ダフロン

2014年02月18日

思春期ボーイズ×ガールズ戦争/亜紀坂圭春

4048663070思春期ボーイズ×ガールズ戦争 (電撃文庫)
亜紀坂圭春 ぎん太郎
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-02-08

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正しく生きるのを止め、“男であり続ける”ことを誓った三人の少年がいた。彼らは女の子を知るためには、大きな力にも屈することなく立ち向かっていこうと誓ったのだった。覗きすら辞さない―つまり、どうしようもなく思春期だった。そんな男子に武力行使で物事を解決するのが、女子が牛耳る男子矯正委員と生徒会。

 男は負けるとわかっていても挑まねばならぬ時がある

 思春期をこじらせてしまった少年たちとエロス排除を掲げる女子との戦いを描く学園騒動記。

 男としてとてもいたたまれない気持ちに陥って胸が苦しい。これ以上はやめてください死んでしまいます。
 思春期まっさかりのバカ男子三人組・マサミチ、リュウジ、ジュンが、高ぶったエロスを持て余し、学園の女子生徒たちにセクハラを繰り広げ、バッシングの中で男の友情を築いていくドタバタ騒動が可笑しかった。
 実に下らない。下らないが思春期の男女関係という悩みに真っ向からぶつかっていく勢いに飲まれる。

 女子の裸が見たいというストレートな動機で女子更衣室に忍び込んだり、下着を見たい一心で女装してスカートを覗こうとしたり、洗濯物ウォッチングに出かけたりと、それもうアウトだよ!という犯罪行為を、特に悪意もなく自然な流れでやってしまう思春期の男子特有の行動力に思わず称賛を贈る。勇者だよお前らは。
 当然、女子にバレてキツいお仕置きを食らうのだけれど、諦めることを知らないおバカさ加減が笑える。

 彼らがエロスを発散できないのは、男子制限法という法律でエロ本やAVといった猥褻物が社会から排除されて、世間でも行き過ぎた女尊男卑の考えが横行して、男にとってはひたすら肩身の狭い思いを強いられている背景があって、女子の無理解から行き場を失ったエロスを胸に抱えるしかない彼らの境遇が読んでて辛かった。
 そこから女子と男子との対立が描かれるのだけれど、どこの秘密警察かという女子の所業が目に余るなぁ。

 これは確かに戦争でした。エロスの革命闘士となった男子と猥褻物弾圧を敷く女子の戦争だわ。
 うん、正直、すげーバカバカしい話だと自分でも思いますが、登場人物がものすごくシリアスに真剣になってやってるから勢いに流れさて、騙されてはいけないとわかっていてもイイ話を読んだ気になるんですよ。
 そして読んでいる間ずっと思っていたのは『この世界、BLが流行りそう』ってことである。私だけかね?
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2014年02月14日

王手桂香取り!/青葉優一

4048663178王手桂香取り! (電撃文庫)
青葉優一 ヤス
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-02-08

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上条歩。中学一年。三度の飯より将棋好き。ひそかに憧れる人は将棋クラブの主将、大橋桂香先輩。そんな歩のもとに突如駒の化身を名乗る美少女たちが現れる。人知を超えた将棋の強さをそなえる彼女たちの指導のもと、歩は棋力をめきめき上げていく。歩は桂香先輩とともに団体戦の大会で頂点を目指すべく奮闘する。

 将棋の女神は、恋の女神

 片思いの先輩のために強くなることを目指した少年の恋と将棋にかける青春ストーリー。

 将棋クラブの先輩・大橋桂香に憧れる主人公・歩が、祖父から譲られた将棋の駒が変化した「駒娘」たちの指導のもと、団体戦の大会でライバル打倒を目指して、努力を積み重ねて腕を上げていく姿が燃えます。
 ルールは誰でも知っているけれど、どこまでも奥の深い、勝負の世界に引き込まれました。

 将棋は大好きだけれど実力はそれなりという歩が、将棋の駒の付喪神・「駒娘」たちと出会い、プロ顔負けの腕前を持つ彼女らに罵られ、尻を叩かれ、慰められつつも平身低頭教えを請う素直な姿勢が応援したくなる。
 少しづつ現れてきた努力の成果を桂香先輩に認められ、家に招かれてマンツーマンの特訓をしたり、アマチュア大会に二人で参加したりと、ひたすら将棋漬けだけれども急接近していく二人の関係が初々しい。

 将棋に強い人は桂香先輩のようにいい人ばかりでなく、性格や態度の悪い相手もいて、勝てば相手に罵詈雑言を浴びせかけたり、負けても認めずに開き直ったり、将棋への愛情が感じられない姿には苛立ちますね。
 強くなるため、桂香先輩のため、強敵の傲慢を正すため。いくつもの理由を胸に抱き、必殺の戦法を磨いて臨んだ試合は、単に棋力だけではない、どれだけ勝利に食らいつけるかの精神力の勝負で手に汗握りました。

 精神攻撃は基本。ですが、駒娘たちが試合前にやった挑発はあんまり褒められたことじゃなかったかな。ゴリ押しで強引な気がしてもにょった。もうちょっと読んでてすっきりする方法があったんじゃないかと思う。
 こういう部活ものだと作者の実力がどの程度か議論になるものですが、メインは登場人物のドラマだと思うので、そこをちゃんと認めて欲しいですね。次回は桂香先輩のキャラがもっと掘り下げられますように。
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2014年02月13日

韻が織り成す召喚魔法 バスタ・リリッカーズ/真代屋秀晃

4048663194韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ― (電撃文庫)
真代屋秀晃 x6suke
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-02-08

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カタブツ生徒会長・音川真一の前に現れた、クソ迷惑な美少女悪魔・マミラダ。彼女と無理矢理契約を結ばされてしまった真一は、とある能力を手に入れた。それは相手を強制的にラップバトルに引きずり込んで、敗者を支配する魔法。心の内に秘めた暗黒面を吐き出す真一のラップは、学院の不良たちに襲いかかる!

 カタブツラップで念仏凡夫

 カタブツ生徒会長と迷惑悪魔の織り成すマジカル×ヒップホップコメディー

 なんだこの闇のゲー……ヒップホップ。優等生と不良たちのカオスな召喚バトルをチェケラッチョ!
 校則の守護神と呼ばれるほどの真面目生徒会長・音川真一が、ひょんなことから美少女悪魔・マミラダと契約してしまい、敗者を支配できる魔法のラップバトルに挑んでいくドタバタ過程が楽しげで和みました。
 どうしてよりによってラップを題材にしたのか。こういうバカバカしい作品が読みたかったところです。

 自他ともに品行方正、清廉潔白を重んじる生真面目すぎる生徒会長・真一が、空気を読まないフリーダムなラップ好きの美少女悪魔・マミラダに振り回され、嫌々ながらもラップの世界に踏み込んでいく姿が可笑しい。
 マミラダの所為で、ことあるごとに騒動に巻き込まれ、大嫌いなラップに頼らざるをえない状況に陥り、普段から心の奥に溜めていた悪態や鬱屈をラップで吐き出して自我を押し通していく光景がぶっ飛んでて痛快!

