついに見れず終いで、いいとこなしですなぁ。
まあ、バリバリ死亡フラグ立ててましたからしょうがないか。
しかし、緊急時とはいえ、直接手を下してしまったカエデや残されたサクラたちの悲愴感がやりきれませんよ。

悪竜退治では、なんだか妙にマロが格好いい。
バルヒーヨは手こずったわりに最後まで小悪党だったような。
あれはあれで十分ムカつくキャラですけどねー。
けど、言動が破天荒すぎて、切実な脅威には感じられないというか、最後まで卑怯で底の浅いオッサンでした。
てか、オッサン属性では、クラヴリーが面白すぎるんです。

さて、今回で第一部「悪竜編」は完結のようです。
当面の強敵は排除できたわけですが、いろいろな謎や伏線はこれでもかと山積みになり、作者の残酷面というか、暗黒面にもだんだんとエンジンがかかってきました。

う〜ん、しかし私はもっとラヴが読みたいですよ、ラヴがっ!
テッキがまったくデレません! サクラは可愛いですが、エルバがチキン野郎で肝心なフラグが立ってるのか微妙です。
そして幼馴染は寝っぱなしで帰ってきそうにないですね・・・。
物語が血みどろになっていくからこそ、ここで華やかさをー。
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2008年02月02日

薔薇のマリア 9/十文字青

4044710139薔薇のマリア 9 (9) (角川スニーカー文庫 182-13)
十文字 青
角川書店 2008-01

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君と出会えた奇跡、君を愛せる幸福

ZOOが留守にしてた間に、エルデンでは<昼飯時>のメンバーが姿を消してしまう失踪事件が発生していた。
なし崩しにアジアンに協力することになったマリアたちだったが、目の前に現れた"白い魔術士"により最悪のゲーム"7Sとの七つの勝負"に参加することに・・・。

やはりアジ×マリ話はラヴ濃度がハンパねぇ!!www
自分のせいで仲間を巻き込んでしまったと、意気消沈のアジアンを、つい放っておけなくなってしまうマリアがいいです。
再会して、いつもの調子を取り戻した二人の息の合った夫婦漫才っぷりには、もうニヤニヤせずにはいられません。
もうずっとこのイチャイチャ痴話喧嘩をやってればいいよ!w

正直、前巻はアジアンの妄想炸裂で、読んでて胸焼けした。
なんというか、マリアはあんなお姫さまのように大人しく手を引かれて黙ってるほど、素直じゃないですよねー。
どうも彼の眼からは、マリアが孤独で無力なヒロインのように見えてるようですが、実際かなり現実主義なツンデレです。
落ち込んだアジアンをグーで殴って励ますマリアときたらw

マリアのデレモードの顔も反則ですが、アジアンの照れ顔もわりと卑怯です。不覚にもときめいてしまったじゃまいk・・・。
なんで野郎の仕草がいちいち萌えるんでしょうこの物語は。
アジアンかわいいよアジアン。そしてベティ怖いよベティ・・・。
全身から腹黒オーラがにじみ出ちゃってますよ姐さん。

今回は、あらすじだと<昼飯時>を罠にハメた黒幕との対決という流れでしたが、完結編はまた次へ続いちゃいましたね。
「セブンス編」になって、若干、ストーリー展開のテンポが鈍ったと感じなくもないですが、アジ×マリだけでなく、他のキャラにもラヴの嵐が吹き荒れまくってるのが美味しい展開。
ユリカと飛燕のちびっこカップルは楽しそうで微笑ましい限りですが、トマトクンとサフィニアときたら大人のくせにじれったい。
ってか、サフィニアはときたま無自覚に可愛いよね・・・・・・。
トマトクンに「萌え」という概念を教えてやりたいよくそぅ。

次回の見所としては、バトルよりもマリアフラグがどうなるのかに注目ですな。いや、むしろアジアンフラグか。
仲間を失うことへの不安や恐怖については、マリアは誰よりもアジアンの気持ちを理解してやれるんじゃないかな。
さてマリアとアジアンがどこまで迫れるか、乞うご期待。

それにしても毎度、冒頭のキャラ紹介は、ネタまじりというか、遊びすぎというか、あとの方がどんどんテキトーになっていく。
コロの「お久しぶりです!」って、それ紹介文かお久しぶり!
そしてユリカは元から最強です。フェミニンなモードは勿論お似合いですが、カジュアルなファッションもイケてます。
ユリカには作者と絵師BUNBUNの異常な愛を感じる。
そういえば、ドラマCDでのきみきみボイスのユリカには小一時間身悶えしました。まさに神配役。あれはやヴぁい!!

webラジ voice theater「薔薇のマリア」Don’t make me alonewebラジ voice theater「薔薇のマリア」Don’t make me alone
最上嗣生 ドラマCD 桑島法子

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2007年12月11日

時載りリンネ! 2/清野静

4044732027時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)
清野 静
角川書店 2007-12-01

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わくわく値上昇中☆!!

