ダフロン

2012年06月15日

スイート☆ライン 5 メモリアル卒業編/有沢まみず

404886629Xスイート☆ライン 5 メモリアル卒業編 (電撃文庫 あ 13-36)
有沢 まみず 如月 水
アスキー・メディアワークス 2012-06-08

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声優5人によるユニットが結成された! お披露目を兼ねた初イベントの日も決まり、永遠たちはイベントの成功を目指して泊まり込みで特訓を始める。5人の実力に周囲の人々は誰もが成功を確信するが、正午だけはユニットのメンバーたちに不安を覚え……。そして、イベント当日、とんでもない事態が!

 勇気の矢は天を昇る

 夢に向かって頑張る女の子とそれを応援する熱血バカの男の子のハートフル・ラブストーリー。

 大人の世界で必死に自分の可能性を試そうと努力する少年少女たちの汗と涙に感動した!
 周到に準備を重ねた『スイート☆ライン』のデビューイベントで大失敗をやらかしてしまった声優5人のために、一時は崩壊しかけたユニットの存続をかけ、主人公・正午が彼女たちの問題の解決に奔走して、眠っていた自分の才能を開花させて企画を成功へと導いていく姿が素晴らしかったです。

 永遠たちヒロインらをプロデュースする手助けを依頼された正午が、仕事現場や練習場で真剣に打ち込む彼女たちに魅了されつつ、『スイート☆ライン』始動に向けて盛り上がっていく周囲の熱に当てられて、不安と期待がごちゃ混ぜのままイベントへ向けて突っ走っていく光景に心が浮き立ちますね。
 皆必死にやっていたのに不運が重なってそのイベントが失敗に陥ってしまったのがとても悔しい。

 一時休止状態になった『スイート☆ライン』に、メンバーそれぞれが責任を感じて思い詰めていってしまうのは辛かった。そんな中、正午にしかできないやり方で彼女たちをまとめ上げていく復活劇が燃える。
 彼一人の力だけではないけれど、周囲の力を動かすキッカケとなって彼女たちの抱える問題や障害をひとつずつクリアしていって、そのたびに頼れる大人の男へと成長していく姿に感激しました。

 好きという気持ちを完全に抑えきれなくなって、告白の後に前よりも正午に依存するようになってしまった永遠に正午が取った決断は、必要な最善の手段であったけれども切なくて胸が締めつけられる。
 大切な存在となった相手を思えばこそ離れなければならない二人がもどかしい、非常にもどかしい。
 有沢まみずさんはラブコメもいいのですが、こういう心に沁みるラブストーリーをもっと書いてくれないかなぁ。

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2012年06月14日

エスケヱプ・スピヰド 2/九岡望

4048866559エスケヱプ・スピヰド 2 (電撃文庫 く 9-2)
九岡 望 吟
アスキー・メディアワークス 2012-06-08

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帝都・東京にやってきた九曜と叶葉。復興の進む街で、九曜は機械兵を連れた不遜な少女に襲われる。『第三皇女・鴇子』だと名乗る少女は、九曜に自らを守るように命令する。誰から何故追われているのか記憶がないと言う鴇子。九曜は訝しむが、叶葉は彼女を放っておけないと言う。

 その美徳を愛と呼ぶ

 荒廃した日本を舞台に、戦闘兵器の少年とその主となった少女が繰り広げるノンストップアクション。

 1巻で綺麗に完結していただけに、2巻はどうなるかと心配しましたが、これはアリですね。
 帝都東京へとやってきた九曜と叶葉が、何者かに追われている少女・鴇子と出会い、謎に包まれた彼女の出処を探りながら、暗躍する機械兵器と死闘を繰り広げていく熱い戦いぶりに胸が躍りました。
 これまでひとつの都市を舞台にしていた物語が、日本全土へと舞台を広げていったのが興味深い。

 生真面目で実直な九曜と働き者で素直な叶葉のお似合いカップルぶりに悶えます。
 自分たちを襲ってくる正体不明の敵の存在を警戒して、殺伐としてしまった心を叶葉の膝枕で癒される九曜の叶葉へ心を開いていることを伺わせるシーンですとか、叶葉は叶葉で、九曜の何気ない朴訥な優しさを向けられて顔を赤らめたりして、二人とも初々しくてかわいいー。床の上を萌え転がれるな。

 死んだと思われていたかつての戦友・巴と剣菱は、九曜と上司と部下、先輩と後輩の関係というよりは、彼を教え諭し導く師と弟子で。さらに鬼虫という絆で繋がった親と息子のような間柄に感じましたね。
 鬼虫はただの兵器ではなく、彼らには彼らしかわからない誇りや仲間との結びつきがあるんでしょう。
 その思いを汚すかのような甲虫式の存在は、きっと許してはならない私憤があったんだと思います。

 真実を知ってショックを受ける鴇子に、叶葉が与えた言葉が素晴らしかった。叶葉は本当いい子やなぁ
 今回で世界観が広がり、人と人との関係性も増え、物語のスケールが大きく、さらに新しい謎や新たな敵を備えて奥深いものになって、一気にシリーズとして今後の展開を期待させる作りにカスタマイズしてきたのがすごかった。この風呂敷の広げかたは見事ですね。九曜と叶葉のイチャイチャをもっと見たい。
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2012年06月13日

特異領域の特異点 2/範乃秋晴

4048866532特異領域の特異点 2 (電撃文庫 は 10-2)
範乃 秋晴 saitom
アスキー・メディアワークス 2012-06-08

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今や世界国家第一大学一の奇才ともてはやされるまでになった賢悟。そんな賢悟に日本政府が極秘プロジェクト参加を要請。一方、プロジェクト関係者を狙ったテロが頻発。時代錯誤な侍装束に、文字通りの光速の居合を操る怪人物。その男の次の標的となったのが賢悟だった。

 神につながる鍵

 物理法則を一変させる特異領域理論を巡る、天才と変人たちの新感覚空想科学冒険譚。

 玄人向きの難解なSF。一回読んだだけでは細かい世界観の理屈を理解するのに苦労しますね。
 『内外理論』の発表により、一躍天才と持て囃されるようになった主人公・賢悟が、政府主導の極秘プロジェクトの存在を知り、その実験の失敗によって地球が滅ぶ事態に陥った大惨事を収束させるべく、自らもギリギリの危険に晒しながら仲間達と人々を導いて世界を救う姿に魅せられました。