 不良の溜まり場ヒップホップ研究部を潰そうと、ラップバトルを挑んで勝利したものの、条件に解散ライブの開催を約束させられ、主催者になってと、ラップと離れるつもりが泥沼にハマっていく義理堅さが笑える。
 水と油だった両者の間に次第に仲間意識や奇妙な友情が生まれて、それでも素直にマミラダや不良たちを受け入れられない真一の面倒なカタブツぶりがもどかしくもあり、真っ直ぐな若さが眩しかった。

 カタブツであるあまりに他人と衝突を起こしてばかりだった真一が、ラップバトルを通じて他人と本音でぶつかり合うことで角がとれて丸くなり、態度や考え方に柔軟性を得ていく成長が熱く、爽やかでよかったです。
 音楽ものというと、その旋律を小説などの文字媒体で表現するのは難しいと言われていますが、ラップだと脳内再生が簡単なので気軽に読めますね。よくそこに気づけたなぁと思います。発想力がヒップホップでした。
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2014年02月12日

ゼロから始める魔法の書/虎走かける

4048663127ゼロから始める魔法の書 (電撃文庫)
虎走かける しずまよしのり
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-02-08

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世界には魔女がいて『魔術』が存在していた。人々に“獣堕ち”と蔑まれる半人半獣の傭兵がいた。日々、人間になることを夢見る彼が出会ったゼロと名乗る魔女は、世界を滅ぼしかねない魔法書を何者かに盗まれ、それを探す旅の途中だという。傭兵は、人間にしてもらうことを条件に、魔女の護衛を引き受けるのだが

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 禁断の魔法書を巡る魔女と獣人の傭兵の異世界ファンタジー

 面白い……かなぁ? つまらないとは言いませんが、個人的にはあまり興味をそそられなかった。
 一人で旅を続ける半獣半人の傭兵が世間知らずの魔女・ゼロと出会い、魔法の使い方を記した"ゼロの書"を巡って、一国で起きている魔女狩り騒動に関わっていくうちに芽生えていく絆が微笑ましかったです。
 しかし、一言で言うと、世界観にも魔法設定にも目新しさ、オリジナリティが足りない。

 魔女といえば、街外れの小屋や人里はなれた洞窟に住む老婆だったり、怪しい美貌の美女だったり。それで魔法陣を描いて悪魔と契約して魔法を使う。そんな魔女と聞いたら誰しも連想する、パブリックイメージから一歩も出ていないのはどうなんだろうか。ラノベ読者がファンタジーに期待してるのってそこじゃない?
 王道やお約束が悪いとはいいませんが、普通はさらにその上にオリジナティを加えるものでしょう。

 ゼロと獣の傭兵の心の交流はいいです。お互いに一般人から迫害される対象である魔女と獣堕ちが出会って、最初は打算から相棒となったものの、旅を続けるうちに友情が芽生えていく過程は微笑ましかったです。
 絡まり合った人間関係のすれ違いを少しずつ解いて、ぶつかり合い、喧嘩し合いながらも誰もが幸せになれる未来の妥協点を探っていくストーリーも、都合主義の綺麗事だが嫌いじゃない。でも、地味なのが残念。

 児童向けファンタジーならいいですが、ライトノベルのファンタジーだとしたらちょっと古臭すぎる。
 私自身が読書量の多いラノベ読者だからかも知れませんが、新しいもの、現代の作品を読んだ気がしない。
 この作品でしか味わえないもの、この作者にしか書けないものがアピールしきれていないように思います。
 電撃大賞の大賞作は一般大衆に広くウケるものが選ばれるからこれでいいのかも知れませんが、物足りない。
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2014年01月17日

白銀のソードブレイカー 聖剣破壊の少女/松山剛

4048662872白銀のソードブレイカー ―聖剣破壊の少女― (電撃文庫)
松山剛 ファルまろ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-01-10

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世界を護る7本の聖剣の使い手。その一人が、大剣を振るう銀髪の少女によって討たれた。一夜にして《世界の敵》となった少女と剣を交えた際、一瞬かいま見えた“映像”に家族の仇の姿を見たレベンスは、その白銀の髪を持つ少女を追うが―!?

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 世界の敵となった少女と共に7本の聖剣の破壊を目指して旅をする異世界ファンタジー。

 松山剛さんの作品は好きなんだけれど、今回はなんか方向性を変えすぎて期待してたんと違った。
 世界の守護者であり人々から崇拝される剣聖が持つ聖剣を狙う少女・エリザと家族の仇を追う傭兵・レベンスが出会い、世界の敵として周囲から追われつつ残った剣聖を倒す旅を続ける物語なのだけれど、ストーリーに不毛感というか、無力感が漂い。なんでこの二人こんなことしてるんだろ?と素直に世界観に引き込まれない。

 世間知らずで人間関係に疎いエリザが可愛らしくもあり、ついつい世話を焼いてしまうレベンスのお人好しぶりが微笑ましくもあり、キャラとしてはすごく好感を抱けるのだけれど、それでも彼らの行動を全肯定できないのが話の流れを濁している。なまじっか剣聖の人たちのキャラが良すぎるせいか、戦っていても応援できないし、勝った後も達成感より罪悪感の方が強くて、勝っても負けてもいずれにせよ辛いだけの話になっている。

 そもそも聖剣とは、魔剣とはなんなのか、どうしてエリザはそこまでして聖剣の破壊を目指すのかという動機付けの掘り下げが曖昧なので、どうしてそこまで決意を持って戦ってるのか理解が難しく、剣聖たちも聖剣を使うことにリスクがあることを知っているみたいだから、部外者は口出さずに放っておけよと思わずにはいられない。原発が危険だから発電所で働いてる労働者を殺して止めようってのと発想に違いはないんじゃないかな。

 エリザとレベンスを支持できないのは、自分たちの起こした行動によって、これから起こる悲劇に一切の責任を負っていないところなんですよね。それよりも強大な悲劇を未然に防いでるのだからいいだろうじゃなくて、何事も起こらずに済ませるような方法を模索したほうが話も面白くできるんじゃないだろうか。例えば、帝国と王国の戦争に武力介入して和平に導いた後に平和の世に用済みになった聖剣を譲ってもらうとか。そちらのほうが面白そうだし読んでみたいんだけれど。

 ぶっちゃけ、何も考えず強敵と正面から戦って勝つなんて単純な話はワナビでも書けるので、松山さんには他人に書けない話を書いて欲しいな。
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2014年01月14日

男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (1) ―Time to Play― (上)/時雨沢恵一

4048662732男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (1) ―Time to Play― (上) (電撃文庫)
時雨沢恵一 黒星紅白
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-01-10