『時砕き』となったリンネの家に、とある好事家から大量の古書が寄贈された。お礼に行った先で大富豪の老婦人と仲良くなるリンネだが、そこで『時載り』に関わる依頼をされてしまう。
200万字の活字を読むことで1秒だけ時を止められる『時載り』の少女リンネが、あらたなわくわくの大冒険に挑みます。

もうリンネが可愛らしくってたまりません!
『時載り』なのに活字嫌いは相変わらず、そのくせ食いしん坊なところは、さらにパワーアップしてます。
いつでも楽しそうに駆け回ってる彼女を見ていると、なんだかこっちまで無性にワクワクしてきますね。
リンネとルウの美少女コンビに逆らえず、肩身の狭い久高や為すがままの遊佐の姿もとても愉快で苦笑しきり。

今回は、時を停滞させる不思議な書棚の話です。
本読みにとって本が宝物とすれば、本棚は宝箱です。
面白い本を読んでいるときの幸福感とはまた違い、これまでに集めた本がいっぱいに詰まった本棚を眺めるのも本読みにとっての至福のひと時ではないでしょうか。
そうして本棚に大切に保管していた本が、誰かの仕業でボロボロにされてしまったら、そりゃもう許せませんね。

それに時間を大切にしない輩は本読みすべての敵ですよ。
読書に集中していると、ほんの短い間だと思っても、いつの間にか長い時間がすぎていることってありますよね。
通常時と比較すると、読書時の人の脳は、体感時間が非常に緩やかになっているそうです。だから、そもそも本というものに、時間を止める魔法がかかってるんじゃないでしょうか。
「活字を読んで時間が止まる」。この物語はそうしたニュアンスを含んでいるのではないかなと言ってみたり。

リンネの活躍で解決したかに思えた事件に予想外の結末が待っていたりもしたけれど、やっぱり最後の最後は、みんなで笑って大団円で終わる。ご都合主義とか言われようとそんなの関係ねぇ! 読後感までとびっきり素敵なお話でした。

そういや『時砕き』の騒動の間に、彼らの夏休みは終わってしまい、新学期も始まったようですが、教室のシーンは少なめでしたね。次回あたりは、リンネと久高がどんな学校生活をおくってるのかも見てみたいところ。期待してお待ち申し上げてます

蛇足。
ちなみに現在、買ったラノベが本棚に入りきらなくなってしまったので、仕方なく学習机の上に積み上げてます。
我ながらちょっとした量なので、いつか画像をうpして皆さんにもお眼にかけようかと思っている。
それよりも本棚早く買わなきゃ・・・。
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2007年12月10日

総理大臣のえる! 歴史を変える大勝利/あすか正太

4044262128総理大臣のえる!歴史を変える大勝利 (角川スニーカー文庫 146-9)
あすか 正太
角川書店 2007-12-01

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「総理が妊娠したんです!」
「僕はなにもしてないよ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

総理大臣、ご懐妊!?

水爆を積んだ米軍機がアルカンタラ上空で消息を絶った。
米国大統領ノアは、アルカンタラをテロ支援国とし攻撃準備を開始する。日本国総理大臣のえるは、それに反対するが、今度は日本が攻撃対象になってしまい・・・・・・。
14歳、美少女総理大臣のドタバタ活劇もようやく完結です。

あいわらず、のえるの自由奔放な暴走っぷりが面白い。
米軍が日本への戦争の準備を進める中、のえるの悪あがき以外のなにものでもない嫌がらせに、ムキになってあらゆる権力で応じるノアとの政治的駆け引きには笑わせてもらったw
考えてみると、なんでも武力で解決しようとするアメリカ。なんでも金で解決しようとする日本。どっちも相当にタチ悪いな。