 変人として周囲に馬鹿にされてきた賢悟が、ようやく自分の優秀さを証明して天才と認められたのにはよかったと思いますが、それでも中身は思春期の十七歳の普通の学生で、彩世に無邪気にキスを迫られて、いつも傲岸不遜を地で行く彼と思えぬ狼狽えぶりを見せる一幕が初々しいですね爆発しろ!
 彩世だけでなく機械人形のカナも貞操観念にイマイチ疎くて無防備な姿にT反応がおっきした。

 『人類進化計画』と名付けられた実験の暴走により、被験者や実験施設が半透明の幽霊となって汚染が拡散していく状況で、消防隊や警備隊を率いる立場に立った賢悟と清十郎が、人類を滅亡から救うためにタイムリミットの迫るなか様々な手段を講じていく展開に手に汗握りました。
 全てが死に向かうクライマックスに、賢悟のとった解決策は、もうスケールデカ過ぎて何も言えんよ。

 賢悟が良心の命ずるまま最善の選択を取れたのは、人間の持つ愛情を信じたからでしょうね。いくら機械のような知性があっても人間の心がわからなければ、それは機械以下になるだけなんだろう。
 頭がいいだけじゃなくて、賢悟がしっかりと思いやりの心がある人間で安心した。それもこれも育ててくれた父親の教育が素晴らしかったからで、それがなんでああなってしまったんだろうか……。
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2012年06月11日

ヘヴィーオブジェクト第三世代への道/鎌池和馬

4048866249ヘヴィーオブジェクト第三世代への道 (電撃文庫 か 12-35)
鎌池 和馬 凪良
アスキー・メディアワークス 2012-06-08

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不良兵士クウェンサーとヘイヴィアは、不真面目な態度の功績(?)が認められ、晴れて戦場から『左遷』された! 戦地留学生と没落貴族の少年二人は、いよいよ俺たちにも幸運の女神が抱きついてきやがったぜ!と喜んだ……のだが、戦地の最前線よりも過酷な作戦に挑み……! 

 新しき世界の幕開け

 超大型兵器オブジェクトに生身で立ち向かう少年兵の近未来ミリタリーアクション。

 色欲まみれの学生と貴族の坊ちゃんの活躍はいいから、前巻の美幼女兵士を出せよください!
 最前線を左遷され、平和な安全地帯へと左遷された不良兵士クウェンサーとヘイヴィアが、そこで陰謀の臭いを嗅ぎつけてしまい、またもオブジェクトに狙われるハメになって七転八倒する様が愉快です。
 ただ今回はリアル王女さまの命を救うために戦う燃えるシチュがあったりして、これは映画化だな

 窓際部署に左遷されたとはいえ、バカンス気分で南の島で単純作業を繰り返していればいいものを、隠されていた悪事の証拠に気づいてしまう二人は優秀なのか、それともただ運が悪いだけなのか。
 これまで何体ものオブジェクトを倒してドラゴンキラーと呼ばれるようになった彼らには、武装した小隊やガンシップごときではもう相手になりませんね。よくもまあ他人の嫌がることばかり思いつくもんだ。

 どこへ行っても面倒事に巻き込まれ、いらない大活躍をしてはノホホンと無事に生きのびて帰ってきてしまう彼らが、次第に厄介者扱いされていくのはわかるけれど、政府の内部にも悪い奴いすぎだよ。
 王女さまの暗殺計画に気づいて、若干モチベを上げるも、いいところを他に奪われて、ざまあ。
 生死を賭けたシリアスな場面で、焦ってはいても下ネタだけは忘れない二人の掛け合いが笑います。

 汎用型の第一世代、特化型の第二世代に続く、第三世代の正体は共存型というべきか。オブジェクトという兵器を巡って、戦争のやり方や、世界のあり方まで変わろうとしている世界観が壮大です。
 王女さまのヒーローにはなれなかった二人でしたが、これはこれで感動できる美談だったなー。
 たらい回しにされた挙句ふりだしに戻ってきてしまったけれど、結局元の部隊が一番彼らに合っていそう。

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2012年06月10日

ストライク・ザ・ブラッド 4/三雲岳斗

4048866338ストライク・ザ・ブラッド 4 (電撃文庫 み 3-34)
三雲 岳斗 マニャ子
アスキー・メディアワークス 2012-06-08

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間近に控えた魔族特区の祭典“波朧院フェスタ”の準備で盛り上がる絃神市。祭りにあわせて小学生時代の古城の親友、仙都木優麻が絃神島を訪れる。古城が旧友との再会を喜ぶ一方で、担任教師の南宮那月が失踪。さらには謎の時空の歪みが、魔族特区を脱出不可能の迷宮へと変えていく。

 異界の扉が開く日

 世界最強の吸血鬼を継いだ男子高校生と見目麗しき乙女たちの学園アクションファンタジー。

 うわああああああああ!! 貴重な合法ロリちゃん教師の身に大変な事態が!
 魔族特区をあげて開催される年に一度のお祭り『波朧院フェスタ』に合わせて現れた悪しき魔女の襲撃により、特区全域の空間が歪む非常事態が発生し、さらには主人公・古城本人にも異常が起こってと、楽しいお祭り気分から一転して緊張感漂う状況に突き落とされる古城たちの姿が痛ましいですね。

 街中がお祭り会場となる『波朧院フェスタ』を、古城と一緒に回ろうと密かに思い描いている女の子たちがいじらしいですが、当の彼は外から遊びに来る幼馴染を案内する約束をしていて、周囲にいる姫柊や藍羽が寄せる想いには無頓着、無関心で、相変わらず女心がわかっていないのが苛立つわー。
 しかし、やってきた幼馴染・優麻をみれば古城の鈍感力がどうやって鍛えられたのか、納得でしたね。

 一方、邪悪な企みを持って特区に潜入した魔女たちの仕業で特区の空間全体がおかしくなって、その事態の背景には自分の幼馴染まで関わっていて、事件を追っていく内に知らなかった幼馴染の一面が少しずつ明らかになっていきショックを受けつつも、心のどこかで彼女を信じている古城のお人好しぶりが彼らしい。それがどんな時でも変わらない彼の弱さでもあり、強さでもあるんですよね。

 魔族特区に隠された秘密はかなり重要なのに、それを外敵から守る防衛網がザルすぎると思う。
 今回、詳しく解説があった魔女たちの属する"図書館"勢力にしたって、吸血鬼勢力に匹敵しそうですし、いくら那月ちゃんが驚異的な能力を持っているとしても、戦力が足らなすぎでしょう。
 那月ちゃんの苦労をもうちょっと負担できていれば、最後のあの結末にはならなかったのではと思わずにはいられない。防げなかった悲劇のその後は、一体どうなってしまうのか……。