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僕は高校生にして電撃文庫で作家デビューを果たした。執筆のため1年間休学した後、転入した高校で出会った彼女・似鳥絵里は新人声優で―僕の作品のアニメの出演者だった。そんな僕らが会話を交わす唯一のチャンスは毎週木曜日、アニメのアフレコに向かう特急列車で

 走馬燈はめくるめく

 高校生ライトノベル作家と女子高生声優の交流を描いた奇妙な物語

 タイトルがめちゃめちゃ長いので勝手に『れどいる』と略しているぜ、これは流行る(*´ω`*)
 男子高校生でライトノベル作家をしている主人公・"僕"と、声優をしているクラスメイトの女子・似鳥絵里が、アニメのアフレコに向かう特急電車内で、いかにして"僕"がライトノベル作家になれたのかを語っていく物語なのだけれど、一般人とは違う思い出話をしていくうちに掘り下げられていくキャラクターが興味深かった。

 先生と呼びつつも声優ならではの演技力で"僕"を翻弄する絵里さんが悪女っぽくて素敵です。
 幼い頃から本好きだった少年の"僕"が、一念発起して小説を書き始め、七転八倒しながらラノベを書き上げて受賞に漕ぎ着け、ラノベ作家としてデビューし苦労を味わっていくお話が初々しくて微笑ましかった。
 転章するといつも首を絞められてスタートというのが気になるが、どうしてそうなったのか、下巻に期待。

 本の登場人物を動かして様々なストーリーを妄想する遊びは私もやりましたね。というか、今でもやっている。このキャラはこういう言動が相応しいとか、このイベントではこういう選択肢を選んだ方が楽しいとか、どうすれば作品がより面白くなるかをいろいろ考えますね。そして自分ごときの想像力では、これ以上にはどうやっても面白くできないと確信した作品が傑作だと思っています。ラノベ読者はみんなやってるんじゃないかな。

 この話は、ほぼ主人公の過去エピソードばかりで、アクションもテーマも(いまのところは)薄いですけれど、キャラクターの掘り下げとしては何より大切なことをいつも時雨沢恵一は自然にやっています。
 私も下読みして作家志望の書いた原稿読むことありますけれど、キャラが浅い。なんでかというと個性的なキャラを描こうとしているんだけれど、どうしてそういう性格に育ったのか、過去と過程が抜け落ちている。

 生きた人間なら絶対にそれまで成長してきた思い出や過去があるはずなんですよ。過去によって現在の性格が定まるんです。それがない主人公は設定上は高校生でも、生まれたばかりの赤ん坊と同じです。異能が使えるとか、女子にモテモテだとか、それは後天的な後付けですよ。そんなものでキャラを描いたとはいいません。キャラを描く時は、そのキャラの人生を描きなさいと言いたい。それなら読者もキャラを掴みやすいから。

 しかし、作家志望向けのためになる話のようで全然ためにならんな。ハウツー本を期待しないほうがいいですね

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2014年01月13日

城ヶ崎奈央と電撃文庫作家になるための10のメソッド/五十嵐雄策

4048662929城ヶ崎奈央と電撃文庫作家になるための10のメソッド
五十嵐雄策 翠燕
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-01-10

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「ライトノベル作家になりたいの…っ」それが、明るく前向きで何事にも一生懸命な女子高生・城ヶ崎奈央の夢だった。一ノ瀬渉が奈央の秘密を知った時、電撃文庫作家を目指す闘いの日々が始まる。渉が同居している従姉の編集者(通称・トメ姉)から学び、短編や長編を書く上で大事なポイントを知っていく奈央たち。

 城ヶ崎奈央の秘密

 ラノベ作家に憧れるヒロインを応援する少年の青春ラブストーリー

 電撃文庫作家になるための公式ハウツー本、に見せかけたバカップルの激甘ラブコメディだった。
 クラスのアイドル的存在・城ヶ崎奈央の秘密を偶然知ってしまった主人公・渉が、ライトノベル作家を目指す彼女の手助けや応援をしつつ絆を深め、夢に向かって全力疾走している姿が活き活きと爽やかで楽しかった。
 ワナビには今更ですが、小説の執筆に興味のある学生さんは読んでおいたらいいんじゃないでしょうか。

 実はガチのラノベ読者で、ラノベのことになると我を忘れて夢中になってしまう奈央の熱意が微笑ましく、本気でラノベ作家に憧れる純粋な気持ちが可愛らしかった。ラノベ読者からしてみれば理想の女の子ですよ!
 比べると渉は、編集者の従姉のコネを持っているだけでラノベに詳しくないのに、取材や調査で奈央の執筆活動をサポートしているうちにデートにいったり、部屋に入り浸ったり、親しくなっていく様子が美味しいな。

 電撃文庫作家になるためのメソッドですが、これはネットでちょっとググれば出てくるような基本情報なので、創作論や実践的なテクニックを期待していると肩透かしに遭うかな。三木さん和田さんの創作論やアドバイスはためになる教訓ばかりなので、そこだけは注目の価値ありです。まあTwitterの呟きをチェックしていると、創作論っぽいことはよく話しておられるので、作家志望者はそちらも参考にして欲しいですね。

 ただこれを読んだ中高生が小説を書いていきなり電撃大賞に応募してくるのは無謀の極みだと思いますね。
 まずネット小説の投稿から初めて、読者の反応を見つつ、自分の実力を磨いてから挑戦したらいいんじゃないかな。他人に読んでもらうというのは大切ですよ。誰だって料理を作ったら味見ぐらいするでしょう。
 作家を目指し、第一歩を踏み出した奈央と渉の今後が気になりますが、イチャイチャも注目したいところ。

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2014年01月12日

ロストウィッチ・ブライドマジカル 2/藤原祐

4048662236ロストウィッチ・ブライドマジカル 2 (電撃文庫)
藤原祐 椋本夏夜
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-01-10

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雉子野中学で密かに噂となっているおまじないがあった。呪いたい相手の名前を書いた紙と硝子玉を一緒に桜の木の下に埋めておくと『硝子玉の魔女』がそいつを不幸にしてくれる、というものだ。噂を知った水奈たちはそこに『魔女』の影を見、調査を決意する。

 不幸を呼ぶ魔女たち

 魔法の国の女王を決める戦争に巻き込まれた少女たちが繰り広げるマジカルサスペンス

 いやぁ、相変わらず頭と心をぐちゃぐちゃにされるこの醜悪さと美しさの入り混じった読感がタマラン。
 中学校で噂になっている『硝子玉の魔女』に関わってしまった主人公・水奈が、狂信者の魔女集団『バーバ・ヤーガの小屋』と因縁を持ってしまい、他責的に騒動に巻き込まれていく展開と結果に打ちのめされます。
 魔法の力は不幸しか生み出さない。それでもその力にすがるしかできない少女たちの苦悩が痛ましい。

