ダフロン

2017年03月21日

キラプリおじさんと幼女先輩/岩沢藍


女児向けアイドルアーケードゲーム「キラプリ」に情熱を注ぐ、高校生・黒崎翔吾。親子連れに白い目を向けられながらも、彼が努力の末に勝ち取った地元トップランカーの座は、突如現れた小学生・新島千鶴に奪われてしまう。クリスマス限定アイテムを巡って巻き起こる、俺と幼女先輩の激レアラブコメ!

 俺より可愛い奴に会いに行く

 女児向けアーケードゲームに情熱をかける男子高校生と女子小学生のラブコメディ。

 うわ、幼女先輩つよい。女児向けアーケードゲームは可愛さで相手を殺すゲームだったのか。
 女児向けアーケードゲーム「キラプリ」ガチ勢である主人公・黒崎翔吾と女子小学生の新島千鶴がぶつかり合いながら、ゲームを通じて年齢の差を越えた友情を築いていく姿が微笑ましかったです。
 しかし女児向けゲームにルナティック級の難易度を設定するキラプリ制作スタッフは絶対頭おかしい。

 女児向けゲームをプレイするためにバイトしたり、ファッション誌を読んだり、生活をかけている翔吾の廃人っぷりが可笑しいです。どう見てもアブない奴ですが、ここまでやってるなら逆に尊敬するわ。
 そんな翔吾を小さな女の子がコテンパンに叩きのめすから面白いんだ。格下にプレイする権利はないとばかりに翔吾を鼻であしらうドS幼女な幼女先輩の毒舌の嵐がご褒美すぎます。俺も罵られたい。

 負けず嫌いで意地っ張りで生意気な千鶴ですが、お嬢様らしく変なところで世間知らずだったり、背伸びしていたり、まれに弱みを覗かせたり、年相応の女児っぽいところもあって本当に可愛いんです。
 初めはお互いにいがみ合って敵視していた二人が、己の可愛さを競い合ったり、映画館に行ったりするうちに、対等な相手として認め合い、力を合わせて困難を乗り越える展開に胸が熱くなりました。

 本気の趣味をバカにされ理解されない辛さや孤独は、オタクやゲーマーなら誰でも身に沁みて感じた経験があるんじゃないでしょうか。カラオケやパーティも結局は達成感や充実感を得るために参加するわけで、目的や行動が違うだけでゲームだってアイドルのライブだってみんな同じだと思うんですけどね。
 千鶴の境遇が明かされておらず、まだポテンシャルを隠しているようなので次回に期待です。
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2016年09月12日

クロバンス戦記 ブラッディ・ビスカラ/高村透

4048923501クロバンス戦記 ブラッディ・ビスカラ (電撃文庫)
高村透 p19
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2016-09-10

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革命勢力「黄金の地平」の一員である少年ビスカラは、クロバンス王国を変えるために、多くの少女たちとともに命を省みず戦っていた。のちの歴史家は言う。「ビスカラは英雄だ」と。しかし、若きビスカラの前に広がっているのは、普通の人間では耐えられないような血塗られた道だった。

 最大多数の幸福のやむなき犠牲

 過去に遡る「リテイク」の力を得て、のちに英雄となる少年の血塗られた道を綴る悲壮なるファンタジー戦記。

 ハーレムものかと思いきや、ヒロインがどんどん死んでいくやつだわー。こういう救われないの好きです。
 時間を遡って失敗をやり直す「リテイク」の力を与えられた革命家の主人公ビスカラが、政府軍と戦い、貴族によって腐敗した現政権を打倒していくのですが、リテイクの代償として愛する人を犠牲にしなくてはならず、最大多数の幸福のために大切な人をその手で殺していく、理想と現実の間で懊悩する姿に胸が痛みました。

 ビスカラは新興貴族の生まれで、貴族や金持ちが通うエリートの高等学校で主席をとるほどの優等生ながら、素行不良で民主主義に傾倒して、反体制運動にも参加する問題児なんですが、『血の行進事件』という政府軍による市民虐殺を機に、美しき指導者ラスカリナと共に革命軍を立ち上げ国家に戦争を挑むことになる。
 病弱なのに性格は苛烈な絶世の美少女ラスカリナの民主論の信念や熱血的な言動に惹かれますね。

 もともと長引く戦争と内戦によって労働適齢期の男性人口が極端に減り、革命軍といっても貧困層の子供や女性たちばかりで、指導者ラスカリナを始めとして、ビスカラの周辺は女の子揃いなんですが、どの娘も理想に酔っていて現実が見えておらず、戦術もなしに本職の正規兵相手に玉砕特攻をしかけていくような視野の狭さが危なっかしく、士気は高いにも足元がグラグラで、いつ破綻してもおかしくない組織像がヒヤヒヤさせらる。

 幹部の中では唯一、政治や経済に通じ、理想を掲げながらも現実的な判断ができるビスカラにさまざまな負担がのしかかっていくのですが、実働部隊を率いる副長ベルナレットと派閥争いを繰り広げることになってしまい、ビスカラなしでは資金も資材も整わず運営が立ち行かない組織を支える要でありながら、強権を振るう者として同胞からもよく思われていない人間関係がなんとも報われません。

 政府軍と比べれば、力でも数でも装備でも劣る革命軍を率い、奇抜な戦術を駆使して奇跡的な勝利を繰り返し、一見すると革命軍が勢いに乗って絶好調のよう見えても、すべては「リテイク」によって知り得た相手の策を逆手に取っているだけで、戦のたびにその生け贄としてビスカラが大切に思う人がひとりずつ亡くなって、周囲が、勝ち戦の喜びに沸くなかで一人、誰にも知られずに苦悩を抱える姿がやるせない。

 ビスカラも革命が掲げる最大多数の幸福を実現するためのやむなき犠牲と理性では割り切りつつも、本当は殺したくなんてなくて、しかし、すでに払ってしまった命を無駄には出来ず、悲しみと罪悪感で自分を責めながら止まることも引くことも許されず、少女たちを手にかけていく、しかしビスカラのことを誰も責めずに粛々と死を受け入れる献身がまた切ない。稀代の戦術家としての栄光の道を歩むと共に、引き返せない孤独の道を歩んでいく展開が読んでいて辛かった。

 英雄とは孤独なものであると言われるが、誰しもが臨んでそうなるわけではないというのを思い知らされる一冊
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2015年05月16日

僕と彼女のゲーム戦争 8/師走トオル

4048651315僕と彼女のゲーム戦争 (8) (電撃文庫)
師走トオル 八宝備仁
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-05-09

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秋葉原のゲーセンで遊んでいたことが父にバレてしまい、部活禁止を言い渡されてしまった天道。天道の部活復帰のために、世界レベルで商業的に成功したゲームの例を提示することで、どうにか天道の父の理解を得ることに成功する。しかし天道が部活に復帰するためには、大会で結果を残すという、交換条件が出されてしまう。