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2012年06月09日

天鏡のアルデラミン ねじ巻き精霊戦記/宇野朴人

4048865595天鏡のアルデラミン―ねじ巻き精霊戦記 (電撃文庫 う 4-4)
宇野 朴人 さんば挿
アスキー・メディアワークス 2012-06-08

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隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。その一角に、とある事情で嫌々、高等士官試験を受験しようとしている、一人の少年がいた。彼の名はイクタ。戦争嫌いで怠け者で女好き。そんなイクタが、のちに名将とまで呼ばれる軍人になろうとは、誰も予想していなかった……。

 時代が求めた英雄

 のちに名将と呼ばれる怠け者な少年の激動の半生を描く壮大な架空戦記。

 剣や銃ではなく頭で戦う。久しぶりに骨太な世界観の仮想戦記ファンタジーが出てきました。
 隣国との戦争が続くカトヴァーナ帝国で暮らす怠け者で女好きな主人公・イクタが、ひょんなことから軍人となり、秘めた智謀と才覚で戦場に旋風を巻き起こし、仲間とともに成り上がっていく展開にワクワクします。
 人間のパートナーである精霊を崇拝する宗教と真理を見出そうとする科学の対立も興味深い。

 士官候補生となるための試験を受けにいく途中、乗っていた船が座礁し、かろうじて救命ボートで命を拾ったイクタを始めとする候補生5人と、たまたま乗り合わせた皇女シャミーユたちに結ばれる絆が運命的。
 運悪く漂着してしまった敵地から脱出するためにサバイバル生活を繰り広げ、敵国の兵士との遭遇戦を切り抜け、国境線を越えるまでの間に、次第に強い信頼関係が築かれていくところに胸が熱くなります。

 皇女を救った英雄として自国に戻った5人を待っていたのは、同僚軍人からの嫉妬と羨望で、様々な嫌がらせを受けるのだけれど、イクタが不遜な態度を取り続けるものだから余計に反感を買って、ついには実戦で痛い目をみせてやろうと企む不良軍人まで現れて、始めから勝てない勝負を仕掛けられるが、そこで思わぬ知略を尽くした部隊の采配を見せて、返り討ちにしてしまう光景にはスカッとしました。

 イクタの圧勝で終わるかに思えば、予想外のハプニングもあったりして決して最後まで飽きない。
 古臭くて硬直化した戦場に新しい視点での戦術戦略論の風を吹きこんで、一手も二手も先読みをして展開していく戦況が見所。この手の戦記ファンタジーでまだ新しいことをやれるのかと驚きました。
 イクタだけでなく、彼に負けじと自分の力を磨くのに余念がない仲間たちの成長や活躍にも期待したい。
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2012年06月08日

天使の3P!/蒼山サグ

4048866273天使の3P! (電撃文庫 あ 28-11)
蒼山 サグ てぃんくる
アスキー・メディアワークス 2012-06-08

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過去のトラウマから不登校気味の貫井響は、密かに歌唱ソフトで曲を制作するのが趣味だった。そんな彼にメールしてきたのは、小学五年生の少女たち──!? 子供の頃から一緒に育った三人が、想い出作りと感謝のために、一生懸命奏でるロリ&ポップなシンフォニー!

 天使の歌声が響くとき

 動画サイトでボカロPとして活動する男子高校生とバンド少女たちのロックンロール・ラブコメディ

 おいおい、幼女の肌色全開じゃねーか! お兄ちゃん、妹とお風呂入りすぎ!
 ネット上の動画サイトでボカロPとして活動している引きこもりの主人公・響が、小学5年生3人組の少女バンドをプロデュースすることになり、複雑な事情を抱えた彼女らのライブを成功させるため、彼女たちの心の悩みを晴らし、自分のトラウマを乗り越えて成長していく姿が素晴らしかったです。

 泣き虫の潤、勝気な希美、天然なそらと出会い、半ば脅されるようにして関わるようになった響ですが、それが引きこもりの彼が外の世界に出るきっかけとなっていく光景が微笑ましいです。
 実力はあっても無名の彼女たちのライブに観客が呼べるアテもなく、失敗して傷ついて欲しくなくて、けれどやる気のある彼女らを止めることもできなくてと、優しいからこそ流されるままなのが、もどかしい。

 複雑な事情で周囲のクラスメイトと壁を作って、三人だけの狭い世界に閉じこもってしまっている彼女たちと、イジメによって引きこもりになってしまった自分とを重ねて、彼女たちを変えるために、まず自分が変わろうと、響がどれだけの勇気を振り絞って引きこもりから抜け出したかは、言葉にできない。
 ライブを通じて自分の価値観や世界が広がっていく興奮と感動は、まさにロックンロールの醍醐味!

 まあでも、一番印象に残ってるシーンって、お風呂シーンなんですけれど。お兄ちゃんが入っているところにフツーに入ってくる妹のくるみちゃんが可愛いすぎる! ダメな兄にツンツンしつつも、大好きなお兄ちゃんを心配するデキた妹ちゃんサイコー! プロフィール紹介によると愛用楽器がYAMAHA P-95なので、彼女が第四のバンドメンバーとなるのは確定的に明らか!(あれ、でもそれだとタイトルが……) 次回、期待しています。

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2012年05月15日

インテリビレッジの座敷童/鎌池和馬

4048865544インテリビレッジの座敷童 (電撃文庫)
鎌池 和馬 真早
アスキー・メディアワークス 2012-05-10

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ここは『インテリビレッジ』。『田舎』という概念が高級ブランド化した地域。表面上は寂れた景色を演出、しかしその裏では科学技術の粋を集め、最先端の田舎というちょっと妙なハイテク感満載の土地だった。田園風景と最新鋭テクノロジーのコラボエリア。それが『インテリビレッジ』だ。

 奴らはお構いなしにやってくる

 ハイテク化した片田舎で妖怪と暮らす少年が遭遇するオカルティック・コメディ。

 古き存在と新しき技術が交差するとき、物語は始まる。妖怪も怖いが、人間も怖い。
 最新技術を用いて高級ブランド化された田舎・"インテリビレッジ"に住む主人公・陣内忍が、妖怪絡みの犯罪ビジネスに巻き込まれ、その度に機転と発想で命からがら切り抜けていく姿が面白かった。
 見た目は可愛くても、ちょっぴり怖くて恐ろしい妖怪たちがそれぞれユニークで愛らしかったです。

 ハイテクな技術とローテクな妖怪が等しく混在している不思議な世界観がポイントですね。
 現代の常識や技術にすっかり順応して暮らしている妖怪たちが一癖も二癖もあって可笑しかった。
 生半可なことでは殺せない妖怪ですが、狡賢い人間にいいように利用され、妖怪の持つ習性や超常現象を犯罪組織の経済活動に組み込んだオカルトビジネスの醜悪さには思わず目を背けたくなる。