大義名分を与えられてしまった米国を止めるため、大胆というか、お約束の突拍子もない提案で切り抜けるのえる。
ムチャクチャだが、実はもっとも有効な解決法かもしれない。
問題は、世界一のバカじゃないと実行できないところだが。
結局、彼女はどこまでも子供の発想なんですよね。
だからこそ常識に囚われた大人たちができないことも躊躇わずやってしまえる。いやぁ、なんとも痛快でよかったです。

しかし、いくらでもありえそうなストーリーなのが怖い。
現実の米国もテロ根絶のためといいつつ、自制を見失ってますからね。そして日本は、いつ米国に占領されるか。
なんだかこの話を読んでしまったら、現実の社会の政治家たちの方がバカに思えてきてしまいました。まったくどうして誰も彼ものえるようにシンプルに動けないんだろうかな。

それにしてもようやくのシリーズ完結でしたね。
この1巻を出す間に、スーパーダッシュ文庫の方で『初恋マジカルブリッツ』を10巻書いてたらしいですがそういやそうだ
帯の裏にもスーパーダッシュ文庫の宣伝が入ってますが、上でどういう政治的圧力が働いたんだろか・・・。

この『総理大臣のえる』シリーズはラノベの中でも、もっともマンガ的な作品として初心者にオススメといっていたのですが、
最初は完全にネタ小説だったのが、巻を重ねるうちに911テロやら、新興宗教団体やら、世界情勢を反映してくるようになって、いつの間にか割りと読める社会派な作品にまとまっていったのが予想外でした。長い間、楽しませてもらいました。乙!

さて次回の作品はどんものになることやら。

初恋マジカルブリッツキッスはふたりの愛ことば! (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 7-9)初恋マジカルブリッツキッスはふたりの愛ことば! (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 7-9)
あすか 正太

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2007年12月09日

銀星みつあみ航海記 3/鷹見一幸

4044257221銀星みつあみ航海記 LOG.3 (3) (角川スニーカー文庫 140-28)
鷹見 一幸
角川書店 2007-12-01

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銀河を駆ける、銀星の如く!

見習い機関士サイラスと共に加わった銀星号の新たな仲間。
それはひとつの星系を牛耳る組織が極秘裏に開発した、人間と意思疎通ができるほどに知能強化された特別な猫だった。
猫の存在を公表されることを恐れた組織は、銀星号もろとも抹殺することを決定し、といったお話。SFトラックストーリー完結

高知能猫ミケに対する年上組のリアクション薄い!
いやいや、もう少し驚こうよ。だって人と会話する猫だよ?
「人間と同じように扱え」と偉ぶるミケに、「じゃあ、人と同じ運賃を払え」と切り返すハインツたちのやり取りが可笑しい。
素直に反省したミケをクルーとして迎え入れるわけですが、
銀星号の乗員の順応力の高さというか、鈍感力にはつくづく畏れ入るw

人間としては思春期のミケが、宇宙に出て成長していく一方、
どこまでも醜くて汚い官僚たちが、銀星号を陥れるために策略を練っていくのですが、そんな敵中にいて味方となってくれるヒルダとギリアムの二人が今回のお気に入りキャラです。
なかなかイイ性格をした青年ギリアムは、『でたまか』のとある人物の先祖であることが途中で明かされるわけですが、
こういう作品リンクが鷹見作品の一番の面白味。

そして窮地に陥った銀星号を助けようと、危険を省みず一丸となって手を差し伸べる人々の姿に心が震えますねぇ。
これでもかと人間の醜悪さを見せつけても、最後には真面目に汗水を流して働く人間の素晴しさを訴える。
もしこれがどっちか片方だけだったら物足りないんでしょうね。
人間としての汚い部分と綺麗な部分、どっちもあるからこそ、人間味あるキャラクターとして活きてくるのだと思います。

ってか、なんだよ、もう完結ですか。打ち切り?
出版も早かったが、終わるのも早かったですね。
五巻までは続く予定だったらしいが、売れ行きの問題かな。
もともと大衆ウケするような作家でもないですしね。
ありきたりな勧善懲悪ストーリーはもはや流行遅れですか。
まあ私はこの子供っぽい綺麗事成分が好きなんですが。

次のシリーズは、なんと「学園モノ」だそうです。
以前からこの作家は、いつまでも同じような話ばかり書いてないで、もっと別ジャンルに挑戦すべきだと思っていましたが、
さて結果は吉と出るか、凶と出るか。
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2007年11月30日