 病気の妹を救うため、『硝子玉の魔女』として魔法の力を使っていたはぐれ魔女・庵子ですが、魔女たちが行っている戦争への常識に疎く、彼女の不注意と無警戒が招いてしまう失敗から始まる失敗の連続が口惜しい。
 水奈の仲間・耶麻音が保護がしたときにはすでに遅く、『バーバ・ヤーガの小屋』の魔女たちに目をつけられて、恨みを抱いた魔女の暴走を阻止したことで、次第に他人事でない状況にハマっていく姿がもどかしい。

 穏便に年長者同士の納得づくの決闘で手打ちにしようと努力しても、寸前のところで余計な横槍が入り、さらに事態がこじれて、お互いの猜疑心、敵対心ばかりが募っていく様子が不毛で虚しくて目も当てられない。
 誰が勝っても負けても失ったものは戻らず、傷つくだけで何も得るもののない泥沼化した戦いでも、引くに引けなく戦うしかなくなって、災いを呼ぶ魔法の力を得てしまった少女たちに憐憫と哀悼の思いが湧き上がる。

 前回、ほとんど出番のなかった耶麻音と栞の姉妹がメインのストーリーでしたが、お姉ちゃんふざけてるけど頑張るし、妹ちゃんはツンデレで他人思いだし、両者とも知略と度胸あふれるキャラでえがったえがった。
 庵子はこのまま水奈の仲間入りなんですかね。最後に登場した人魚ちゃんもラスボスの貫禄を魅せつけて、背筋が凍るような迫力に痺れました。というか、いまさらだが女子中学生のメンタルこっわ!

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2013年12月16日

エロマンガ先生 妹と開かずの間/伏見つかさ

4048660810エロマンガ先生 妹と開かずの間 (電撃文庫)
伏見つかさ かんざきひろ
アスキー・メディアワークス 2013-12-10

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高校生兼ラノベ作家の俺・和泉マサムネには、引きこもりの妹がいる。和泉紗霧。一年前に妹になったあいつは、まったく部屋から出てこない。今日も床をドンドンして、俺に食事を用意させやがる。こんな関係『兄妹』じゃないぜ。なんとか自発的に部屋から出てきてもらいたい。俺たちは二人きりの『家族』なんだから―。

 作家が絵師に恋をした

 ラノベ作家の兄とイラストレーターの妹が繰り広げる兄妹ラブコメディ。

 俺の妹がこんなにエロかわいい。妹が好きすぎるお兄ちゃんの妹愛が弾けてこっ恥ずかしいわー。
 高校生で現役ラノベ作家の主人公・正宗と、彼のラノベのイラストを担当している血の繋がらない義妹・紗霧が、プロとして創作活動を通じたドタバタを繰り広げながら新しい絆を結んでいく姿が心温まりました。
 ラノベ小説家という職業特有のあるあるネタが満載で、業界の裏事情を垣間見れるかもしれない(?)

 正宗が作家と絵師として長年コンビを組んでラノベを作ってきた人気イラストレーターのエロマンガ先生が、実は引きこもりの紗霧だということを偶然に知って、義兄妹の隔たれていた距離が次第に埋まっていくのですが、描く画風がエロかわいいだけでなく、紗霧たん本人もとんでもなくエロ可愛いくて、儚げな銀髪美少女なのに引きこもりでコミュ障、感情の起伏が激しくて考えがすぐに顔に出るところが、なにこの可愛い生き物。

 売れっ子作家の山田エルフとエロマンガ先生に挿絵を描いてもらう権利を巡って戦いになるのですが、編集者や絵師本人を置いておいて、作家二人だけでライバル心がヒートアップしていく光景が可笑しい。
 作家としてのスタンスの違いで口喧嘩はするけれども、同業者として認め合っていくところが微笑ましく、しかし、それが誤解を産んで紗霧に避けられ、あちらを立てればこちらが立たずなジレンマがもどかしかった。

 「兄は妹に恋なんてしない」といいつつ、誰がどうみても紗霧に激甘な正宗の振る舞いが恥ずかしすぎて読んでいるこちらが耐え切れない。可愛い妹への想いと、エロマンガ先生へのリスペクトが入り混じっておかしなハイテンションになってしまってる正宗が痛すぎてむず痒いんだけれど、一途で真摯な姿に応援したくなりました。見事にフラれてしまった正宗だけれど、好きな人が実は正宗だったという展開なんだろうなと裏読み。

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2013年12月14日

滅葬のエルフリーデ/茜屋まつり

4048661620滅葬のエルフリーデ (電撃文庫)
茜屋まつり mamuru
アスキー・メディアワークス 2013-12-10

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首都圏を含む地域が、ある日突然“海”になった。この災害によってできた海、江戸海に浮かぶ軍艦学園に通う吉岡峰介は、かつてはオンライン対戦ゲーム、シュラフトの名プレイヤーとして名を馳せていた。彼はクラスメイトのエルフリーデと共に、学園で開催される海戦バトルトーナメントに参加することになり

 心と生きて今を戦え

 艦隊となる少女たちを指揮して戦い世界を滅亡から救う青春学園バトルストーリー

 絶対命令権とかもらっても、同人誌みたいなことにしか使い道がないと思うのは私だけですかそうですか。
 オンライン海戦ゲームの名プレイヤーでありながら、相棒を亡くしたことで戦いから遠ざかっていた主人公・吉岡峰介が、世界を滅亡から救うため、ヒロインたちの司令官となって再び立ち上がる姿が燃えました。
 やってることは艦なんとか。いま流行の艦なんとか。鎮守府にお勤めの提督が兼業の方、必見です。

 勝利のためには犠牲を厭わない『理路整然の悪魔』と恐れられた怜悧な頭脳の持ち主・峰介と、ハイスペックな未来艦に変身できるが脳天気でアホの子のエルフリーデの凸凹カップルの掛け合いが可笑しかったです。
 強引な押しに負けてエルフのコマンダーとなったものの、無駄使いで時代遅れの改装をしている役立たずのゴミシップで、頼りない味方と少ない資金をやりくりして戦略を練る峰介の手腕が興味深かったです。

 トーナメント第一戦から優勝候補かつ、かつてのゲームで共に戦った仲間である天才少女・茜子で、過去の峰介自身を写しているかのような、勝利のためになりふり構わぬ戦い方をする彼女の姿が痛々しく思いました。
 道を誤ったままの彼女と過去の自分に向き合い、『今を大切に生き、心を大事にしろ』という亡き相棒アルマの遺言を果たすために戦場に舞い戻る峰介の決意が胸に迫る。クールな顔の下の熱い思いが伝わってきた。

 まあ難点と言えば全体的にストーリーが駆け足気味だったのが残念といえば残念か。帯の売り文句には「絶対命令権」がいかにも物語の根幹、メインの目的っぽく書かれているのに、それほど重要でもないもんなぁ。
 それと人類と神の対決が、やけにゲームっぽい仕様なのはなんなのだぜ……。いや、ゲーム脳の私にとっては分かりやすくていいんですけどね。しかし、あまり某ゲームっぽくしすぎるとパクリガー勢が黙ってないぞ。
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2013年12月13日