 時空を超えた戦い

 名門女子校のゲーム部に入部した少年がチームメイトと共に世界大会を目指すゲームライフラブコメ

 カラー口絵の男女の格差ワロタwっていうか誰だ!? これは人物紹介の意味をなしているのだろうか。
 ゲーセンで遊んでいたことが父親にバレてしまい、部活禁止を命じられた天童の部活復帰を賭け、ユーザー数最多タイトル『リーグ・オブ・レジェンド』の大会で実績を残すため、団結する5人の姿に胸が熱くなった。
 やはりチームワークが重要なチーム戦は、それぞれのキャラが相乗効果でより魅力的に映えますね。

 『電撃FC』は、いつか登場すると思ってました。『電撃FC』は従来の格闘ゲームと違って、初心者でも勝ちやすい仕様になっているから岸嶺向きですが、対人戦の駆け引きはなんかちがくないかそれ……。
 天童父のゲームへの偏見は古臭すぎますが、こういう大人いるいる。ゲームは遊びだけれど娯楽だって立派な産業だってことがわかってない中年が多過ぎる。そういう大人が日本をゲーム後進国にさせてるんですよ!

 『リーグ・オブ・レジェンド』の大会に向けて戦術や立ち回りを研究するシーンだけですでに面白い。キャラクターが100体前後で技も4つずつしかないと知って「少ないな」と思ったのは私だけでしょうか。
 またもや《宵闇の魔術師》チームと対決することになり、どちらのチームも譲れない思いを抱えて勝負に挑み、ゲーマー全員が仲間のためを考えて勝利を目指し、技術と知識と意地でぶつかり合うから素晴らしいんだ。

 『リーグ・オブ・レジェンド』は興味はあるんですけど、チーム戦が重要なゲームで言葉の壁があるとそれだけでハードル高いんですよね。あと私自身が海外ユーザーのチームワークを信頼してないってのもある。
 ゲームの上級者になるのには、経験も知識も必要ですが、私の意見としては自分に合ったスタイルを見つけてそれを磨くことだと思います。まあ考え方はいろいろあるでしょうけど、さて岸嶺はどんな道を選ぶのか。

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2015年05月14日

魔法科高校の劣等生 16 四葉継承編/佐島勤

4048651161魔法科高校の劣等生 (16) 四葉継承編 (電撃文庫)
佐島勤 石田可奈
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-05-09

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司波深雪の許へ、四葉本家から一族の有力者が顔を揃える新年の集い「慶春会」の招待状が届く。それが意味するものは、四葉家次期当主の指名。―自分が後継者に選ばれれば、兄も日陰者に甘んじなくて済む。―次期当主の地位にはきっと、それに相応しい「婚約者」が付いてくる。深雪の心は千々に乱れる。

 氷の心に秘めし想い

 近未来のエリート校である魔法科高校に入学した兄妹が繰り広げるマジカルバトルアクション。

 表紙からにじみ出る少女漫画のバカップル臭。そりゃお前らもう婚約しちゃえよ!といいたくなりますよね。
 四葉本家の新年行事「慶春会」への招待を受けた達也と深雪が、次期当主の指名を快く思わない分家筋から度重なる妨害を受けながら「慶春会」ヘ挑み、そこで明かされる兄妹の出生に関わる四葉の闇に驚愕しました。
 冒頭の人物紹介と解説で25ページも使ってる、巻を重ねるごとに順調に長くなっているなぁ。

 四葉の次期当主の地位には執着が無いが、お兄様の扱いが改善されるならばと思いつつも、お兄様以外の男性を婚約者に決められるのは耐え難い。口に出せず胸に秘めたまま散れ散れになる深雪さんの乙女心が切ない。
 兄妹の「慶春会」出席を拒む分家にまんまと利用されるかつて達也に敗れた組織の残党の皆さんが哀れ。負けフラグを自分から立てていく出来たモブ。候補者たちも家のしがらみに巻き込まれていい迷惑でしょうね。

 生まれてくる子供にドロドロした恨みを押し付ける四葉の大人たちの醜悪さが胸糞。身勝手だなぁと思いますが、十師族なら身内にも非情にならねばならないものかと、改めて常識の欠如を見せつけられましたね。
 けど真夜さんの笑顔で周囲の人物を掌の上で躍らせる悪女感は好きですね。他人に翻弄される兄妹というのも珍しいし、深雪さんの思わぬ愛の告白に戸惑う達也が久しぶりに人間っぽくてニヤニヤしてしまいました。

 達也と深雪の関係については、読者によって批判あるようですが、私は『別にいいんじゃない。そっちの方が人間関係がややこしくなって面白い展開なりそうだし』です。深雪さんが幸せそうだからいいんだよ!
 ついに兄妹と四葉家の関係が世間にも明らかになり、知人友人たちの反応が楽しみでなりませんが、クリプリさんまだ諦めてなかったの……。いまのところ達也に勝ったためしがないのですがまた恥を上塗りするのか。

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2015年04月18日

竜は神代の導標となるか/エドワード・スミス

4048650556竜は神代の導標となるか (電撃文庫)
エドワード・スミス クレタ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-04-10

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地方郡主の子カイ。武道はだめだが、頭は回り口も達者。幼馴染のエレナを許嫁とし、ささやかな領地を継ぐ。待つのは平凡だが幸せな人生。だが、事態は一変する。王国軍戦略参謀ウェインが王位を狙い挙兵したのだ。エレナが王位継承権を持つ血筋であったことから、カイは戦乱の只中に巻き込まれていく。

 かの竜は世界の守護者か破壊者か

 戦乱に陥った王国を立て直すため地方貴族の少年が王位をかけて鉄の竜を駆る英雄たちの物語

 ドラゴンとロボットは男の子のロマン! それが融合してるんだから、好きにならずにはいられないな!
 謀反によって勃発した内乱に巻き込まれた地方郡主の少年カイが、許嫁であるエレナを守るため祖父の残した騎士竜レイバーンに乗って反乱軍に立ち向かい、巨大兵器が大激突するバトルが手に汗握りました。
 戦記ファンタジーかと思いきや、熱いロボットアクションものでした。敵も味方も魅力的でこれはいい!