レンズと悪魔 5/六塚光

4044707111レンズと悪魔 5 (5) (角川スニーカー文庫 179-11)
六塚 光
角川書店 2007-11-01

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悪魔も逃げ出す、税金取り

路地裏で何者かに襲われていた青年エイジを助けたエルバ。魔神ネアの契約者バルヒーヨは、魔神と悪竜の円盤を狙い、バベルハイズ博物館に刺客を差し向けて・・・。
そしていよいよ物語はオーラン虐殺事件の真相に迫ります。

テッキのハッチャケっぷりは、いつ見ても楽しすぎますね。
博物館の運営について、いちゃもんとしか思えない税金をふっかけられ、怒り心頭のテッキに逆らえず、黙って従う男衆。
なんかもうすっかり下っ端根性が身についてきてます。
まあこういうときは逆らわないのが賢明だ。ましてや万力だし

税金を納めなければ、博物館を差し押さえるという搦め手できたわけですが、いつの世も恐ろしきは税金の取立て。
しかし、また見事なくらい変態な税金取り。ナイスフォーク!w
いくらなんでもエルバ側には魔神が三体もいるんだから優勢だろうと思ってましたが、この税騎士三人娘の登場で、なかなか戦力バランスが面白いことになってきましたよ。

私もバルヒーヨは誇大妄想の子悪党にしか見えなかったのですが、『夢は宇宙大将軍』発言でようやく好きになれそうだ。
ただ顔の厚さではクラヴリーが一枚も二枚も上手かなぁ。
相変わらず、人を食ったような態度がイイ味出してます。

そういえば、短編で登場したゴロツキたちも出てましたね。
何故かテッキにやたら懐いてしまっているようですが、多分、全員Mに目覚めたかなんかしちゃったのでしょう。
博物館を追われ、バルヒーヨ撃滅のために手を組んだテッキとクラヴリーの同盟は、新生拷問ズ結成としか思えない・・・。
最後にフィールディング家が彼らのとばっちりで惨いことになってますが、この作者はときどき本気でグロいな!

次回は決着編ということですが、まだ出てきてない魔神やエルバ父の仇についてはさらに後かな。
なんにせよ鬱な展開だけにはならないことを祈る。
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2007年11月29日

神様でゲーム/宮崎柊羽

4044714088神様でゲーム―ソラ/ホシ/カゼ/ヒビ (角川スニーカー文庫 188-8)
宮崎 柊羽
角川書店 2007-11-01

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大切なものは、その手の中に

◆ソラニノバステ
鈴木とのドンジャラに敗れ、罰ゲームとして隠れミッキーならぬ隠れ校章を探して校内を奔走する秋葉たちのお話。
嫌でも罰ゲームはきっちり守る。ルールに忠実な人たち。
まあゲームとは、罰ゲームまで含めて真剣にやらないと面白くないものです。それよりもプライドの問題?

飛びたくても飛び立てない焦燥感みたいなものは、誰でも若い頃に一度は経験する思いです。
しかし、秋庭の言う通り、人間は飛べるようにはできていないのだから、焦らず着実に前を向き歩んでいくことが大切です。
鳥や虫のようにある日いきなり飛べるようになるよりも、ゆっくり歩んでいけるのが人間の素晴しいところだと思います。


◆ホシニノバステ
自分の見ている美しいものを人に見せたくて、テレパシーを願った少女のお話。
そうかなるほど秋庭は宇宙王子だったのか、色々と納得w
いや、むしろ宇宙メガネが秋庭の本体です。
秋庭は眼鏡キャラとしての萌え度が足らんと思っていたが、
なかなかのメガネクオリティでした。メガネは良いものです。

それにしても棗の純粋さは反則。これはカワイイw
人は人の心を読んだりできないからこそ、人に理解してもらうための努力をする。その分だけ伝えたい想いは強まる。
それをいつか彼女にもわかって欲しいですね。


◆カゼニノバステ
生徒会室を荒らした泥棒猫を探し回る秋庭の話。
秘密の部屋ネタの繰り返しは、よくないな。
それに密室トリックで抜け穴を使うのは反則ですよ。
でも、こういう遊び心がある学に通うのは楽しそうだ。

