ダフロン

2008年08月22日

マルタ・サギーは探偵ですか? 7 マイラブ/野梨原花南

4829164115マルタ・サギーは探偵ですか?7 マイラブ (富士見ミステリー文庫 54-9)
野梨原 花南
富士見書房 2008-08-20

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デアスミスがついに動き出した。リッツをさらい、『賢者の石』を手に入れるため、オスタスでの大量虐殺を計画するが!?名探偵マルタ・サギー、最大の事件は"愛"をかけた物語!

サギー・マイ・ラブ!

名探偵と女怪盗のラブロマンスもついにフィナーレ。

大量のカード使いを従え、これから悪事をなそうとしているのに迷いなく毅然としているデアスミスに対し、相変わらずマルタはふにゃふにゃしてますが、この世界で出会ったたくさんの友人たち、初めてできた家族、そして最愛の女性を守るために満身創痍でかけずっている姿は、蓑崎で自堕落にくすぶっていた最初の頃と比べると、大変な成長ぶりですよね。

いつの間にか大人の男としての風格を身に着けていたマルタにときめいているバーチがとってもかわいい。
マリアンヌのことばかり気にかけるマルタの言葉に内心面白くないバーチですが、どっちも貴女じゃないかよっ!w
正体がバレているとは知らないからこそ余計に可笑しい。
もうマリアンヌだったら、バーチだったらと、マルタの前では自分を演じなくてもいいんじゃないですかねぇ。
彼はそんなこと気にしないよ。だから好きになったんでしょ?

まあ不満といえば、期待していたよりデアスミスが三下っぽいキャラになってしまったのが・・・。パターン的な狂人ってカンジで、周囲が騒ぐほどのカリスマ性を感じませんでした。
しかも、マルタに計画を見抜かれているようじゃなぁ。
それにカードに頼りすぎなんですよ、それで足をすくわれる。
マルタも大概だが、最後はカードにまかせっきりにしないで、自分の拳で決着をつけたところがよかったですね。

デアスミスやフィランシュ教室の事件が終わったあとも、マリアンヌに自分の気持ちを伝えられないで、ぐだぐだしてしまったけれど、自分よりも誰かのことを考えてしまうのも彼らしい。
本当に周囲に世話をかけるお騒がせな名探偵と怪盗ですが、今後もリッツやジャックには苦労してもらいましょう。

愛がいっぱい。よいシリーズでした。
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2008年07月31日

SHI-NO-シノ-空色の未来図/上月 雨音

4829164107SHI-NO-シノ-空色の未来図 (富士見ミステリー文庫 76-8)
上月 雨音
富士見書房 2008-07-19

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過去からの挑戦

自殺したはずの高校時代の元カノから届いた手紙。
九州の実家に帰った"僕"は、今回ばかりは志乃ちゃんに頼らずに、その事件と向き合うことを決意するが・・・。
大学生の"僕"と小学5年生の暗黒幼女の純愛ミステリ。

志乃ちゃん抜きって言いながら、結局、ついて来てる。
片時も離れたくないんですね、わかります。
単に頼りないお人好しなお兄ちゃんを放っておくと、確実にトラブルに巻き込まれると確信しただけかもしれんが。
どっちが保護者なのか、ときどきツッコミたくなります。

正月に実家に帰省した主人公の"僕"が遭遇した事件を、"僕"とは別の側面から追っていく志乃ちゃんですが、今回は事件を推理していくというか、出題されたなぞなぞを解いて出たヒントを辿っていくオリエンテーリングみたいな話でしたね。
正直、もっと志乃ちゃんの暗黒っぷりをみたかった。

"僕"の挙動不審は、いるはずのない志乃ちゃんがいたという驚きより、これから企んでいることを彼女に見破られるかもしれないと動揺していたんでしょうか。
事態を余計にややこしくしているだけのような気もしましたが、"僕"も案外、思い切ったこともできるものだと関心しましたよ。
最終的に、彼は、この事件の結末を整える役割を与えられただけの存在だったわけで、本来、部外者だったのでは・・・。
昔から、彼は人が善すぎて貧乏クジを引く体質にありますね。

しかし、事件の背景については、さっぱり理解できない。
政略結婚の件についても、双方で話がついてるなら、元カノ嬢は死なずとも破談にすればよかったのではないだろうか。
能力をいかせば、家を潰す事だってできそうなのに・・・。
もろもろ動機付けのあたりの描写がちょっと不十分でしたね。

で、次回こそ志乃ちゃんメインだ!

そういえば、もうすぐコミック版も出ますね、買わねば。

SHI―NO ―シノ―SHI―NO ―シノ―
上月 雨音

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2008年02月11日

マルタ・サギーは探偵ですか? 6 オスタスの守護者

4829164077マルタ・サギーは探偵ですか? 6 オスタスの守護者
野梨原 花南
富士見書房 2008-02-09

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名探偵を愛していますか?

オスタスへ帰還したマルタは、ドクトル・バーチにしてマリアンナ・ディルベルタへ想いを伝えるためにデートへ誘う。
そんな中、マリアンナに求婚者が現れる。お相手は、マルタとは比べ物にならないくらい容姿も家柄もいい東洋の宝石王。
怪盗と名探偵の恋の行方に、新展開が訪れる!!