 武芸はへっぽこだが弁が立ち領民に好かれるカイと、そんな彼のぐうたら振りを叱りつつも長所を理解するエレナの気心の通じあった幼馴染みの関係が微笑ましく、いまどき珍しいくらい王道な主人公とヒロイン。
 クーデターが起き、反乱軍の操る鉄騎竜に故郷の街を焼かれるなか、祖父の研究していた新兵器である騎士竜レイバーンを起動し、見事に敵を撃退したはいいものの、平穏な日常が崩れていく展開がやるせない。

 遠縁ながらも王家の血筋であるエレナの命を狙ってくる反乱軍に対し、ゴタゴタを繰り広げながらも地方郡主たちが一致団結して、エレナを旗頭に政権争いに名乗りを上げる光景がなんともロマンと野望あふれる。
 これまで鉄騎竜を持てない下級の地方群主は、中央政府や大領主の横暴に大人しく従うしかなく、悔しい思いをしていた郡主や領民たちと力を合わせ、積年の鬱憤を晴らすカイとレイバーンの無双ぶりが痛快でした。

 反乱の首謀者であるウェイン・クローザの傑物っぷりや、王国最強の騎士ルガールの天才ぶりも敵として実に手強く、配下の戦力も強大で付け入る隙がなく、そんな相手にどうやって立ち向かうのかと期待が高まる。
 戦略面での駆け引きというのはそれほどでもなく、戦術的なアクションに重点を置いているっぽいですが、それだけでは物足りないので、綺晶機関を活かした技術攻めプレイでもしたら面白いんじゃないだろうか。
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2015年04月15日

このラブリードールは俺の妹ですか?/芦屋六月

4048650629このラブリードールは俺の妹ですか? (電撃文庫)
芦屋六月 わだつみ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-04-10

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日々魅力的に成長していく妹への劣情を抑えきれない俺は、その背徳的なリビドーから逃れるように、偶然出会った自主映画製作チームに参加することにする。美しくも凜々しい乙黒監督、幼女にしか見えないもちこさんなど、個性豊かな人たちと映画作りに没頭していたある日、運命の出会いを果たす。

 ラブドールより妹がいい

 妹LOVEの少年が変人集団と自主映画作りに挑むコミカル青春ストーリー

 兄妹愛はこの業界では合法だから。むしろ兄妹は結ばれるべくして結ばれる運命だから。幼馴染?知らんな
 妹が好きすぎる不登校の主人公・恋木杳一郎が、ひょんなことから自主映画制作にたずさわることになり、アクの強いスタッフたちに翻弄されながらも他者との関わりを得て引きこもりから脱却していく姿がよかった。
 最近ラノベの妹ブームの再燃がキテる? いや、もはや定着したジャンルとして確立してるのだろう。

 両親の離婚や自由奔放な兄に代わって妹の世話をするようになり、そうした兄妹愛をこじらせて実の妹みさらに恋するようになって悶々とした気持ちに耐えながら妄想小説を綴る日々を過ごす杳一郎の姿が痛々しい。
 想われてるとは知らない妹のみさらもブラコン気味で、兄と同じく友達のいないゲームオタクのぼっちで、忙しくて構ってくれない兄に嫉妬したり、杳一郎も真に受けて狼狽えたり、微笑ましい兄妹関係が和みます。

 杳一郎を映画作りに誘ったスタッフも、ハゲのオカマだったり、ネットアイドルの衣装係だったり、合法ロリの音響担当だったり、レンズ越しにしか女性を愛せないイケメンだったりと変わり者揃いで、監督と主演女優が演技を巡って大喧嘩したり、大道具として妹そっくりのラブドールを使っていることが妹にバレてしまったりとハプニングに振り回されながらも映画製作に奔走し、仲間として受け入れられていく光景が素敵でした。

 ただ脇役の乙黒組の面々が濃すぎて、メインであるはずの杳一郎とみさらのキャラが負けているんですよ。
 題材やキャラや物語要素はいいのに詰め込みすぎて方向性がとっちらかってる感じが残念ですね。映画制作をテーマにしていたはずなのにキャラに焦点が当たりすぎて、撮影風景が駆け足気味で結局ダイジェストになってしまっているように思います。もう少し彼らが映画制作にかける思いや情熱を掘り下げて欲しかった。
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2015年04月12日

俺の人生は神ゲーである!/末羽瑛

4048650734俺の人生は神ゲーである! (電撃文庫)
末羽瑛 U35
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-04-10

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青春の二文字とは無縁のゲームバカ・有野晴希の前に変な美少女が現れた!“コマンド?→はなす にげる”「私は神聖でありがたーい女神です。人間は神様がプレイするRPGのキャラで、晴希さんは私が操るキャラなんですよ」―どうやら神々しい姿の少女は、神様の学校に通う運命の女神…の卵で

 人生は神様のゲーム

 ゲームバカと運命の女神候補生がおくる青春ロールプレイングコメディ

 過去の歴史を見ても運命の神様たちはゲームが下手すぎる! にわか神はまず攻略wikiを読めよ!
 プロゲーマーを目指す主人公・有野晴希の前に彼の人生をゲームとしてプレイする運命の女神(候補生)プルミエールが現れ、協力プレイでそれぞれの夢を目指して努力する姿がドタバタでコミカルで楽しかったです。
 どんなクソゲーでも誰かと一緒にプレイすればクソゲーも神ゲーになる。それは人生も同じなのだろう。

 プロゲーマーを目指す晴希は、RPGのタイムアタックで全国大会でも好成績を残すほどの腕前なのですが、大企業を運営する兄社長の妨害によって毎度チャンスを潰されて夢を断ち切られる苦悩がやるせない。
 そんな晴希の現れた女神プルミエールは落ちこぼれの運命の女神候補生で、試験課題として晴希の人生を操作することになるのですが、生来のゲーム下手でことごとく選択行動が裏目に出てしまう天然ぶりが可笑しい。

 晴希に青春をおくらせるため、政略結婚の相手だった大企業のご令嬢・夏目川凛子が転校してくるのですが、こちらはこちらで裏表が激しい性格で、絶賛反抗期な晴希と意地を張って口喧嘩を繰り返しながらも、本音で向きあえて自分の夢をしっかり持って努力している彼に徐々に惹かれていく乙女心がときめきますね。
 デートの約束をした前日にプルミと晴希のデートを目撃してしまい三角関係にこじれていくのも実に青春!

 オタクなゲーマーにとって可愛い女の子との青春というクリア目標はクソゲーすぎ。勝手に運命をいじくる神様たちの介入に翻弄されながらも夢も青春も諦めずに正面から立ち向かう晴希の真摯な姿が胸に迫りました。
 ただプルミと晴希の関係にクローズアップした結果、凛子の立ち位置が当て馬で終ってしまった。ステータスの「うん」の少なさとか、彼女の夢はあるのかとか、晴希と対照的なキャラに描く予定だったんじゃないかな。
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2015年03月14日

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン U セカンド・スクワッド・ジャム/時雨沢恵一

4048690957ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン (2) ―セカンド・スクワッド・ジャム (上)― (電撃文庫)
時雨沢恵一 川原礫
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-03-10

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第二回スクワッド・ジャム。知らせを受けた前回優勝者のレンこと小比類巻香蓮だったがあまり気が乗らない様子。しかし、「第二回スクワッド・ジャムの夜に、人が死にます」敵として出場するピトフーイを《SJ2》内で倒すことでしか、"最悪の事態"を避けられないと告げられ。香蓮は苦悩の末、大会への参加を決意するのだが

 戦場の美しき殺戮姫

 仮想世界でチビのアバターを手に入れた女子大生が戦場を駆け巡るガンアクション。SAOスピンオフ。

 また幼女詐欺かよぉおおおおお!? これだからゲームのアバターの見た目は信用出来ないんだって…。
 第二回スクワッド・ジャムの開催が告知され、その大会中、友人であるピトフーイが死ぬかもしれないという話を聞いた香蓮が再び『ガンゲイル・オンライン』の世界へ舞い戻り、大暴れする姿が痛快で爽快でした。
 参加者たちも個性豊かでアクが濃い! 新体操チームのメンバーのなかではミラナちゃんが一番好きです!

