ダフロン

2011年02月13日

青春ラリアット!!/蝉川タカマル

4048702386青春ラリアット!! (電撃文庫)
蝉川 タカマル すみ兵
アスキーメディアワークス 2011-02-10

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バカの日本代表、月島。姑息亭チキンこと常識人、宮本。我が道を行く竜巻娘長瀬。月島には惚れた女いた。それでも長瀬は月島のことが好きだった。そして、そんな自分の想いに正直に突っ走る長瀬に、拒否権なく巻き込まれる宮本。

 三馬鹿が行く!

 おかしな三人組が巻き起こす、ノリと勢い120%の青春ストーリー。

 登場人物はバカばーっかだけど、みんな愛すべきバカたちで青春を謳歌していてうらやましい。
 熱血単純バカの月島と彼に恋する後輩・長瀬、それを見守る主人公・宮本の三人組が、ある女の子に月島がフラレたのを発端として、報われないのを承知で突っ走る姿が小気味良くて痛快でした。
 ほぼタイトル通り。ラリアットを盛大に空振りするような青春のドタバタ風景が魅力です。

 物語の主人公は宮本なのですが、正直すごい地味。というか、他のキャラが濃すぎるんだよ!
 とてつもないプロレスバカの月島を筆頭に、そんな月島にベタ惚れの長瀬は彼の前ではまともに話せないくせに宮本には傲岸不遜な変態女だし、友人の黒木はいろいろと可哀想な奴だし、それ以外に出てくる連中もどっかおかしいバカだらけで、そんな中に混じっている唯一常識人の宮本が逆に個性的に思えてしまうマジック。

 バカな月島だけど、背中に一本通っていて、惚れた女の幸せのために勝手なお節介を始めるのが格好いい。口では愚痴を漏らしているけれど長瀬もそんな月島だからこそ好きになったんだろうなぁ。
 暴走し始める無鉄砲な二人に挟まれてフォローに苦労させられる宮本だけれど、その場のノリと勢いに飲まれて常識人のはずの宮本までバカ騒ぎに加わって……なにこれ熱い。

 終わってみれば片想いをこじらせている二人を差し置いて、一人だけ恋人をゲッチュしている主人公。
 ○学生の彼女とか宮本さんマジパネェ! その都子ちゃんは一度も登場しなかったのが悲しい。
 まともに出ているヒロインって、長瀬だけなんだけど、あの変態女はイタいしウザい腹黒いしで萌えれる気が微塵もしなかった。面白いキャラなんだけどねー。ってか、都子ちゃんをだせよコノヤローッ!
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2011年02月12日

アンチリテラルの数秘術師/兎月山羊

4048703161アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) (電撃文庫)
兎月 山羊 笹森 トモエ
アスキーメディアワークス 2011-02-10

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ビルから落ちていく儚い少女。彼女の背中に、一瞬、羽が見えた気がした―それが、高校生の俺、冴上誠一と“数秘術師”羽鷺雪名との出会い。ある日突然、俺の妹・愛架が誘拐されてしまう。血眼になって探す俺は、虚空に浮かぶ、ノイズがかった無数の数字を見た。混乱する俺に雪名は告げた──

 未来は可能性によって創られる

 万物万象に宿る数値を書き換えることで奇跡を起こす数秘術を巡る“数”の異能バトルアクション。

 理数系は俺得なのかな。そこまで物理数学してないけど、専門用語がご馳走様でした。
 万物を構成する数が見えるようになった主人公・誠一が、数を操る数秘術師であるヒロイン・雪名の手を借りて、世間を騒がす怪人・赤帽子に立ち向かい、0%の確率を打ち倒す姿が熱かった。
 諦めなければ、どんな可能性も決してゼロではない。ロジックに縛られない人の強さに魅せられました。

 最初は淡白で冷めた主人公と頭はいいけど何を考えてるかわからないヒロインという印象だった二人ですが、ストーリーが進むにつれて、誠一はお人好しで熱血してくるし、雪名もごく普通の女の子らしい可愛い一面を覗かせてくるしで、思わぬギャップにやられた!という感じです。
 戦うヒロインとサポートする主人公という役割はありふれていましたが、キャラの見せ方は上手かった。

 人の願いを叶える怪人・赤帽子に妹が連れ去られ、誠一も数秘術の世界へと足を踏み入れることになるわけですが、この数秘術という異能は数学といいながらどう見てもオカルトでなんとも不気味ですね。
 赤帽子も誠一も他人のためにという動機は一緒ですが、人の心は数式や確率で計れるか、計れないか、そこが両者の運命の分かれ目だったんでしょうか。最後まで諦めない誠一に惚れました。

 スケールのぶっ飛んだ展開を次々に繰り広げているのに文章が重厚でそれなりにまともに読めてしまった。中二病を恥ずかしげもなくやってしまえて、堂々と開き直れるこの作風は強いな。
 誠一にとっては仇の娘、雪名にとっては恩人の息子というお互いの微妙な関係が、この後どう変わっていくのかも興味が尽きないところです。絶望の中でも可能性を信じて未来を作っていけたらいいな。
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2011年02月11日

はたらく魔王さま!/和ヶ原聡司

404870270Xはたらく魔王さま! (電撃文庫)
和ヶ原 聡司 029
アスキーメディアワークス 2011-02-10

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世界征服まであと一歩だった魔王サタンは、勇者に敗れ、異世界『日本』の東京・笹塚にたどり着く。そんな魔王が日本でできること。それはもちろん“世界征服”!!―ではなく、駅前のファーストフード店でアルバイトをしながら生活費を稼ぐ、いわゆるフリーター生活だった!

 六畳一間の征服者

 勇者に敗れて地球にやってきたフリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー。

 実社会に出て生活するってのは、世界征服や魔王討伐よりも大変なんだよ。
 魔力のない地球にやってきて自由に魔法が使えず、六畳一間のボロアパートに住み、地に足をつけて働く魔王・真奥くんや彼を追ってきた勇者・惠美の暮らしぶりの慎ましさに思わず苦笑い。
 服装は安物ですませたり、食事はまかないに頼ったり、やけにリアルな生活感が面白かったです。

 主人公の魔王サタンこと真奥くんが、普通に親切な好青年で憎めません。
 職務に忠実、後輩に慕われ、上司の信頼も厚く、貧乏でもまさに理想のフリーターですね。
 元の世界で返り咲くためにマックの正社員を目指す魔王って、なんか間違ってる気がしなくもないが、人としては地道な努力を続けて身を立てようと働く姿に好感が持てました。