ちょっぴり大人になったけど、やっぱりマルタだなぁと。
精神年齢と肉体年齢のギャップが心配でしたが、ウジウジしたところがなくなって、何事にも意欲的になったのはマル。
一気に大人になってしまったように感じる場面が多かったですが、マルタらしいお気楽気分も残っていて、彼本来の性質みたいのは変わってないなぁと、ちょっと安心しました。

大人になってしまったマルタですが、それは誰かに無理矢理させられたことで、その事で心を痛めるリッツが健気です。
いっそ二人とも一人立ちするいい機会なのかもしれません。
できればリッツには、将来マルタに依存しない生き方を選んで欲しいので。リッツはリッツだけの夢を目指すべきだよ。
まあマルタには、まだまだ「お母さん」が必要っぽいですけどw

今回はマルタにドキドキっぱなしのマリアンヌが可愛かった。
恋愛事に馴れていそうで、実は自分の感情には鈍いひと?
マルタの急成長で一番心が揺れているのはこの人ですね。
ジャックもいい加減認めてあげればいいのに。まあ彼にとっては娘の行く末を心配する父親みたいな心境なんでしょうな。

どうにも後半で、かませ犬になってしまった宝石王のランですが、こういう短気で不器用な男は嫌いじゃないです。
なんだか訳もわからぬまま『カード使い』の争いに巻き込まれて、フラれてしまった彼が可哀相でもあるが、まあいい気味。
やっぱ男は、愛する人だけじゃなくて、守りたいもの全部ひっくるめて守れるようになんなきゃダメだよ。
7年をかけて戻ったマルタの誓いが叶うように祈ります。

さて、次回はいよいよ最終巻。最後までラヴでいきましょう!
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2007年06月24日

SHI-NO 呪いは五つの穴にある/上月雨音

4829163917SHI-NO―呪いは五つの穴にある
上月 雨音
富士見書房 2007-06

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【入院している僕が志乃ちゃんと和んでいると、キララ先輩がかつて僕ら三人が解決した「リゼィエの日記」の話を語りだした。なんでもその本に関してまた殺人事件が起きたというのだが・・・】
「教えて、志乃ちゃん。君の心が、知りたい」

志乃ちゃん可愛さに俺が死ぬ。

大学生の"僕"と小学5年生の暗黒幼女の純愛ミステリ。
入院中の"僕"とシノちゃんの元に持ち込まれた、呪われた本を巡る二つの事件を描いた中編ニ話の構成です。
ともあれシノちゃんが、無口無表情で画面の隅に鎮座ましましていればそれでいい。それがこのシリーズの魅力なんです!

またも垣間見せるシノちゃんの暗黒面に主人公ガクブル。
しかし、これまでそうした彼女の嗜好を矯正しようと奮闘してきた主人公の"僕"が、そうした嗜好を否定せずに受け入れるようになってきたのが大きな変化でしょうか。

シノちゃんは決して人間らしい感情がないわけではなくて、
"僕"の些細な言葉にも傷ついてしまう感性があるということ。
確かにシノちゃんは周囲と比べると異常かもしれない。
でも、それを一概に悪いと決めつけることはエゴであり、
エゴを押し付けて、シノちゃんを傷つけてまで矯正するよりは、ずっと側にいて見守っていこうという余裕が生まれました。

この二人の間に流れるまったりとした空気が好きです。
嗚呼シノちゃんのあの絶対零度の視線で睨みつけられたい。
それにしても「エターナルフォースブリザード」。
なんでそんな言葉を知っているんだい、真白ちゃん。

二人の関係に比べると二の次、三の次のミステリ要素ですが
今回は安楽椅子探偵をやっていたので、凶悪事件の渦中にいるいつもよりかは、落ち着いて事件の詳細を追えましたね。
中途半端な優しさや善意は、かえって人を傷つけてしまう。
善意も過ぎれば異常であるというのは納得できることです。

あとがきでもタイトルを挙げていますが、『名探偵に薔薇を』。
今回のストーリーは、まさにその本のオマージュみたいな話でした。そういえばキャラもちょっと影響を受けているのかな。
この本は私もお気に入りなので絶賛オススメです。

関連
エターナルフォースブリザード。相手は死ぬ。

名探偵に薔薇を名探偵に薔薇を
城平 京

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2007年06月23日

待ってて、藤森くん! 2/壱乗寺かるた

4829163925待ってて、藤森くん! 2 (2)
壱乗寺 かるた
富士見書房 2007-06

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【弥生坂高校の伝統行事、「六月の花嫁」。それは選ばれた花嫁の相手の座をかけて争う人気コンテスト。そして今年の花嫁には里見が抜擢され・・・、かくして里見をかけて女の子たちの苛烈な争いが!】
「大好きだよ里見!好き!好き!いっぱいいっぱい大好き!私はね、世界中の誰よりも──里見のことが大好きなんだから」

花嫁(♂)争奪戦!!

藤森里見の通う弥生坂高校では、「六月の花嫁」なる男装をした女子生徒による人気コンテストが行われようとしていた。
何故かなし崩しに今年の「花嫁」になってしまった里見をかけて幼馴染の吉野と生徒会の面々が争う、といったお話。
今回は恋に燃えるピュアな乙女たちのブレイブストーリー。

幼馴染の吉野が主人公の里見より、よっぽどカコイイ!
普段から里見スキー全開で姉さん女房役の彼女ですが、
里見と生徒会長の和美とイチャついているところを目撃し、
「私が一番里見のことを好きなんだから」と嫉妬に燃え上がって驀進する様といい、あたり構わず「好き好き」を連呼する様といい、いかに里見を想っているか、必死さが伝わってきます。

表面クール内面ドジっこで泣き虫の和美さんも、本当は吉野の迫力に腰が抜けているのに一歩も引かずに頑張った。
吉野の前で自分の想いを告白する彼女がいいですねぇ。
しかし、桔梗さんはまたも美味しいところを持ってったような。
演技でも「好き」となどとは言えない大和撫子なサムライガール乙でした。そして常盤さんの天然っぷりはどんだけー。

藤森里見はその真っ直ぐな性格が、空回りでした。
幼馴染の吉野を大切に思う故の行動とはわかっていても、
周りに相談もせず、一人で突っ走るクセはどんなものか。
アズマの指摘ももっともな意見ですね。そういえば、アズマに吉野フラグが立ってしまっているような気配が・・・。