 ゲームに文字通り命をかけるピトフーイの情熱は、狂気とも思える徹底ぶりにビビリつつも、理解できるところもある。デスゲームだとしてもSAOの世界に行けるなら私だって行きたいですよ。VR技術実現しないかなぁ。
 そんなピトフーイに惚れるエムさんの愛も同じくらい狂気めいていて、できるならお近づきになりたくない種類のカップルである。ゲーマーとしては優秀でも味方もろともというスタイルではゲー友少なそう。

 エムの代わりとして助っ人に呼んだ香蓮のリア友・美優のアバターもレンに劣らずチビのアバターで、ダブルグレネードというロマン装備で榴弾をバラ撒いて遠距離から一方的に虐殺しまくるプレイが、スピード重視のレンのスタイルとも違った爽快感があってスカッとする。一方、エムの率いるチームは、ベテランプレイヤーならではの相手の意表をつく作戦で数の不利を覆すプレイングが玄人好みで、どちらも甲乙つけがたい。

 見事にピトフーイのかませ役になってしまった7チームのモブプレイヤーたちですが、こういうゲーマー同士の友情が感じられるシーンはいいですね。モブだけど。でも、一緒にゲームするならこういう人たちに限る。
 上下巻構成ということで、ライバルチームである新体操部JKチームや新顔の狙撃手チームたちの見せ場はほどほどですが、次回は熱い激突を期待したいですね。エム&ピトフーイの牙城をいかに崩すのか、楽しみです。

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2015年02月19日

天使の3P!×5/蒼山サグ

4048692577天使の3P!×5 (電撃文庫)
蒼山サグ てぃんくる
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-02-10

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お互いを意識し始めた響と桜花。そんな中、学園祭でのクラスの出し物担当になってしまった響のことを桜花も気にしてくれているのだが、ぎくしゃくは続いたままで―。案を練る響を応援しつつ、学園祭を楽しみに待つ潤たち。そこにキッズバンドフェスの話が舞い込んできた。さらなる成長を目指し、動き始めた結末は

 迷ったときは小学生を見つめよ

 動画サイトでボカロPとして活動する男子高校生とバンド少女たちのロックンロール・ラブコメディ

 ついにライブしなくなった! 幼女とデートしてるだけだこれ! それもよろしいんじゃないでしょうか。
 些細な一言で桜花との間に気まずい空気を抱えてしまった響が、コンテストを目指し作曲作りに励む少女たちを指導する一方で、彼女らの助けを借りながら桜花の気持ちと正面から向き合う姿が心温まりました。
 引きこもりから一気に女子に囲まれるリア充にクラスチェンジしてるんだけど、これが音楽の力か!

 部活動に入ってないことを理由にクラス展示の代表者を任されてしまう響の境遇が「ぼっちあるある」ですが、それにしても周囲も丸投げもいいところで助けを求められる友達も少ない元引きこもりにはキツイなぁ。
 唯一、頼れる桜花とはぎくしゃくとした関係が続いていて、さいわい優しい女子陣の助っ人が現れて二人の仲を取り持とうとしてくれるのだけれど、そのお節介に意固地になってしまう桜花の乙女心がもどかしい。

 キッズ限定のライブコンテストに出場するため、『リヤン・ド・ファミユ』と貴龍率いるライバルバンドに作曲指導を始めるのですが、『道に迷ったら小学生を見つめよう』とか、真面目なシーンでさらりと上級者発言が飛び出してくるから侮れないな。小学生優秀すぎて、響きがあっという間に追い抜かされてデート相手くらいしか役割が回って来なくなるんじゃないかと危惧している。というか、響さん女子小学生とデートしすぎぃ!

 響と仲直りをして関係を少し進めて、このシリーズにおける本妻の座をかろうじて死守した桜花ですが、ヒロイン勢では希美の方が精神年齢高くてお姉ちゃんしていて、むしろ読者としては希美の株が上がったのでは。
 お互いの新作発表とバンド対決は次回へ持ち越しとなりましたが、外部でのライブに出て行くとなると、また新しい幼女が登場してテコ入れする可能性もありえそうだなぁ。次は小学生の学校行事もやろうそれがいい。

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2015年02月16日

ひとつ海のパラスアテナ/鳩見すた

404869247Xひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)
鳩見すた とろっち
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-02-10

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透き通る蒼い海と、紺碧の空。世界の全てを二つの青が覆う時代、「アフター」。セイラー服を着た14歳の少女アキは、両親の形見・愛船パラス号で大海を渡り荷物を届ける『メッセンジャー』として暮らしていた。ある日、アキは航行中に恐るべき『白い嵐』に遭遇、船を失って浮島に取り残されてしまう。

 運命という荒波を越えて

 海しかなくなった世界で船乗りの少女が苦難と挫折の嵐の中を旅する海洋冒険ファンタジー。

 これは実に卑怯な作品だ。こんなん読んだら嫌でも泣いてしまうに決まってるやん( ;∀;) イイハナシダナー
 すべての文明が海に沈んだ世界で、性別を偽ってメッセンジャーとして生きる船乗りの少女・アキが、過酷な運命に翻弄され、大切な人との出会いと別れを繰り返して世の中を知り成長していく姿が胸に迫りました。
 ただ平凡に生活することさえ困難な世界で、精一杯に懸命に生きる少女の生き様に心を揺さぶられました。

 海賊に両親を殺され天涯孤独となり、両親の形見の双胴船パラス号で細々と島から島へ物資を運ぶメッセンジャーとして生きているアキの悲惨な境遇が哀れで、もうそれだけで目尻に涙が浮かびそうになるのですが、嵐の中で大切なパラス号を失い無人の漂流ゴミ島へと漂着して、助けも呼べないサバイバル生活の中で唯一の友人だったキーちゃんを亡くしてと、次から次に災難が襲いかかってくるから読むのが辛くて耐えられない。

 そんな時にアキと同じく難破中の船に乗った少女タカと出会い、勇敢で聡明な彼女と二人で助けあって海域を脱出し、女二人旅が始まってかけがえの無い親友となっていく二人の関係がとても色めいていて甘酸っぱい。
 旅の途中、またしても海賊と遭遇してしまうのですが、今度こそ大切な人を守るために大人の集団相手に孤軍奮闘し、臆病な子供から勇敢な海の男(女の子だけど)へと大きな成長を遂げるアキの勇姿に感動しました。

 まあ世界観はSFとしては奇妙な部分が多々あって、食品の永劫腐敗処理が可能なほど発達した科学文明があったのに完全に断絶して失われていて、原始的な生活をしているのはさすがにやり過ぎじゃないですかね。
 普段、現代人が忙しさや便利さの裏で忘れている命の重みや生きることへ執念を感じさせてくれるいい作品だとは思うのですが、世界観の設定は大航海時代とか、異世界じゃダメだったんでしょうか。なんか非常に惜しい。
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2015年02月14日

ラテラル 〜水平思考推理の天使〜/乙野四方字

4048692496ラテラル 〜水平思考推理の天使〜 (電撃文庫)
乙野四方字 おかだアンミツ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-02-10

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瑞平すすめ。極限まで肌を隠し、合成音声で自己紹介する不可思議な少女。アクシデントがきっかけで論がその肌に触れた瞬間、突如世界が暗転した。『天使』が支配する闇の空間に引きずり込まれた論は、その空間とすすめの謎を解き明かすため、『天使』が生み出す謎の【状況】の【解明】に挑む――

 何故、少女は沈黙を選んだのか?