 そんな魔王の変貌ぶりに戸惑い、彼との決戦を躊躇ってしまう惠美は勇者としても真面目すぎる。
 魔王を憎むのにも疲れていたんでしょうね。こちらの社会に順応して仕事と友人を得たことで、これまでの戦いに明け暮れる日々から解放され、彼女自身、安らぎを感じていたんじゃないかな。
 宿敵同士なのに脳天気に馴れ合ってくる魔王さまに振り回される勇者さまが可愛かった。

 魔王と勇者の痴話喧嘩がよかったけど、ちーちゃんもいいなぁ。三角関係の行方が気になります。
 ときに魔王もそこまでエンテ・イスラの征服に興味を持っていなかったように思えたな。というか、どういう思惑で世界征服を目指したのか、魔王側の心情をもっと描いて欲しかったかもしれません。
 全体的に読みやすく、ギャグ多めで楽しかったです。しかし、最近まおゆう系ブームきてるなぁ。
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2011年01月16日

オオカミさんと亮士くんとたくさんの仲間たち/沖田雅

4048701304オオカミさんと亮士くんとたくさんの仲間たち (電撃文庫)
沖田雅 うなじ
アスキー・メディアワークス 2011-01-06

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亮士くんが勇気を出して、おおかみさんをデートに誘う!?おおかみさんは「早く誘ってー」と内心ソワソワしているので、正直、楽なミッションなわけで。そして、その楽なミッションを楽にこなせないのがヘタレなわけで。ということで、紳士の皆さんも巻き込み、大騒動になった結末は―。

 愛でたし愛でたし

 視線恐怖症のヘタレ少年と素直になれないオオカミ少女との童話をパロディにした学園ラブコメ。完結。

◆おおかみさんあやしげな40人くらいの紳士たちの前でぶち切れることになる
 亮士くんが紳士仲間にオオカミさんをデートに誘う相談をするんだけど、全部筒抜けっていうお約束w
 誘われるのを待っているのに一向に誘ってくれない亮士くんに業を煮やしたオオカミさんがポロリと言ってしまうデレの一言にニヤニヤ。デートに誘うだけなのに言い出せない姿がもどかしいなぁ。
 こんな二人だからこそ周囲もついつい気になって噂してしまうし、応援したくなっちゃうんですよね。

 紳士の皆さんは相変わらずイイ奴らでした。変態だけど。彼らにもいつか幸せがくるといいな。

◆亮士くんついにいばら(ツン)を突破しておおかみさんを目覚め(デレ)させる
 女言葉のオオカミさんの破壊力パネェ! これがデレの真の力だというのか!!
 翌日のデートが楽しみで寝る前に悶々としてしまって、実際に当日は楽しさがゲージを振り切ってハイテンションでキャラが若干崩壊気味なオオカミさんが可愛いったらありゃしない。
 束の間の夢の時間。夢の中だからオオカミさんも勇気を出して毛皮を脱ぐことができたんでしょう。

 観覧車の力ってすげー。初デートでいきなりデレるあたりがとても乙女なオオカミさんでした。

◆嘘つきおおかみさんついに嘘の毛皮を脱がされ正体を現すことになる
 惚れた女を過去のトラウマから救い出すために土壇場で意地を見せる亮士△
 御伽銀行の呼びかけで集まった人たちにあったのは、きっとビジネスライクな"貸し"なんかじゃなくて、オオカミさんや亮士くんへの"恩"だったんだろうなぁ。オールキャストで殴り込みにいく展開が胸熱。
 本当の狼なら群れの先頭を走るもの、群れの一番後ろで安穏としている羊飼は所詮は羊でしたよ。

 ときに「一皮剥けて男になった」を下ネタに解釈してしまった人挙手 ( ・ω・)ノ  我々が紳士です。

◆おおかみさん大団円で数日遅れのクリスマスパーティに参加する
 オオカミさんと亮士さんが寄り添う姿にやっとここまで来たかと、ひときわ感動が込み上げてくる。
 過去に依頼人としてオオカミさん達に助けられた人もいれば、最初は敵だった人々も一緒くたになって楽しい時間を一緒に過ごす。いつか彼らが大人になったときにこれもいい思い出になってるんだろうな。
 それにしても「涼子落ち着け(キリッ」には吹きださずにはいられないwww

 いやぁ、デレて可愛くなったオオカミさんを存分に愛でれて大満足でした。
 「オオカミさんシリーズ」の本編は、これでめでたしめでたしだそうですが、この後もバカップル特集の番外編が一冊あるそうです。次の感想はリア充爆発しろ!で終始しそうな予感。

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2011年01月15日

レイヤード・サマー/上月司

4048702319レイヤード・サマー (電撃文庫)
上月司 さくらねこ
アスキー・メディアワークス 2011-01-06

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高校二年の夏休み。俺は、一夏の想い出ってやつを体験した。柑橘系の匂いが香る、ちょっと不思議な少女。彼女は、常識はずれな行動と共に、俺の許へとやってきた。時間さえも飛び越えて、俺の未来―これから死に行く人生を止めるために。これは、世界の何処かで起こった。ありふれた者同士の物語だ。

 想いのかさなる未来へ

 未来からやってきた少女と出会った少年が過ごした、『重なり合った夏』の物語。

 いい話でした。恋愛としてもSFとしても綺麗にまとまった秀作といっていいでしょう。
 未来から殺人鬼を追ってやってきた少女・庵璃と出会った主人公・涼平が、戸惑い、悩みながらもみんなが幸せになれる結末を目指して奔走するお節介焼きな姿にとても好感が持てました。
 正直、いつも作者が書いてるラブコメよりも、こういう純粋なボーイミーツガールの方が好きだなぁ。

 タイムトラベルの設定をレイヤー構造に捉えたところが新しいですね。
 ただし、新学期で三ヶ月を過ごした庵璃にとっては、夏休み中は未来にあたるわけで、未来が常に上書きされていく過去の下にあることになる構造がかなりややこしい。
 時間移動と平行世界は切れない関係にあるけれど、ちょっと複雑すぎて設定の矛盾を起こしそうだ。

 庵璃は平凡な日常に紛れ込んだちょっとした乱入者ってくらいで、メインヒロインは野々子で譲らないんじゃないか? 庵璃の気持ちはどうあれ、涼平の行動はお人好しの延長だったんじゃないかと。
 涼平とラブをしていたのは野々子さんだと思うなぁ。物語開始時からあとはキッカケさえあれば付き合っていたと思うし。あの告白の後で彼と彼女の関係がどう変わるのかが非常に気になります。

 ハルの犯行動機がちょっと浅かったかな。まあ説得で解決できないほど根深い問題でも困るけど。
 作中では詳しくは書かれていないが、ハルに服とお金をあげたのは忠史なんじゃないですかね。
 切なくも希望を持たせる結末だったのがよかったです。新学期からの物語が読みたいなぁ。
 それとやっぱり真冬に読む話じゃないような気がするな……。夏になったらまた読もうかと思います。

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2011年01月13日

おまえなんぞに娘はやれん/丸山英人

4048701835おまえなんぞに娘はやれん (電撃文庫)
丸山 英人 月神 るな
アスキーメディアワークス 2011-01

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 前世の記憶が蘇った高校生が巻き起こす、ちょっと変わったハートウォーミングストーリー。

 先輩を自分の娘として溺愛する主人公の行動すべてが痛々しくてついていけない……。
 前世の記憶が戻った途端、それまで赤の他人だった先輩・萌にストーカーのごとくベタベタし始めて、彼女がからむと都合よく思い込みに走ったり、思考が盲目的になる主人公・隼人がキモイ。
 いきすぎた親バカって、他人からみたら滑稽だと思うけど、それって別に面白くはないんじゃないか?