最後には、なんとか里見を奪い返した吉野ですが、
真の敵は和美ではなくて、お姉さんでしたか・・・。
この二人の間にいったい何があったんででしょうか。
そんな伏線を残しつつ、次回へ続きます。

「女の子」と書いて、「好き」と読ませた昔の人の感性の豊かさを感じる、なんとも女の子たちのパワフルさに圧倒されるお話でした。
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2007年04月29日

GOSICKs 3/桜庭一樹

4829163879GOSICKs 3 (3)
桜庭 一樹
富士見書房 2007-04

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【季節は秋。久城一弥は迷路花壇の中を走る。姫─ヴィクトリカに会うために。今日も彼女を退屈せないように謎とお菓子と花を抱えて】

花と愛とミステリー


聖マルグリット学院に戻ってきたヴィクトリカと久城くん。
再び暇をもてあまし始めたヴィクトリカのため、久城くんは、
毎日、彼女の元へ花と一冊の本をもっていくのでした。
久城くんの行動が何かに似てると思ったらアレだ。働きアリ。

とりあえずは、ヴィクトリカかわいい。
もう彼女さえフリルっていれば満足なのです。
おまけに今回の挿絵のフリルは気合入ってます。
お菓子をつまむ姿やニンジンを齧る絵がテラ小動物。
ああ、俺もこの着せ替え人形が欲しいよう。欲しいよう。

久城くんがもってきた幾人かの手記で綴られる物語群。
フランス革命で命を奪われた貴族の青年とお嬢様。
オランダのチューリップブームで引き裂かれたカップル。
中国でひとりの男の立身出世を影から支えた女。
アメリカに渡って花の栽培に自らの思いを託した少女。
ロンドンを騒がせた風雲児の前にあらわれた妻の幽霊。

ただ歴史に翻弄された者もいれば、ときにしたたかだったり、
優しい真相が隠れていたりと、少なくとも波乱万丈な人生を送ったであろう過去に生きた人々の息づかいを感じます。
それぞれの短編の結末には、ヴィクトリカによる花言葉で綺麗に綴じているのがよかったです。存分に癒させて頂きました。

ちなみに今の私の気持ちを花言葉で言うと「柿」です。
意味は「広大な大自然の中でわたしを静かに眠らせて」。
もう・・・寝かせてください・・・・・・はたらきたくないんです・・・。
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2007年03月25日

かくてアダムの死を禁ず/海冬レイジ

4829163852かくてアダムの死を禁ず
海冬 レイジ
富士見書房 2007-03

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【桃原誓護、十七歳。妹とともに、ある決意を持って木立の中の修道院を訪れていた。叔父である鏡哉を告発するために。しかし、それは想像を絶する体験の始まりだった】

犯罪級のシスコンだな・・・


罪を抱えた御曹司と異能を用いて罪を裁く冥界の教誨師(グリモアリス)と呼ばれる少女のミステリものです。
舞台は人里離れた修道院。かつてこの地で起きた殺人を裁くため、冥府より訪れた教誨師によって囚われた容疑者たち。
自らの罪を見逃す代わりに、犯人探しの取引をした主人公・誓護は事件の調査を始め、そして新たな事件が起こります。

ヘタレナルシストな誓護のシスコンっぷりが愉快です。
繊細で情けないのか、したたかで頼れるのかよくわからん。
だが、妹のために地獄へ落ちるのも厭わない覚悟は潔い。
最初は人間を見下していて嫌な女だったアニコットが、誓護の献身さに触れて次第に変化していくのが可愛かったです。

アコニット様の高飛車からのツンデレは美味しかったが、
ただその他の脇役というと、面白味が薄いなぁ。
主人公イジメに走る真白さんは、イイ性格してたけど、
最後の転落ぶりが笑えない笑えない・・・。

ミステリとしてもキャラの配置的にモロバレなんですよね。
事件が起こる前から○○か●●だろうなとは直感した。
とくに奇抜なトリックがあるわけでもなく、情報を集めていくうちに真犯人にたどり着くという火サスタイプの話なので、まあミステリというよりは、伝奇といった方が正しいかもしれません。

第一、なんで修道院なんかに来てるのかがわからない。
富士ミスレベルでも面白いのかつまらんのか微妙なライン。
「I」と銘打ってシリーズ化が前提になってるが、そういう作品こそこけそうな予感がプンプンだ。
「U」が相当良くないと、「V」が出るのは難しい。
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2007年01月29日

僕たちのパラドクス Acacia2279/厚木隼

482916381X僕たちのパラドクス―Acacia2279
厚木 隼
富士見書房 2007-01

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【タイムマシンが普及している23世紀。時空犯罪を取り締まる時空監査法院の時空監査員ハルナ・キリシマは、2006年に居座っている時空犯罪人の処断を命じられるが・・・】

美少女シュワちゃんw

未来の時空犯罪を取り締まる時空監査法院からやってきた美少女エージェントと現代のヘタレ高校生のパラドクスミステリ。
任務を終えたハルナと偶然その場にいた青葉が遭遇した後、何らかの要因によるパラドクスで未来が消滅してしまう。
二人はその原因を探り、未来を取り戻すために奔走する。
このミステリやってんのか、ラブコメやってんのかわからないクオリティ。これが俺らの富士ミスだよな。うんうん。

ハルナの超人っぷりは、どうみても『ターミネーター』だなぁ。
強くてバカで元気印のハルナは私も可愛いと思うけれど、
ハルナに見惚れてばかりいる青葉がちょっとしつこいな。
某未来少女なんて必死に「禁則事項」の一点張りで頑張っているというのに、未来に影響がないとしても一般人にベラベラと何でも喋ってしまうこの軽薄さは好きになれないかも・・・。