ソードアート・オンライン プログレッシブ 2/川原礫

4048661639ソードアート・オンライン プログレッシブ (2) (電撃文庫)
川原礫 abec
アスキー・メディアワークス 2013-12-10

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第三層。そこで二人を待ち構えていたのは、フロア全体を深く包み込む大森林と、初めての大型キャンペーン・クエストだった。森の中で戦う二種族のエルフの騎士たち。そのどちらかに加勢することで、クエストは開始される。キリトたちはベータ時との違いに戸惑いながらも、NPCであるキズメルと交流を深める

 愛と友情のための協奏曲

 アインクラッドでのキリトやアスナたちの冒険を第1層から描き直すプログレッシブ編

 アスナさんがしずかちゃん状態。どんだけお風呂好きなんですか。早く入浴現場に転送しなよキリトくん。
 三層から始まる連続クエストをスタートしたキリトとアスナが、黒エルフのNPC・キズメルと行動を共にし、クエスト依頼を進める過程で見え隠れする攻略組に潜む怪しげな影の正体に興味が掻き立てられます。
 三層に来て、戦闘アクションよりもストーリーに焦点を当て、世界観やキャラを魅せてきました。

 キリトとアスナの仲睦まじいイチャイチャぶりが目の毒ですね。アスナさんは最初の頃の張り詰めた悲壮感が和らいで、それはいいことなのですが、キリトが横に居ることがもはや当たり前のように慣れきっていて、もうお前らゲーム攻略を新婚旅行か何かと間違えてるだろ。毒グモの棲むダンジョン探索やら、森エルフのキャンプに潜入やら、物騒な旅行コースですが、技術と機転を駆使して立ち回る姿が妙に楽しそうなんですよねぇ。

 コンビを組む二人ですが、ソロプレイでの絶対的限界についての覚悟がアスナにはわかってない様子で、ギルドへの嫌悪感を抱くものの、本来ならキバオウやリンドみたいなギルマスはまず存在しないからなぁ。というか、あの二人は絶対にMMORPGやったことないやろ。どう考えても態度が横柄すぎてメンバーに嫌われるタイプ。ダンジョン攻略もゴリ押しだったり、マナーやセオリーもなってないし、いかにもな素人臭さが香ばしい。

 アインクラッドのゲームシステムについての説明や解説が多めでしたか。MMORPG経験者ならシステムやゲーム専門用語などもサラッと流してくれても通じるのですが、MMO初心者のためにあえて一から入門講座を開いたといった感。それでも今まで「こういうものだよな」と思っていたゲームシステムの具体的な設定を詰めてくれてたのでよかったです。しかし、それでも分からないのは、倫理コードの基準はいったいどうなってるんや!

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2013年12月12日

ミス・ファーブルの蟲ノ荒園 2/物草純平

4048661752ミス・ファーブルの蟲ノ荒園 (2) (電撃文庫)
物草純平 藤ちょこ
アスキー・メディアワークス 2013-12-10

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日本から遠く離れた欧羅巴の地で、その左目に奇妙な“蟲”の力を宿すことになった少年・秋津慧太郎。彼がある日、街で遭遇した「死神」―かの者が狙う「魔本」をめぐり、蟲愛づる魔女アンリ・ファーブルと女騎士クロエ、謎多き少女マルティナまでも巻き込んで、長い長い一日が幕を開ける。

 救いの道は楽園へ通ず

 蟲と呼ばれる謎の巨大生物により変貌したもう一つの近代の世界で蒸気と蟲と恋が彩るファンタジー

 おっぱいさん強い! ぺちゃぱいちゃんも強い! 中くらいの子は……うん、もっと頑張りましょう。
 クラスメイトの少女・クロエと街へと出かけた主人公・慧太郎が、巷を騒がす殺人鬼・死神とバチカンの聖騎士の争いに遭遇し、魔本を巡って繰り広げられる三つ巴の戦ぶりが、読み終えても未だ興奮が冷めやらない。
 "裸蟲"の誕生や"蟲"の起源に迫り、より世界観が掘り下げられてリアリティを帯びてきました。

 おっぱいさんマジおっぱい。朝練に押しかけたり、入浴に誘ったり、デートに連れ出したり、慧太郎への好感度がわかりやすすぎて、ちょろ可愛い。巨乳で脳筋なキャラとはあざといなぁ。守りたいこのおっぱい。
 かねてからの約束通り、デートに出かける慧太郎とクロエをアレコレ理由をつけて追いかけるアンリのツンデレぶりにもニヤけますね。毒舌家のマルティナとの掛け合いもいつの間にか笑ってしまう。いいコンビです。

 人間を変容させる魔本を巡って争う、手前勝手な救済を掲げる死神ベノワと自分たちの非を棚に上げた聖騎士ヴァレリオのどちらも一方的な言い分は、慧太郎でなくともふざけるなと言いたくもなりますね。
 お互いに暴力でもって己の主張を通そうとする両者に対して、例え綺麗事と言われようとも、過去や感情に囚われず、自分の正しいと思う信念を貫き通す慧太郎とクロエの不器用で真っ直ぐな若さが眩しかったです。

 いやぁ、喧嘩するほど仲が良いクロエとアンリの友情が微笑ましい。クロエさん、自分で否定しておいてキマシロードを突き進んでるけれど自覚がないのかしら。本命は慧太郎だからセーフなのかもしれないが。
 それにしても素晴らしい混浴回でしたね。これから学園シーンはすべて大浴場でやればいいんじゃねって。
 重要なキーワードが明かされましたが、世界に終末を呼ぶ三蟲士……一体何者なんだ(; ・`д・´)
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2013年11月16日

妖怪青春白書 雪雄くんと薫子さん/沖田雅

4048661094妖怪青春白書 ―雪雄くんと薫子さん― (電撃文庫)
沖田雅 ぬこマス
アスキー・メディアワークス 2013-11-09

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人間が思春期頃になると妖怪化するという現代、元は完全無欠なイケメン→でも、今はモフモフな雪男になってしまった雪雄くん。そして、元は品行方正な清純派美少女→でも、今は下ネタ大好きなビッチ可愛い蛇女になってしまった薫子さん。雪雄くんのことが本当に大好きな彼女は、雪雄くんをいじることが生き甲斐なんです。

 下ネタ好きの美女と野獣

 おかしな二人による微笑ましい下ネタ&ラブラブな日常をつづった、純で不純な妖怪同棲ラブコメディ

 雪男と蛇女のラブコメディとか、電撃文庫は時代を先取りしすぎィ! レベル高すぎんよ。
 人間がすべて妖怪とのハーフとして妖怪化した外見が当たり前となった世界で、主人公の雪雄と幼馴染で恋人の薫子のバカップル二人が下ネタを繰り広げ始終イチャイチャと惚気っぱなしで、お腹いっぱいです。
 妖怪同士のバトルとか、ありそうでまったくない。シリアスな事件も起こらない。なんだこれぇ。

 初体験の次の朝から始まる話って、なんなんだよ! フリでも偽装でもなく、この二人、ヤッてます。
 ただ雪男と蛇女という人間離れした外見なので、思春期の男女特有の甘酸っぱい雰囲気がギャグになるしかねぇ。毛むくじゃらでもっさもさの見た目ムックの雪男の雪雄が、「いい男とは〜」とか真剣に語っちゃってるのは、確かにシュールで面白いですけれど。恋人がエロに積極的で下ネタ大好きな清純派ビッチっていいよね!