写真を撮るのを止めてしまった猫博士。
彼がカメラで撮りたかった風は、きっと心に吹いて想いを揺さぶるもの全てなんだろうな。
そのうち彼の撮った写真は、それを見た人にも感動という風を起せるようになるでしょう。


◆ヒビニノバステ
羽黒の誕生日にサプライズパーティを計画する秋庭たち。
ところが会場の準備が出来ないうちに到着してしまった羽黒に、いつもメンバーがゲームを仕掛けて時間稼ぎするわけですが、彼らの予想もしない方法でクリアしていく羽黒の不思議ちゃんっぷりが光ってます。

相変わらず、彼らのほのぼのまったりした空気に癒されるな。


今回は、全体的に大切なものは眼には見えないんだよ的なテーマでまとまってましたかね。
いつも本編とはちょっと変わった形式の書き方でした。
本編もそろそろ佳境に入るところですが、それにしてもいつになったら秋庭は美名人の気持ちに気づくのかねぇ。
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2007年11月20日

銀星みつあみ航海記 LOG.2/鷹見一幸

4044257213銀星みつあみ航海記 LOG.2 (2) (角川スニーカー文庫 140-27)
鷹見 一幸
角川書店 2007-11-01

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その時、リアンのフライパンは音速を超えた─

希望を運ぶ宅配便

宇宙海賊の襲撃で物流が途絶えてしまった惑星ホルスト。
このまま物資が届かなければ、住民5万5千人が餓死する危機に、しかし、海賊の横行する海域での危険な仕事にどこの運送会社も匙を投げてしまう。そこに事態を知った銀星号が立ち上がって・・・・・・といったお話。

またもや同情から危険な依頼を受けてしまうハヤト。
クルーの命を預かる船長としてはバカげた行為なんでしょうけど、こういう人を見捨てられないバカは大好きです。
なんやかんや言いながらも、ハヤトのお人好しに付き合うハインツもいい古女房っぷりをみせてくれますね。
リアンまでハヤトと一緒になって突っ走ってばかりですし、
ひとり気苦労を背負い込むブレーキ役は大変です。

私たちの生活を支えているのは物流です。
それはいつでも品物が手に入るという安心感でもあります。
その物流がもし止まってしまったら、というのが今回のテーマでしたが、これがもし食料自給率の低い現実の日本で起こったとしたらと想像するだに怖いですね。

この話の本当のヒーローはウーフでした。
食料資源となるオキアミを求め、極寒の海へ漁に出る彼ですが、銀星号が無事に物資を届けてくれたことで、その勇気ある決死の行動も無意味になってしまう。
それでも彼の行動は決して無駄なんかじゃあない。
銀星号が到着できなかったら、彼らこそ救世主になっていた。
それを分かってくれる人が側にいるというのはいいですね。

海賊対策としてハリボテの武装を施す銀星号ですが、
時間ないから接着剤って・・・、プラモじゃないんだから。
サイラス君までだんだんハヤトとハインツに染まってきたな。
それにしてもちょっと二人を過大評価しすぎているような。
悪いことは言わないから就職先考えなおせ。
評判に騙されてるが、奴らかなりでたとこまかせだ。

星間輸送船と言っても、実態は長距離トラックのレベルまで落した話になってるのが親しみやすい。
いくらなんでもリアンの超人っぷりはおかしい気もするが、ピンチを豪快な力技で解決してくのは痛快ではあります。
次第に荒事専門の運送屋になってますね。危険な仕事が癖にならなきゃいいけれど。いや、それでは話が続かないか。

さて次回は、と思ったら、早くも来月か!?
開始半年足らずでもう4巻目出るのか、はえーよ!!!!

4044257221銀星みつあみ航海記 LOG.3 (3) (角川スニーカー文庫 140-28)
鷹見 一幸
角川書店 2007-12-01

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2007年10月23日

薔薇のマリアVer3 君在りし日の夢はつかの間に/十文字青

4044710112薔薇のマリアVer3―君在りし日の夢はつかの間に (角川スニーカー文庫 182-11)
十文字 青
角川書店 2007-10-01

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【マリアローズがピンチになると、甘い言葉とともに必ず助けに現れる。クラン<昼飯時>の頭領アジアンの今まで語られなかった過去と日常がいまここに!】
「お前がいないと、昼飯時は始まらない」

黒様FCへようこそ!