青葉にしても平凡すぎるキャラがどうにも味気ない。
重大なタイムパラドクスで未来が丸ごと消滅したというのに、
女の子とのデートを普通に楽しんでしまってるし。
まあ可愛い女の子より重要なものはこの世にはないので、
私が同じ立場でもこのまま満喫してると思いますが、
現代人だから未来の緊急事態なんて実感がない、みたいな、
この緊張感のなさをフォローする部分があってもよかった。

一般的なタイムパラドクスの通説や定義は順守しているし、
アクションを交えてのハイテンポな展開は読みやすかった。
パラドクスの原因は始めのうちから、おおよそ推理できたものの、ガートラント指数とやらがネックだったんだよぁ。
種明かしは、かなり単純で工エェ(´д`)ェエ工でしたが。

最初の現場に侵入できたのは当該時代人だからじゃないとしても、将来の歴史的偉人を監視も護衛もつけずに放置してるってのは、常識的に考えておかしい。
ラストでハルナが未来に帰還せず、ずっと現代に残っていられるのも、新しく彼の護衛任務でも受けたんでしょうか。
そうした状況解説や背景説明が雑というか、見切り発進の結果オーライで大雑把なのが、今後の作者の改善点かな。

とはいえ、昨日読んだ『シャーロット』よりは、読み手を選ばずに気軽にオススメできる作品です。けっして悪くはない。
楽しめれば他は気にしないって方は手に取ってみては?
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2007年01月28日

麗しのシャーロットに捧ぐ ヴァーテックテイルズ/尾関修一

4829163828麗しのシャーロットに捧ぐ―ヴァーテックテイルズ
尾関 修一
富士見書房 2007-01

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【メイドのシャーロットは、日増しに募る主人メーネルトへの想いを抑えきれなかった。しかし彼は、妻ミリアムを溺愛していた。ある日、シャーロットはミリアムが人形だと気づいてしまい・・・】
「月は優しいから好き。
 でも月よりもルシアラ姉様の方が好き──」
「ラヴィ・・・・・・」

恐怖と狂気の連鎖

ある屋敷で起こった三つの怪事件を綴る連作ゴシックホラー。
魂依り人形、骸魔術、残された手記、そして悪魔に操られた人々が三つの時代にまたがって繰り広げる愛憎の物語。
口絵だけみればメイド、ズーレー、変態男焼死wなのに!
迂闊だった!なんで富士ミスなのにミステリーやってんだよ!

キャラ小説ではないのですが、しいて挙げるとするならば、
表紙のメイド・シャーロット・フェリエ嬢よりも、姉妹同士で睦み合っちゃったりするお嬢様、ルシアラ姉様がツボです。
月下の暗闇で幼い妹の胸元に口唇を・・・・・・'`ァ'`ァ('A`)'`ァ'`ァ
あまりにも耽美で淫猥すぎる微エロス。グレイトジョブ!

短編三話を高度に連携させた構成力に脱帽。
最初の事件が、次の話の伏線となり、誤った情報が登場人物を惑わして、さらなる狂気に満ちた事件へと繋がっていく。
真相の一端が明かされていく度に、複雑化する人間模様。
そして薄暗い洋館に漂う不気味な雰囲気が、読者に恐怖と狂気の連鎖の世界へと引き込んでいきます。

どこまでがミスリードなのか、最後まで読んでも納得できない部分はあるものの、読み応えのある重厚感なミステリです。
完成度は高いのは認めますが、単純に面白かったかと訊かれると、正直他人にはオススメしないだろうタイプかな・・・。
まあハッピーエンド主義者の私好みではなかったというだけで、本格派を愛する皆様には価値のある一品ではないかと。
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2006年12月25日

GOSICK 6 仮面舞踏会の夜/桜庭一樹

4829163755GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜
桜庭 一樹
富士見書房 2006-12

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【ベルゼブブの頭蓋から脱出した一弥とヴィクトリカは、豪華列車・オールド・マスカレード号にてソヴュールへと帰路につく。しかし、その列車内で形見箱をめぐっての殺人事件が】
「ぼくたちは、離れない。なにがあっても」
「うむ・・・・・・。そうだ、我々はけして離れまいよ」

プロポーズとOKの返事にしかががが!

<ベルゼブブの頭蓋>から逃れたのも束の間、豪華列車で巻き起こった殺人事件に遭遇してしまう一弥とヴィクトリカ。
〈孤児〉、〈公妃〉、〈木こり〉、〈死者〉と名乗る4人の乗客。
不気味な彼らの偽りの仮面の下にある正体を暴きます。
約一年ぶりの本編。富士見ミスのLOVE祭りは終わっても、
「愛がいっぱい」な一弥とヴィクトリカ。もう好きにしてお前ら。

今回のヴィクトリカは、いつものフリルとレースのゴスロリファッションではなく、すっきりとしたシンプルなエプロンドレス。
・・・・・・案外いいかも。ヴィクトリカといえばゴスロリですが、
もっと色々コスプレさせても美味しいキャラだなぁと。

一弥を下僕扱いする一方で、やきもちを妬くヴィクトリカ。
一弥もヴィクトリカのワガママに文句を言いながらも、甲斐甲斐しく世話する姿が微笑ましくって、二人とも可愛いー!!
もうミステリよりも、初々しいヴィクトリカとニブちんな一弥とのやり取りが眺められれば、ミステリとか本気でどうでもよいな。

まあ言うまでもなく、ミステリ分は例のようにヘッポコですが。
作者は、なんていうか本格ミステリをやる気はないらしい。
事件の捜査よりも、グレヴィールの双角ドリルの深遠の闇に魅入られて気もそぞろな一弥くん。その気持ちはよくわかる。
さらにドリルに火がついて、あわててその辺のカップに浸けたり・・・。ブロワ侯爵あんたの息子、面白い。

