ダフロン

2012年02月07日

俺のリアルとネトゲがラブコメに侵蝕され始めてヤバイ 2/藤谷ある

4798603465俺のリアルとネトゲがラブコメに侵蝕され始めてヤバイ2 (HJ文庫)
藤谷ある 三嶋くろね
ホビージャパン 2012-01-30

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美少女聖職者リエルとして、ネトゲライフを満喫な慧太。ある事情でギルドメンバーたちが急にギルド勧誘に精を出し始めた。コミュ力皆無な彼女たちでは、空回りするばかりで、勧誘などできそうにもない。そんな矢先、カリスマプレイヤーのメルルーナがリエルに接触してきて……

 振り向けば君がいる

 ネカマの主人公とギルメンの少女たちとのゲーム世界とリアルをまたにかけたオン&オフラブコメ!

 驚くほどにラブコメばかりしてまったく話が進んでない。あ、タイトルからするとこれで正しいのか?
 主人公・慧太(兼リエル兼騎士様)とのネトゲ上での結婚権を賭け、ギルメンの女の子たちがメンバー勧誘に乗り出すのですが、コミュ障の彼女らにまともな勧誘活動などできるわけもなく、空回りして自爆していく様子に苦笑いしつつ、リアルではさらに輪をかけて残念な子っぷりを晒す光景が愉快でした。

 新規ギルメンを募集に意欲を燃やす女性陣ですが、友達が欲しいとかじゃなくて、新たに実装された結婚式システムの条件を満たすための、ただの数合わせとか言ってる時点で、もうなんかね……。
 勧誘に慣れてないとか、センスがないとかじゃなくて、そういう思考だからフレンドが増えないんだ。
 アバターは美少女なのにどうして慧太(リエル)のように人が寄り付かないのか確定的に明らかだな。

 リアルでもバイト先へ押しかけてくる梓月や婚姻届をつきつけてくる妃梨、妹の特権を活かして兄のベットに潜り込んでくる理央、腐女子っぷりを遺憾なく見せつけるましゅー。みんな残念すぎて逆にカワイイ。
 唯一、マトモなヒロインだと思っていた美咲さんも、正体はストーカーさんだったかー、稀によくある。
 ヒロインの残念さに隠れているけれど、慧太もそれなりに残念な奴ですね。お前の嫁は2.5次元か!

 マジでラブコメしかしてなかった。思わせぶりな伏線を立てただけでストーリーが進展してねー。
 自分のコンプレックスと向き合って勇気を出して学校へ通い始めた梓月とか、小さなところで変化は起きていることは起きているんだけれども、シリーズとしての着地点が見えてこない。
 まあそんな細かいことはどうでもいいので、修羅場をもっと過激によろ。ラブコメの見せ場は修羅場だよ。
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2011年11月09日

俺のリアルとネトゲがラブコメに侵蝕され始めてヤバイ/藤谷ある

4798603120俺のリアルとネトゲがラブコメに侵蝕され始めてヤバイ (HJ文庫)
藤谷ある 三嶋くろね
ホビージャパン 2011-10-29

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鷺宮慧太はオンラインRPGのヘビーなプレイヤー。女性キャラを操り、メンバーのほとんどが女の子プレーヤーというギルドに所属していた慧太だが、参加したオフ会で、ギルドの唯一の男性キャラ「騎士様」に間違われ、リアルもゲーム内もモテモテ状態に!これは何かの罠?

 突然騎士様になってムフフな俺がいる

 ネカマの主人公とギルメンの少女たちとのゲーム世界とリアルをまたにかけたオン&オフラブコメ!

 ヤバイ! ヒロインがみんな可愛い! 可愛いんだけれど、あまりのイタさにトリハダがあああああ!
 オンラインMMOで女性アバターを使っている、いわゆる「ネカマ」の主人公・慧太が、ギルドで唯一の男性キャラと間違われ、ギルメンの美少女たちにリアルでもネトゲでもモテモテな光景に盛大にニヤッた。
 ど真ん中ストレートなハーレム系ラブコメ。ただし、ヒロイン全員なにかしら残念。だがそこがいい!

 毒舌家な雫、高飛車な姫、天然なましゅー、電波なリコッタ。ゲーム内ではそれぞれ個性的なキャラ立ちをしている彼女らだけれど、オフ会で出会った現実の姿もそのままだったり、ネットとは正反対だったりと極端でイタい! 最高にイタいよ! それにリアルでもネトゲでもコミュ障って、お前らどんだけー!
 そんな4人のイタ可愛い女の子に囲まれる慧太の修羅場だらけのやり取りが可笑しかった。

 ネカマであることを明かそうと覚悟したものの、彼女らが惚れている「騎士様」と勘違いされ、なし崩しにハーレム状態に突入していってしまい、罪悪感から折角の美味しい状況も楽しめないってのは同情。
 現実でも彼女たちと関わり合って好感度を上げつつ、それでもいつかバレるものとハラハラ、ドキドキ期待していたけれども、案外あっさりと和解してしまって、最後はなんか物足りない感じでちょい残念。

 男でもネカマぐらいは見抜けますよ。だいたいネカマやる人間ってのは精神年齢が幼稚なので演技が浅いし、うまくいかないとすぐに癇癪を起こしてボロが出るので、チャットや行動を見てればわかります。
 逆に女性プレイヤーは、集団行動を気にしますね。自発的にPTの行動を決定したりはしないけれども、PTでの役目は熱心にこなす。男性プレイヤーの多くは個人主義で、他人との連携を取るのが苦手。
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2011年07月04日

僕の妹は漢字が読める/かじいたかし

4798602507僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)
かじいたかし 皆村春樹
ホビージャパン 2011-06-30

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『きらりん!おぱんちゅおそらいろ』それは日本文学を代表する作家オオダイラ・ガイの最新作だ。彼の小説に感動した高校生イモセ・ギンは、クロハ、ミルというふたりの可愛い妹に助けられオオダイラのもとを訪れる。しかし、そこでギンや妹たちは謎の現象に巻き込まれてしまい――。

 高度に発達した萌えは変態と区別がつかない

 パンチラと妹萌えが正統派文学となった未来から平成の時代にタイムスリップした兄妹の異色サブカルチャーコメディ。

 とりあえず、斬新であることは認める。ただ斬新すぎて誰もついてこれないし、ついて行きたくねぇ!
 無意味なパンチラと妹萌え、そして漢字が不要となってひらがなとカタカナだけの文体が正統派文学となった未来と平成の時代とのかけ離れた常識のギャップがシュールで苦笑しきりでした。
 未来の世界がディストピアとしか思えない。ただし二次元美少女総理は認める。only in japan!

