ダフロン

2008年02月24日

この海外ファンタジーがすごかった!

4102024115黄金の羅針盤〈上〉 ライラの冒険
フィリップ プルマン Philip Pullman 大久保 寛
新潮社 2003-10

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3月公開予定の映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』。
いきなりぶっちゃけていうと、これはコケます。
前半は、勇敢な少女ライラが行方不明になった親友を捜しにいく冒険物なんですが、後半は何故か天使たちが現れて「メタトロン様マンセー!」と叫びながらアルマゲドンを勃発させるという凄まじい超展開になります。

元々、聖書の教養のない日本人には、途中からストーリーがワケわからなくなること受け合いです。
オチに聖書ネタを絡めたことで読者を置いてけぼりした例だと、『ネシャンサーガ』という黒歴史があります。
海外で人気があるからって、日本でも流行るとは限らないということぐらい、映画関係者は考えようよ。
日本人には『ナルニア国物語』が精々です。

というわけで、今回は日本人かつラノベ読みが読める海外ファンタジーをいくつかピックアップしてみる。


◆サークル・オブ・マジック
4092301219サークル・オブ・マジック 1 (小学館ファンタジー文庫)
デブラ・ドイル ジェイムズ・マクドナルド 武者 圭子
小学館 2007-04-21

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中世ヨーロッパを模した世界ブレスランドを舞台に旅する、魔法使いランドルと吟遊詩人の少女リースの物語。
非常にシンプルかつスタンダードな内容で読み易い。
この度、文庫落ちして手ごろな価格でお求めやすくなりました。海外ファンタジーの入門書として最適な一冊。


◆タラ・ダンカン
4840111111タラ・ダンカン 若き魔術師たち(上)
ソフィー・オドゥワン・マミコニアン 山本 知子
メディアファクトリー 2004-07-02

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フランス児童文学のハリポタといわれている作品。
こちらもハリポタと同じように、ある日、魔法の才に目覚めた少女タラが魔法学校に行き、仲間とともに悪の魔法使いと戦いを繰り広げるという物語になっている。
アニメ『ラストエグザイル』を手がけた村田蓮爾による美麗な表紙が魅力。そして作者は、ヨーロッパの亡国の王族の末裔という驚きの経歴をもっていたりする。


◆花の魔法、白のドラゴン
4198619018花の魔法、白のドラゴン
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 佐竹美保 田中薫子
徳間書店 2004-08-29

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作者のダイアナ・ウィン・ジョーンズは海外ファンタジー界の重鎮。これまでご存知なかった方も、『ハウルの動く城』の原作者といえばおわかり頂けるだろうか。
日本で一番多く作品を出版しているファンタジー作家。
ストーリーは王道ながら読み応えは抜群。注)上級者向け。


◆正しい魔女のつくりかた
415250028X正しい魔女のつくりかた (ハリネズミの本箱)
アンナ・デイル 岡本 さゆり
早川書房 2004-11-10

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ひょんなことから魔女の集会に紛れこんでしまった少年と、そこで出会った見習い魔女とのハートフルストーリー。ジブリアニメのような牧歌的な雰囲気がいい。
作者は本屋でアルバイトをしながらこの作品を書き上げて新人賞をとったという期待の若手作家。


◆女王陛下の少年スパイ
4087733688ストームブレイカー―女王陛下の少年スパイ!アレックス (女王陛下の少年スパイ!アレックス)
アンソニー ホロヴィッツ Anthony Horowitz 竜村 風也
集英社 2002-08

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ファンタジーではないが、いい機会なので一緒にオススメしたいのがこちらのスパイアクション。
14歳の少年アレックスは、叔父から継がされたスパイ業を嫌がっているのに、MI6の策略でいつも世界を揺るがす事件の渦中に放り込まれてしまう不遇な主人公。
また作者はかなり日本通のようで、毎回、SONYや任天堂の製品に爆薬を仕込んだスパイグッズが登場する。
絵師は「ジョジョ」の荒木飛呂彦。


◆幽霊船から来た少年
4152500050幽霊船から来た少年 (ハリネズミの本箱)
ブライアン ジェイクス Brian Jacques 酒井 洋子
早川書房 2002-12