アジアンとクラン「昼飯時」の面々を綴る短編集。
アジアンのキャラ紹介が、まんま「黒様」でフイタ。

■切情編
頬を染めるアジアン!? そ、それは見たい!!!

■事情編
借金取りの中年男クラニィがシブいっすね。
お人好しな彼が照れて悪ぶってみせるとことか萌えですよ。
戦闘マニアなダリエロや異常な愛情を持つローガンのような
正真正銘の悪人、狂人ばかりの無法街エルデンならではのハードボイルドな探偵モノといった雰囲気もよかったです。

しかし、この超クールで、ミステリアスビューティーなアジアンが、そのうちキザな言葉を吐くようになるのかと思うと・・・。

■有情編
アジアンへの言葉に出せない想いを募らせるベティ可愛い。
アジアン本人は無関心なだけかもしれないけれど、余計な詮索をせずに、辛いときにただ側にいて見守ってくれるような気遣いに、それこそベティみたいな女性は弱かろうなぁきっと。

これまでも時折話に出てくるベティやサフィニアの「お姉様」ですが、奇矯どころではなく相当悪質な人みたいですね。

■恋情編
クラン「昼飯時」の女性陣は、なんというかアイドルの追っかけやってる女子高生の集まりのように姦しいのが微笑ましい。
や、それにしても、みんなに愛されまくってるな黒様w

■余情編
うわぁああああああ!!!! くらにいぃいいいいい!!!!

■純情編
2、3巻あたりのSIX編の頃の話ですね。
バラバラになりかけた「昼飯時」をまとめるカイの言葉に熱が篭ってますなぁ。どいつもこいつも悪党と変態ばかりだけれど、アジアンにもちゃんと心の支えになる仲間と呼べる存在がいるんだってことに、なんだか嬉しくて涙が・・・。
しかし、やっぱりアジアン・ファンクラブだなこのクラン。

個々の話にはアジアンが関わってきてますが、実際は彼を取り巻くクラン「昼飯時」のメンバーの視点がメインでしたね。
というか、せっかくアジアンが主役の巻なのに、マリアローズとの絡みがなかったというのが、ちょっと期待を裏切られた。
本編じゃ出番少ないがマリアローズはアジアンの嫁ー。
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2007年09月21日

アンダカの怪造学 7/日日日

4044810079アンダカの怪造学 7
日日日
角川書店 2007-08-31

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【ヴェクサシオンの仕組んだ陰謀により怪造学会の本部は壊滅。さらに憤怒大公が竜族を率いて人間社会に侵攻を開始。伊依は怪造学会総長から重大な使命を命じられるが・・・】

その時、歴史が動きまくった!


怪造学会本部に封じられていた魔王が復活した。
現界を支配するための障害となる怪造学会総長・激流院潮静抹殺に憤怒大公率いるドラゴンの軍勢が進軍を開始する。
魔王に対抗できる最終兵器を手にした伊依は、戦いを止めることができるのか、そんな感じで「第三部 魔王編」スタート。

前回の事件を引きずって、すっかり自信喪失な伊依。
いつも夢と理想に全力疾走な彼女もやや疲れが出てきたか。
そんな伊依と潮静が接近遭遇し、急変する事態の流れに負けて《独唱第五番》なる最終兵器を起動したはいいけれど、やっぱり戦いたくないとか言っている彼女の甘えを斬って捨てる激流院潮静の言葉は、いつもはボケボケな人なのに、やはり人の上に立つ人間としての迫力がありますね。

自分の気持ちすべてが噴切れたわけではないけれど、戦いを止めるために立ち上がる伊依の花嫁姿は凛々しいかぎり。
何かの決意に燃えているところが格好いいよなぁこの娘は。
そして潮静に拉致されてこき使われている伊依に代わって、
遊、香美、魔夜、舞弓、罠奈たちが各々の裁量で事態に対処すべく動き始めていく場面は、彼らの伊依への信頼や仲間としての絆を感じて胸が熱くなりました。

なんにせよ伊依や友人たちの成長ぶりが見えてよかった。
魔王と激流院潮静の関係、寂憐院とアンダカ創造についての秘密の一端が明かされて、個人的には舞弓と高橋十、血影の絡みや氷蜜の思惑なんかも気になるところではありますが、
とくに間幕で虚無大公として力を取り戻した影文を追いかけて「冒険中」の真子ちゃんは次回でも要注目ですね。