 世界観とストーリーの不条理っぷりはツッコんだら負けな気がする。未来人が皆変態紳士で安心した。
 だが、さすがにオオダイラ文体は読んでて頭が痛い。簡素すぎる文体は、あれはあれで想像の翼が広がるが、もし時代を経てライトノベルが進化した結果がコレかと思うと絶望したくなる。
 時代によって主流や常識は変わるものだけれども、進化というか、退化しているようにしか思えない。

 そんな未来の典型的な文学少年であり暴走しがちなギンと、未来人としては珍しく一般的な感性を持っていてストッパー役のクロハの兄妹のやり取りが可笑しくて、ラノベと純文学への皮肉に溢れていた。
 ギンの文学に対する拘りやKYなキャラはイライラするところはあるけれども、極端な萌えが正統派として肯定されている未来で育ったのなら、それが普通だと思い込んでてもしょうがないのかな。嫌だけど。

 作中では『ラノベと純文学に本質的な違いはない』としているけれども。ラノベと純文学はやっぱ違うんじゃないか。文章に哲学や芸術を追い求めるのが純文学で、面白さを追求するのがラノベ。
 そもそもお互いの目指しているものが違うんじゃないですかと私なんかは思うのだけれど。
 最後は一巻でまとめようと思えばうまくまとめられたのに中途半端なエンディングでちょっと冗長。

 ときに、発売前の試し読み段階の時点ですでに物議をかもしていたこの作品ですが、地雷は地雷だが、作者も編集もあえて地雷とわかっていて出版に踏み切ったところが凄い。
 一般のラノベ読みにはあんまりオススメしないけれど、普段からラノベをラブコメや厨ニ病しかない小説だと偏見を持っているような権威主義者の方には是非読んで憤死していただきたい所存。
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2011年07月03日

オレと彼女の絶対領域/鷹山誠一

4798602485オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> (HJ文庫)
鷹山誠一 伍長
ホビージャパン 2011-06-30

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高校入学直後にオレが一目惚れした黒髪の少女――観田明日香先輩は、『絶対不可避の不吉を告げる魔女』として全校から恐れられる存在だった。自分が視た悪夢が100%現実化してしまう先輩の悩みを知ったオレは、従姉で生徒会長のサヤ姉の制止を振り切り、先輩の未来を変えるべく行動を開始!

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 未来を予知する絶対不可避の魔女と彼女に恋した少年の学園ラブコメ。

 ラブコメですね。これをSFとか、タイムパラドックスものとしては認められない。せいぜいパロディ。
 予知夢を見る能力を持つヒロインに恋した主人公が、彼女と付き合うために予言した未来を変えようと奔走するんですが、未来変わってねぇよ! この手のお話は、絶対に避けられない運命を如何に回避するかというところに面白味があるのにヒロインの予知能力を考察するだけで終わってしまった。

 それも『ノヴィコフの首尾一貫の原則』とか、『因果の修正力』とか、すでに出つくされた考察なので、それをさも登場人物たちが自分で発見したかのように描くのは、彼らの勉強不足を暴露してるだけじゃない?
 ありていに言って主人公が幼稚で無知で行動が独りよがり。ヒロインは主人公のバカっぷりを笑って好感度を上げていくが、読んでいる側としては、どうにもスベっていてうすら寒く感じてしょうがない。

 ヒロインも自分が出した恋人になる条件を満たしていないのに勝手にデレていくのは駄目だろう。
 それじゃ、自分が不幸になるわけでもないし未来を変えなくても問題なくね?ってなって面白くない。
 んで、ライバルが金髪ハーフで美少女で生徒会長で親衛隊やファンクラブがあっていくつも特許を持っている天才児? 設定を盛りすぎです。リアリティなさすぎてそこからしてもうギャグ要員だよ。

 タイムトラベルものは『歴史が変えられる物語』と『歴史が変えられない物語』の2パターンが王道だけど、この作品はその『歴史が変えられない物語』のパターンのテンプレなだけなので新規性がない。
 独自のアレンジとしてせいぜい学園もの要素を加えたぐらいなので、そこしか評価できないですよ。
 ぶっちゃけ、こんな結末は誰でも思いつくわ!で終わってしまい、オリジナリティがありませんでした。
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2011年06月06日

うちの会長は荒ぶる虎猫に似ている。2/空埜一樹

479860237Xうちの会長は荒ぶる虎猫に似ている。2 (HJ文庫)
空埜一樹 ろんど
ホビージャパン 2011-06-01

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戦力を強化することにした武人たち《裏生徒会》の面々。彼らはさっそく《鬼》の異名を持つ剣道部員の隠塚宗吉を勧誘するが、バッサリ断られてしまう。何やら事情を抱えていそうな宗吉が気になる武人。そんな中、裏生徒会に剣道部一の才媛である紫咲桜花から、宗吉に関する依頼が舞い込んで……!?

 夢は諦めなければ叶う

 学園を牛耳る生徒会の圧政に反旗を翻した裏生徒会のドタバタを描く青春学園ストーリー。

 アンチ才能。驕り高ぶる天才たちに必死に喰らいつく凡人たち意地とド根性が熱い。
 才能の壁にぶち当たり、道半ばにして夢を諦めかけたひとりの剣道部員の処遇を巡り、またしても生徒会と対立することになった裏生徒会の策士・タケトが繰り出す駆け引きの攻防に手に汗握りました。
 このシリーズを読むと、人の夢や才能というものについて考えさせられますね。

 相変わらず自由奔放で後先考えずに生徒会に食ってかかるミコだが、タケトを信じていればこそで、なおかつ、彼女のその信頼にしっかりと応えるタケトとの結びつきがなんとも爽快で心地いい。
 なにかというと無闇にヒステリックにわめき立てる朱音とは、かなり差が開いてしまっているような。
 【天才】だのなんだの言ってても、自分に好意を寄せる乙女心には鈍いんですからまだまだですなw

 学校という場所は、才能を伸ばすための場であるが、まず人間を育てる場だと思うんですよね。
 ラスボスである氷室が登場するたびに見えてくるのは、他人の気持ちがわからない彼の器の小ささ。
 彼がどれだけ優れているかは知らないが、社会の大多数は凡人なので、彼の唱える完全実力主義こそ現実ではごく限られた者しかついてこれない理想論なんじゃないかな。何故それがわからないのか。

 天才に弱点があるとしたら、それは自分に立ちはだかるものがいないという事なんじゃないのかな。自分が間違えていたとしても、優れているが故に誰もそれを正してくれないのは不幸だと思う。
 そういう意味では、新しく裏生徒会に入ったメンバーは幸運だったんじゃないかな。ますますタケトのハーレムっぽくなってきてるけど、彼自身、相応しい魅力があるのでそれもよし。次も期待。