 完璧超人の生徒会長・皇徳寺を証拠もなしに萌のストーカー扱いするのは明らかにやりすぎ。
 皇徳寺ですら萌の恋人に相応しくないって、じゃあ、お前は萌の父親に相応しいと言えるのか?
 隼人の何が一番ムカツクかって、これまで父親としての義務を何一つ果たしていないクセに、父親の立場から娘の人生に過剰に干渉しようとしているところ。こいつに父親を名乗る資格はないでしょう。

 父親としての節度を見失ってて、「父親だから許される!」って免罪符を使い過ぎですよ。
 本当に妻や娘に苦労をかけて申し訳ないと思っていたら、するべきことが違うんじゃないかな。
 可愛い娘を甘やかして愛でるのは父親の特権だけど、隼人はそうした父親の良い面ばかりを味わって、それに見合う対価を支払っていない。娘から「お父さん、臭い」とか言われるべきだと思う。

 萌を愛するならば、何おいても萌のことだけを第一に大切にしなければいけないって、その条件だと、家族を置いて勝手に死んでしまった隼人はまず当てはまらないんじゃないかなと。
 コンセプトは悪くないのですが、親バカを強調するあまり、キャラクターが人間的に小さくなってしまったのが残念ですね。言葉だけでなく、もうちょっと頼りがいのある主人公像だったら見方も変わったかな。
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2011年01月12日

なれる!SE 3 失敗しない?提案活動/夏海公司

4048701819なれる!SE3 失敗しない?提案活動 (電撃文庫)
夏海 公司 Ixy
アスキー・メディアワークス 2011-01-06

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とある企業から出入り禁止処分となったスルガシステム社長・六本松。諦めきれない六本松がそのコンペに参加するべく自らの代打として白羽の矢を立てたのは、あろうことか新卒の桜坂工兵だった!右も左もわからないまま、立華や梢の力を借りて提案書の作成をはじめる工兵だったが…。

 営業は熱意の勝負

 新卒社会人の主人公とワーカーホリックな少女の新米凄腕コンビがおくる萌えるSE残酷物語。

 先日、SEの友人に「『なれる!SE』って、読み始めるまでが怖くない?」と聞いたら、「え? 1巻はともかく、いまはもうラブコメじゃん」と返してきた。それもそうですね。確かに何も恐れることはなかった。
 SEなのに営業活動をやらされて、提案書の作成技術ゼロから案件を巡って大手企業と競合に挑んだり、担当者に会うため社外で張り込んだり、SEならよくあること……じゃねーよ! なにそれガクブルだよ!

 えーと、SEって、提案書とか書くものでしたっけ? 読んだことはあるけど、SEの一般業務じゃないよ。
 腹持ちならないライバル大手企業に勝つべく、提案書作りに挑戦する室見、工兵、梢の三人組が、ラブコメを繰り広げつつ、意見を出し合って一つのものを作り上げていく光景が楽しそうでワクワクしてきますね。
 カモメさんも意外なスキル持ってるなぁ。机の周囲に糸を張り廻らしてるとか、ホント何者だ。

 しかし、そうやって努力しても室見や工兵の技術力以外の要素で提案が評価されていたりするのはやっぱり納得しがたい。大手企業の圧倒的な底力を思い知り、けれどもそこで諦めない工兵が格好良かった。
 上司を使い回す部下とか、やっと入社二か月目の新人ってレベルじゃないような。なんのこいつの熱さ……やだ、濡れちゃう。体当たりな彼のコミュニケーション能力はやっぱり営業向きじゃないのかな。

 いつにも増して専門用語が多かったように思います。これ読者の中でどれだけ分かる人がいるんだろうか。私も恥ずかしながら半分もわかりませんでした。
 室見たちのやってるネットワーク構築って、SEの仕事の中ではかなりハードよりのジャンルじゃない? そんなことないですかね? CやJAVAといったプログラミング言語を弄ってるだけがSEの仕事じゃないとは言え、次回あたりはアプリケーション開発とか、ソフトに突っ込んだ話をしてくれると私が嬉しい。

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2011年01月11日

神と奴隷の誕生構文 3/宇野朴人

4048702327神と奴隷の誕生構文III (電撃文庫)
宇野朴人 きくらげ
アスキー・メディアワークス 2011-01-06

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発展世界による侵略から後発世界を守るため、大陸統一を進めるロケィラ女皇・セレィ。三国同盟に成功し、盟主を務める彼女の次なる舞台は、同じ有角種が支配する中陸地域の大平原へ。中平原の覇者であるヘィロンと、東方を支配下においたセレィ。有角種同士の威信と覇権を賭けた戦いが始まる…。

 夢へかける疾走

 世界同盟を目指す有角種の君主と若き神との世界を越えた神々の戦いを描くファンタジー。

 導神の留守を任されて必要以上に頑張ってしまうサーリャが健気すぎてもう可愛くてたまらない。
 同じ有角種でありながら、同盟を目指すセレィと征服を企むヘィロンとで、すれ違う二つの主張の有益無益の差を血を流さない競技という決闘を介して解説していたのが上手かった。
 異なる種族のそれぞれの個性が際立つ展開が世界観に広がりを与えていました。

 ヘィロンの主張はありがちな選民思想なのだけれど、有角種ってそんな言うほど優れてましたっけ?
 有角種の利点って角を通じて心を伝えるってだけで、戦いに向いているとは思えないし、そんな能力があるのに身内同士で仲違いしてセレィの国はこないだまで滅亡寸前だったような。
 弱い民族が強い民族に従うという考えはそれこそ発展界と同じで、セレィたちの戦うべき人種差別の問題なればこそ、後々の禍根になってもここで正しておくことはいずれ来る戦いに向け重要でした。

 競技の中で見せた盲民種の知恵、長爪種の技術、牙種の勇気、そして有翼種の機転。
 どれが欠けても成し得なく、へィロンの否定した他種族の力でもぎ取った価値ある勝利でした。
 導神がいなくともお互いに支え合い懸命に己のなすべきことを成し遂げようと努力するヒロインたちの成長ぶりに胸がいっぱいになりました。

