![]() | 刀語 第十一話 毒刀・鍍 (ドクトウ・メッキ) (講談社BOX) 西尾 維新 講談社 2007-11-02 by G-Tools |
歴史は静かに終幕へと向かう
四季崎記紀の12本の伝説の刀をめぐる新本格時代活劇。
虚刀流・鑢七花と奇策士・とがめは、毒刀・鍍によって暴走を始めた真庭鳳凰を追って伊賀の新・真庭の里へ。
鳳凰と相対した彼らは、そこで十二本の変体刀の秘密と四季崎記紀の正体を知らされることに・・・というお話。
旅が終わったあとも一緒にいると誓い合う二人が素敵です。
ただ素直にそばにいて欲しいって言えばいいのに、「腹心になれ」だなんて、なんともかわゆい告白じゃないですかw
旅の間に七花が人間らしさを育んでいったように、とがめも他人を信頼するという覚悟を身に着けていたみたいです。
裏表のない七花だからこそ、とがめも胸の内を打ち明けるようになったんだろうなぁ。まったくお似合いのカップルですね。
それにしても、まにわに。最後までやられっぱなしでした。
四季崎記紀の毒毒しさに、鳳凰さま食われてましたもん。
ラスボス格としては、勝負もあっけなかったかな。
でも、さすがに人鳥くんの扱いは、ちょっと可哀想でした。
すこし気が弱いだけのごく普通の少年だったのに・・・。
彼に不運があったとすれば、忍として生まれたことか。
左右田右衛門左衛門の非道っぷりには顔をしかめる。
断罪円、不生不殺のカラクリは次の巻に持ち越しですかね。
さて、ついに歴史の謎も明かされて、いよいよ残すところは最後の一本ってところで、ラストの引きが凶悪すぎるっ!
泣いても笑ってもあと一冊。できれば最後は笑いたい。