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2010年10月04日

ワールド エンド ライツ 3/花房牧生

4798601241ワールド エンド ライツ3 (HJ文庫)
花房牧生 植田亮
ホビージャパン 2010-10-01

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ナツキとエンジに、ついに「私もゲームに参加する!」と叫んだユキナを加え、ギルド「Dawn Bringers」を結成したユウマとオリエ。精鋭なれど少数な彼らは、世界の鍵を握る《ワールドエンドライツ》の残り2振りを求め、リョータの情報を元に宗教都市ランバーを目指す

 神の如き魔女の大いなる誤算

 行方不明の妹の手掛かりを求め、謎に満ち溢れたMMORPGに挑む少年少女たちの学園ファンタジー。

 目指す目標も定まり、パーティもようやく揃っていよいよ本格的な冒険へ出発というカンジでした。
 ギルド「Dawn Bringers」を結成し、信じあえる仲間と供に最難関のダンジョンへと挑むユウマですが、妹の重要な手掛かりであるレンとまたしてもあと一歩ですれ違ってしまう光景が切なかったなぁ。
 ユウマとの仲を縮めるために家まで来たのに、いざ玄関先まできて悶々とするナツキが可愛iいw

 前回ユウマをかばって『百年迷宮』に閉じ込められたレンの孤独な戦いがもう痛々しかった。
 頼れる者もいなく、助けも来ない中で、襲い来るモンスターと延々と戦い続け、傷つき疲れながらも、兄ユウマと再会するために迷宮を進む姿が超クールでシビれる。すっかり裏主人公化してきたなぁ。
 兄妹愛を越えたレンの執着心にゾクゾクする。ヤンデレ妹、いいじゃない、最高じゃない。

 一方、ユウマ側のパーティは仲間も増えて相変わらずドタバタとしてるなぁ。冒険時にはパワフルな女性陣に振り回される男性陣の気苦労が耐えませんが、それだけ頼りにされているってことですよね。
 ユウマの事情を理解して、「ここは任せて、先へ行け!」と言ってくれる仲間たちの友情に震えた。
 しかし、リョータがますます胡散臭く見えて仕方がないなぁ。絶対コイツ裏でなんかの糸を引いてる。

 今回は、想定外の事態に混乱する魔女サイドの変化が顕著でしたね。
 魔女がどんどん人間味を出していくのは見ていて可笑しくはあるんですが、それだけにちょっとシリアスになると余計に生々しくって、最後なんか鬼気迫る迫力が恐ろしかった。
 管理者権限を持つ魔女サイドの完全なワンサイドゲームかと思っていたら、魔女の仲間割れとワールドエンドライツも3つまで集まり、次回はユウマたちの逆襲のターンかな?
 いまだに秘密のベールにつつまれたままの謎も少しづつ解き明かしていって欲しいなぁ。期待。

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2009年09月07日

デウス・レプリカ/にのまえあゆむ

4894259273デウス・レプリカ (HJ文庫)
にのまえあゆむ
ホビージャパン 2009-09-01

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神村悠が学校の屋上で昼寝から目覚めたとき、彼の目の前にいた同級生の少女、柊美鈴。美鈴は探している大切な物を悠が持っているのではないかと聞くが、悠には皆目見当がつかない。そして何も判らないまま、連れて来られた古ビルの一室「萬屋探偵事務所」で悠を待つものとは?

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 ヒロインの美鈴に魅力を感じない。むしろこんな女のどこに惹かれる要素があるというのか。
 とくに会話能力の欠如が酷かった。まともに主人公とのコミュニケーションが取れておらず、また取る気がないのか、一方的で人の神経を逆なでするような言動にイライラさせられっぱなしでした。
 人の話を聞かないし、場の空気を読まないしで男子にも女子にも嫌われる女の典型でしょうね。

 様々な勢力が巡って争う神器を模した道具・リメイン・マターを回収するという危険な仕事に従事している理由にしても、「思い出作り」というのは行動原理としてあまりに弱いなぁ。
 護衛のためにいきなり同居を始めて、猫被って家族に気に入られて、お昼のお弁当まで作ったりして、いくらなんでも早急じゃない? 私生活に侵入してくる馴れ馴れしさが気持ち悪い・・・・・・。

 悠の如意宝珠の能力にしても、人間の心や魂は作れないのに、神や悪魔は作れるというその理屈に納得がいかない。普通に考えれば、逆なんじゃない?
 魔術だの、神器だの、超能力だのはいくら出しても構わないが、リアリティや説得力がない。
 不死者に関しては首切るなり、火山の噴火口飛び降りるなりすればいくら不死身でも死ねるだろうよ。
 悠の如意宝珠をわざわざ狙う必要性はない。というか、千草を救おうとしていたそぶりなんてどこにも見えなかった。後付けで無理矢理いい子にしようとしてないかなー。

 物語の終盤に現れて主人公の手では解決困難な問題をすべて簡単に解決してくれる便利キャラを『デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)』といったりしますが、この所長がまさにそれだよ!
 太刀鞍だけでも十分にチートなのに、決着のついた後にしゃしゃり出てきて何でも都合よく解決してしまったら、悠たちの戦いはなんだったのか分からなくなるじゃないか。とてもしらける。
 それまでの話の展開を無駄にする強引なハッピーエンドなんてどんな読者も求めていない。

 すべてがいまひとつだなぁ。作者の感性やバランス感覚が悪いんだと思う。もっと本を読むべき。
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2009年09月04日

じんじゃえーる!/原中三十四

4894259281じんじゃえ-る! (HJ文庫)
原中三十四
ホビージャパン 2009-09-01

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幼馴染みに恋心を抱きながらも、なかなか告白できない高校生・剣児。毎日神社でライバルが近づかないように神頼みするのがせいいっぱい。そんな剣児の前に少女神様・春奈が降臨!!たった一人の信者である剣児を応援しにきたという春奈だったが、やがて事態は思わぬ方向に…!?