あと残りニ冊? 日日日作品の中ではとくにお気に入りのシリーズでもあるので、このままのペースで頑張って欲しいです。
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2007年09月20日

神様ゲーム 6/宮崎柊羽

404471407X神様ゲーム 6
宮崎 柊羽
角川書店 2007-08-31

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【魔神により地形を組み替えられ、すごろく盤となってしまった叶野市。秋庭多加良は卵から孵った謎の生物タマちゃんを連れて駒として魔神と勝負することに!?】

大切なものは目に見えないけれど


神様の出すゲームに挑む少年少女の学園青春もの。
今回のゲームの種目は叶野市を舞台にした「すごろく」。
魔神ギエナの望みを叶えるため、駒に選ばれてしまった多加良が、「願いの花」を芽生えさせた他の駒と共に、ゴールを目指して次々と出題されるお題をクリアしていきます。

「願いの花」を咲かすゲストのエピソードがよかった。
誰にも触れらず箱に入れて飾っておくことが大切にすることだと思い込んでいる少年が、使い込まれた玩具を見て他人に触れられる喜びと家族の暖かさに気づく「キミノオンド」。
人と人の繋がりの重さを極端に拒否する少女が、避けられても友人として慕い続ける羽黒と手を取り合う「キミノオモサ」。

そして最後に、これまで他人の大切なものを壊し続けてきた魔神ギエナが、大切なものを得ることへの恐れと向き合い、
壊れてしまうからこそ大切にするということを知る「キミノテ」。
「大切なもの」というテーマで語られる、登場人物たちひとつひとつの思いの叫びが心に響きます。

触らなければ傷つかないし、持たなければ失うことはない。
そうやって最初から近づきさえしなければ、壊れることも、汚れることもないけれど、そういうのは寂しいですよね。
大切なのは失うことを恐れずに求める勇気を持つこと。
たとえ壊れたとしても大切に思っていた記憶は消えない。
いつまでも忘れずにいることが大切にすることでもある。

大切にされるということを学んでいく、"物"としてのタマちゃんの視点がいいですね。あと喋り口調も面白くてカワイイw
「自分を信じるな。俺を信じろ。お前を信じている俺を信じろ」的な多加良の熱血漢あふれる教授も素敵です。

最後ちょっとかのう様が黒いセリフを吐いていますが、そういうかのう様には大切なものとか、かけがえのないものとかはないんだろうか。彼女にとっても多加良たちとゲームで過ごしてきた時間が大切なものになっていくといいなぁ。
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2007年09月19日

螺旋のプリンセス 1/椎野美由貴

4044287155螺旋のプリンセス 1 (1) (角川スニーカー文庫 162-20)
椎野 美由貴
角川書店 2007-08-31

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【放課後の校舎裏で、竜を駆る親子に拉致されかけた吉乃聖を救ったのは異世界「天箱園」からやってきた騎士・果月直哉だった。その日から、聖は自分が異世界人だと知ってしまい・・・】

お姫様の騎士は、自転車でやってくる


赤ん坊の頃に異世界から地球にやってきた王女さまが、これまでは男の子として性別を偽って暮らしていたのに、いきなり元の世界の犯罪者に拉致されかけたせいで、正体が周囲にバレてゴタゴタが巻き起こるといったお話。

とりあえず、ヒロインの聖がちゃんと女でよかった。
しかし、相手方の直哉は体力バカというか、見た目クールで冷静っぽいのに、その実、短気で行き当たりばったりだな!
まあ地球に暮らしていても全然楽しそうでなく、「自分の居場所がわからない」という悩みを抱えた聖にとっては、自分の意地だけで生きてるような、それ以外は何も考えてない直哉みたいな男に憧れるのもしょうがないんでしょうかね。

それにしても異世界の人々の厚顔さはなんなんですか。
なんか登場してくるキャラは、性格が自分勝手で最低な奴らばかりで、まともな協調性を持っている奴はおらんのかね。
まあ人間さまたちにひきかえ、葉村をはじめ煉魂受皿器(見た目動物のぬいぐるみ)のキャラはコミカルで面白いわん。

直哉が聖の悩みを諭して、二人がまったりイチャつくところはいいのだけれど、直後の戦闘シーンが唐突だな。
こういうところ、作家ってどうしてバトルを無理矢理挟もうとするんですかね。毎回、とっても冗長な気がするんですが。
まあ追い詰められて秘めた力に目覚めて、それまでの問題もまとめて解決!ってパターンにしたいんでしょうが。