 肝心の導神さまはメリェと婚前旅行かと思えば、新しい女の家に転がり込んでなにやってんの……。
 ハーレム拡充ですね、わかります。各種族一人ずつコンプリートする気だなこれは。役得だなぁ。
 まあ重要そうな出会いもありましたし、神々のバトルも始まってしまったし、意味はあったのかな。
 しかし、今回でメリェ派から完全にサーニャ派に転んだ読者が多かったんじゃないだろうか。私もです。
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2010年12月16日

はい、こちら探偵部です 2/似鳥航一

404870155Xはい、こちら探偵部です(2) (電撃文庫)
似鳥 航一 よし☆ヲ
アスキー・メディアワークス 2010-12-10

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部の体裁が整った探偵部。ぼくらは玖梨湖の夢だった夏の全国探偵大会を目指すのだった。まずは、地区予選!探偵大会って、何やるのと思いきや、これはクイズ大会!?あたふたするぼくをよそに、住職さんの猫みたいな目がきらりと光り。そこから、ぼくらの快進撃が始まる

 正解はひとつじゃない!

 濡れ衣体質の少年助手と天然気味な美少女名探偵のゆるゆる探偵ラブコメ。

 ねこ推理にチャクラ探偵に波動の使い手とか、なんという探偵オペラ感……。
 全国探偵大会へと出場を果たした迅朗や玖梨湖たち探偵部ですが、肝心の推理らしい推理をあんまりしてないどころか、超能力やオカルトまがいの力が飛び交い始めて、あまりのグダグダっぷりに吹いた。
 そうか、この作品は推理ものじゃなくて異能バトルものだったのか納得、ってなんでですかー。

 迅朗のふにゃふにゃしたキャラクターが未だに慣れない。というか、またしても身に覚えのない濡れ衣を着せられてるのに最初から諦めて泣き寝入りする姿が不甲斐なくて無性にイライラしてくる。
 変身ヒロインズがみんな可愛いのだけが救いだけれど、軒並み天然でバカっぽいのは飽きるでしょ。
 脇役も最終的にやることは迅朗に冤罪を着せるだけで、みんなとてつもなく不条理キャラだしなぁ。

 チャクラ探偵の人は、どうして能力発動中に迅朗に「お前が犯人か?」と質問しなかったのだろう。
 他の探偵部の推理レベルがちょっと低すぎじゃないかな。ここまでキャラクターが知的に見えないのは逆にすごい。いや、迅朗や玖梨湖たちにも言えるんだけど、お前ら本当に義務教育終了してんのか!
 そして絶体絶命のピンチも突然目覚めた特殊能力で問題解決という、これまたベタな……。

 ラブコメパートは歯が溶けるくらい甘ったるくて、推理パートがジャンクフードみたいに微妙な味でした。
 ただまあ、この作品はこれでいいんじゃないか? これは間違っても推理小説じゃないが、ここまで推理とはかけ離れたものを堂々とやってくれると、これは元々こういう作品なのだと思える。
 正直、あまりつっこんだら負けな気がしてきた……。1巻も地雷臭が漂っていましたが、2巻で地雷を超えた何かに進化しやがった。この物語はどこからきて、どこへいこうとしているのか……。
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2010年12月15日

さくら荘のペットな彼女 4/鴨志田一

4048701231さくら荘のペットな彼女(4) (電撃文庫)
鴨志田 一 溝口 ケージ
アスキー・メディアワークス 2010-12-10

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いよいよ待ちに待った文化祭が始まった。楽しいこと盛りだくさんのはずだったのに、なぜだか俺は、問題児の集まり『さくら荘』で、寮のメンバーとゲームを作っていた。そう、美咲先輩の一言で始まったゲーム『銀河猫にゃぼろん』の制作が大詰めを迎えていたのだ。

 ずっと君のそばにいる

 才能はあるが生活破綻者の少女の世話係になってしまった少年のボーイミーツガール。

 こんな高校生活おくってみたかった。リア充だらけで、うらやましすぎるぞこんちくしょう!
 さくら荘合作『銀河猫にゃぼろん』を文化祭で成功させ、やる気は十分だけどゲーム会社への応募は落選続きの空太と次第に絵以外の事に興味を向け始めたましろの成長ぶりが微笑ましい。
 将来の夢と恋愛の両立に悩む彼らの姿がまさに青春そのもので甘くてちょっぴり切ない。

 文化祭当日までデバック作業に追われる空太ですが、ゲームを作るためには企画書だけじゃなく、その後も膨大な開発作業があるってことを身に染みて体験できて、いい経験になったんじゃないかな。
 そうして作ったゲームを楽しいと言ってもらえた空太の喜びは読んでいるこちらまでグッときました。
 ドラゴンのウェイトレス姿に見惚れて女性陣からの冷たい視線に晒される空太が見たかったのですが、彼の女装が口絵だけだったのが残念といえば残念。

 文化祭が終わって以降も相変わらず無防備なましろにドキドキさせられっぱなしの空太ですが、ましろの側も空太に対する想いが止められなくなって、自分の初めての気持ちに戸惑う不器用な彼女がもう可愛いくて、いじらしくて部屋中を萌え転がりましたよ。
 ちょっとしたことでお互い喧嘩してしまったけど、それだけ相手のことを真剣に思っているからで、その気持ちを素直に伝えればいいのに!と、もどかしい気持ちでいっぱいでした。

 ましろと空太はほのぼのと見ていられますが、美咲と仁のお互いを傷つけ合うような関係が辛い。
 空太の前では大人らしいアドバイスを口にするクセに、どうして仁は美咲の想いに正面から向き合ってやれないのか。大切にしているつもりで逆に美咲を傷つけていることぐらい分かっているだろうに……。
 あと数ヶ月で卒業の迫る二人ですが、それまでにどうにかできるのか、次回も目が離せません。

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2010年12月14日

ソードアート・オンライン 6 ファントム・バレット/川原礫

4048701320ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット (電撃文庫)
川原 礫 abec
アスキー・メディアワークス 2010-12-10

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キリトは、銃が支配するこのゲーム・“GGO”で唯一“光剣”を駆使、“BoB”を勝ち進む。その奇抜な戦闘スタイルが話題となり、徐々にゲーム内での知名度は上がっていった。そして“BoB”決勝。数多の強敵がひしめく“バトルロイヤル”の中、ついに“死銃”が姿を現す。