 新米女神の信者たち

 片思いに悩む高校生と新米女神様が巻き起こす、御利益満点(?)ラブ・コメディ。

 ああ、これはなんとも甘酸っぱい。主人公×幼馴染×神様の三角関係ものです。
 幼馴染の琴崎かえでに片思いしながらも、なかなか告白する勇気が出せない主人公・剣児の葛藤がすごく伝わってきて、やるせないもやもや感に胸がいっぱいになる。
 かえでを前にすると意識してしまって平静でいられない胸の内なんかは、非常に親しみを覚えるなぁ。

 かえでと恋人になりたいという願いを叶えるため、地元の神社の新米女神様である春奈がやってきたんですが、これがまたロリ顔に巨乳で可愛いんですよね。性格はアホな子一直線ですが、表情も活き活きとしていて一緒にいるこちらまで楽しくなってくる。
 生誕三か月の春奈にとって剣児が唯一の信者なのに、当の剣児はかえでの事ばかり考えていてヤキモチを焼くところなんかは、フツーの女の子みたい。

 春奈の神社で行われる夏祭りでかえでに告白をすると決意し、彼女を誘うことに成功する剣児ですが、かえでの方も剣児からの誘いを待っていて、神頼みなんかしなくともこの二人すでに両想いなんじゃないかと思いきや、かえでには剣児に隠していたことがあってという、かえでサイドの事情もわかってくると次第にやるせなくなりますね。

 神様とて無尽蔵に力を使えるわけではなく万能ではないという微妙なありがたみ感がよかった。
 というか、むしろ春奈は剣児とかえでの関係を引っかき回しただけで、神様としてはあまり役に立っていないような。かえでの大人の事情くらいは神様パワーを使わなくともなんとかなる問題じゃないかな。春奈はそれほど神様っぽいイメージはなかったかも。
 大筋は、純なくらいに青春ラブコメしてます。ベタなラブコメが好きな方にはオススメかと思われます。

 ときに、絵師の名前と内容がぴったりすぎる。タコ焼きは、ポン酢で食うのが好きです。
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2009年08月08日

桜の下で会いましょう/久遠くおん

4894259133桜の下で会いましょう (HJ文庫)
久遠くおん
ホビージャパン 2009-08-01

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料理好きの高校生の加賀谷涼は、ある日秋に咲く謎の桜に誘われて、不思議な洋館へと迷い込む。そこで純白のドレスに身を包んだ少女・桜花と友達となるが、その日を境に彼の目には奇妙な青い線が映し出される様になっていた。そして謎の力を得た涼は、桜花をめぐる戦いに次々と巻き込まれていく。

 永遠の園に咲く、桜の少女との出会い

 時季外れの桜が咲く不思議な洋館に住む少女とそこへ迷い込んだ少年とのボーイミーツガール。

 一年中の草花が咲き乱れる不思議な世界に迷い込んだ主人公・涼と従妹の翼が、そこで暮らす妖精のような少女・桜花と出会い。最初は翼の付き添いのように桜花と接していた涼が、純真無垢で外の世界を知らない桜花と会ううちに、彼女のことが大切な存在へと変わっていく過程が優しくて素敵でした。

 料理上手な涼が、毎日こっそりと翼の弁当を作ってやったり、いかにも西洋風お嬢様の桜花に日本の庶民料理を振る舞うところが好きです。
 千鶴先輩の汚い部屋を目にして有無を言わさず掃除を命じるなど、彼の几帳面さが窺えます。
 最近のラノベの主人公といえば、とにかくヘタレ系男子ばかりの風潮の中にあって、家庭的だけれども言いたいことはキッパリ言い、行動にもしっかりと主体性をもった主人公像は好みでした。

 外の世界に出れない桜花の正体を知っても、友達として受け入れただけでなく、桜花に本物の世界を見せてあげるために千鶴先輩に弟子入りして研究を始めるなどは、涼にとっては純粋に優しさから出た行動だったのだけれども、研究に没頭している間に翼とすれ違っていってしまうところは切なかった。

 しかし、別に涼が翼より桜花や千鶴先輩を選んだというわけではなかったかと。
 翼もそれまで意識していなかった涼への恋心に気づいて、気持ちが動転してしまっていたんだろうな。
 本当にただのお節介焼きな性分から桜花や千鶴先輩と親しくしていただけで、涼にはみんなが大切な存在で誰も見捨てたくないと心から信じていたんじゃないかと思います。

 そこまではただの思春期の男女のすれ違いで済めばよかったんですが、間が悪く桜花の力を狙う敵に襲われ桜花の世界の消滅を招いてしまい、皆を助けるために涼が自分を犠牲になってしまうのですからやるせません。
 でも、ラストは綺麗にまとめたハッピーエンドでよかった。

 文章上、構成上でちょこちょこ至らない部分は目につきますが、それを補ってあまるボーイミーツガールのストーリーに仕上がっていたので、新人としては十分に上出来の部類でしょう。
 次回作にも期待したいと思います。
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2009年07月04日

ルゥとよゐこの悪党稼業/藤谷ある

4894259036ルゥとよゐこの悪党稼業 (HJ文庫)
藤谷ある
ホビージャパン 2009-07-01

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花井良児は頼まれごとは絶対断れないほどのお人好し。そんな良児がある日助けた少女は七大悪魔の一人「傲慢のルゥ」。勢いで下僕にされてしまって、悪事の片棒を担がされることになったけどルゥって、大して悪いことできないんじゃない?そんな不思議なちぐはぐ悪党稼業、ここに開業。

 清い心にゃ、悪行身につかず

 悪いことを強要する悪魔の女の子と契約してしまった善良な少年の物語。

 悪党ぶっているけれど実は小心者な悪魔ルゥとお人好しで善人な良児の掛け合いが楽しかった。
 悪行というのもおこがましい子供のイタズラ程度の悪事しかできないルゥですが、商品のラベルを裏向きにしたり、ゴミ箱を荒したり、やってることが微妙に陰険で実際にやられたら腹が立ちそうだ!
 毎度ルゥの巻き添えあい尻拭いをするハメになる良児のフォローっぷりも見所でしたね。

 いつも何か悪行を企んでいるようなルゥですが、徐々に本音が見えてくるとやるせないんだよなぁ。
 悪魔として産まれたからには、この世を混沌に導くような悪行をしなければならず、しかし、それでも心はそんなに酷いことはできずにジレンマに陥り、ついには暴走を始め天使や神であっても如何ともし難いその状況の中で、良児が己の善なる心に従って人々や世界を救うために命を賭けて立ち向かう姿はとても潔くて堂々としていて印象的だったなぁ。

 天使も悪魔もデジタルな存在とした世界観は、IT脳の私には分かりやすかったかな。
 そこまで純正オカルト萌えではないので、むしろ昨今の時流として現代ファンタジーものはデジタルな要素も加味していた方が読者のウケもいいしね。
 まあデータのくせにやたら人間臭い悪魔のルゥに対し、天使側のカナタは本当に機械っぽくて無表情キャラというにも個性が足りなかったな。
 というか、ルゥを止めるためにきてるのに、結局はいつも余計なことしかしていなかった覚えが・・・・・・。