後半、なんか変な文章で遊んでた気がする。
このGOSICKシリーズは、桜庭一樹の一番の出世作だと思うので、もう少し真面目に気合を入れて書いてほしいなぁ。
次は秋の短編集。また一弥の姉さんが出ないかな・・・。

ときに今日のヴィクトリカは、やけにぷくぷくしてましたな。
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2006年12月22日

SHI‐NO 愛の証明/上月雨音

4829163798SHI‐NO―愛の証明
上月 雨音
富士見書房 2006-12

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【珍しくデパートへ買い物に来た「僕」たち。だが、なんとそこで爆弾騒ぎに巻き込まれてしまう! 爆弾を発見したものの、閉じこめられてしまう。カウントは二時間!犯人はいったい!?】
「叱ってあげる、怒ってあげる。
 君が間違う時、そこに、何時も、僕は居る」

それどんなプロポーズ?

大学生の「僕」と小学5年生の暗黒幼女の純愛ミステリ。
とりあえず表紙を開いて、台所に立つ小学生に萌えちゃってください萌え尽きちゃってくださいはぐぁ、ぽ、ぽにてぇええ!!
ゴホン、すみません。またしても志乃ちゃんにヤラレタ。

志乃ちゃんのこの強烈な存在感はなんなんだろう。
無表情に黙りこくってるだけですごいプレッシャー。
口を開けばいつもダークな哲学を語るばかりで、イマイチ人間味を感じられなかった志乃ちゃんですが、今回は「僕」のために行動する姿なんかが描かれていてよかった。

「僕」への志乃ちゃんの隠れLove分、ムッツリデレ分をようやく発見できて、エピローグはこれ最高に甘いですねぇ。
言わずもがなですが、「僕」の志乃ちゃんの溺愛ぶりも負けず劣らず凄まじくシスコンです。いや、シノコンとでも言おうか。
この二人のほのぼのとした日常を長く読んでいたいのに、
志乃ちゃんや犯人の「語り」が、ときどきクドいんですよね・・・。

人間が何で生きてるのかなんて明確な理由はありませんよ。
しいて言えば、楽しいじゃないですか生きてるのって。
何でも100%絶対確かな解答が用意されてるなんて考えは、
ゆとり教育の弊害です。答えを他人に求めるのは、それは間違っていたときに責任を取らなくていいからです。依存です。
自分自身の存在理由が分かったところで、自分そのものは何にも変っちゃいないだろうしね。

そんなことよりも、もっと考えるべき重要な事があるだろう。
えーと、例えば、そろそろ年末だからラノサイ杯やラ板大賞のことも考えなくちゃだし、それまでに読んでおく新刊のラインナップを整理しておかなくちゃいけない。
ブログで取り上げたいネタも溜まってきたから、ヒマを見て順次カタチにしていきたいし、TBも返さなきゃ格好悪い。
ああ、それよりも明日は真っ先に講談社BOXのファンクラブの年会費を振り込みにいかなくちゃ。郵便振込みよねアレ?

と、ここまで書いて、なんだこの『休日にやることメモ』は・・・。
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2006年12月21日

マルタ・サギーは探偵ですか? 4 恋の季節/野梨原花南

4829163763マルタ・サギーは探偵ですか?〈4〉恋の季節
野梨原 花南
富士見書房 2006-12

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【ドクトル・バーチに関するタレコミ情報を確かめるため、アラン・レイ高校への潜入捜査を開始したマルタ・サギーと、その助手リッツ・スミス。しかし、慣れない学校生活は波乱だらけで・・・】
「本当に綺麗ですね。
 なにか魔法でも使ってるんですか?」

出てる!クサイ本音、出てるから!w

社会不適応探偵マルタ・サギー学園ラブコメ編。
当然のように集団生活から浮きまくる協調性皆無のマルタ。
自他共に認める"お母さん"である助手のリッツも介護老人の世話だけは嫌なようです。手がかかるなこの名探偵は。
そして何故かマルタを偏愛して病まないやまないバーチ(マリアンヌ)との初々しいトキメキと青くさいロマンスに苦笑い。

なんていうかマルタのセリフは聞いてて恥かしいよー。
なんで普段は人生投げやりなのに、ときどきピュアボーイなんだこの野郎は、かわいいなちくしょうめッ!!
このシリーズにおけるマルタって、つくづくヒロインだよな・・・。

マリアンヌの方も名探偵Mと怪盗バーチの件をさておいて、
本気でマルタとの恋愛ゴッコを楽しんできてません?
マリアンヌとメイドのアンの会話が素敵ですねぇ。
ジャックやその他もろもろ、バーチの部下はみんな語る人生に味があってよいなぁ。

マルタはマルタで仲の悪かったはずの不良生徒を、いつの間にかを味方にタラシ込んでるし、いつものようにイチャイチャとしたキャラクターたちのやり取りは、ホントなんなんだろうね。
毎度ながら独特の空間を作っちゃってるよな野梨原花南。
まず作者を理解しないと作品が意味不明なこの構造。
まあそれでもこれだけ続いてるというのは、私みたいな固定ファンがずっと買ってるんでしょう。

微笑ましいノリから一転、最後は壮絶な引き。
むぅ・・・、そろそろこのシリーズもクライマックスがきましたか。
次は短編らしいですが、本編の方もできれば早めに、マルタもバーチもリッツも最後は揃ってハッピーエンドでお願いします。

あ、アウレカがでてないのはともかくジョゼフ犬がでてない!
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2006年11月24日