 奇妙な空間に閉じ込められた少年少女たちが水平思考推理ゲームに挑む謎解き系学園ミステリもの

 前作は個人的に辛い部分が目立ち、自分とは合わない作家かなと思ってたのだけれど、これは面白かった。
 他人との接触を避ける不思議な少女・瑞平すすめに触れると引きずり込まれる異空間で、主人公・論と級友たちが、難問に挑んで友情を築き、過去に現実世界で起きた事件の真相に迫っていく過程が興味深かった。
 人の死なないパズルミステリ。人の生き死にが関わってないのでゆっくり推理や思考に集中できました。

 マイペースで理知的な論と感情豊かな幼馴染みの結瑠のバカップルぶりにほっこりしつつ、言葉を無くした不思議な少女・瑞平すすめと彼女の親友・晴希の秘密をひょんなことから知ってしまい、彼女らの抱える問題に関わるようになって、周囲と壁を作る彼女らと衝突しながら関係を発展させていく四人の姿が微笑ましかった。
 四人とも普通とはちょっと変わった感覚や感性の持ち主なので、変人同士が合わさる化学反応が可笑しい。

 瑞平すすめの作り出す異空間では、ウミガメの天使ウミエルが出題する問題に正解するまで出られず、『ウミガメのスープ』という表題で有名な水平思考推理ゲームに挑むのですが、登場人物らの掛け合いの中からヒントが芽生えて、突拍子もない答えに行き着く思考展開が毎回意外であっと言わされる。読んでいて『自分は頭が固いなぁ』と何度も悔しい思いを味わいますが、次こそは問題を解いてやると推理意欲を駆り立てますね。

 ただ頭の良い論だけ活躍するのではなく、女子ならではの考えをする結瑠や脳筋の晴希の素直な発想力が活きたり、お互いに力を合わせて問題に取り組み、正解への道筋を作っていく思考の共同作業が不可欠で、いつの間にか相手への警戒心や猜疑心も忘れて謎解きに夢中になってしまう水平思考推理ゲームの魅力が素敵でした。
 これ人狼などの対話型ゲームが好きな人は楽しめると思いますね。彼らに混ざってやってみたいなぁ。
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2015年01月15日

魔法科高校の劣等生 15 古都内乱編 下/佐島勤

4048691678魔法科高校の劣等生 (15) 古都内乱編 (下) (電撃文庫)
佐島勤 石田可奈
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-01-10

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四葉家当主・四葉真夜による「横浜から逃亡した周公瑾の捕縛に関する協力依頼」を受けた司波兄妹は、京都で九島光宣と出会う。その光宣と共に周の捜索を行うも、手がかりは未だ掴めなかった。そんな折、七草家のボディガード・名倉の訃報が達也たちのもとへ届く。弔い合戦として、周捜索に真由美も参戦、事態は動き出す。

 古都の闇を照らす三つ星

 近未来のエリート校である魔法科高校に入学した兄妹が繰り広げるマジカルバトルアクション。

 やだ…このイケメントリオ……かっこいい。クリプリさんもちゃんと十師族やったんじゃなぁ。
 逃亡中の周公瑾を追って京都にやってきた達也たちが、古式魔法師たちの妨害を退けながら足取りを探し、内乱の種を摘み取るべく、九島光宣や一条将輝らと共闘しての周との対決に挑む姿が格好良かった。
 四葉家を始め、十師族と国家を巻き込んで様々な思惑が絡み合う追走劇の展開に引き込まれました。

 周公瑾を追う達也たちの前に、捜索を妨害する古式魔法師たちが次々に現れ、論文コンペの警護にやってきたレオやエリカ、幹比古たちもお鉢が回ってくるのですが、この3人は戦闘中でも言葉の掛け合いが楽しいな。
 たまたま居合わせた一条将輝も巻き込んで、上手いことパシリに利用するなんて流石はお兄様。極秘情報や機密事項をさらっと口にしてしまわれるなんて流石はお兄様。今に始まったことではない。もはや鉄板ネタか。

 京都の行く先々で魔法師との大立ち回りを演じているのですが、当然だけど犯罪捜査とか高校生のやることじゃない。取り締まりや尋問、鑑識作業も1人でできるなんて流石はお兄様ですわ。それ以外、何を言えと?
 お兄様が市内を走り回ったことで周公瑾の潜伏場所を突き止めることに成功し、敵地へ乗り込むのですが、クリプリさんがお兄様無双に驚くだけの役割しか与えられてなくて草。お兄様なら燃料も分解できそうじゃね。

 お兄様のご活躍ですべて世はこともなし大団円なんだけれど、魔法科生の大イベントである論文コンペが1ページくらいで終わってしまった。そしてカーディナルなんとかさんは今年も優勝できなかったのか……。
 光宣くんに見惚れてる美波ちゃんが人間味あって可愛かったけど、光宣くんも何やら裏がありそうなキャラですね。クリプリさんにもこの大物オーラを見習って欲しい。登場する度にチョロくなってますよね彼……。

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2015年01月13日

がて魔剱のアリスベル 5 必殺の時刻/赤松中学

4048690434やがて魔剱のアリスベル (5) 必殺の時刻 (電撃文庫)
赤松中学 閏月戈
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-01-10

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仍島での激闘から、急造した"暦鏡"でさらなる過去へと逃げ延びた静刃たち。何度も時間を跳躍したため、自然から"異物"と見なされ始めた彼らが辿り着いた場所――それは2009年のドイツだった。"極東戦役"と呼ばれる抗争の只中で静刃たちは、抗争の敵方にいる『呪いの男』の暗殺を依頼される。

 過去を欺け、未来を掴め

 異能を持つ少年少女たちが、それぞれの願いをかけて戦い合う学園異能バトル・ラブコメ。

 真・お嬢様アリスベルがかわいすぎるんじゃ〜そしてエロい。ありがとうございますありがとうございます
 さらに時間を遡り、極東戦役真っ只中のドイツへとやって来た静刃とアリスベルが、時間の修正力に抗いつつ、キンジやアリアといった緋弾のアリアシリーズの登場人物たちと交戦を繰り広げる戦いぶりが胸熱でした。
 MF文庫Jの『緋弾のアリア』を読み込んでると、このキャラ同士の遭遇戦はニヤケずには読めませんね。