 それにしてもキャラクターが少なく、辛うじて名前が与えられている脇役も役割はモブ同然なので、メインキャラだけ日常パートで浮き上がっているなぁ。
 地味系の主人公なだけに、単体ではキャラが弱いので脇役も絡ませて欲しかったところ。
 料理に例えると、ソースに旨みが足らず素材の深みが引き出せていないというカンジ。
 これがデビュー作だから仕方がないのかもしれませんが、推敲の余地はまだある。
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2008年09月09日

カッティング Case of Mio Reincarnation/翅田大介

4894257475カッティング~Case of Mio Reincarnation~ (HJ文庫 は 1-1-4)
翅田大介
ホビージャパン 2008-09-01

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ミオとのすれ違いを解消できないまま、交通事故にあってしまったカズヤ。命が失われていく中でカズヤが聞いたのは、ミオの絶叫と悪魔の囁きだった、そして二人の再生の物語の結末は・・・

殺したいほど、愛してる

些細なすれ違いから口論となり、取り返しのつかない事態を招いてしまったミオとカズヤのその後のお話です。

カズヤには、まったく幻滅だなぁ。うわぁ、こいつ最低だよもう。
たかが少し辛くて過酷で無慈悲な現実を知ってしまったくらいで悲劇の主人公ごっこかい。
それでその苛立ちをミオ相手に当り散らすなんてのは、筋違いも腹立だしい。
むしろこれで彼女と同じ苦しみを体験できたのだから、これまで以上に彼女を理解して受け止めてやれよと、彼の自分勝手な言い分やあまりの不甲斐無さに呆れていました。
葛峰姉弟がやたらカズヤを偽善者と呼ぶ、その定義がわからなかったけど、それがわかりました。
カズヤは口先だけで愛が足りねぇ!

ゲンコツ一発程度じゃなく、もっと徹底的に沙姫部先輩にボッコボコにされてればよかったのに。
ああ、それにしても沙姫部先輩は素敵ですよね。男らしくも女の子としての一面も捨てていないところがカッコカワイイ。私が処女だったら惚れてます。
生憎と性転換する予定はいまのところないので、ここは「アニキ!」と呼ばせて頂きたい。
あんだけ悩んでいたのに、ちょっと女に優しくされただけで立ち直るんだから、単純だな、男って・・・。

それを言ったら物語終了な事をあえて言えば、この話の登場人物はつまらないことに思い悩み過ぎですね。
自分が本当は死んでいた人間だったからといって、すぐに何かが極端に変わるわけでもなし、変らず明日は来るし、周囲の他人はこちらの悩みなんか関係なしに生活してるものですよ。
自分が苦しんだところでなんのメリットもないことに、いつまでも時間を浪費してるのも勿体無いし。
もしいま私の部屋に黒服の男が訪ねて来て、「お前は、すでに死んでいる」とか言われても、多分、実感できないでしょうね。そもそも、私って、人間が死ぬものって事実をたまに忘れてるものはっはっは。

カズヤとミオの恋愛模様は、なんだか浅瀬のプールでうっかり足をヒネってジタバタ溺れているような、端から冷静にみると「こいつらなにやってんだろう?」っていうカンジなんだろうなぁ。実に無様で、実に青い。
お互いに殺したいほど愛しているのなら、心中まがいのことをせんでも、生きて二人で好きなだけにゃんにゃんしてればいいじゃないかと。ヤンデレ彼女と付き合うのもいろいろと面倒臭いですねぇ。
まあそうやって手間と治療費がかかるのがヤンデレの魅力なんですが。
恋人に愛されすぎて殺されかけるってのも、人生に一度はやってみたいよね?

ラストはただのノロケバカップル。結局のところ、たいへんよいヤンデレでございましたとも。
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2008年09月05日

ぱんほー!/ゆうきりん

4894257610ぱんほー! (HJ文庫 (ゆ01-01-01))
上田 梯子
ホビージャパン 2008-09-01

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報道写真家を目指す少年、五色将角が荒廃したドイツで出会ったのは、一見すれば超美少女、しかし実態は傍若無人でかんしゃく持ちのちびっ子戦車長ヒルデガルドだった。特ダネを求めてヒルデの部隊に入る将角だったが・・・。

明日へ向かって、進撃せよ!

第二次大戦の終戦直後の荒廃したドイツを舞台にした、戦場カメラマンの少年と女の子ばかりの戦車隊の戦いを描いたミリタリーアクションです。

金髪碧眼の超美少女ヒルデ、和風美女のアコ、ロリ巨乳なカトリーヌ。たった三人だけの戦車隊。
設定だけだと萌え系そのものですが、この物語内のドイツはナチスの兵隊崩れが武装した盗賊や強盗となって悪行を繰り返す無法地帯となっていて、そんな社会で戦車狩りを仕事にする<狩人>として生きる彼女らも、人を殺すことに躊躇がなかったりと実に殺伐としています。
主人公の五色将角も出会い頭に撃ち殺されそうになったのを有り金を差し出して見逃してもらう始末。
死体から金品を剥ぎ取る行為を非難する将角ですが、そんな綺麗事を言っていては生きていけないという彼女らの主張も仕方がないもので、一概に彼女らが非道であると言い切れないところが難しい。

殺伐としているとはいっても、そこはやはり女の子で、触れた手は柔らかいし、同じ<狩人>の戦車団の男どもとはちがって清潔で、狭い戦車内に充満する甘い香りにクラクラしたりとちゃんとムフフなポイントはもあります。
普段は隊を率いる戦車長として凛々しく振る舞っているヒルデも、甘い物の前では年相応の顔をみせて和ませてくれます。

斡旋所から依頼を受けて偵察行動や戦闘行為をする彼女ら<ケルベロス>戦車隊ですが、彼女らの乗る戦車は、正しくは戦車ではありません。
装甲車に突撃砲をつけた『ヘッツアー』という、砲塔も前方しか向かない"戦車っぽい"機体です。
ティガー戦車やシャーマンと比べれば、装甲も薄く、まともに撃ち合ったら簡単に吹き飛んでしまうような小ささですが、そんなちっこい戦車が自分の倍以上はある重戦車に挑んでいくから燃えるんですよね。
まあ普通なら勝てるはずがない圧倒的な戦力差があっても、なんとかなってしまうのはヒルデ以下メンバーの超人スキルあってのものですが、それを言っちゃあつまらないので思っても気にしてはいけない。

戦闘については素人の将角も完全な足手まといになることもなく、彼女らのために料理の腕を振るったり、やけに詳しい戦車知識を出したり、それなりに活躍もみせて彼女らも見直しましたかね。
この手のミリタリとしてはありがちな、クドクドした解説もざっくり要点をまとめていて読みやすかった。
あとはヒルデたちがどうして戦車狩りなんていう仕事をするようになったのか、その辺の事情がもうちょっと語られるとよかったかなぁ。
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2008年09月04日