エクスプローラー 4 仇敵撃破/北山大詩

4829163720仇敵撃破―エクスプローラー〈4〉
北山 大詩
富士見書房 2006-11

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【響が消えたのは、自分が優柔不断な態度をとってしまったからなのか、思い悩む透の元へ、エクスプローラーからの依頼が舞い込み、赴いた山村で再会した二人の行方は・・・】
「なあに、そんなに戻ってきて欲しいの? あんた、本当に私にメロメロなのねー」
「お前こそ、俺が好きで好きで堪らなくなったから、逃げ出したんだろうがっ」

あー、このバカップルがっ!w

水瀬響が透と薫の前から姿を消して一週間。
二人の能力を駆使しても、まったく彼女の行方は掴めず、
いつになったらお互いに素直になれんだと、非常にやきもきされましたが、フタを開けてみればデレデレにメロメロ!
さすが富士ミス。L・O・V・Eがエナジーっておりました。

とにかく、響と透の痴話喧嘩が最高に美味しい。
まったくヒネクレ者と意地っ張りでお似合いなバカップルだ。
本人たちは取り繕っても、お互いに好きな気持ちが漏れ漏れで、もう物語全体が甘酸っぱい液に浸りきっていますよ。

最初の頃は、大切なものは「金」と言い切っていたあの透が、
寂寥感に突き動かされながら必死に響の消息を追い続け、
ウィルスに侵された彼女を失うまいと、フラフラになりながら神頼みなんかにすがるなんて、コイツは本当に変った!
変ったといえば、このシリーズで一番の成長株は薫ですね。
ここにきて肝が据わったように一気に逞しくなったなぁ。
エピローグでの告白も見事な玉砕でした!君は頑張った!

ということで第一部完。
最後の最後まで臨機応変な展開が飽きさせなかった。
キャラの描くべきところをごく自然にシナリオの中に取り込み、
追い詰める者の熱い興奮と、逃亡者の張り詰めた緊張感がミックスされたサスペンスの傑作と言っていいでしょう。
執筆が早い割によく練られてまとまった作品でした。

それにしても、いつもちゃっかりついて来てるお兄ちゃん。
透くんモテモテw
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2006年10月24日

きりきりなぼくの日常 星屑エンプレス 2/小林めぐみ

4829163712きりきりなぼくの日常―星屑エンプレス〈2〉
小林 めぐみ
富士見書房 2006-10

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【ケイマリリが連続殺人犯に襲われた!?見舞いに行こうとするも、機密保持のため、関係者以外は面会謝絶。困ってナオシスタ皇女に相談すると、なぜか殺人事件を捜査する事になってしまい・・・】
「なに任せろ、俺たちは天才だ悪いようにはせん」
「俺たち天才!」
「天才!」

六曜博士はちゃけすぎ!w

ちょっと油断すれば、どんな改造を受けることやら。
六曜博士に対する周囲のビビリっぷりは、なんかワロタ。
彼らの行動を容認するナオシスタといい、ウレイクといい、
六曜博士を受け流せるか否かで、皇帝の大器というものが試されるのかもしれん。ってか、野放しかよ、ハタ迷惑な!
読み終わってみれば、一冊まるごと六曜博士デシタ。

それにしてもナオシスタのおこちゃまぶりは和みます。
一方で高知は初っ端から宇宙人に腕を食いちぎられたりと、
相変わらずメルヘンなようで、素敵にグロイな。
外見も中身もヘンテコな宇宙人たちも可笑しくてならない。

グオ長官と融合した高知が、前皇太子の残した痕跡を追い。
それによってとある星の殺人事件から、新たな帝国の内乱の火種にまで、大きく事態が転がっていく展開がうまいです。
シリアスに進めようとしても、最後には自然と和気藹々とした空気になってしまう、この脱力感が私は好きですがね。
にしても全ては六曜博士の仕業か! ちょっと飼い主ー!w

ケイマリリはひょっとして高知くらい鈍感なのじゃないかね、
なんか二人のキャラに似た者同士のシンパシーを感じる・・・。
仲の良い二人の姿にむくれつつ、素直になれないナオシスタの照れ顔にニヤリ笑い。初々しいなぁ・・・。
まだシリーズが続くなら高知とナオシスタの進展をプリーズ。

それにしても六曜式マッサージは、是非一度試してみたい。
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2006年09月15日

トキオカシ/萩原麻里

4829163690トキオカシ
萩原 麻里
富士見書房 2006-09

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【誠一の高校に双子の美少女がやってきた。その一人、眞名は誠一と対面したとたん、震えはじめ、同時に誠一の世界が暗転する……。神の系譜を持ち、時を旅する少年と少女の自分探しの物語】

しまった!ギャルゲじゃない!


転校生の美少女にいきなり運命の相手と言われた誠一。
(ここだけ聞いて「またギャルゲシナリオですか」とか言うな)
時が戻る呪いにかかった時置師の運命を背負う眞名と共に、
タイムスリップした明治時代で遭遇する殺人事件。
少年少女が己の宿命を知っていくタイムトラベル・ミステリー。

生まれるはずのない双子の時置師の自分に悩む眞名と、
瞬間記憶能力以外は、どこにでもいる平凡な少年、誠一。
お互いに補い合い、支え合いながら、与えられた運命ではない繋がりを深めていく流れが心地好い。

いつのギャルゲの三角関係だ、という現代から移行し、
どこか古めかしくも懐かしい落ち着いた世界観を描きます。
十一人目の時置師の存在理由についての謎は、時置師のルールから裏読みすれば、まあ一目瞭然ですが、
ミステリというより、まさに青春モノという方がふさわしい。

折角の誠一の瞬間記憶能力がストーリーや謎解きに対し、
まったく役に立っていなかったのがちょっと肩すかし。
眞名と眞依の刃物スキルはどんな環境で培ったものなのか。
残る八人の時置師は、本当に口伝の伝承を知らないのか。
誠一の『時の輪』と赤い目。タイムスリップしない夕霧と眞依。
むしろこれからが複雑に入り組んだ謎解きを楽しめそうです。