 幻影を討ち破るその先に

 仮想世界で撃たれたものは現実世界でも死ぬ《死銃》の謎を追う黒の傭兵のVRファンタジー。

 いやぁ、逆プロポーズされるキリトさんやっぱりパネェという他ありませんね。
 BoB決勝バトルロイヤルへと進んだキリト。戦場の中でシノンとの共闘を果たし、《死銃》の正体を追い求め、命を賭けた戦いを通して己の過去と向き合っていく二人の姿に揺さぶられました。
 勘で弾丸回避とか、生存フラグとか、どうしてそんなにパネェのかキリトさんのビルド構成が知りたい。

 キリト無双はもう反射神経とかで説明できる範疇超えてもはやオカルトの領域ですよ。
 そしてキリトさんだけシステム外スキルで《女たらしスキル》でも習得してるんじゃないのか?
 口では散々罵っておきながらキリトを意識してしまうシノンが可愛すぎます。怒りであれ、悔しさであれ、停滞していたシノンの心を突き動かしたキリトさん、やはり普通の人とは違う何かを持ってる。

 そんなキリトですらトラウマに苦しめられるけれども、己の弱さを認めることもまた強さなんだろう。
 罪を背負って生きていくのは想像を絶するほど辛いことだろうけど、それが彼らの選んだ現実なんでしょうね。ましてや《死銃》のように現実から目を背けて仮想に逃げてはいけない。
 犯した過去は決して消えないが、それで誰かを救えたとしたら少しは報われるだろうし、現実には苦しい時に慰めてくれる仲間がいる。本当にシノンに必要だったのは、弱さを殺す強さではなく、自分の罪を知っても受け入れてくれる友人だったんじゃないんでしょうか。

 ときにシノンのキリトに対する思いは、他の女の子たちとはちょっと違うんじゃないかな。同じ傷を持った者同士の親近感、苦痛を分かち合える理解者とか、それこそ戦友のような感情だと思いました。
 ハーレムには加わるんだろうけど、愛銃がコンバートできないから《ALO》にくることは無いのかしら。
 今回はページ数は相当厚かったはずなのにそれほど読んだ気がしないどころか、もっと読みたいとすら思ってしまう。ラフコフの残党や菊岡の正体など、新たな伏線も引かれ次回への期待が高まります。



 ここから脱線話ですが、RPGにおけるステータス振りとか、装備品のそろえ方とか、プレイスタイル云々は、一般的な強い弱い、勝ち負けじゃなくて、自分がどうありたいか、どんなプレイをしたいか、自分好みのスタイルを選んでプレイしないと何も面白くないと思うんですよね。
 ポケモンでも名言があるじゃないですか、『強いポケモン、弱いポケモン。そんなの人の勝手、本当に強いトレーナーなら好きなポケモンで勝てるように頑張るべき』。
 ガブリアスやボーマンダ使って勝っても全然自慢できないし、人と同じものばかり使ってもつまらない。

 モンハンならニコ動とかで火事場縛りプレイとかしてる人いるじゃないですか。あそこまで遊び尽くしている人こそまさに尊敬に値しますよ。さすがにアレはなかなか真似できませんwww
 いまはMHP3にハマってますが、MHP2Gのときは狩猟笛に抜刀術を付けた、抜笛術ハンターでした。XLinkで何戦もしてたけど、同じ装備構成の人はいなかったし、一緒に狩りに行った人も楽しんでもらえたと思う。
 そうやって自分流を見つけ出すのもゲームの面白さなんじゃないでしょうか。ゲームは人の本性が現れるともいいます。ゲームは自分探しですよ、みなさん。

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2010年12月13日

ウェスタディアの双星 8 最終決戦の章/小河正岳

4048701290ウェスタディアの双星(8) 最終決戦の章 (電撃文庫)
小河 正岳 津雪
アスキー・メディアワークス 2010-12-10

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銀河に衝撃を与えた三国同盟の発足。面子を潰されたルフェールは二万の大軍をウェスタディアへと侵攻させる。約定を違えることなく、同盟国からは援軍が出撃する。だが、その数を加えても同盟軍は一万三千隻とルフェールの大軍には遠く及ばない数だった。

 理想の輝く星々の海へ

 弱小国家ウェスタディアを引き継いだ若きお姫様のために男たちが立ち上がるスペースオペラ。完結。
 俺たちの本当の戦いはこれからだ!って幕切れでしたね……どうせなら最後までやって欲しかった。
 三国同盟の成立により威信を傷つけられた大国ルフェールの武力制裁に対して、主義主張の違いから仲違いしてしまうバドエルとアルファーニですが、そんな双星の危機にかつての戦友である将軍たちが駆けつける光景に胸が熱くなりました。どんな強敵にも負けない絆の力を魅せてくれました。

 向かい来る大軍を討つために多少の犠牲やむ無しと考えるアルファーニが理性的には正しいが、勝利のためとはいえど民を見捨てるべきでないと訴えるバドエルを心情的には応援したいな。
 不利な状況を分かっていて単騎で飛び込んでいくバドエルはつくづく無謀というべきか、勇猛というべきか。でも、その義理人情に厚いところが信者を生む彼の人徳なのかもしれませんね。

 しかし、そこから逆転への奇策を編み出すアルファーニの底意地の悪さというか、相手を罠に陥れる陰険さはどこから湧いてくるのか。普段はただのヘタレなのにここぞというときに頼りになりますよね。
 ウェスタディアを守るために要塞に篭って奮戦するユリアヌス、敵陣を突破するために電撃戦を仕掛けるバドエルなど、ハラハラさせる場面の連続でしたが、いつか援軍がくると信じて懸命に戦う姿に燃え、実際に仲間が助けに現れたときにはもう感無量でした。

 駆け足気味な後半とルシリアとチェザーリの恋の結末には少し不満が残りますが、大国の圧力に屈せず、友愛の精神でもって立ち向かったウェスタディアの理想が銀河に広がっていくことを祈ります。
 まあ、シリーズ通してアルファーニの奇策に敵が次々とハマっていくところにご都合主義を感じなくもないのですが、スペースオペラの艦隊戦や要塞戦といった基本的なエッセンスは詰まっていたと思います。
 読みやすいのでスペースオペラの入門書としてオススメです。スペオペとしては全8巻は手頃な文量で完結したことですし、未読の方はいまから読み始めてもいいんじゃないでしょうか。

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2010年11月19日

@HOME 我が家の姉は暴君です。/藤原祐

4048700480@HOME 我が家の姉は暴君です。 (電撃文庫)
藤原 祐 山根真人
アスキー・メディアワークス 2010-11-10

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とある事情から親類の『倉須家』に引き取られることとなった僕。だけどそこは、血の繋がらない六人のきょうだい達が住むという妙な家だった。ともあれ倉須賀次男としての新しい生活はどうにか順調だ。…次女のリリィが何故かやたらと僕にキツく当ってくる以外は。