 妖怪たちはただ純粋に自分の妖怪としての有り様、アイデンティティに忠実なだけなのに、それを自分たちの金稼ぎに悪用しようと企む、欲望にまみれた人間たちの姿が恐ろしいですよ。
 金儲けのために犯罪者たちに歪められた妖怪たちのルールを逆に利用して、窮地を脱出していくところが知能バトル的な駆け引きを演出していて、意外などんでん返しの逆転劇に興奮しました。

 望むと望まざるとにかかわらず、騒動の渦中でキーマンとなっていく主人公サイドの男性陣が、チート能力を持ってない普通の人間にもかかわらず、パワフルな活躍ぶりを魅せてくれてよかったです。
 コメディというには殺伐としすぎていて、オカルトなサスペンスと言ったほうが相応しい気もする。
 いつものハイスピードで駆け抜けるジェットコースター展開もあり、新鮮味もあり飽きさせませんでした。

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2012年05月14日

デュアル・イレイザー/折口良乃

404886565Xデュアル・イレイザー (電撃文庫)
折口良乃 黒銀
アスキー・メディアワークス 2012-05-10

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複雑な二人搭乗型ゲーム「デュアル・イレイザー」を一人で操る“ぼっち”な美少女・如月紀沙羅。彼女は全国ランク一位・無敗の天才である。 一方、「パイルバンカーは男のロマン!」と主張する脳筋野郎・東城刀雅。刀雅が紀沙羅の秘密を知ったことをきっかけに、二人はパートナーを組むことになってしまい

 君には最高の相棒はいるか

 天才で華麗な少女と、凡人で脳筋な少年によるアーケード・デュアル・バトルアクション。

 ロボット対戦ゲームは男のロマン。なのにトップランカーが女の子ばかりとはどういうことだ、萌えるな。
 日本全国で大人気のアーケードゲーム『デュアル・イレイザー』の脳筋プレイヤー・東城刀雅が、ランク一位の天才少女・如月紀沙羅の秘密を知ってしまったことから、二人一組のパートナーとなって複雑な境遇にある彼女を支えつつ、並み居る強敵たちと激戦を繰り広げていく展開に燃えました。

 天才プレイヤーの紀沙羅の唯一の弱点がメンタルの弱さって描かれてるけれど、背後で刀雅がゴチャゴチャ言って集中力を乱してるからだろ! 緊張感のない奴の脳天気な発言がちょっと気に障った。
 ぼっちの紀沙羅のためにゲーム外で友達を作ろうとするのはいいけれど、足手まといのくせにゲーム中にでしゃばり過ぎじゃないかな。ゲームでは圧倒的に格上の紀沙羅にどの口が偉そうに言うのか。

 ゲーマーは体育会系部活よりも上下関係に厳しい実力社会ですよ。実力差をわきまえない刀雅の態度には紀沙羅でなくともゲーマーならばこそ、その無神経な物言いに苛立つ気持ちが共感できました。
 わかりやすく脳筋な刀雅がとっさに機転を利かせたり、意外な操縦センスを持っていたことに違和感を覚えなくもありませんが、お荷物を背負ったままプレッシャーに耐えて紀沙羅はよくやったと思います。

 ところでこのゲームって実際にキットが動いてる設定なの? 別に機体をデータで再現してCGで動かせばいい気がするんだけれど……。だって傷つけられたり壊される危険性もゼロじゃないですし。
 カルト宗教に狙われてたり、ゲームに負けると死んでしまうとか、わりとトンデモ設定が混ざってるのは置いておいても、なかなか熱い作品だった。こうしたロボットものがもうちょっと流行ってもいいよなぁ。

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2012年05月13日

楽聖少女/杉井光

4048865668楽聖少女 (電撃文庫)
杉井 光 岸田 メル
アスキー・メディアワークス 2012-05-10

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高校二年の夏休み、僕は悪魔メフィストフェレスと名乗る奇妙な女によって、二百年前の楽都ウィーンへ連れ去られてしまう。そこは、電話も戦車も飛行船も魔物も飛び交う異世界!? 現代日本に戻る方法を探しているうちに、一人の少女と出逢う。稀代の天才音楽家である彼女の驚くべき名は

 時間を止める感動がここにある

 二百年前のウィーンへ時間移動した少年の魔術と音楽が入り乱れるめくるめく絢爛ゴシックファンタジー

 ボクっ娘ベートーヴェンちゃん( ^ω^)ペロペロ 私もルドヴィカちゃんファンクラブに入る!
 悪魔メフィストフェレスによって、文豪ゲーテとして二百年前のウィーンへタイムスリップした男子高校生・ユキが、天才音楽家の少女ルドヴィカと出会い、戦争と政治で揺れる国際情勢のなか、幾多の妨害にも屈せず、ただ音楽と芸術のみを追い求める音楽家たちの意地と矜持に魅せられました。

 悪魔によって現代日本から拐われてきて文豪ゲーテと同化してしまったユキが、文豪としての知識と記憶を備えながらも、本質はヘタレで世話焼きでツッコミ体質と、いつもの杉井光の描く主人公だなぁ。
 ゲーテが若返ったことを周囲は自然と受け入れてるんだけど、ゲーテを尊敬していたルドヴィカ=ベートーヴェンだけは認めなくて、アパートの隣人としてユキを振り回す奔放な音楽家の姿が可笑しかった。

 天才少女のルドヴィカも、自分の音楽が誰にも聞かれずに消えてしまうことへの不安を抱えていて、自分の音楽を追求するあまりに、逆に教会やナポレオン、国家を敵に回してしまうのがやるせなかった。
 演奏会の中止を命じられても、そうした政治の圧力を跳ね除け、ユキの呼びかけでルドヴィカの元へ集うウィーンの音楽家たちの生き様が素晴らしかった。ウィーンっ子はみんなロリコンなんだな。

 ところで主人公のユキは『さよならピアノソナタ』のナオと真冬の息子だよな、どう考えても。
 サリエリ、ハイドン、モーツァルトと当時の有名な音楽家たちもやたらと俗っぽくて人間味が溢れてた。
 悪魔の存在によって、史実とはかけ離れたパラレルワールドっぽいファンタジー的世界観も雰囲気にあっててよかったです。まあ時折、現代用語が飛び出すのは違和感に思わなくも無い。続編に期待。

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2012年05月12日

ブラック・ブレット 3 炎による世界の破滅/神崎紫電

4048864777ブラック・ブレット3 炎による世界の破滅 (電撃文庫)
神崎紫電 鵜飼沙樹
アスキー・メディアワークス 2012-05-10

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ある日。怪物ガストレアの侵入から東京エリアを守っている巨大モノリスの一部が、崩壊の危機に瀕していることが判明する。このままでは、エリアの外で人間を蹂躙すべく待ち構えている無数のガストレアが、一気に侵入してきてしまう……。果たして、東京エリアを救う手立てはあるのか!?