いちばんうしろの大魔王 ACT.3/水城正太郎

4894257599いちばんうしろの大魔王 ACT.3 (HJ文庫 み 1-2-3)
伊藤宗一
ホビージャパン 2008-09-01

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臨海学校で普通の学園生活を満喫したい阿久斗だが、行き先の島には「魔王」と「勇者」にまつわる伝説があり、そんな曰く付きの島で無事にすむわけもなく、事件に巻き込まれていき・・・。


魔王と勇者と軟体類

魔王になると予言された少年とそれを取り巻く少女たちの学園ラブコメファンタジー。

阿久斗を色仕掛けで操ろうという政治的思惑によって、政府から遣わされた人造人間であるころねが阿久斗に拙い誘惑で迫るのですが、まあこれがどこのギャルゲの設定をコピーしてきたのかというあからさまなもので全然通じてなかったり。
無表情キャラは、ツンデレのようにあからさまに媚びた仕草はいらんのですよ、ころねさん。
感情を表すことなくいつも何を考えているか分からんところがいいのです。貴女はそのままで最高です。
ちょっぴり感情が芽生え始めて、自分を出すようになってきたのはいい傾向ですけどね。

しかし、そんなころねのせいで楽しみにしていた臨海学校は、阿久斗の周りだけ女を侍らせている爛れた空間が出来上がってしまい、そんな状況に我慢できなくなったツンデレ絢子が阿久斗に切りかかったり、それを余所にけーなが天然ぶりを撒き散らしていたりと、毎度ながら王道ですね。
このシリーズでは服を破かれて全裸になるなんてありきたりなので、水着シーンが新鮮だな。
むしろ水着の方が全裸よりもサービスシーンになっているんじゃないかと。

海を楽しんでいた阿久斗だが、島に残る『魔王と勇者』の言い伝えを巡って村民たちと対立してしまう。
「魔王じゃない」とフォローすればするほど、状況が悪化してドツボにはまっていくのがこのシリーズの面白味で、阿久斗の言ってることは正しいんだけれども、すぐに感情的になって魔王モードのスイッチが入ってしまうこの短気さが、彼の唯一の欠点だなぁと苦笑い。
まあ積極的で正義感溢れる気質はわりと主人公に必要なものだと思うのですが、少しは躊躇いというものがあるべきですかね。戦闘シーンでも、相手の方が悪役なのに勝ち方がまるっきり魔王ですもの。
そういった意味では、阿久斗の隠れた残虐性を抑えるために、彼を真正面から諫める絢子やけーなのような存在が必要なのだろうなぁ。

これまで阿久斗の腰巾着をしてた三輪寛が、まさかの最強クラスのキャラへ。
阿久斗と同じくらいに、言ってることは正論なんだけれど、やはり独善的にみえてしまうんですよね。
お互いに「正義」というものにある種、盲目的なのはちょっと危ないカンジです。
力のない人間が急に強い力を手に入れると、ロクなことにならないというのもお約束ですし。
これは最終的に二人が決別するフラグかなぁ。そこはかとなく寛にウザク臭が・・・。

私としては王道ラブコメもいいけど、ピーターハウゼンと不二子の会話のようなバカバカしいトークも大好きなので、普通の魔王ギャグも忘れないでねと願いたい。
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2008年04月06日

くろかの/夏緑

4894256894くろかの (HJ文庫 な 1-2-1)
夏緑 さいとうつかさ
ホビージャパン 2008-04-01

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赤ちゃんプレイ自重。

科学至上主義の阿寒望は、先輩の命令で文武両道のスーパー美少女、闇暗魔夜を科学部へ勧誘することに。
なんとか声をかけることには成功したものの、突如現れた宇宙人に赤ん坊にされ、魔夜に保護されることになり・・・。

赤ん坊の望と世話をする黒ナースの魔夜の掛け合いが、
噛み合ってるんだか、ピントがずれてんだかで愉快です。
いつも完璧で堂々しているように見えて、実は黒魔術で恋をするネクラ少女だったというのは、女の子らしい可愛い一面ですが、嫉妬深いところはヤンデレの素質も否定できない。

『科学に不可能は無い』がモットーの科学オタクの望ですが、オカルト好きの魔夜に近づいてしまったせいで、宇宙人、悪魔、幽霊といった"科学的にありえないモノ"を実際に目の当たりにして常識をズタボロにされていく様子がなんか笑えました。
常識とは強固なようで、崩れるときは脆いものです。

同じ状況に出くわしたら、望でなくとも、これまで信じてきた常識って、いったい何だったんだろうと思ってしまいますね。
しかし、夢破れても挫けない先輩トリオには、ちょっと感動しました。真の科学者というのは、柔軟でなくてはいけないよ。

トンデモ本ならぬトンデモラブコメとでもいいましょうか。
もう世界観からしてホラーなんだか、オカルトなんだか、SFなんだか、ごった煮でわけがわかりません。
まあ夏緑っぽいといえば、"っぽい"作品ではありますが、毎回毎回よくこんな出鱈目な発想を思いつくなと感心してしまう。

とくに宇宙人。地球よりも圧倒的に優れた科学力を持っているのに、迷信を信じる宇宙人って、なんだそれはw
布教に地球に訪れたのに未開人に宗教談義で論破されて、洗脳解体されたりと、いろいろ情けなさ過ぎですね。
何を信じるかは本人の勝手だが、他人の言うことをただ鵜呑みにしていないで自分の頭で考えろってことでしょう。

望も、ただの理屈屋かと思えば、意外に熱血で正義感溢れるところが格好よかったです。まあ赤ん坊の身体で反抗してもなんですが、魔夜があそこまでベタ惚れする訳もわかりました。
でも、最後この後どうなるんだろう女子高生と赤ん坊のラブコメって、先の展開が想像がつかないんですが・・・。
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2008年04月05日

ようこそ無目的室へ!/在原竹広

4894256908ようこそ無目的室へ! (HJ文庫 あ 1-2-1)
在原 竹広 玄ペンギン
ホビージャパン 2008-04-01

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青春とは、無目的な日々である

高校生の男女四人組が、とくに目的があるわけでもなく放課後の部室に集まって、雑談を交わしながらそれぞれが遭遇した不思議な出来事の謎を解いていくというミステリ。
なかなか良質なミステリでありました。これはよい『古典部』。

いつも淡々としてクールな一郎、裏表のあるヤンキー肌の千尋、うっかりドジっ子のほずみ、童顔で理屈屋の桂助。
まったく毛色の異なった性格の4人が、ひとつところでワイワイ賑やかに謎解きを繰り広げる様子が楽しいですね。
部活動や何かに燃えるのも青春ですが、こうやって気の会う仲間とダベっているだけという青春もありです。