 波乱家族日記

 血の繋がらない七人のちょっと風変わりな家族たちの織りなすハートウォーミングストーリー。

 暴君のように傍若無人に振る舞うけれども家族愛全開な姉が素敵でした。
 事故で両親を亡くし、遠縁の家に引き取られることになった主人公・響を温かく迎えたのは血の繋がらない六人の兄妹たち。実に個性的な家族との波乱万丈な生活ぶりが面白かったです。
 変人だらけな家庭内での喧々囂々の掛け合いや丁々発止の言葉遊びも楽しめました。

 毎日のように響をパシリにして虐げている姉リリィですが、それもこれも家族故の遠慮の無さ、家族としての信頼や愛情あってのワガママなんだと次第にわかってくると不思議と許せちゃいますね。
 普段の傲岸不遜な態度も、自分の気持ちをストレートに伝えているだけなんだろうなぁ。
 横暴で理不尽なんだけれども、その裏にはしっかりと家族愛が込められているのが微笑ましかった。

 リリィ以外の兄妹たちも新しい家族である響の存在によって、ときには心が揺れて不安定になったり、気持ちがすれ違ってしまうこともあるけれども、お互いに支え合って、寄り添い合って家族関係を築きあげている姿に思わず目頭が熱くなりました。いやぁ、家族の絆って、素晴らしいですね。
 兄妹それぞれにもこの家に来るまでに抱えた事情があるようですが、それについてはまた次に期待。

 タイトルからしても暴君な姉リリィがクローズアップされていますが、それぞれタイプの違う六人の兄妹の中で読者ごとにお気に入りの子を見つけてもいいんじゃないかと。
 これまでの藤原祐にしては藤原祐らしくなく、ほのぼのとした家庭的なお話でしたが、あとがきを読んで事の経緯がわかった。あー、確かに向こうの作品のあとがきでも、同じようなこと書いてましたね。

 ってか、ここに名前を連ねているあとの作家さんも、今後これから家族ものを書く予定があるということですね、わかります。いっそアンソロジーでやればいいのに。
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2010年11月17日

撃路崎真咲の密室プレイ/相生生音

4048688820撃路崎真咲(うつろさきまさき)の密室プレイ (電撃文庫)
相生生音 松竜
アスキー・メディアワークス 2010-11-10

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目を覚ますと、世界は真っ暗闇だった。唯一わかったのは、自分が拘束されている、ということだけ。やっと慣れてきた目をこらすと、眼前にはなぜか腕組み仁王立ち少女。撃路崎真咲、と名乗る彼女は、何かしら企んでいるようで、かいつまんで言うなら、密室での濃密プレイをご所望だった。

 完全な負け戦、だがそれも面白い

 完全無欠の生徒会長に挑む負けず嫌いの少女とその共犯者になった少年の学園ラブコメ。

 タイトル詐欺&あらすじ詐欺乙。イラストに釣られた名無しさんm9(^Д^) ・・・まあ私もですが。
 すべてにおいて完璧超人の生徒会長・欧社橋瞠子に一方的な対抗心を燃やすヒロイン・真咲と主人公・臣哉が密室であーだこーだと無駄話を繰り広げるだけなんですが、これが意外と愉快でした。
 週刊少年ジャンプネタとキャラの掛け合いが好きな人には楽しめるかもしれない。

 メインヒロインである真咲は、大金持ちのお嬢様である事以外は一般人と比較してもダメダメっぷりが目立つ実に残念な子で、そんな中の下な彼女がもはや《人類最終》レベルに達している欧社橋瞠子に挑戦するなんてのは『身の程知らず』という言葉がピッタリなんですが、戦う前から負けるとわかっていても挑み続けるバカ正直な生き様が微笑ましかったですね。
 無鉄砲で不器用な彼女が、惨めに失敗してはまた立ち上がって健闘する姿に見惚れました。

 実際に瞠子本人は作中に登場していないのに、伝聞だけでキャラがしっかり掴めるのがすごい。
 ってか、弟の臣哉への溺愛っぷりが際立ってますね。なにこれ、姉萌え歓喜なの?
 真咲の挑戦に付き合ううちに臣哉も徐々に彼女に惹かれていくんですが、その時点である意味ではすでに瞠子に勝っていると言えなくもないのに、気付かないところがなんともニヤリとしてしまう。

 主人公とヒロインふたりだけのの会話劇オンリーというのは斬新でしたが、ただ他の登場人物の出番があっても悪くはなかったと思いますね。撃路崎さん家のメイド隊をもっと見たかったです。
 それとやっぱりストーリー性が薄いというか、あとがきでも作者が言ってるように内容が無い。主人公とヒロインが密室でイチャイチャしているだけの話では、続編はちょっと辛いかも。さらなる進展はあるか?
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2010年11月16日

なないろリバーシブル/麻宮楓

404870060Xなないろリバーシブル (電撃文庫)
麻宮 楓 Show
アスキー・メディアワークス 2010-11-10

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百瀬透香。彼女は服が徐々に透けていく呪いに悩まされていた。まさか初対面がこんな形になるとは思ってなかったけど…今回の僕のターゲット、透香を確認した―。服が透けてく呪いにあえぐ彼女と一緒に、ラブコメリバーシブル開幕―。

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 服が透ける呪いにかかった少女とそれを治療する反転師の少年の学園ラブコメディ。

 この作者の作品はやっぱりリアリティがおかしいんだが、コメディなら許される範疇……なのか?
 ヒロインの呪いを主人公が解呪するシーンが、治療と称していたいけな女の子にアレなことを強要しているようにしか見えないが、全体的なエロ描写としては全然ライトすぎるなぁというところ。
 う〜ん、ギャグコメディとしてはクスリともしなかったし、エロコメディとしては色気が足りませんよ。

 コメディにしてもツッコミどころ満載で、気になって物語に浸れず現実に返っちゃうんだよなぁ。
 主人公、わざわざ転校してくる必要なくね? 学校の外で患者と会っても、なんら問題はないというか、代々続く職なら診療所や病院を構えて患者を受け付けた方が無駄が少ない気がするんですが。
 透香の治療にしても『透化』の症状を見て治療法がコスプレって、理屈がおかしいような。私はてっきり「自分なんか消えてなくなりたい」なんて根の深そうな悩みを持ってるのかと思ったけど。

 透香や音々子に続き全校生徒呪持者って、そんな特殊な学校、仮にも専門家なのに知らないの?
 同じ境遇の者たちの心の救済のためっていう目的も、それちゃんと生徒間で周知されてないと意味ないし、そもそも呪持者たちのために学校作るほど組織的なバックがあるなら最初から病院作って反転師常駐させろよっていう。設定が建前だけで、ストーリーの作りが甘い。