 夢と希望と正義の心のままに

 人類を脅かす怪物と戦う少年少女の近未来ヒロイック・アクション。

 夢も、希望も、あるんだよ。でも、徹底的に救いがNEEEEEEEEE!!! なにこの展開ひどい( TДT)
 モノリスの崩壊から起こるガストレア侵攻による東京エリアの危機が迫るなか、主人公・里見蓮太郎が民警として仲間を集め、無力な人々の盾となるために立ち上がるのだけれど、そんな彼の正義とは裏腹に、目の前に突きつけられる『呪われた子供たち』の残酷な現実に胸が締め付けられました。

 延殊ちゃんだけでは飽きたらず金髪ロリのティナまでも侍らせて、さらには外縁部に住む『呪われた子供たち』の先生をやることになり、常に幼女に囲まれる蓮太郎の幼女ハーレムの充実っぷりがぱないの。
 確かに蓮太郎が子供たちへ向ける優しさは、甘くて現実を見ていないだけなんだけれども、過酷な時代の情勢によって人々の心が荒んでしまっただけで、それが本来あるべき人間の姿なんだと思う。

 ガストレアの侵攻を防ぐべく、民警同士で分隊を組むことになり、探しまわった末に頼りになる人材と出会うことができたけれど、これまた一癖二癖ある面子でどんな連携を見せてくれるのかワクワクする。
 いかに恵まれない境遇にあっても必死に耐え、夢と希望を持ち続けることを子供たちに説いて、命をかけて東京エリアを守る決意を固めた矢先に、蓮太郎と延殊を襲った絶望は……筆舌に尽くし難い。

 ちょっと希望を見せてから絶望に突き落とすとか、作者やってくれたなあああああああああああ!!
 あまりの報われない無残で無情な展開に心が折れました……こういうの、マジキツイわー。
 正義なんてどこにもない世界だからこそ、蓮太郎が正義になって欲しい。すでにメンタルはズダボロだけれど、戦いはこれから。生き残って、今度は理想だけじゃない本当の夢と希望を見せて欲しい。
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2012年05月11日

メグとセロン VII 婚約者は突然に/時雨沢恵一

404886596XメグとセロンVII 婚約者は突然に (電撃文庫)
時雨沢恵一 黒星紅白
アスキー・メディアワークス 2012-05-10

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メグの元に、ラプトアからの短期留学生だった“新人君”の出した手紙が届く。手紙の内容について一人思い悩むメグ。そして、例年にない大雪が降る中、新学期が始まり、部室へと集まる新聞部のいつものメンバー。手紙の内容を相談するメグ。しかしそれが、新聞部を巻き込んでの「大変なこと」に発展してしまい!

 キスとダンスと婚約者

 格好良いけどヘタレなセロンと天然系(?)のメグと仲間たちの恋と友情とミステリーのドタバタ学園物語

 哀れセロン君、告白される前にフラれるとは、インテリでイケメンでも、やっぱヘタレはダメですねぇ。
 ジェニーの陰謀により、セロンの気持ちを知ってしまったメグが、悩んだ末に新聞部を巻き込むとんでもない事態を巻き起こして、大荒れの嵐の中で揺れ動くメグとセロンの恋愛模様がもどかしい!
 いつになく暴走するメグミカにペースをかき乱されてテンパリ気味のセロン君がちょっと可哀想でした。

 メグミカさんはどこまで鈍感なのか、やっぱり天然なの……。いくらなんでも直球すぎた。
 セロンが根性なしなのは元からですが、あの場面で本当の気持ちを言える男はデリカシーないわー。
 そもそも聞いてメグはどうするの? 自分の気持ちをはっきりさせずに相手の気持だけ聞き出すっていうのはちょっとフェアじゃない。まあそうした男女の駆け引きの拙いところが初々しくて良いのですが。

 そんなギスギスした状況下に持ち込まれた上級生からの依頼は、恋愛に関するもので、セロンが誘惑される現場を見て何故か我がことのように噴気を顕にするメグの姿におおお!っと盛り上がりました。
 事の真相は予想できたけれど、長い間誤解をこじらせ続けてきた男女が招いた結末はやるせない。
 でも、最後にはすれ違ってしまったメグとセロンの仲も綺麗にまとまってくれてほっと一安心。

 そしてラスで再び一巻のプロローグのダンスホールのシーンに戻ってくると、出会ってからこれまでに事件や騒動を繰り返して想いを育んでいった二人の時間の流れを感じますね。いやぁ、青春だ。
 心地良いハッピーエンドでしたが、まだまだ物語はスケールを大幅に広げて帰ってくるとな!?
 久しぶりに懐かしい面々の登場が見られるのかー。オールキャスト編楽しみです。

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2012年05月10日

僕と彼女のゲーム戦争 3/師走トオル

4048864785僕と彼女のゲーム戦争3 (電撃文庫)
師走トオル 八宝備仁
アスキー・メディアワークス 2012-05-10

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ついに夢への第一歩を踏み出した彼らが向かったのは、ジャパン・ゲーム・バトル・チャンピオンシップ──通称JGBCのチーム戦が開催されている会場。チーム戦ならではの難しさに直面しながらも奮戦する現代遊戯部の面々! そして岸嶺は試合会場で、意外な少女と運命の出会いをするのだった……!?

 声優のたまごが、俺の幼馴染だったようです

 名門女子校のゲーム部に入部した少年がチームメイトと共に世界大会を目指すゲームライフラブコメ

 なんだよこの主人公、ゲームでも現実でも勝ち組すぎるわああああああ!! そろそろまぜろよ!
 チームとしての最低人数を揃えてJGBCへと初参加した主人公・健吾が、会場で幼馴染と劇的な再会をして、さらには現代遊戯部の内部で健吾を巡ってヒロインたちの恋の戦争が勃発する展開に萌える。
 新しい仲間、そして新しいライバルの登場でますます可憐さと苛烈さを増すゲームライフに憧れます。

 偶然再会した幼馴染が巨乳で人気アイドル声優で、セガ信者のゲーマーとか、スペックたけえよ。
 学校の他の女の子と同様、男性恐怖症気味なんだけれど、健吾のことだけは平気で、彼女も健吾のことが満更でもなくて自然と一緒にいるようになり、それが杉鹿には面白くなく嫉妬してベタベタしだしてと、健吾のモテ期が絶頂で羨ま死する。俺だって、女の子とゲームしながらキャッキャウフフしたいお!

