地を駆ける虹 (MF文庫 J な 3-1) 七位 連一 メディアファクトリー 2007-09 by G-Tools |
【人の心から孵るエレメントの力。英雄に憧れるネイブは友人達と懸賞金狩り(ロット)を組んだがしかし、彼だけがメンバーの中で卵が孵っていない「雌鶏」だった・・・】
大器晩成は無能者のいい訳
天地火水の四属性と虹の七色の組み合わせで様々な現象を引き起こす"エレメント"と呼ばれる魔法が存在する世界。
幼馴染の3人と賞金稼ぎチームを組みながらも、一人だけ"エレメント"を使えない主人公、ネイブがやがて大きな事件に巻き込まれ自身の力に目覚めていくといったカンジのお話。
脇役は素晴らしく魅力的なのに、主人公だけ最低です。
作戦もなしに感情だけで先走って仲間の足手まといになり。
表面では一応申し訳ない態度をしつつも、必死に努力する友人たちの横で楽をすることばかり考えてるし、僻みっぽい。
ついには自らの矮小さを取り繕うため、功名に逸って仲間を見殺しにして…。人間のクズですね。
なんかもうこれはヘタレとか、少年らしいモラトリアムという言葉では許されないダメ人間っぷりじゃないか。
エピローグで、さも悲劇の主人公みたいな感傷に浸ってるのが厨二病っぽくて気持ち悪い・・・。
せめて主人公をもっと真面目で努力家にできなかったかな。
それだけでも読者の好感度はかなり違うと思うんだが・・・。
一人称の小説は、読者は主人公に感情移入して物語を読み進めていくので、主人公があまりにも非常識だったり、低脳だったりするとそれだけで嫌気がさしてくるんですよね。
世界観やその他の要素は王道だが、作者なりに手は加えているようだし、ストーリーもしっかりと場面展開を組み立てているだけに勿体無い。そしてやっぱり脇役がいい。ネイブいらん。
私的には、最後にもう少し「救い」があったらよかったが・・・。
まあこれがデビューだし、次に期待。