ストーリーの設定としては定番ですが、そんなことよりも私が許せないのは日常パートのつまらなさかな。
それと結局は聖の優柔不断で煮え切らない態度が読んでいて非常にダルいというのも大きな要因かな。
いかにもキャラ回しが重ったるくて、面倒くさそうなんだけど、
これどうやってシリーズ続けていくんだろ。
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2007年09月17日

らき☆すた殺人事件/美水かがみ 竹井10日

4044712034らき☆すた殺人事件
美水 かがみ 竹井 10日
角川書店 2007-08-31

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【こなたたちは学校帰りに立ち寄った書店で殺人事件に遭遇した。捜査を開始したこなたたちの前に、次の事件が待ち受けていた】

小説版/(=ω=.)\ナンテコナタイ


アキバのゲマズやとらあなで「らき☆すた」メンバーが次々に殺されていき、かがみとこなたが探偵役となって、現場に残された手掛かりを元に事件の真相を追っていくといったお話。
しかし、なんという薄さ。今時200ページもないのは珍しい。

初っ端から話の流れがカオス。一発ネタにしても滑ってる。
「らき☆すた」らしい、ゆるゆるとした雰囲気は出ていなくもないんだけれど、キャラと台詞があってなくて違和感バリバリ。
なんかいかにも好き勝手やって原作を台無しにしている二次創作というか、原作ファンにはこの同人臭がキツイ。

一応、ミステリ形式をとってはいるが、なんちゃってミステリ。
「らき☆すた」で殺人事件とかまずありえないけれど、だったら完全にバーチャルの世界の出来事として描くとか、原作の世界観としてありえる範囲で話を組み立てて欲しかった。

「らき☆すた」の魅力のひとつは、読者が共感できる豊富なネタだと思うのですが、ちょっとした日常的なものも、濃いサブカル的なものも含め、そうしたネタ振りがまったくない。
作者の原作への理解度が皆無であると言わざるをえない。
っていうか、他人の作品の中で自分の宣伝するんなよと。

大好評のまま最終回を迎えたアニメに比べ、このクオリティの低さはいただけない。まず文章からして酷いですね。
普段漫画やアニメしか見ない人にはどうだが知りませんが、
ラノベ読みとしては駄作も駄作で、非常にガッカリ。
もし、かがみんにこの本を読ませたらどんな酷評が返ってくるのでしょうか。ちょっと想像して口を借りてみましょう。

「作者あんた、これでラノベのつもりじゃないでしょうね?」

この本の価値は、表紙と口絵だけでした。
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2007年09月15日

ドアーズ 1/神坂一

4044146187ドアーズ 1
神坂 一
角川書店 2007-08-31

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【ふつーの女子高生のミヤが、眼を覚ましたら、しかも妹のチサはリスになるし!?日常を取り戻すためにミヤは修繕屋シュリンとともに異世界への旅に出る】
「行き過ぎた妹文明は、妹の急速な発達を促した。しかし高度に発達しすぎた妹は、いつしか自我を持ち、人類に牙を剥いた」

妹どんだけええええええ!!!

ある日突然、世界の常識や法則が無茶苦茶になっていた。
まぜこぜになってしまった平行世界を直すため、自分の家に生まれた無数のドアの向こうの異世界を行ったりきたりしながら人々を棒で殴って回る。そんなお話です。

世界がおかしくなってしまって、自分の妹が喋るリスになったり、うねうねした触手になってしまってショックを受けたり、
ある世界では行きすぎた妹文明が人類に対して反乱を起していたり、妹キャラの扱いが悪ノリしまくりでくだらねぇw

修繕屋シュリンの持つ杖レンチで鍵となる誰かの頭を叩けば少しずつ世界が直っていくのですが、そのために同心に追いかけまわされたり、魔王と戦ったり、誘拐犯を捕まえたり。
これをいったらオシマイなんだろうが、統一感ないなー!

ミヤ、チサ、シュリンの三人組の掛け合いは笑えましたが、
結局、平行世界がまぜこぜになってしまった原因とかそういったものは、いっさい語られなくて作品自体が意味不明だなぁ。
なんというかとても薄っぺらくて適当感が漂うんですが、
神坂一が本当に片手間に書いたとしか思えない出来でした。
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