 JGBCでそれなりの名声を稼ぎ始めた健吾たちの前に、別の女子高のゲーム部が挑戦を叩きつけてきて、やけにノリノリで応じる天道部長がイイ。やっぱライバルがいるとモチベーション上がりますよね。
 ヒロイン二人の熟練したスキルと、健吾の隠れた才能も貢献していましたが、彼らを巧みに指示する瀬名先生の妙なリーダーシップが光ってた。個人の技量を抑えてチームワークで勝つ、チーム戦の醍醐味が現れてた。

 健吾ポジションは無理にしても、せめてゲーム部の顧問になりてえ。なんで俺、女子高の教師にならなかったんだろう……職業選択間違えたな。いや、そもそもなんで女子校に入学しなかったんだ!(無理)
 今回はいつものFPSだけじゃなくて、多彩なジャンルのゲームを扱ってて興味深かった。次回はいよいよ格ゲーか、玄人好みな展開になりそうですね。可愛いヒロインとのラブコメからも目が離せません。

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2012年04月15日

ベッドルームで召し上がれ/鈴木鈴

4048865420ベッドルームで召し上がれ (電撃文庫)
鈴木 鈴 しゅがすく
アスキーメディアワークス 2012-04-10

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それは『禍卵』と呼ばれる、悪夢を現実化するタマゴ。そして宵原蓮も、夢を食べる謎の少女・『禍姫』テパに取り憑かれているのだった。『ベッドルーム』と呼ばれる場所に集う彼女たち「タマゴ持ち」の悪夢を消す方法は―蓮が同じ布団で一緒に寝ることで…!?

 夢の中の眠れる英雄

 悪夢に怯える少女たちを救うため、ヒロインたちのお布団へ、史上初(?)の"添い寝"ラブコメ

 ベッドの上のパジャマ姿の女の子は、もうそれだけで破壊力抜群だな!
 『禍卵』と呼ばれる悪夢を実体化してしまう夢の神を憑けた女の子たちを悪夢から守るために、夢を食べる『禍姫』を憑けた主人公・蓮が助けるのだけれど、その方法が"添い寝"というからドッキドキです。
 ベッドの中での無防備すぎるヒロインたちのあられもない姿に男心を揺さぶられますね!

 生真面目な委員長やら、ボーイッシュなスポーツ娘やら、可愛い女の子たちを悩ませる悪夢から救うために、一緒の布団で眠ることを強制される蓮が、もう妬ましすぎて、嫌ならちょっとそこ変われヘタレめ。
 『禍姫』テパに夢を食べさせすぎてげっぷをさせてしまうと漏れた夢が現実になってしまい、女の子をメイド服や裸Yシャツにしてしまったりして顰蹙を買ったりするんだけれど、それもむしろ美味しいよね。

 あくまでも悪夢を食べるためという大義名分を持って、それぞれに魅力的な女の子を取っ替え引っ替え、相手から添い寝をお願いしてきてもらえるのだから、まったくリア充爆発しろ!ですね。
 いつか刺されろ!と願っていたら、マジで女の子からナイフで刺されてて思わずガッツポーズしたわw
 蓮の秘密にはさすがに驚いたけれども、だからゆずりはあんな卑屈だったのかと腑に落ちることしきり。

 女の子の涙には勝てぬと、女子に騙されても、何をされても笑って許す蓮が、優柔不断だけれど、自分よりも他人の事を考えれるお人好しっぷりが、なかなかに度量の大きさを感じさせて男らしくもあった。
 蓮のことをご主人さまと盲目に慕うくせに他の女の子とイチャイチャしてると嫉妬して、それでも強く出ればなんでも言うことを聞いてくれそうなゆずりさんがめっちゃ可愛かった。もっとエロ展開はよ。

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2012年04月14日

いるか寮の少女たちは恋できない/辰川光彦

4048865560いるか寮の少女たちは恋できない (電撃文庫)
辰川 光彦 Pikazo
アスキーメディアワークス 2012-04-10

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小熊浩一が暮らすはずの寮の部屋を覗いてみると、そこにはなぜか着替え中の女の子が―!?学園の理事長から話を聞くと、ここはとあるメンタルテストで「恋愛適性度」が低いと判断された少女たちを集めた特殊な寮らしい。だが、彼自身もじつは重度の女性恐怖症で…

だから僕は、恋ができない

 男嫌いの少女たちvs女性恐怖症の男子で贈る、ハラハラドキドキ満載の♂×♀ラブコメ。

 うわぁ、これまたベタなハーレムラブコメですね。美少女との同居生活でエロもありつつ、SNEG?
 主人公・浩一の女性恐怖症の克服と、いるか寮に集められた美少女たちの男嫌い解消のために、同居生活と学園生活が始まって、毎度誤解と偶然で悲惨な目に遭いながらもイザというときはその身を挺して女の子を庇う浩一の姿がヘタレであっても、なかなか男らしくて格好良かったと思います。

 お互いの異性過敏症を克服するために浩一とヒロインたちの同居生活が始まるのですが、部屋の扉を開けて着替えシーンを覗いたり、風呂場の扉を開けて脱衣シーンを覗いたり、はいはいお約束お約束。
 嫌われつつも困っているヒロインたちを助けたりして、それなりに好感度が上がったかなと思う度に、そうしたエロイベントに遭遇してヒロインたちの男嫌いをますますこじらせていくのが可笑しい。

 学園内の男女の壁を取り払うために企画した親睦会を前に、不名誉な冤罪をかけられた浩一だけれど如月美空だけは信じてくれて、生真面目だけれど、きっぱりとした彼女のそんな一面が素敵ですね。
 彼女たちが、どうしてそんなに男嫌いになってしまったのかは、ちょっとよくわからないけれど、浩一の性別じゃなくて人柄を見て信用するようになったところに、少しは成長が見られてよかったと思います。

 しかし、小綺麗に話がまとまってはいるんだけれども、定番すぎて目新しさには欠けるなぁ。
 これからのハーレムラブコメは、既存の概念をぶち壊すブレイクスルーが必要な時期じゃないかな。
 タイプの異なる美少女ヒロインをいっぱい並べて、エロゲ的イベントを繰り返すだけじゃ、ダメかと。
 でもまあ、ラブコメってだけでそれなりに売れるから、どれだけテンプレでも王道は強いんですけどね……。
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2012年04月13日