 刹那の生存が気になりますが、暦鏡でかろうじて生き延びた静刃たちも度重なる時間跳躍で歴史の修正力の影響を強く受けて、見知らぬ土地で傷ついた身体に不運と困難続きの状況を強いられてハラハラさせられる。
 元の世界に戻る資金を稼ぐため、『眷属』の傭兵として魔女連隊に雇われ、『呪いの男』キンジを狙うことになるのですが、こうやってキンジやアリアとの因縁が生まれていくのかと時間軸のねじれ具合が興味深い。

 時系列は『緋弾のアリア』のXVI巻と同じで、戦闘パートも静刃とアリスベル視点で描いていて、ああ、こんなこと考えていたのかと読み比べると面白いのですが、結果は知っているのでそれはともかく、お城に泊まっている時も、クリスマスで街歩いてる時も、こいつらいつもイチャイチャしてるなと静刃とアリスベルのバカップルっぷりに惚気けられました。他のヒロインたちが頑張ってるのに、主人公と本妻はエンジョイしてんなぁ。

 無事に任務を終えて、あとは魔術を起動して元の時間に帰るだけのはずが、またしても想定外の事態が起こってという赤松先生お約束のクリフハンガーエンドですが、ここでビビたちの計画が加わってくるのかとパズルのピースがハマるような快感があります。静刃たちは無事に帰れる見込みは立ちましたが、あとは刹那の行方がどうなったかですね。本妻優遇すぎるのでサブヒロインたちにも静刃とのラブコメを与えて欲しいところ。

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2014年12月20日

ソードアート・オンライン プログレッシブ 3/川原礫

4048690965ソードアート・オンライン プログレッシブ (3) (電撃文庫)
川原 礫 abec
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-12-10

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アインクラッド第四層、そこには“水路”が広がっていた。なんとか街に到着した二人を出迎えたのは、湖水に浮かぶ白亜の街並みと、大小無数のゴンドラだった。第四層を自由に移動するためには、専用のゴンドラを入手しなければならない。キリトとアスナは、船材をゲットするために、大型火炎獣“マグナテリウム”に挑む!

 剣撃と波音の舟唄

 アインクラッドでのキリトやアスナたちの冒険を第1層から描き直すプログレッシブ編

 ついにアスナの入浴シーンへのログインに成功したキリトさん。これで夜のソードスキルも捗るな!
 第四層に突入したキリトとアスナが、水路のマップを舟で横断し、システムに隠されたクエストやキャンペーンシナリオの謎を解き明かしてゲーム攻略を進めつつ、お互いの距離を縮めていく関係が楽しかった。
 ラノベのシリーズ3巻でお約束の水着回だぁああああああ!!! アスナさんちょろかわ!

 LA取りまくりのキリトさんは廃人装備の鉄の塊や!と思っていたら、アスナも十分にガチ装備だった。
 仮想世界に慣れて、現実世界の感覚が薄れていることに危機感を抱くアスナですが、いちいちギャップを感じていたら、なおさらストレスを溜めるだけなので、状況への順応するのは正常な心理の働きじゃないかな。
 アスナはそれよりも無防備を晒してピュアなキリトさんを誘惑するのはやめ……いや、いいぞもっとやれ!

 キャンペーンシナリオに繋がる裏クエストを発見し、今まで以上に二人っきりのシーンが多くて、いろいろな思い出を積み重ねていく二人が甘ったるくてたまらない。なんで君ら付き合ってないの! もどかしいよ!
 キバオウ達、攻略組はもう放っておいていいんじゃない? ここまでの経験から何も学んでない。階層攻略やキリトの足を引っ張ってるだけでは……。死んでも自業自得だし、後の人たちの反面教師になってくれるよ。

 こんな丁寧に書いてていいのかな。もっと攻略速度を上げてもいいんじゃないかなって、1巻あたり2〜3層くらいでいいかと、このペースだと本編の75層まで追いつくのに本編より多くかかる計算になるんでは。
 ベータ版との乖離が生まれ始め、キリトのビーターとしての知識が活かせなくてってきました。やはり最後に頼りになるのはゲーマーとしての経験と感といったところでしょうか。次の階層の冒険にも期待が膨らむ。

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2014年12月19日

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 1 スクワッド・ジャム/時雨沢恵一

4048690949ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン (1) ―スクワッド・ジャム― (電撃文庫)
時雨沢 恵一 川原 礫
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-12-10

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女子大生・小比類巻香蓮。長身コンプレックスが災いし“現実世界”では人付き合いが苦手な彼女を変えたのはVRMMO“GGO”だった―。身長150cmにも満たない理想の“チビ”アバターを手にした香蓮は、全身ピンクの戦闘服を身に纏い、プレイヤー“レン”となってGGO世界を駆け回る!

 ピンクのウサギ、戦場を駆ける

 仮想世界でチビのアバターを手に入れた女子大生が戦場を駆け巡るガンアクション。SAOスピンオフ。

 ゲーマーたちが純粋にゲームに熱中している王道もド王道。こういうのでいいんだよ、こういうので。
 長身コンプレックスの女子大生・香蓮が、GGOで手にれたチビのアバターを駆使し、仮想世界で行われるチームサバイバルに挑戦し、ライバルチームと技術と知略を尽くし駆け引きを繰り広げる銃撃戦に燃えました。
 SAO本編のGGOで期待していた本当のFPSゲーマーたちの硝煙と銃火の世界がここにありました。

 人並外れた長身ゆえに普通の女の子らしい可愛いさに憧れていた香蓮が、GGOの世界でチビのアバターを手に入れ、背の低さを活かした独自の戦闘スタイルで他のプレイヤーの度肝を抜いていく様が愉快です。
 なりゆきで小隊編成でのバトル大会"スクワッド・ジャム"に参加を決意し、急遽パートナーを組むことになったエムも、大男の見かけに反して慎重派の戦術家で、ゴリ押しではないテクニカルなプレイが見物でした。

 銃火器を向け合ってのド派手な銃撃戦や、人間離れしたスタントアクションは本編ほどではないものの、その分、いつ背後や死角から撃たれるか、いかに対戦相手から身を潜めるか、常に濃密な緊張感に溢れている。
 お互いに矜持や誇りをかけて真剣に相手と立ち向かい。瞬時の判断で優勢と劣勢が入れ替わるギリギリの戦いで勝利と敗北が決定づけられる、FPSならではの完全実力主義な戦闘世界観に爽快感と達成感がありました。

 様々な銃器の描写や解説が濃く、それでいて興味のない人でもわかりやすく、何ができるか、何かできないか、どう戦うのか、どう攻略すればいいのか、ゲーム要素を絡めてストーリーも展開していくから面白い。
 本編の設定を踏まえつつ、独自の捉え方でGGOを再構築していて、新しい魅力がいくつも発見できました。
 ピトさんやエムさんの現実の姿や香蓮と今後どう交流していくのか、人間関係のドラマにも期待が高まる。