 まあそもそもキャラクターもそこまで魅力的には感じなかったり……。
 ヒロインは可愛いことは可愛いんですが、表面上の可愛さだけでキャラとしては薄っぺらいし、まず主人公のキャラが死んでいるというか、反転師として同世代の若者より特殊な経験しているんだから、もっと独特の感性を持ってて当然だと思いますけど、あまりに普通というか個性が無いのが違和感に感じましたね。
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2010年10月18日

平安鬼姫草子 神ながら神さびせすと/黒狐尾花

4048689681平安鬼姫草子―神ながら神さびせすと (電撃文庫 く 7-1)
黒狐 尾花 さらち よみ
アスキー・メディアワークス 2010-10

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“姫殺し”と呼ばれる『怪異』が起こる京の都。若く未熟な陰陽師の少年・坂上鈴城は、左近衛府に所属する少年・源頼親を誘い、独自に『怪異』捜査を始める。二人が無謀な行動に出たその裏には、鈴城の従姉妹、鬼の血を受け継ぐ少女・結鹿の嫌疑を晴らしたいという想いがあった。

 叶わぬ想いに世は乱れて

 鬼の血を受け継ぐ少女と異能の才を備えた少年たちが織りなす切ない陰陽奇譚。

 美少女の妹を持ったイケメン兄ちゃんズのシスコンっぷりにニヤニヤです。
 鈴鹿御前の血をひく鬼の子でありながら、陰陽師・安倍晴明の元に引き取られ、多くの義兄や従兄弟たちから愛されて育ち、そんな義兄たちを一途に慕う健気な結鹿がとても可愛かった。
 おどろおどろしい空気の満ちた平安の都の中にあって結鹿を包む優しい雰囲気に和みました。

 ヒロインである鈴鹿は抜群に可愛いんですが、それを取り巻く男どもがいいんですよね。
 宮中の女性ばかりを狙う妖魔の嫌疑から愛する妹・結鹿を守るべく、陰陽師見習いの鈴城や彼女に片思い中の頼親が妖怪退治に出かけ、ところが守るはずの結鹿に逆に守られてしまって上の兄たちから大目玉を食らったりするところなんて、勇ましくも初々しくて微笑ましい。

 晴明の元に集められた義兄妹たちは、神の眷属や妖魔の血を少なからず引いていることもあって、どこか普通の人々とは違うところもあるんですが、それだけに家族の絆が強いんだろうなぁ。
 結鹿と義兄たちの交流もそれぞれ心温まるものでしたが、中でも結鹿と鈴城のお互いを想い合うひたむきな気持ちが素敵でした。頼親くんは、もっと頑張りましょう。まずは気持ちを伝えるところから。

 鈴城の「お前の鞘になる」宣言は、どう聞いてもプロポーズだなぁw
 人間であれ妖異であれ、ままならない恋路の果てに苦しむのは同じなのですね。誰しもが恋に悩み、恋に生きる姿がまた平安時代の艶やかさと儚さをよく表していました。
 ところで晴明は……どうしてこうなった! いや、これはこれでいいですね。斬新な解釈!
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2010年10月15日

ウチの姫さまにはがっかりです…。/鈴木鈴

4048688812ウチの姫さまにはがっかりです…。 (電撃文庫 す 5-22)
鈴木 鈴 藤真 拓哉
アスキー・メディアワークス 2010-10

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女神のような美貌と優しさで万民に愛される王女・イリステラ。しかし騎士見習いのアッシュはある夜、彼女と宮廷メイドのティリエルが人には言えない『趣味』に勤しんでいるところを目撃してしまう!アッシュは「ダメだこの人」と絶望し、彼女の矯正を決意。しかし、そんな彼に次々と困難が降りかかり……。

 お姫さまのお秘め事

 ドSなお姫さまとドMなメイドと落ちこぼれ騎士見習いが繰り広げるファンタジー&コメディ。

 これはよいがっかり。お姫さまとメイド長の変態っぷりがほとばしっていて笑えました。
 敬愛するお姫さま・イリステラの秘密を知ってしまい、誰にも言わないという約束を守るために奮闘する主人公アッシュの一本気な姿に感服するばかりですが、肝心のイリステラが自重しないな!
 お姫さまの所業にドン引くか、それとも甘いと感じるかで、読者のドM力が試される内容ですね。

 それにしても、王族全員ドSって、いつその矛先が国民に向くか分からなくて恐ろしい……。
 純真無垢なサドというのも奇妙ですが、お姫さまが自分の性癖をよく理解していない天然だから一見ピュアに見えてしまうんですよね。本人は「遊び」と思っていても、やっぱりSMプレイなんだが……。
 誘惑に負けがちなお姫さまに「それはいけないことだ」と面と向かって言えるアッシュがよかった。

 話が進むたびにお姫さまの株がどんどん落ちていきますが、かえって親しみがわいてきます。
 ちょっぴり意地悪だったり、気まぐれだったり、アッシュを振り回すところがなんとも愛らしかった。
 次第に敬意を払わなくなっていくアッシュですが、それでも襲い来る魔物からお姫さまを守るために命を投げ出す忠義心が素晴らしい。騎士である以前に男としてあるべき姿を魅せてくれました。

 ドSなお姫さまも悪くはありませんが、ドMなメイドさんが欲しいですね。
 お姫さまが更生する前に、アッシュが"目覚める"のが先じゃないかなって気がする。
 しかし、最近の残念系ヒロインブームって、いったい誰が扇動しているんだろうか……。
 キャラの一要素だけで収まっているならいいが、ストーリー自体が残念系とならないように願いたい。

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2010年10月13日

キノの旅 14/時雨沢恵一

4048689673キノの旅 14―the Beautiful World (電撃文庫 し 8-33)
時雨沢 恵一 黒星 紅白
アスキー・メディアワークス 2010-10

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「つい先月のことだ。この国では、法律で×××××が禁止された! それまで普通に買えたし、楽しめていた×××××だが、今はもうダメだ! 製造も販売も購入も、ましてや単純所持もダメだ! 俺なんか、働いた金で買った×××××をすべて提出しろと言われたぜ! 提出しないと、逮捕だ」(「規制の国」より)

 正義ほど悪いものはなし

 主人公の旅人キノと二輪車エルメスがさまざまな国を訪れる連作短編。

 相変わらず、社会を皮肉った風刺が多いですが、今回はそれにしても短めなお話が多かった。

 twitterネタのお話(「呟きの国」)は、いつかやると思ってました。むしろいままでやってなかったのが不思議なくらい。時雨沢先生がやってるのはずっと前から知ってましたが、私はフォローしてません。
 というか、ラノベ作家のフォローはまったくしてません。だって、私の発言の大部分がdisだから作家さんたちには到底聞かせられないよ!