ミニッツ―一分間の絶対時間/乙野四方字

4048865234ミニッツ―一分間の絶対時間 (電撃文庫)
乙野 四方字 ゆーげん
アスキーメディアワークス 2012-04-10

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一分間だけ相手の心を読める能力を持つ相上櫻は、その『ミニッツ』を利用し、クラス内で絶妙な立場を演じていた。しかしある日、ふとした事がきっかけで、自身の秘密を生徒会副会長の琴宮遙に知られてしまう。櫻は、遙の弱みを握り返すため、彼女が提案する心理ゲーム『馬鹿と天才ゲーム』に挑む―。

bashingtag.jpg

 一分間だけ相手の心を読める能力を巡ってトリックとロジックが交差する、学園騙し合いラブストーリー

 え、これで知略バトルもののつもりなの?と思わず戸惑う。騙し合いなんて、それほどないです。
 『馬鹿と天才ゲーム』の扱いが呆気なさすぎる。ほんの数ページしか描かれてないじゃない。
 それもルールが穴だらけで、フィクションではともかく現実ではゲームとして成立しませんよ。
 この程度で「知略バトルがウリです!」って、うたい文句を付けるのは無理がありゃしませんか?

 確かに主人公の櫻は同級生を騙して利益を得ていたり、ヒロインの遙と表面上はにこやかに話して裏では激しく牙を剥き合ったりしているけれど、腹黒いキャラが優等生を演じるくらいは普通だしなぁ。
 登場人物は多いが、ヒロインは遥と彼方だけ居れば、アザミと茉莉先輩は不要じゃないですかね。ストーリーを進行する上で居なくてもまったく支障ないし。口先だけの男・岸良も何の役にも立ってないし。

 一分間だけ相手の心を読める特殊能力「ミニッツ」が、逆に話の面白さを無くしてしまっているのが残念。知略バトルの駆け引きというのは、相手の些細な仕草や言動から、思考を分析して戦術戦略を組み立てるプロセスが見所なので、相手の思考を覗き見て解答を知ってしまうだけなのは興醒めだよ。
 駆け引きよりも、主に女心を探るために使われていて、しかも対応が間違ってるのには笑いましたが。

 前評判が無駄に高くて、期待が大きすぎたからというのもありますね。先入観と偏見なしにみれば、ごく普通の青春学園ものといった感じで、可もなく不可もない作品に仕上がってると思います。
 もっと他のミニッツ能力者が出てくれば面白くなったと思うな。例えば一分だけ未来を予知できるとか、一分だけ止まった時間の中を動けるとか、一分だけ他人を操れるとか、そういう異能バトルを心理ゲームに持ち込めればもっと駆け引きが生まれたんじゃないかと思います。
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2012年04月12日

ライアー・ライセンス 2/市原秋太

4048865501ライアー・ライセンス 2 (電撃文庫 い 10-2)
市原 秋太 モフ
アスキー・メディアワークス 2012-04-10

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『マスカレード・サーカス』から『神器』を守った渉とスバルと朝宮の三人は《シャッタード・スリー》と呼ばれ、学内でも称えられていた。その功績もあり、優秀生(セレクト)に選ばれた渉とスバルは、「御三家」の音井と風祭、そして優秀生の中でも実力者の渋谷と共に新たな怪盗ミッションへと挑むことに……。

 限りない愛の下で

 怪盗を目指す少年少女が嘘と真実で交錯する学園ファントミックアクション。

 怪盗とはロマンに生きる職業だ! 正義であれ悪であれ、彼らはみんな、赤い夢の住人なのだよ!
 神器を守った功績で優等生へと格上げされた渉とスバルが、陰険な先輩たちの権力争いに巻き込まれながら、力を合わせて任務をこなして仲間意識を芽生えさせていく姿が微笑ましかったです。
 相変わらず、誤字脱字の乱れが目立つが、ド派手なアクションの連続は読み応えがありました。

 学園の上級生でトップの実力を持つ三人の先輩ですが、どいつも自尊心が強くてロクでもねぇ。
 生徒が持つシステマも相性次第だと思うのだけれど、自分の力を過信している辺りが受け付けない。それを言い出したら、未だに渉のキャラはイラッとくるのですが、だからこそ生真面目なスバルの正義感や、お調子者の主税の大人の余裕が好ましく映る。力を持つ者であればこそ人格者であって欲しいよ。

 ふとした油断から能力を奪われてしまった渉が、自分の力を取り戻すために、神器を巡る組織同士の抗争に立ち入っていくのですが、あの渉ですら能力がないだけでこんなに足手まといになるのかと。
 もはや戦闘においては怪盗とか関係ないなー。しかし、渉のアンチシステマは向けられた能力に対して対抗能力を発生させるはずで、それならブレインロックを消す能力は生まれてないはずでは……。

 システマ能力をこうやって簡単に奪えたり、コピー出来たりすると、希少性が薄れないかなぁ。
 こうまでしないと渉の能力と釣り合いが取れないから仕方ないのかもしれない。ライアーの正体は確かに予想していなかった相手けれど、だったら何故、渉を放置してるんだろうとそこが疑問。
 因縁深い相手がいくつかの勢力に分かれた三つ巴になってきた構図が、さて今後どう動くか。
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2012年04月10日

魔法科高校の劣等生 5 夏休み編+1/佐島勤

4048865226魔法科高校の劣等生 5 夏休み編+1 (電撃文庫 さ 14-5)
佐島 勤 石田 可奈
アスキー・メディアワークス 2012-04-10

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今度の『魔法科』は特別編! 達也と深雪の物語の裏で起こる、彼らの意外なエピソードが紐解かれる!『夏の休日』──達也に恋心を抱くほのかが気合いの一大決心。豪華なリゾート地で過ごす夜、達也を呼び出して……。ほか、五編を加えた全六編でお届け!

 魔法科高校生の不適切な日常

 現代のエリート校である魔法科高校に入学した兄妹が繰り広げるマジカルバトルアクション。

◆夏の日
 女子と泊まりがけで南の島のリゾートでバカンスとか、リア充は爆発しろ、ガチで!
 深雪や雫をはじめ、美少女揃いの水着の女の子たちの魅力が海辺でぴちゃぴちゃ弾けてました。
 達也は本当に恋愛感情ないのかな、他人の感情の機微を理解できるんだから、ありそうにも思うけど

◆優等生の課外授業
 何者かに追われている少女を行きずりに助けることになって、詳しい事情とか関係なしに騒動に首を突っ込む森崎の姿が若いなぁと思います。ただ、実戦経験を積むために丁度いいくらいの認識で、関わるのはどうかな。助けるんなら、その女性の人生まるごと引き受けるくらいの覚悟はあって欲しかった。