 いやいや、いくらなんでも設定が挑戦的すぎんだろ……読まされた読者の思考処理が右往左往してるわ!
 雪雄と薫子の仲は、両家の家族公認で、同棲生活の支援して、結婚まですでに予定を組んで準備してて、やたらとノリノリなのは、ちょっと展開が進み過ぎだろう雪雄くんだけじゃなく読者の理解が追いつけないよ。
 ただ薫子を悩ませるお家事情を理解した上で現状を受け入れる雪雄がいい男でした。これは格好良いムック。

 いや、多少シリアスな裏事情があったけれど、イベントらしいイベントは結局起きてない! ただバカップルが延々下ネタ話でイチャイチャしてただけや! それが本当に正しいラブコメディだけれど! だけれど!
 前作『オオカミさん』シリーズの別の世界線の様で、亮士くんや涼子さんのその後の姿が微笑ましかった。なんとも奇妙で可怪しい世界観だけれど、まああまりネタを真剣に捉えずギャグとして適当に見ていようか。

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2013年11月11日

ストレンジムーン 2 月夜に踊る獣の夢/渡瀬草一郎

4048661051ストレンジムーン (2) 月夜に踊る獣の夢 (電撃文庫)
渡瀬草一郎 桑島黎音
アスキー・メディアワークス 2013-11-09

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十和田静枝の中で遂に目覚めた“皇帝”ブロスペクト―その桁外れの能力に動揺しつつ、月代玲音は静枝の説得を試みる。だが、キャラバンを憎む皇帝にその言葉は届かず、更には将軍・周皓月と因縁を持つ異能者の参戦により、戦況は激しさを増していく。そして戦いの中、玲音の身に宿った“星詠みの加護”にも覚醒の時が!

 狂乱の宴が始まる

 異世界より来たりて超常の力を持つ異形の神と、その力を宿した異能者達が紡ぐ騒乱劇

 アホの子かわいい。幼馴染で巨乳で天然って、あざとすぎぢゃのう……。すっごくイイです!
 復活した皇帝・ブロスペクトとキャラバンとの戦争に巻き込まれた主人公・玲音が、敵に回った妹と友人を取り戻すため動き出し、様々な思惑が入り乱れるなか仲間集めとリコルドリク探しに奔走する姿に胸が躍ります。
 心弥に続き、次々と登場してくる懐かしいキャラたちの成長した姿にほっこり和みました。

 異界の気象現象を操る皇帝に超人的身体能力を持つ燕人張燕に樹木の腕と槍を振り回す羽矢多と、びっくり超人異能バトルが繰り広げられるなか、星詠みのエスハから渡された力ときたら愛らしすぎてギャップに笑う。
 危険な戦場から一時離脱には成功し、キャラバンに保護されたものの、石に寄生された自分とクレアの身柄を巡り、一枚岩とは言いがたい組織内の駆け引きに振り回され、果たしてどっちについた方が幸せだったのか。

 ブロスペクト側に留まった妹や友人たちを助けるため、キャラバンのどこの勢力からも独立している夢路派のメンバーに協力を仰ぎ、榊真砂に水本冬華とサプライズなキャラの出演の連続にテンション上がりまくり!
 しかし、愛する兄の説得にも一切聞く耳持たぬ妹様ヤンデレ素敵こええー。美女に甘いリア充は膝に矢を受けて死ねばいいのに……。というか、この作品、リア充が多すぎだろ! 矢がいくらあってもたんねーよ!

 妹を取り戻すつもりが、まんまと罠にかかって囚われてしまった玲音は、イマイチ主人公としては、頼りなくて地味だけれど、やるときはやってくれると信じている。けれど、内心正直一番応援したいのは羽矢多さんなんだよなぁ。キャラバン裏切っちゃったし、静江さんは皇帝になっちゃうし、無関係だった子供たちを巻き込んじゃったし、玲音以上にいろいろ背負いすぎてて、胃腸薬差し上げたい。頑張れおじさん超頑張れ。

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2013年09月16日

ロストウィッチ・ブライドマジカル/藤原祐

4048919431ロストウィッチ・ブライドマジカル (電撃文庫)
藤原祐 椋本夏夜
アスキー・メディアワークス 2013-09-10

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“魔法の国”で起きた“女王のための統合戦争”に巻き込まれた、鍛冶目山市の少女たち。魔女となった彼女らが身の裡に宿すのは、殺し合いの螺旋を紡ぐ奇跡と罪の力―魔法。魔女のひとりである咲森水奈は、行方不明となった親友の少女、早良坂人魚を捜していた。

 少女は罪を抱えて、魔女となる

 魔法の国の女王を決める戦争に巻き込まれた少女たちが繰り広げるマジカルサスペンス

 ヒロインは全員女子中学生以下で魔法少女。変身後コスチュームがみんなエロかわいいすなぁ……。
 異界"魔法の国"で端を発した“女王のための統合戦争”に巻き込まれ、魔女となってしまった主人公・水奈たち女子中学生が、生き残りをかけて殺し合う無差別サバイバルの中で見せる絆や成長に魅入られます。
 魔法少女は殺し合うものという昨今の流行に、藤原祐ならではの殺伐とした世界観が合致して、これは愉悦

 人を殺さない魔女のコミュニティに属している水奈ですが、他の魔女の大半は殺し合いが当然だと思っていて、比べれば甘い理想論に思えるのだけれど、彼女には理想を実現させる力と覚悟があって凛々しかった。
 魔女候補である器の欠片を所持した少女・柊を自分たちのコミュニティに保護したものの、彼女を狙って襲ってきた他の魔女たちに身柄を奪われてしまい、敗北感に打ちのめされる希亜や舞衣子の姿が痛々しい。

 柊を攫った魔女の薫や寧々も、また上位の魔女からの一方的な命令に従うしかない哀れな身の上で、実力が全てのドライな魔女たちのヒエラルキーに背筋が寒くなる。魔女たちが互いに互いを利用し合うなかで、魔女に力を与える"魔法の国"の住人たちの独自の思惑もからみ合って、精神の病んで歪んだ非現実的な人間ドラマを展開していく争いが、悲痛と哀愁、そして友情と決意に満ち満ちていて素晴らしかった。

 理不尽と不条理の絶望の中だからこそ、ひときわ輝しく光る水奈たちの理想や希望が眩しかった。
 しかし最初から希亜や舞衣子といった良き仲間に囲まれている光景を見てると、「藤原さんだから、この何人かは確実にエンディングまで生き残れないんだろうなぁ」などとメタな予想をして悲しくなってしまう。
 今回は、キャラ紹介として、さて次回はどんな殺伐とした争いを見せてくれるのか、楽しみ。