 「規制の国」で私が浮かんだのは、ラノベを低俗と一方的に決めつける一般文芸読の人たちだなぁ。
 人それぞれ感性が違うんですから、何が高尚とか、低俗とかいいじゃない。自分が面白くなかったからって、他人までそうとは限らないんだし、それなのに酷評とか作家に失礼とは思わんのかね( ゚д゚)!
 ↑とか、大ぴらに言いたいんだけど、自分を棚に上げましたさーせん。

 酸いも甘いも噛み分けた師匠が素敵な「開運の国」や爆発大好きティーが可愛い「亡国の国」も味がありました。どうせならもっと登場して欲しいが、レアキャラだからこそ希少価値もあるんだろうなぁ。
 そう言えば、「結婚の国」の中で、外見の良さというのが条件に挙がらなかったのは、いまさら挙げるまでもなく必要最低限の事だからってことですね、わかります。スタートラインにすら立てない俺オワタw

 「正しい国」が一番秀逸でしたねー。これは日本だけじゃなくて他の国々の人にも読ませたい。
 ところでいつもなら割とストレートでわかるんですが、「遺作の国」の寓意はなんだろう?
 作家本人はのんびりしたいのに、作者を殺してまで本を売ろうとするのが出版社なんだって、それは自分のことを言ってるのか? 書かないと殺されるとか、え、なにそれこわい。十周年おめでとうございます。

 恒例のあとがきネタですが、もはやヤケになってるな。カバー裏とか、無駄なコストをかけてよくやる。もう後に引けなくなっちゃってるんだろうなぁ……。さて、次回はどこに出現するのか。
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2010年10月12日

なれる!SE 2/夏海公司

4048689371なれる!SE 2 (電撃文庫 な 12-7)
夏海 公司 Ixy
アスキー・メディアワークス 2010-10

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桜坂工兵が出会った同僚の姪乃浜梢は、小動物系でちょっと天然な気もあるかわいい女子だった。しかし、システム運用担当の梢は、そのシステムを構築する工兵の見た目子供の鬼上司、室見立華と犬猿の仲で──。

 運用は計画的に

 新卒社会人の主人公とワーカーホリックな少女の新米凄腕コンビがおくる萌えるSE残酷物語。

 SEはこんなリア充じゃねーよ! これが真実なら俺が泣きたくなっちゃうだろ……。
 システム運用を巡っていがみ合う、SE部の室見とOS部の梢との間で板挟みにあう工兵の姿を眺めて身につまされる事柄が多すぎてなんだかこっちの胃が痛くなってきました。
 こんな可愛くて仕事のできる子たちが職場にいたら、SEは誰も身体壊さないですよ。

 工兵は不満を感じていますが、飲み会の調整は新人の仕事でも定番です。
 ですが、さすがに飲み会の席まで仕事を持ち込んでる室見はどれだけ仕事人なんだよ。
 カモメさんに叱られるのも仕方ないけれど、カモメさんは室見の嫁というよりは、もはやお母さん。
 しかし、騒動を放置して真っ先に逃げる上司って……。この会社、相変わらず上司がダメすぎ!

 梢との偶然の出会いから社内のSE部とOS部の確執を知って事態の収束をはかるものの、双方の主張もそれぞれ一理あるだけに、どちらが譲る譲らないとかの問題じゃないのが難しいですね。
 深夜の社内メールの応酬には笑いました。書き始めはビジネスメールなのに次第に子供の喧嘩にw
 解決に大切なのは信頼関係という藤崎さんの助言が適当に感じたけど、まあそうかも知れない。

 室見も梢もお互いに仕事に対して妥協を許さないからこそ衝突するんでしょうね。
 ただ構築には構築の事情があり、運用にも運用にしかわからない苦労があるわけで、日々の作業に追われる双方のコミュニケーションや意思伝達の不足が騒動の原因だったんじゃないかな。
 でも、そう考えると、やっぱり普段からディスコミュニケーションな室見が悪いんじゃ……あれ?

 新キャラの登場による三角関係の発生で、ラブ要素も増えてきて面白くなってきましたが、SEの実生活とはやや物語の焦点がズレてきたような。まあエンタメとしては正しいんだけれども。
 ときに先月行われたラノサイ杯では意外なほど票が集まっていましたが、周囲のSE経験者の反応を聞いても、「何故、これがランクインしたし!」とやっぱり驚愕した模様。こんな誰得な作品がよくもまあ。
 いったいどこの層の支持を受けているのか、ちょっと聞いてみたいものです。

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2010年10月10日

ヴぁんぷ! 5/成田良悟

4048689282ヴぁんぷ! 5 (電撃文庫 な 9-36)
成田 良悟 エナミ カツミ
アスキー・メディアワークス 2010-10

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【心を読む吸血鬼、無口な人狼の少女、吸血鬼探偵、『血族』の男女、そして、事件を追うTVクルー。吸血鬼と人間、そして半人半鬼は、猟奇的な夜に何を思うのか──この続きは、是非君の目で確かめてくれたまえ】

世界の絶望が聞こえる

 人間と吸血鬼の愛を紡いだ、世界で一番「吸血鬼らしくない吸血鬼」の物語。

 え、レリックさん、まさかのNTRっすか。それでイラって世界ぶっ壊すとかマジ勘弁してくださいよ。
 グローワース島で連続殺人事件が起こり、さらには『血族』の吸血鬼までやってきて、レリックとヒルダがとんでもない事態に陥り、島の危機に颯爽と駆けつけるヴォッドさんが神々しすぎて噴いたw
 ついに今回は市長のターン! いままで小物とか言っちゃってサーセンwww

 推理しない名探偵に人の心を読む覗き屋。相変わらず、『組織』の幹部連中は、ロクでもない。
 まあそもそもバルシュタイン城の吸血鬼たちを始め、まともな吸血鬼が登場した例もなかった。
 パメラも本来なら正しいことを言っているんだけど、この島じゃその常識は……ねぇ?
 というか、マジーが女からモテる…だと……!? なんであいつが……、リア充爆発しろ!

 突然の出来事に城主の座が重荷となって振りかかったレリックが可哀想でした。
 ましてや無関係のヒルダまであんなことに……。事前にこれから起こる悲劇が分かっていて面白半分興味半分で見過ごした約一名は、ちょっとレリックとヒルダに殴られてこいや!
 いつも傍若無人なヴォッドさんですが、迷える若者に道を示す素晴らしい大人でした。本当にいいツンデr…じゃなかった、いい市長だよなぁ。

 今回は市長に見せ場を取られましたが、彼は彼のペースで成長していけばいいんじゃないかな。
 レリックとヒルダはもうそれまでの関係ではいられなくなってしまったけれど、かといって二人の愛にはなんの障害もないだろう。なんかヴォッドさんはいろいろ言われてたけど、死亡フラグじゃないよね?
 期待と不安を孕みつつ、最後の最後でさらに急展開。いつもながら引きが秀逸すぎる……。
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