◆アメリア・イン・ワンダーランド
 明智と十三束て誰だっけというくらいには、これまで出番のなかった二人にスポットを当てたお話ですが、強い影響力と財産を持つ名家のしがらみってのは面倒ですね。血族固有の能力ってのは面白い要素だけれど、どうにか真似できるんじゃないかなと感じてしまうあたりがどうも、もにょる。

◆友情と信頼とロリコン疑惑
 一条と吉祥寺の男の友情が熱いですね。むしろ、一高組の男子よりも彼らのほうが好きかも。
 プリンスとして持て囃されている一条の朴訥な人柄と、天才として騒がれている吉祥寺の一徹な気性が伝わってきて、達也のライバル然としていた、エリートコンビの素朴な一面が見れて良かった。

◆メモリーズオブサマー
 作中で達也の容姿が時々取りだたされるのだけれど、イラストではイケメンに描かれているので、深雪と並んでいるときに「不釣り合い」という印象を受ける周囲の反応に違和感を抱く。けれど達也さんから滲み出る大人の貫禄はどう考えても高校生1年生じゃねーよ。立ち振る舞いがイケメンなんだよなー。

◆会長選挙と女王さま
 深雪さんマジ女王さま。七草会長の起こした改革が、良い方向へと向かってくれることを願うばかりだけれど、達也の実務能力の有無ではなく肩書きにこだわるあたり一般生徒の根は深そうだなぁ。
 しかし、こんなお騒がせ兄妹の上に立つことになった新会長・中条さんの苦労は推して知るべし。

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2012年03月16日

アンダーランド・ドッグス/中田明

4048865188アンダーランド・ドッグス (電撃文庫)
中田 明 ひと和
アスキーメディアワークス 2012-03-10

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私、カイです。相棒のファイとわっる~い犯罪者を捕まえる賞金首ハンターをやっとります。今この街はおっきな宗教の新教祖就任問題でゴタゴタ中なんだけど、さらに極悪人てんこ盛りの囚人護送車から凶悪犯が7人も逃げだしちゃって大騒ぎらしい。血が騒ぐぜー

 犬がごうなら人もごう

 治安の悪化した日本を舞台に悪い人たちの思惑が交差して巻き起こるブラックコメディ群像劇。

 登場人物全員、ぶっ飛んで悪いやつばっかで、ちょーイカレてるわー(褒め言葉)
 刑務所からの護送中に脱走した7人の指名手配犯を追って、賞金稼ぎと治安当局、そして怪しげな宗教団体が閉鎖された地下街を舞台に群像劇を繰り広げるのですが、逃げ出した脱獄犯よりも、それを追いかける側の方が悪辣すぎて、凶悪犯が哀れな犠牲者に思えてくるのがなんとも言えねぇわ。

 治安の悪いスピアシティの地下街の片隅で細々と暮らす女賞金稼ぎのファイとカイのコンビが、相性が噛み合ってないようでいて、それでもお互いを心配し合っている姿が姉妹のようでいて微笑ましい。
 逃げた7人の脱獄犯がワケありでヤバイ宗教団体からも狙われていて、かけられた賞金目当てに追いかける彼女らまで厄介事に巻き込まれて窮地に陥っていく展開に幾度となく冷や汗をかかされました。

 前作から再登場の女性捜査官リズも、自らの不始末で逃してしまった凶悪犯を追いかけて地下街に潜入するんですが、相変わらずのスタンドプレイで行く先々で余計なトラブルを起こして事態を悪化、混乱させていって……無茶苦茶だよこの女! まったくよくそれで治安局なんか入れたな!
 カタギとは言えない悪人たちの思惑が絡み合うノンストップの大騒動は熱気と興奮を味わえる。

 命の危険に晒されながら、絶対絶命の危機をくぐり抜けてカイとファイの迎える結末は、最高ではないが最善の結果ではあって、ある種のやりきった達成感とカタルシスに包まれますね。
 しかし、この作家さんはずっとこの作風で行くつもりなのかなぁ。確かに作品が個性立っているけれども、電撃文庫では邪道すぎて読者を選ぶよなぁ。いや、私は嫌いじゃないけれど、むしろガガガ文庫向け?
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2012年03月15日

オズのダイヤ使い/末羽瑛

4048864203オズのダイヤ使い (電撃文庫)
末羽 瑛 Tea
アスキーメディアワークス 2012-03-10

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時は『宝石大量発掘時代』「世界の心臓」をカットした最後の宝石職人オスカー・オズワルド。彼は親友の形見である人型重機・Dランページを駆り、親友の仇を探す復讐の旅を送っていた。そんなオズのもとに、「遊石民」だという謎の美少女ロシェリアとアンドロイドの少女エネットが現れ…。

 ダイヤモンドは永遠の輝き

 宝石を動力に動く人型重機に乗り友の仇を追う宝石職人のロボットアクション

 黄金期のアメリカの西部開拓時代のような未来を舞台にしたSFロボットバトルもので、文明が荒廃しきった世界観からすると異世界と言う方が正しいのかなぁ。ロボット以外、あまりSF要素なっしんぐ……。
 殺された親友の仇を探して旅を続ける宝石職人の主人公・オズが、とある美女の依頼を受けて騒動に巻き込まれ、仇の手がかりを掴んでいくのですが、とりあえず戦闘シーンは熱かったよ。それは認める。

 しかし、これ単品で見れば、ストーリーにしっかりと山谷を揃えて、綺麗にまとまっているものの、10年前の作品ですって言われても通じてしまいそうな、古めかしい雰囲気がいかんともし難い……。
 ロボットものを書くにあたって、このジャンルにおけるテンプレート通りに物語要素を整えすぎて、とくに可もなく不可もなく、逆にこの作品だけの持ち味というか、新鮮味が無くなってしまっているですよね。

 オールドファンには喜ばれるけれど、ニュービーには面白さが伝わりづらいだろうし、ベテラン読者にしてみればただ古臭くて、ストーリーの先の展開やら、黒幕やらが読めてしまって白けてしまいそう。
 あと私は復讐復讐言ってるだけの主人公には魅力を感じなかったな。一つのことに囚われすぎていてその他すべての事柄を蔑ろにしてしまっていて、人間性が浅く見えてしまいました。

 ラノベでは不人気と言われるロボットものですが、かといってロボットが不人気というわけではないはずなんですよね。アニメではその季節ごとに必ず1作品はロボット物がありますし、需要はあるはず。
 名作といわれるロボットものラノベ作品も結構ありますし、だから、不人気と言われるのは、面白いロボット話を書ける作家が現代にいないだけなんじゃないのかなぁ。他のジャンルとはまた別のスキルを要しますしね。

 作品としては問題はないのですが、残念ながら私にはいまさら面白いとは思えませんでした。
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