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2014年12月16日

ドウルマスターズ 2/佐島勤

ドウルマスターズ (2) (電撃文庫)
ドウルマスターズ (2) (電撃文庫)佐島 勤 tarou2

KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-12-10
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人型機動兵器『ドウル』最強部隊『ソフィア』への入隊を目的とした訓練校に、早乙女蒼生が入学して丸三ヶ月が経った。蒼生の姉・朱理、『ソフィア』のエクサーという素性を隠す玲音、反体制組織『ゲノムス』加入を偽装する龍一の四人は、日々、ドウルマスターとしての訓練に励んでいた。

 戦士たちの青春

 人型機動兵器ドウルのパイロットとして少年少女が戦いを繰り広げるサイエンスロボットアクション

 蒼生×玲音よりも、玲音×朱里の百合妄想が迸って主人公がモブに見えます。主人公もっと成長しよう
 磐都アイランドにやってきて三ヶ月が過ぎ、宇宙空間での生活に慣れてきた主人公・蒼生と姉・朱里たちエクサー候補生第四班が多忙な訓練の日々の合間、遊びに恋に青春を謳歌する姿が微笑ましかったです。
 しかし、なんだろうストーリーの終着点が急に見えなくなったのだけれど、私だけですかね。

 玲音やレアという同年代の女友達を得てファッションや買い物、女子力磨きに目覚めた朱里が可愛らしく、成長目覚ましいながらも班員の中ではビリの成績に苦心する蒼生が実直に努力を重ねるひたむきさが清々しい。
 反政府組織の一員とも知らず龍一ともすっかり仲良しグループを形成してしまっていて、主義思想はともあれ龍一のアニキな性格は嫌いにはなれないだけに、敵対して欲しくないなぁという気持ちでいっぱいでした。

 素直過ぎる蒼生は玲音への好意を周囲に見抜かれていて、からかわれたり空気を読まれたりする光景が可笑しいのですが、でも、玲音本人には気づかれていないのだろうか。案外、鈍そうなので気づかれてなさそ……。
 そういえば『ゲノムス』のドウル部隊は小隊連携をきちっとしてるのに、蒼生や玲音たちエクサーは一対多の戦闘が当たり前なんですかね。正体を明かしてないからとも思えるが、バラバラに戦っててこの先いいのか?

 決してつまらないわけではないのですが、何故だか読み終わるまでにやけに時間がかかりました。SF小説に慣れていないと小難しい単語の意味や話の流れ、場面の描写を理解するだけでも四苦八苦なんですよね。
 ただ今回はストーリーが日常パートに偏っていてほのぼのとしたのですが、戦闘パートは小競り合い程度で盛り上がりに欠けて、世界観や設定のポテンシャルはあるのに活かせてないなとちょっと勿体無く思いました。


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2014年11月17日

十三矛盾の魔技使い/十階堂一系

4048690469十三矛盾の魔技使い (電撃文庫)
十階堂 一系 雛咲
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-11-08

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「魔技」―それは世界を変える技術。その最先端を走る学園の首席称号「ソルヴァナイト」こそは、魔技の世界のトップ層であることを、最上の魔技使いであることを、何より雄弁に証明する。しかし、本年の学年最優秀生徒たる順位を得た生徒は―十三人もいた!?さあ、たった一人だけが勝ちぬけられる泥試合が始まる

 一番よりも大切なもの

 13人の魔法の天才児たちが最強の称号「ソルヴァナイト」を賭けて戦うバトルロイヤルマギアクション

 登場人物が誰から、いつ死ぬか。そればかりを期待していた私は、どうやらラノベに毒されていたらしい。
 魔技使いを育成するソルヴァ三道魔技学園の最優秀生徒『ソルヴァナイト』を決めるため、実践形式でのバトルロイヤルに挑んだ13人の天才児たちが繰り広げる友情と裏切りと駆け引きとガチンコ戦闘が手に汗握る。
 登場人物みんなイイ奴すぎて好き。いや、若干、腹黒い人もいるけれど、みんな個性的で愉快でした。

 ショタっ子にクール男にツンデレ美少女に、さらにナンパ師、ヤンデレ、人見知り、お嬢様、不良、悪役、根暗などなど、成績順位同着トップの天才児13人のキャラクターが際立っていてイキイキしていました。
 強い情熱を持って『ソルヴァナイト』の称号を目指す者もいれば、それ以外の愛や友情など、それぞれの目標を胸に抱いて戦いに参戦する者もいて、裏切りと共闘を繰り返す先の読めないカオスな展開が飽きさせない。

 魔法を使ったサバゲーといえば簡単そうに思えるが、魔法の選択と使い方次第では一発逆転がありえたり、相性によって優劣がわかれたり、作戦の立案も含めて参加者の考え方の違いが徐々に見えてくるのも興味深い。
 ルールをひっくり返したかと思えば、さらにゲームそのものをひっくり返す。参加者達の発想の柔軟さ、機転を活かしたトリックプレーの数々に驚かされる。力や魔法の才ではなく知性でぶつかり合うから面白いんだ。

 バトルロイヤルを通じて移り変わっていく人間関係も見所があったし、戦いで得たもの、失うもの、あるいは変わらないもの、どれもかけがえのないもので、バトルの一つ一つに素晴らしいドラマと感動があった。
 そして戦いを終えた後も、誰一人として嫌いになるようなキャラがいなかった。皆強いところも弱いところもある人間味溢れるキャラだから嫌いになんかなれない。そこがこの作品の最も傑作なところだと思いました。
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2014年11月16日

王手桂香取り! 3/青葉優一

4048690493王手桂香取り! (3) (電撃文庫)
青葉 優一 ヤス
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-11-08

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いざ、ペアマッチ将棋大会へ! 想いを寄せる桂香先輩と優勝を目指し練習将棋を重ねる歩。そして迎えた大会当日。思わぬライバルの出現に歩はプロへの道を意識するようになる。プロになるには師匠が必要で、桂香から自分の父、大橋名人を提案される。歩にとっては憧れの名人に弟子入りするため試験対局をすることに!?