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2013年09月13日

やがて魔剱のアリスベル ヒロインズ・アソート/赤松中学

4048919415やがて魔剱のアリスベル ヒロインズ・アソート (電撃文庫)
赤松中学 閏月戈
アスキー・メディアワークス 2013-09-10

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アリスベル、ビビ、キリコ、矢子&祈…ヒロインたちと静刃の、本編では描かれなかった日常シーンのアソートメント!アリスベルの錬金術の助手に、キリコの体育のコーチに、ビビのストーカー対策にと静刃は多忙でキケンな日々を送る。

 少女たちはいつでも全力疾走

 異能を持つ少年少女たちが、それぞれの願いをかけて戦い合う学園異能バトル・ラブコメ。

 異能を取り締まる影の国家機関公安0課や作中のそこかしこに見知ったキャラがいてワクワクしました。
 メインヒロインのアリスベルの他、ビビ、キリコ、矢子&祈、さらに獏といった女性陣の本編では見せられない日常編で、殺伐とした世界に身を置きながらも年頃の少女らしい彼女らの魅力を押し出していました。
 サブキャラは今後はおそらく滅多に見られないでしょうからね。いまのうちに拝んでおきましょう。

 練金釜を手に入れたアリスベルが錬金術に必要な静刃の感情を引き出すためにアレコレと攻撃を仕掛ける姿が危なっかしく、容赦がないのは静刃の力を信じているからだと、お互いの絆を感じられて微笑ましくなった。
 鉄棒の逆上がりが出来ないキリコの特訓に付き合う話では、無表情な彼女のかすかな気持ちの揺らぎが見え隠れして、静刃に嫌われないように機械に頼らずに自分の力だけで挑戦しようとするところが可愛い。

 ストーカー被害にあっているビビの家を助ける三話目は、カロリー高いファーストフードが好きだったり、可愛いもの好きのオタクだったりする彼女の一面を知って、気まずいような、呆れるような残念な気持ち。
 静刃に格闘術を教えるため、矢子&祈が一肌も二肌も脱ぐ話では、この三人、いったい何やってるんだろうなと。途中からいろいろおかしすぎるのに気づかない、兄も姉妹もよく似た天然ぶりがダメだこいつらと失笑。

 最終話では、神戸で獏とアリスベルが遭遇した凄腕武偵が登場するのですが、お互いに時間軸のズレに気づかずに戦いをはじめてしまって、目も当てられない。恨み辛みを膨らませて復讐を誓う獏さん、超ゲスいい顔。
 別シリーズ『被弾のアリア』で静刃とアリスベルが登場するには、本編からまたまた時間移動しなければ、向こう側での遭遇は出来ないのですが、この時間軸のミステリーにどう辻褄を合わせてくるのか……。

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2013年09月11日

僕と彼女のゲーム戦争 6/師走トオル

4048919075僕と彼女のゲーム戦争 (6) (電撃文庫)
師走トオル 八宝備仁
アスキー・メディアワークス 2013-09-10

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1泊2日の「学校対抗戦」に参加した現代遊戯部の面々。岸嶺以外はみんな女子という状況で、初日の個人戦の日程を終了する。その夜、岸嶺は持っていた写真を巡って、天道とぎくしゃくしてしまう。そして合宿2日目。チーム戦でゲームをプレイをする中、天道は昨夜のことが気になりゲームプレイに精彩を欠いてしまう。

 女子高生たちの世界戦争

 名門女子校のゲーム部に入部した少年がチームメイトと共に世界大会を目指すゲームライフラブコメ

 Civilizationキタ━━(゚∀゚)━━!!! 夜のない世界へようこそ。英国王、軍事ユニットの貯蔵は充分か?
 学校対抗戦の二日目、チーム戦に挑む伊豆野宮学園現代遊戯部ですが、前夜の出来事により岸嶺と天道の仲がぎくしゃくしてしまい、チームワークを欠いて思わぬ大苦戦を強いられる激闘に手に汗握りました。
 急にお互いを意識しあって距離感に戸惑う少年少女たちの恋愛模様が甘酸っぱかったです。

 なによりもチームワークを重視していた岸嶺たち伊豆野宮チームなのに、色恋沙汰で肝心のプレイに精彩を欠いてしまう姿がもどかしいながらも、こういうラブ寄せ展開を待ち望んでいただけにニヤニヤがとまらない。
 予選の『ゴーストリコンフューチャーソルジャー』は、からくも通過したものの、二人の不和は他のメンバーにもバレバレで、事情を問い詰めて初心な天道に女としての心得を指導する杉鹿さんビッチ!(褒め言葉)

 決勝戦の『Civilization5』では岸嶺だけが仲間と離れた立地にスポーンしてしまい、孤立無援の状況に陥るものの、そこから外交的駆け引きで世界大戦を起こし、他チームを撹乱するプレイが秀逸で目を引きました。
 お互いに決勝戦に納得できなかった伊豆野宮チームと甲斐ヶ原チームで、最後に挑んだ『アサシンクリード3』では、双方ともアビリティをフル活用した戦術を駆使しての大接戦で、緊張感に引き込まれました。

 しかし女子高生が「戦争よ!」、「殺せ!」とか叫んでる姿って、結構アレですね、ゾクゾクきますね。
 甲斐ヶ原の最強プレイヤー・『吹き抜ける風』の正体には驚きつつも、二つ名好きなところで、ああそうかと納得した。祇方院の腹黒いところは好きになれないけれど、負けて本気で悔しがる姿は同類なんだと感じた。
 次回ゲームの熱い夏がくるその前に、短篇集か。さてそれまでつー助教授のcivi動画を見返すか。



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2013年09月10日

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 4/宇野朴人

4048919067ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)
宇野朴人 さんば挿
アスキー・メディアワークス 2013-09-10

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北域での過酷な戦争を生きぬき、多くの犠牲を払いながらも生還したイクタたちを待っていたのは、厳正なる軍事裁判だった。そして裁判のあとに開かれた軍議で、サザルーフは、イグセム元帥やレミオン大将といった高官たちに、ある突飛な要請を提案する。実はそれは、密かにイクタから託されたもので―。

 皇女殿下の世直し旅

 のちに名将と呼ばれる怠け者な少年の激動の半生を描く壮大な架空戦記ファンタジー。

 我が友マシューがモテモテで人気者…だと…新ヒロインともイイ仲になって、いつの間に勝ち組に!?
 北域動乱をかろうじて生きて戻ったものの、シナーク族の難民問題が持ち上がり、イクタたち『騎士団』のメンバーが奔走して受け入れ先を用意する間にも、政府の上層部では新たな戦争の準備が進められていて、さらなる動乱に巻き込まれていく少年少女たちの戦いと冒険、そして出会いに興奮と興味が尽きない。

 ヤトリやトルウェイのオヤジーズがダンディすぎて、もう脳内麻薬ドバドバですよ。軍部から国を思えど、腐敗した官僚や貴族たちに政治を牛耳られ、規律によって領分を越えようにも出来ない思いがもどかしい。
 シナーク族の難民問題を片付けるため、マシューの故郷へと帰るのだけれど、そこでも腐敗した代官によって密かな悪事が行われてて、シャミーユ殿下の指揮で解決に乗り出すのだけれど、アナタは『水戸黄門』か!