この文庫で、久しぶりにLOVEだけが取り得じゃない本を読めた!
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2006年09月13日

SHINO 天使と悪魔/上月雨音

4829163666SHI‐NO―天使と悪魔
上月 雨音
富士見書房 2006-09

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【いつもは僕の家で夕食を食べるシノちゃんが、ここのところ寄りつかない。キララ先輩には「倦怠期ちゃうか?」とからかわれるけれど、また危ない事件に巻き込まれてないかと心配なんだ。】
「彼女は生粋の殺人鬼です」

なにその零崎

ダメな人々が崇拝してやまない暗黒幼女シノシノ。
ダークというよりホロウ。深く穿つ奈落のように漆黒なる魂。
そんな彼女にどこまでも平凡な人間らしさを訴える"僕"。
彼のために殺人鬼としての本来の自己を否定し続ける彼女が少しずつ変化していく過程が微笑ましくも、どこか危うげ。

真白と大垣の関係は、志乃ちゃんと"僕"のデッドコピー。
兄が大切な妹のために道を踏み外してしまったルート。
大垣が間違ってしまったのは、まず社会に流布している『正義の味方』そのものが誤った認識の存在だからでしょうね。

正義の二文字を背負える個人はいない。
法律が正しいのは個人で判断できることではない。
死刑囚とて人を殺す罪が消えてなくなるワケではない。
正義も悪も、すべては社会という圧倒的な量の薄め液によって誰の身の内にも分散して混在しているのです。
正義でも悪でもなく、どちらにも染まっている、それが人間。

他人の罪ばかり蒐集する志乃ちゃんが抑えられているのも、
"僕"があまりに当たり前の人間すぎる存在だからでしょう。
正義も悪も受けとめる、けれど人間として間違わない。
志乃ちゃんの「怪物」に匹敵する「人間」の強さを感じます。

幼女の語る哲学談義に魅力を見出せる人には美味しいが、
それ以外には、なに言ってるのかサッパリわからないだろね。
純愛系ミステリを名乗りつつ、作者がミステリを投げたよッ!

志乃ちゃんサイドの問題は片付いてないので、このまま続くぽいですが、新たに設定された刃物スキルが気がかりです。
100円ペティナイフで、襲いかかるスト−カーたちを斬殺しまくる。なんて超展開にならないだろうな・・・・・・。

なにその零崎、もしくは、なにその斬島。

零崎双識の人間試験零崎双識の人間試験
西尾 維新

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紅―ギロチン紅―ギロチン
片山 憲太郎

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2006年08月17日

エクスプローラー 3 白黒乱舞/北山大詩

4829163658白黒乱舞―エクスプローラー〈3〉
北山 大詩
富士見書房 2006-08

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【非合法捜し物サイト〈エクスプローラー〉に寄せられるペットの捜索依頼。頻発する誘拐事件に、透たちも重い腰をあげるが、ただのペット誘拐と思われた事件の裏には、意外な事実が】
「じゃ、じゃあ、あなたが横取りのエコー?」
「違うっ!」

ぴったりですエコー様

普段は大人しい薫が響と張り合う展開がよかった。
自分を曲げたくない頑固な不器用さんが見ていて好ましい。
でも、総一郎まで意固地になっちゃいけないよ。
勝負の主役は薫なんだし、彼が冷静にリードしてあげないと。
透×響ペアに比べ、ブレーキとアクセルの役割分担がなってなかったのが敗因かな。

脱力ノリの透と響だけど、実力と経験の差は明らかで、
なにより引き際をわきまえているのがプロですよね。
「大切なものは、自分と金」と断言しそうな二人の見せた
本当に大切な仲間のために下した決断。
彼らもまた一枚むけたなというカンジ。

事件の陰で二重三重に包まれた謎。
緊張感と興奮の命懸けのハイド&シーク。
刻々と情勢が揺れ動き、追跡者と逃亡者が入れ代わる、
一場面たりとも読者を飽きさせないスリル&サスペンス。
今回も無駄なく、たっぷり詰め込まれた読みごたえ。

まあ小銃の弾を食らって何故か生きてる透とか、
さすがに超人クオリティは控えて欲しいのだけど。
ただでさえ透視能力とか、便利すぎる力そろってるし、
むしろ能力に制限を増やしてもいいくらいだ。
ってか、フツーに人前で桃と喋ったりエクサーの話すんなよ!

最終的にウィルスだけが霧生の狙いかと思えば、
桃のクローンも作ろうとしてるのが引っかかります。
ワクチンでも作ろうとしてるのでしょうか。
もしくは褐色皇帝キャットを量産して軍事利用に?
よし、あとは人間を動物に変える麻薬さえ開発すれば、
世界征服も夢ではないな。

透たち四人の関係も雨降って地固まる。
されど暗雲去りず、嵐の気配というところでしょうか。
姿を消してしまった響を探し出し、果たして透たちは、
"たからもの"を見つけることができるのでしょうか。

どうせならサブタイ「桃色乱舞」にしたらエロかったのに。

狂乱家族日記 六さつめ狂乱家族日記 六さつめ
日日日 x6suke

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2006年08月15日

マルタ・サギーは探偵ですか? 3/野梨原 花南

4829163623マルタ・サギーは探偵ですか?〈3〉ニッポンのドクトル・バーチ
野梨原 花南
富士見書房 2006-08

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【始まりは、探偵助手リッツが昏睡状態に陥ったことだった。謎のカード使いによってマルタとドクトル・バーチはカードの力の発動に巻き込まれ―気が付けば日本に戻っていた】
「どこに居たって“世界の謎”を解くのは名探偵の役割だろう?―おそれるな。自信を持て」

いつものように対峙するマルタ・サギーとドクトル・バーチ。
しかし、突如乱入したF教室のカード使いデロリスの「すばらしき世界」のワーク効果を受けてしまった二人。
目覚めてみると、そこは日本のマルタの家。
オスタスへ戻るべく、二人の同棲生活が始まるワケですが、

ドクトル、グッジョブ!