 歩は前進の天才

 片思いの先輩のために強くなることを目指した少年の恋と将棋にかける青春ストーリー。第一部完

 女王様宇宙一かわいいよ! いつも鬼教官な女王のデレが最後に全部持っていった。ご褒美すぎる!
 憧れの桂香先輩と出場した男女ペアマッチ将棋大会で、真の天才と対戦した主人公・歩が、さらなる進歩を果たすべく、弟子入りをかけて大橋名人との対局に挑む姿に胸が熱くなり、思わず声援を送りたくなりました。
 最初はただの平凡な将棋好き少年が、いつの間にか成長して、ついにここまできたかぁと思うと感慨深い。

 桂香先輩とのペアマッチ戦を控え、二人で一緒に練習する時間が多くなり、やや浮かれ気味の歩ですが、将棋の修行は真剣で、駒娘たちも厳しく指導をしつつも褒め言葉も出るようになり、歩の成長ぶりが微笑ましい。
 しかし、出場したペアマッチ大会で、まさかの年下の小学生に苦戦を強いられ、お互いに実力の白熱した者同士の一進一退の対局シーンは読んでいるこちらまで息が詰まった。実力のわからない相手が一番恐ろしいね。

 同年代ではトップクラスの棋力を身につけても相変わらず謙虚なところが好感ポイントですが、勝負師としては覇気と自信に欠けていた歩が、小さなライバルの登場で本格的にプロを目指し始める意識転換が頼もしい。
 桂香先輩のためでもなく、誰のためでもなく、自分のために強くなるために将棋に向かうことが、プロとしての第一歩なんじゃないかなぁ。駒娘のお守りを捨て、一人の棋士として大橋名人に挑む歩は男らしかった。

 父親である大橋名人より、やたらと歩に肩入れして「勝て勝て」とけしかける桂香先輩にニヤニヤ。
 歩に告白されて照れまくりの女王様が可愛らしいったらありゃしない。前巻、今巻も女王様のキャラが強くて他の娘の影が薄かったので、これからに期待だと思っていたのに、第一部完だと!他の駒娘も出ていないのに
 ヒロインが多い割にラブ寄せが少なすぎたか? いや、ただ将棋やってるこの地味さがいいんだよ!
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2014年11月11日

サディスティックムーン/出口きぬごし

4048690442サディスティックムーン (電撃文庫)
出口 きぬごし そりむら ようじ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-11-08

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幸徳秋良は稀に見る美少女である。腰まで伸びた漆黒の髪はしっとりとした光沢を放ち、切れ長の瞳と端正な顔立ちは、男女を問わず人の心を惹きつける魅力がある。けがれのない白い肌は、ほのかに光ってみえるほど美しい。まるで月のように、艶めかしく。そう、彼女は美しい―薄気味悪く、かつイタイという点に目をつぶれば

 復讐は幸福の味

 卑猥で残忍で非情でとんでもなくイタい美少女に目をつけられた少年の学園復讐劇

 これは酷い……。一生分の『処女膜』という単語を読んだ気がして、処女膜がゲシュタルト崩壊する。
 自分自身を陰陽師と主張する美少女・幸徳秋良に理想の式神として見込まれた主人公・久遠久が、卑猥で残忍な彼女に脅されるまま、身勝手で無差別な復讐テロ活動に付き合わされ振り回される姿が苦笑を誘う。
 ことあるごとに男の股間を握ってくるメンヘラなマジキチ美少女に翻弄されたい真性のドM御用達です。

 ライバルだった双子の兄の死以来、無気力で性欲すら失ってしまった久遠久と、過去のイジメ被害からサディスティックな復讐欲求に傾倒し、卑猥さと残酷さに性格破綻した幸徳秋良の奇妙な関係性に魅せられる。
 見た目は清楚で大人しげな美少女なのに、エロ本を見せつけて股間を弄るわ、レイプ冤罪をでっち上げて脅迫するわ、それでいて独占欲が激しく束縛してくる、とんでもなく厄介で危険なヤンデレぶりにゾクゾクする。

 幸徳秋良の復讐に正義などありはなく、自分とは無関係な被害者と加害者の間に介入し、ひたすら自分勝手な報復と制裁を繰り返す姿は、『腹いせ』や『憂さ晴らし』以外の何物でもなく、学校内のDQN生徒達が災害のように唐突で理不尽な不条理に見舞われ痛い目に遭う様は、滑稽さと哀れさと、そして『シャーデンフロイデ(他人の不幸は蜜の味)』とでもいうべきドス黒いエクスタシーが否が応にも心を揺さぶりました。

 幸徳秋良の久遠久に向ける鬱屈した恋心は可愛らしいといえば可愛らしいのですが、想いと行動が掛け違えていて非常にもどかしい。DQNを懲らしめるだけで十分なのに、自主規制はやり過ぎててドン引きでしたわ。
 というか、こういう作品企画はガガガ文庫に持ち込もうよ! 電撃のピュア(?)な読者層にこんな問題作を読ませたらアカンやろ……。ガガガ文庫なら大ヒット待ったなしだが……他人に薦め難いんですよ!
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2014年10月17日

エロマンガ先生 3 妹と妖精の島/伏見つかさ

4048669370エロマンガ先生 (3) 妹と妖精の島 (電撃文庫)
伏見つかさ かんざきひろ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-10-10

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無事に『妹小説』を書き上げた和泉マサムネは、売れっ子作家・山田エルフの誘いで彼女の所有する南の島にやってきていた。引きこもりの妹・紗霧の件もあり、合宿に乗り気ではなかったマサムネだが、他ならぬ紗霧からの“後押し”や、ムラマサ先輩の参加もあって、この合宿を有意義なものにしようと意気込むが

 作家の数だけ叶えたい夢がある

 山田エルフ先生マジエロフ! そしてムラマサ先輩までちょろすぎんよ。ハーレム構築ぱやい。
 山田エルフの発案で執筆合宿という名の小旅行で南の島へバカンスにやってきた主人公・マサムネとラノベ作家ヒロインたちのラブコメっぷりが愉快で、それぞれ夢を語る作家たちの姿に胸がいっぱいになりました。
 エロマンガ先生いないからお兄ちゃん浮気しまくりなんですがこれは……、ハーレムエンドはあります!

 ラノベ作家は男も女も女子力たかいのか。やっぱりマメな性格じゃないと執筆作業なんてできませんものね。獅童国光先生、前回名前だけ見て「こいつ次回悪役のゲス作家だろうな」とか思っててマジすんませんした。
 夢というプラスのモチベーションがなければ書き続けられないし、人間のできてない作家の書いた作品が読者に支持されるわけがない。だからラノベ作家に悪い人はいない。ラノベ作家は全員イケメン。いいね?

 それは山田エルフも同様で、高慢さや怠け癖という欠点を補って余りあるハイスペックとあの意識の高さは、掲げる目標の高さからくるのだろうなぁ。とてもカッコ良いのですが、いつの間に落ちてたんですか!kwsk
 山田エルフよりも闇のラノベ作家としてのスキルを積み上げていくムラマサ先輩……ちょっと引きましたが、そういう病んでるキャラもいいな!と思い直し、ああ、大和撫子キャラがどんどんキャラ崩壊していく。

 特に事件らしい事件も起こらず、主人公が水着美少女とイチャイチャするだけの激甘なストーリーを延々と流されたのですが、ラブコメの水着回はこれでいいんですよ。シリアスは物語の福神漬でメインにはならない。
 『エロマンガ先生』というタイトルなのにエロマンガ先生でてこねぇじゃんか!と思いきや、最後の最後でご褒美がありました。そうですよメインディッシュは最後にとっておくんです。ヒャッハー!へそチラだぜー!

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