ストーリーは連作短編集風味で、出題される謎は時々でミステリだったり、論理クイズ、ひっかけ問題だったりと多彩でした。
謎解きの裏で無目的部の部員たちの人間関係なども描きつつ、最後にはしっかりオチもついててニヤリとさせられる。
一話あたり30〜40ページで非常に上手くまとまってます。
気がつくと最後まで一気に読んでしまってました。

まあ6話目の『ラブレター・フロム・誰か』は、さすがにちょっとお粗末な感じはしましたが、1話目の『教室で見たもの』と5話目の『それでいいのかの猫』がよい出来でした。
謎解き自体はちゃんと落ち着いて考えれば、あっさりと解ける程度の問題ですが、最終話だけはちょっと驚き。そうきたか。

ゆるいお話のようで、そこには男女間のすれ違いだったり、
にこやかなようでくろぐろっとしたものもあったりと、謎が解けたらといって登場人物たちの悩みの全てが解決するわけではないという、言ってみれば当たり前の学生の姿がありました。
学園ドラマとしてもなかなかですな。

軽く頭のほぐれる運動をしたい人にオススメです。
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2008年04月04日

たま◇なま 4/冬樹忍

4894256886たま◇なま~ほしいものは何ですか?~ (HJ文庫 ふ 3-1-4)
冬樹 忍 魚
ホビージャパン 2008-04-01

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君は僕のために、僕は君のために

夏休みも終盤、由宇の高校編入を目前に控え、大忙しな透。
そんな折、十葉市に新たな『白の使徒』が潜伏するとの情報をキャッチした「欠片同盟」からの依頼で、「宝石憑き」の女の子たちと同居することに!?透は平穏な生活を取り戻せるのか
というわけで、今回は由宇が受験勉強に挑むお話。

コミュニケーション不全な由宇の弱点は国語と英語。
由宇は頭はいいんだけれど、行間を読めないからなぁ。
読解力というのは作者の本音を見破るスキルではない・・・。
そうとわかっていても、世の中には言っちゃいけないこともあるというのを学ぶのがすなわち学校の勉強ですよ。
愛華や灯璃を家庭教師にして受験勉強に励む姿が、ほのぼのとしてよかったです。

人形のような蒼い子と透の会話は、忍耐を要求されるな。
両者の間に流れる「・・・・・・・・・」の沈黙が居たたまれないよ。
なんか植物と話しているか、異星と交信しているみたいだ。
ただ命令に従うことしかなかった彼女も、透たちとの交流で、ちょっとは戦うことに意義を感じることができたのでしょうか。
透もこれでようやく過去の事件を吹っ切れたのか。
まだまだ力不足ですが、これからが彼の見せ場ですかね。

最後に無事、由宇の高校編入も叶って、次回からは学園パートがメインでしょうか。またあの部活メンバーが出てくるのか。
相変わらず透にやたら積極的な愛華に、灯璃に蒼い子も加わって、なんだろうこの素敵なハーレム状態。

このシリーズはどちらかというと学園系ラブコメではなく、アットホーム系エロロリアニメだと思っているんですが、まあ
透と由宇がイチャイチャしてれば、場所は自宅でも学校でも。
それにしても由宇はすっかり人間らしくなってきました。

何か企んでるっぽい灰人や何か目論んでるっぽい白の人とか不安要素はいっぱいですが、出来れば次もほのぼのでヨロ。
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2008年02月03日

グロリアスドーン 5 少女は閃光をまとう/庄司卓

4894256568グロリアスドーン5 少女は閃光をまとう (HJ文庫 し 1-1-6)
庄司 卓 四季 童子
ホビージャパン 2008-02-01

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お前のドリルで旭天を衝け!

広大たちの住む東京・足立区に「貴族階級のbioクラフトが潜伏しているらしい」と世界中のマスコミが色めき立っていた。
ティセの正体を隠したい広大は、UNbARが提案した宇宙戦艦モノの映画の撮影に参加することになり・・・といったお話。
近年、稀に見るドリル賛美SF。ドリルは素晴しいものです。

UNbARきっての天才オタク少女、あーちゃん司令登場。
バカスと天才は紙一重とはよく言ったものです。
っていうか、バカ要素ならもうティルがいるじゃないですか。
キャラ被りまくってるぞおい。どうやらこの物語は、『バカとアホは増えるが減らない。そして伝染する』というマーフィーの法則にハマってしまったようです。ダメスパイラルの予感。

敵であるHELLOから、ティセの情報がリークされてしまい、
ティセに戦艦の偽装を被せて、映画撮影に誤魔化そうとする彼らですが、しっかし、ティセの戦艦グラがテラ轟天号・・・。
天下の四季童子さんになんてものを描かせてるだよ!!
いや、カッコイイけどなドリルにメーサー砲だしなビーム!ビーム!
こうなりゃいっそ巨大怪獣も欲しいところだが、あいにくと放射能汚染トカゲや三つ首ドラゴンは出てきません。惜しい。

ティオと桜子のツンケンした角がとれて丸くなってきました。
絶賛反抗期のティオですが、喧嘩はしてても本当は姉たちに会いたかったんですねぇ。
意地を張ってしまって自分の気持ちを素直に言い出せない。
なんというか、初めて年相応の可愛さを発見できました。

今回、曲りなりにも桜子が広大たちと共闘姿勢を見せたことは、今後姉妹の仲直りのきっかけになるのでしょうか。
姉妹同士なにがあったかは分かりませんが、本心から嫌ってるわけではなさそうなので、わりと和解は早いかな。
長女については、なんかそういうのとは別に三人とも根が深いようですが、まあそれは追々明かされてくるのを待とうか。

それにしても、赤は通常の三倍ドリルとか、なつかしの戦隊モノとか、いろいろとネタを引き込みすぎ。
「ホビージャパン」って、自分のところの実名載せるとは・・・。
仮にも庄司卓と四季童子という神タッグなのに、相変わらず、なんでこんなに悪ノリ全開なんでしょうかね・・・。

いや、むしろこの二人だからかっ!
いい加減に、どっかで止めてください、担当のひと!
ポピニカ 海底軍艦 轟天号2005ポピニカ 海底軍艦 轟天号2005

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2007年12月14日

カッティング Case of Tomoe/翅田大介

4894256207カッティング ~Case of Tomoe~ (HJ文庫 は 1-1-2)
翅田大介 も
ホビージャパン 2007-12-01

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癒えない傷も、やがて明日への礎に

「自分には何の価値もない」。幼い頃に親に捨てられた紅条ケイイチロウはそう思い続けてきた。そうして高校2年生になったケイイチロウの前に、彼の妹を名乗る少女、紅条トモエが現れる。死んだ母と同じ名前と自分と同じ瞳の色を持つトモエに、ケイイチロウは違和感を抱くが・・・。