いつもながらツボを押えた名ゼリフもだが、
ドクトルの変身美少女っぷりはいい仕事してる!
そしてマルタは今回もヘタレ可愛いな。
よく考えると気持ち悪いほど精神年齢が幼いんだが、不思議と彼の純真さが眩しくて、若さって素晴らしいって思える。
それでもやっぱりキモいし、ときどき本気で萎えんだが。

無人島でひと夏のアバンチュールの次は新婚生活。
カップ麺をすすったり、日本の排水設備に感動したり、
清純派美少女に変身してデートに出かけたりと、異世界を満喫するバーチとダラケきったマルタのかけ合いが和む。

ついに直接介入してきたデアスミスとクレイ。
コイツらのキザっぽいキャラには、むしろ可笑しさしかない。
なんというか君らだけシリアスで纏ってる空気違うよ。
周囲をよく見ろ、みんなボケボケ、イチャイチャ、まったりだ。
アウレカなんて無責任ぶっこいてるじゃないか。空気嫁。

グダグダが素敵

なんだかんだダラダラやってる間にもう5冊目。
正直、よくこんな荒れたプロットで続けれるなこのシリーズ。
その図太さが野梨原の花南たんたる所以でしょうか。
読む方も読む方だと言われそうですが気にせんといてくれ。

どうせ花南たん惰性で書いてるし、読者も惰性で読んでるさ。
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2006年07月14日

待ってて、藤森くん!/壱乗寺かるた

4829163585待ってて、藤森くん!
壱乗寺 かるた
富士見書房 2006-07

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【藤森里見は、幼い頃に初恋の少女と再会を誓った場所で待っていた。待ち続けて肺炎で倒れてしまった彼は、一月遅れで高校へ初登校するが、そこで運命の少女を発見する】

男女差9:1で圧倒的に女生徒の多い弥生坂高校。
そこでは教師以上に生徒会が強い権力を持っていた。
その一員に、家族同然の幼馴染を侮辱された里見は、
『弥生坂下克上』なる不思議な入れ換え制度を利用し、
男の意地をかけたガチンコ勝負を挑む!

メガネが燃えていた


幼馴染の犬塚吉野に頭が上がらない藤森里見。
世話焼きな彼女にくっついてるだけのヘタレかと思えば、
大切なものを汚されたため、大切なものを守るため。
自分に嘘をつかないために、ボロボロになっても立ち上がる。
強い信念を貫き通す男らしいメガネくんがグーぐる!
幼馴染との恋愛模様をつづる学園ラブストーリーです。

あれ生徒会長は!?

ちょっと待てオールメンズ。
確か幼い頃、結婚の約束をした少女が、
生徒会長に進化して再会ってストーリーのハズでは・・・。
なのに実際、まったく出番を忘れ去られてるのはどうなのか。
人前ではクールビューティーだけれど、本当はドジっ子っていうキャラが、話の上でまったく活かされていないように思う。
むしろ日本語哀れな桔梗さんが、美味しいトコもってくwww

またワケワカラン

ついにミステリーとは、何の要素も絡まない、
学園ラブコメまで来てしまいました、富士見初体験文庫。
すぐにリングが用意できるというのも、なんだこの学校。
ノリがいいのは認めるが、どうにも出来映えが安っぽい。
なんだかオチも、どこかの二番煎じっぽい雰囲気がダレ杉。

いまはただグレイテストオリオンな気持ちでいっぱいです。
悪魔のミカタ〈5〉グレイテストオリオン悪魔のミカタ〈5〉グレイテストオリオン
うえお 久光

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2006年07月12日

ヒドラ HYDRA 1/吉田茄矢

4829163593ヒドラ HYDRA〈1〉
吉田 茄矢
富士見書房 2006-07

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【雪に閉ざされたルルブの山中で、難破した飛行船から双子の少女ウミとハナを助けたアラタ。吹雪を避け駆け込んだ収容所で、奇妙な水疱を発疹し死亡するという事件が起きて】

つまらない


本日の感想は以上です。
これより正確に表せる言葉は私にはないですな。
ストーリーがありふれてるとか、薄っぺらいとかでなく。
ただ普通に面白味がない、という意味での『つまらない』。
先の展開に期待をもたせてくれるような旨みを感じなかった。

ぶっちゃけキモい

まずヒロインが気持ち悪い。
ヒステリックな姉と依存症の妹。
両者とも他人と意思疎通ができてるのか意図不明で、
親しみがわかないどころか、かなりの不気味ちゃん1号2号。
そしてナカミチを始め、主人公らも愚図でダルイ。

無駄な文章が多くて、作者の意図がわからない。
「描きたいこと」をうまく整理できてないんじゃにゃーかね。
そしてその「描きたいこと」も、はたして読者が楽しめるようなシロモノなのかも疑問でありまする。

これがホラーというものなのかも知れませんが、
ストーリーから漂うオーラが根暗で陰湿で、不毛感バリバリ。
三角アゴばかりで婀娜臭い挿絵も胸焼けしてきます。
これを上下巻として、次も読ませようとするのは無謀だな。

まだ三流米ドラマの方がマシだったよ。
サウス・ギャング・コネクション―BAD×BUDDY〈2〉サウス・ギャング・コネクション―BAD×BUDDY〈2〉
吉田 茄矢

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