 新天地でシナーク族ともうまく付き合い始めたのも束の間、唐突にキオカへの出兵が始まって、慣れない海軍船でのシゴキに悲鳴をあげる男子組だけれど、イクタだけは悪ふざけで逆にやり込める姿が可笑しい。
 船員との溝が埋まらないままキオカ艦と遭遇戦が始まってしまい、またも無警戒だった新兵器で手痛い敗北をみてしまう帝国艦の惨状がやるせない。初陣で自信喪失に陥ったポルミを慰めるマシューがイケメンだった。

 今回はこれまで大活躍していたイクタ、ヤトリ、トルウェイは一休みし、彼らの存在に隠れがちのシャミーユ殿下とマシューの出番がようやく巡ってきて……あれ、ハロは? ええ、サリー姿がエロかったですはい。
 北で山に登ったと思ったら、南で田んぼを歩きまわり、今は東の海ですか、あっちこっち移動して徐々に世界観が広がってきましたが、果たして彼らのこの旅の終わりはどこにあるのか。最後まで見届けたい。

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2013年08月19日

最弱無敗の神装機竜/明月千里

4797374667最弱無敗の神装機竜《バハムート》 (GA文庫)
明月 千里 春日 歩
ソフトバンククリエイティブ 2013-08-12

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遺跡から発掘された、古代兵器・装甲機竜《ドラグライド》。かつて、最強の機竜使い《ドラグナイト》と呼ばれたルクスは、一切の攻撃をしない機竜使いとして『無敗の最弱』と、今は呼ばれていた。五年前、革命によって滅ぼされた帝国の王子・ルクスは、何故か、機竜使い育成のための女学園に入学することに…!?

 乙女の園のヘタレ王子

 美少女たちに囲まれた、没落王子の王道と覇道が交錯する学園バトルファンタジー

 落ちぶれた王子の第二の人生どんだけリア充やねん、と突っ込みたくなるほどの充実ぶりでした。
 古代遺産である機竜の乗り手を育成する女性だけの王立士官学校に入学した主人公・ルクスが、国民に圧政を敷いた旧帝国の元王子という偏見を覆して、乙女たちの心を掴んでいく光景に妄想が広がってニヤリとくる。
 人類を襲う幻神獣と、それと戦う機竜の乗り手、ファンタジーとメカバトルの融合に夢が広がる。

 滅ぼされた帝国の没落王子ルクスですが、ヘタレで温厚な人柄と他人からの頼み事を嫌といえないお人好しの働き者ぶりから、本来なら憎まれるべき一般市民からも好かれて人気者になっている姿が微笑ましい。
 決闘で戦ったことで彼のことを意識し始める新王国の王女リーズシャルテや、幼馴染だったお嬢様のフィルフィに懐かれて女性だけの士官学校に入学することになって、可愛い女子に囲まれる生活が羨ましい。

 ルクスの機竜使いとしての才能を見込んで、彼の力が活躍する場につけたいと思うリーズシャルテだけれど、ルクス本人は実力を出すことに消極的で、咬み合わないながらも関係を深めていく二人が初々しかった。
 王国でも数少ない神装機竜の乗り手にして、さらに天才技術者として実績を残しながらも、かつての戦時中の悲惨な出来事から、王女として振る舞い、責任を果たすことに迷いを抱くリーズシャルテの懊悩が痛ましい。

 「最弱」と言われるルクスですが、やっぱり強いんじゃねぇかというところまで王道でよかったです。
 しかし、ルクスは幼い頃の方が頭脳明晰でプリンスオーラでてたような。成長してどうして劣化した。
 テンプレなハーレムもののようだけれど、ヒロインにそれぞれシリアスなバックボーンやら隠された設定が用意されているのが、また先の展開への期待を掻き立てられますね。他のヒロインとの絡みが楽しみです。

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2013年08月16日

魔法科高校の劣等生 11 来訪者編 下/佐島勤

4048916106魔法科高校の劣等生 (11) 来訪者編(下) (電撃文庫)
佐島勤 石田可奈
アスキー・メディアワークス 2013-08-10

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ヒューマノイド型ホームヘルパーロボット。付近にいた光井ほのかのパターンをコピーしたパラサイト=ピクシーは、その出自から、達也に付き従うことを決める。ピクシーからの情報により、『パラサイト』を理解した達也は、深雪らを連れ、残りの『パラサイト』を退治すべく、夜の青山霊園へと赴くが―。

 人と魔の新しき時代

 現代のエリート校である魔法科高校に入学した兄妹が繰り広げるマジカルバトルアクション。

 秘密兵器まで持ちだしてきても惨敗するリーナちゃんカワイソス。達也さん容赦無さすぎんよ。
 ピクシーに憑依したパラサイトを囮に、残りのパラサイトを一網打尽にしようとする達也と、米軍部隊を率いるリーナ、そしてパラサイトを利用しようとする十師族の思惑が絡み合う駆け引きに引き込まれます。
 魔法とはなんなのか、魔法師とはなんのか、パラサイトの来訪によって心揺れる若者たちが見所です。

 いつものことながら、達也さんは自分から秘密を明かしておいて、それで口止めしとこうってのは、ちょっと何言ってるかわからないですね。賢いように見えるけれど、本気で気づいてないとしたら天然なんだろうか。
 軍属なのに甘さがあって失態を演じるリーナ、一方、高校生のくせに覚悟完了している達也やエリカたちの違いは、魔法師としての育てられ方の違いでしょうか。日本の高校生は意識の高い若者揃ってるからな。

 パラサイトと決着をつけようとするも、十師族のさまざまな勢力から横槍が入って、大人の世界って奴は汚いなぁ。エリカ、美月、ほのか、レオに幹比古といつものグループの中にも役割分担ができているのが好き。
 深雪さんのブラコンはブラコンの域を過ぎているのには分かりますけれど、男性の理想も高すぎる。毎日、達也と暮らしていたら、そりゃあ他の男なんて目に入らなくなるだろうよ。兄離れするには先が長そう。

 さて、ようやく『来訪者編』が完結したわけですが、当初ライバル視されていたリーナと米軍は、達也と深雪にフルボッコされるためだけにやってきた感がありますな。リーナは戦略級というには疑問もあるが。
 短編の真由美さんの休日は、『来訪者編』の後始末、双子ちゃんの顔見せという意味合いが強かったかな。次回は二年生編。ときに、もうタイトル変えていいんじゃね? 『魔法科高校の革命児』にしようよ。

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