主人公が初っ端から中ニ病キターって感じでいいですね。
外面は礼儀正しいお嬢様だけれど、中身は兄への憎悪で真っ黒なトモエは、これまた情緒不安定でギリギリのところで精神のバランスを保ってるとっても危ういヤンデレさん。
同じ傷を持つ二人が、ときに憎しみ合い、ときに傷つけ合い、
そしてときに愛し合い、次第に不恰好な関係を築いていき、
いつしかお互いにとっての心の拠り所となっていく様は、なんともいいがたい感動があります。

いやぁ、今回も、キャラクターから、ストーリーまで、何もかもが痛々しい限りで始終アイタタタ!!って感じですね。
トモエやケイイチロウの負っている心の傷が、さらに新しい傷を生み出して、過酷な現実がそれらを容赦なく抉っていく。
しかし、そんな不条理な現実に傷つきながら、立ち向かっていく二人の姿に魅せられました。

二人の関係は、結局、同類同士の傷の嘗め合いなのか。
それは部外者が決めつけていいことではないでしょう。
私は別に「共依存」という関係については否定しません。
他人から依存されることに依存してしまうのは、自分自身への愛が薄いからであって、だからこそ他人を愛し、愛されることがその人のために必要なんじゃないかと思うわけですよ。
いまは埋めようのない彼らの傷も、いつか愛によって塞がれる日がくると信じます。愛は素晴しいものです。愛最高!

あとがきで言っているように、現代は自分が傷つくことばかりに敏感になって、他人の痛みには鈍い人が増えています。
癒されることばかりを求めている世の中ですが、本当は傷つけられても傷つかない強さを備えることこそが肝要です。
むしろ人間は、傷ついてこそタフになってくんじゃないかな。
人の強さとは、傷の上のかさぶたの数で決まるんですよ。
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2007年12月13日

AKUMAで少女 2/わかつきひかる

4894256339AKUMAで少女~嵐を呼ぶ転校生~ (HJ文庫 わ 3-1-2)
わかつきひかる 高階@聖人
ホビージャパン 2007-12-01

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入れ替わり、性質換わり

ツンデレなゆり絵と気弱な僚は、お互いの身体と心が入れ替わるという奇妙な体験を経て、はれて恋人同士に。
らぶらぶな二人のところに、僚の幼馴染でイケメンの勇作が帰ってきた。さらに僚と入れ替わったゆり絵に迫ってきて・・・。
ネットで話題騒然のちょっとえっちなTS系ラブコメです。

初っ端からゆり絵と僚のバカップル度がきつつつ!!w
相変わらず、ゆり絵の身体に入った僚は女子に大人気。
なんかもうこの状況を最大限に甘受してますね。
男なのに、女の身体の喜びに目覚め始めている僚がキモくてたまりません。ダメだこいつ、早くなんとかしないと・・・・・・。

ときに女子の世界というのは、こんなにもエロくなるものかと。
この真ピンク色の空気には、逆に恐怖すら感じてしまう。
とくに女子更衣室は魔空間。傍観する分には、笑ってすませられるが、自分では頼まれても入りたくないな。
これまで女の子に抱いていた幻想がいろいろブチ壊しです。
あまりにデリカシーのない姿に、おじさん、泣けてきた(ノД`)

この高添加なエロスに読者が引くんじゃないか、という感慨に反して、わりと売れ筋がいいのがなんだかな。
萌えとエロスは混同すべきではないというのが、個人的な意見だけれど、萌えだけでは物足りず、さりとて美少女文庫は購入しずらいという読者のニーズにあったのかもしれんね。
エロ小説くらい堂々と買えよ。このムッツリども。

今回は、ゆり絵の暴走ならぬ、大活躍でしたが、僚はまったくイイところなしでしたね。むしろ、考えなしの行動が事態をややこしくしているばかりで、そのバカさ加減に萎えた。
けど男の身体に戻るよりは、入れ替わってた方がいいかな。
ゆり絵は「攻め」で「上体」、僚は「受け」で「下体」はガチです。

あとがき読むと、もう3巻まで決まってるっぽいですが、
この二人が一線を越えて結ばれてしまう日は来るのか。
この作者ならそこまでやってしまうような気もするがどうよ?
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2007年12月12日

フェイクフェイク ルナティックシスター/榊一郎

4894256312フェイクフェイク~ルナティックシスター~ (HJ文庫 さ 1-2-2)
榊一郎 藤田香
ホビージャパン 2007-12-01

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新しい妹は、目からビームっ子

ある日、自称"某国王女の身代わりアンドロイド"金髪碧眼の美少女パミルと同棲することになった高校生の南部匡平。
平穏な日常を愛する彼の生活は、パミルのせいでいつもドタバタに。そんな感じのアットホーム・ラブコメディ。第二巻。

匡平とパミルの同棲生活も妙に馴染んできましたね。
まあ油断をしているとお風呂でバッタリといった、古典的イベントが発生するギャルゲ空間ではありますが。
兄妹というところをお互いに強調しつつも、ホワイトデーのお返しで変に意識し合ってしまう二人にニヤニヤw
むしろ、義妹は立派な恋愛対象だろう。普通の一般市民を目指すなら、そこはフラグを立てておかないと。

期末試験では教科書を丸暗記できても理解がともなわない、
調理実習を前に匡平が料理を教えたら台所を火の海に。
いつまにか商店街にパミルの『王女様』が浸透してるわ、
ゴミ捨て場からロボット犬を拾ってくるわ、毎度、パミルが騒動を巻き起こし、匡平がフォローに追われるのはお約束。
まあ「お兄ちゃん」であろうとするばかりに、奇態に走ってしまう匡平もパミルに負けずシステムエラーが発生してますが。

匡平がパミルに振り回されてしまうのも、ひとえに彼女が何事にも真剣で、心が素直だからなんですよね。
そうやって手間がかかるのも、危なっかしくて眼を離しておけないのも含めて彼女の魅力でしょう。
さまざまな騒動を乗り越えて、お互いに徐々に理解の溝を埋めていく二人の関係がよかったです。
これこそ同棲モノの醍醐味というやつじゃないかな。

やはりパミルは多少電波でとんちんかんなことを言っている方が、パミルらしいというところで落ち着きました。
今回は最後まで事件らしい事件はなかったものの、こういう平凡な日常パートオンリーの巻もまったりできていいかな。
ラスト一巻くらいだそうですが、どうせならこれくらいのゆるゆるストーリーで終わらせて欲しいな。
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