ダフロン

2007年12月08日

刀語 第十二話 炎刀・銃/西尾維新

4062836521刀語 第十二話 炎刀・銃 (エントウ・ジュウ) (講談社BOX)
西尾 維新 竹
講談社 2007-12-04

by G-Tools

「わたしは、そなたに惚れてもいいか?」

そして歴史は、終わらない終焉を刻む

四季崎記紀の12本の伝説の刀をめぐる新本格時代活劇。
虚刀流・鑢七花と奇策士・とがめの12ヶ月にわたる刀集めの旅は、ついに最終目的地である尾張城へ。
炎刀・銃の放った弾丸によって瀕死に陥ったとがめ。大切な人を守れなかった七花は、たった一人で城へと突入する!

とがめと七花の息の合った夫婦漫才が魅力のこの物語。
前回のラストで、とがめが銃弾に倒れてしまって、いったいどうなるんだと不安でハラハラしていましたがまさか、まさか・・・。
この展開はちょっと、いや、かなり予想GUYです。

銃弾に貫かれた死の淵で、これまでの関係を壊してしまうような、冷酷とも受け取れる心情を吐露するとがめでしたが、
いまさら理屈と感情にどれほどの違いがあるんでしょうか。
それに七花と旅をしてなにも変わってなかったら、孤独なままだったら、誠刀・銓を手にいれることはできなかったと思う。

致命傷でも悪刀・鐚ならなんとか出来るかもしれないことぐらい、賢しいとがめなら一瞬で気づいたはず。
でも、そうして生き存えることを選ばなかったということは、すでに復讐心はなかったんだと思う。
すべての言葉は、自分が死んでも七花に生きて欲しいという、これこそとがめの最後の奇策だったのではないでしょうか。

しかし、とがめを失った七花のバーサクっぷりは想像以上。
城攻めを行った七花の行く手に待ち構える家鳴将軍家御側人十一人衆ですが、これまで戦ってきた所有者のどこまでもデットコピーで、変体刀に完全に振り回されての自滅に継ぐ自滅。
そもそも元の所有者達だって、とがめが命じたあの縛りがあってこそ虚刀流相手に勝負になってたんであって、彼らにも劣る連中じゃ、ハナっからリミッター解除した七花の相手じゃない。

肝心の左右田右衛門左衛門にしても、炎刀・銃を所持してるからって七花を侮りすぎでしたね。
必殺の忍法、断罪円も結局かませ犬ならぬ、かませ技か。
とがめがいればあの十二単の下に防弾対策の鉄板でも仕込むんだろうが、彼の覚悟はそうした奇策も越えていました。
締めの「ちぇりお」の叫びには、これまでの様々の想いが込められていて胸にぐっときた。なんだか泣きそう。

いや、でも、もう少しマシな結末にできなかったのかな。
これでもかとお気楽でご都合主義バリバリなハッピーエンドを、この『刀語』というシリーズには期待していたのですが・・・。
ここにきて「萌えキャラ殺し」の特性を発揮するとは、さすが西尾維新だと納得しないこともなくはない。三重否定。
満点ではないけれど、まあまあ綺麗な締めくくりでした。
12ヶ月もよく頑張ってくれました。本当にお疲れ様でした。

それはそうと、さっさと、『化物語』の続編を書きなさい。
私にとって『刀語』は、『こよみヴぁんぷ』の長い前座でした。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社BOX | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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