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呪われた海賊船フライングダッチマン号から、唯一生還した不死者の少年が、神の導きにより困っている人々を機転と知恵で救って回る、冒険あり、謎解きありの完成度の高い作品。
作者のブライアン・ジェイクスは、管理人の一番のお気に入りの海外ファンタジー作家。


◆ストラヴァガンザ
4092903715ストラヴァガンザ―仮面の都
メアリ ホフマン Mary Hoffman 乾 侑美子
小学館 2003-11

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ある日、21世紀のロンドンから、16世紀の平行世界タリアへと渡る術を身につけ、時空を超える旅人・ストラヴァガンザとなった少年少女が、地球と異世界を行き来しながら、タリアの平和を脅かす悪と戦う歴史ファンタジー。
ヴェネチアそっくりのベレッツァという美しい都市の中で危険な陰謀が錯綜する、とても壷惑的な世界観に魅せられます。


◆アルテミス・ファウル

4042969011アルテミス・ファウル―妖精の身代金 (角川文庫 コ 17-1)
オーエン・コルファー 大久保 寛
角川書店 2007-07

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歴代の犯罪一家の当主アルテミスは12才の天才少年。
彼は存在すら信じられていない「妖精」を誘拐し、身代金として金塊を奪うという奇想天外な計画を立てる。
魔法とハイテク機器を使いこなす狡猾な妖精と悪の申し子アルテミスとの知略を巡らした駆け引きに引き込まれます。


◆ファンタージエン
4797329831ファンタージエン 秘密の図書館
ラルフ・イーザウ 酒寄 進一
ソフトバンククリエイティブ 2005-09-29

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ミヒャエル・エンデの不朽の名作『はてしない物語』に影響をうけたファンタジー作家が、ファンタージエンの世界観を引き継ぎ、それぞれ物語を描いていくというスピンオフシリーズ。
物語は、この世のすべての本が集まるというファンタージエン図書館から再び冒険が始まります。
エンデの読者のみならずファンタジーファンなら必見の一冊。


◆おまけ
以下、未読だけれど積んである作品。

4757738919モリー・テンプラーと蒼穹の飛行艦
スティーブン・ハント
エンターブレイン 2007-11-19

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4652079176錬金術師ニコラ・フラメル[アルケミスト]
マイケル・スコット 橋本恵
理論社 2007-11-22

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4915512614サイレンの秘密 [コニー・ライオンハートと神秘の生物シリーズ 第一巻] (コニー・ライオンハートと神秘の生物 Vol. 1)
ジュリア・ゴールディング 松岡佑子/カースティ・祖父江
静山社 2007-11-14

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以上です。ちなみにこれだけでなく「この海外ファンタジーもすごいよ!」っていうのがあればコメントよろしくお願いします。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 海外モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『ローワンと魔法の地図』エミリー・ロッダ著

とても面白いです。
Posted by 弼 at 2008年02月24日 21:13
コストパフォーマンス的におすすめなのは講談社文庫版ムーミン。大きい書店ならちょくちょく見かけます。『ムーミン谷の冬』とか400円しませんからね。
ラノベ好きにおすすめとすると『ベルガリアード物語』とか。B級王道ライトファンタジーにおける至高の傑作。さくさく読めます。最近deltazuluさんが感想あげてますね。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズは大大大好きなんですが、初めて読む人には『七人の魔法使い』をおすすめしたいです。面白いのはもちろん、プロットが一本線なので今現在何が起こっているのかを見失いにくいですし、状況に翻弄されまくるジョーンズのノリがよくあらわれてますから。
Posted by hatikaduki at 2008年02月24日 23:12
>弼さん
おお、懐かしいタイトルが。
学生時代に読みましたよ。エミリーロッダ。
最近、巷では『デルトラクエスト』がヒットしてますね。

>hatikadukiさん
ムーミンですか、それはさすがに読んだことはないかも。
今度本屋にいったら探してみます。

ダイアナさんは、ストーリーがシンプルな方が好きですね。
クレストマンシーシリーズみたいに仰々しいものよりも、『呪われた首環の物語』、『星空から来た犬』あたりのひっそりしたお話がいいです。
Posted by 愛咲優詩 at 2008年02月24日 23:50
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