![]() | アンダカの怪造学 7 日日日 角川書店 2007-08-31 by G-Tools |
【ヴェクサシオンの仕組んだ陰謀により怪造学会の本部は壊滅。さらに憤怒大公が竜族を率いて人間社会に侵攻を開始。伊依は怪造学会総長から重大な使命を命じられるが・・・】
その時、歴史が動きまくった!
怪造学会本部に封じられていた魔王が復活した。
現界を支配するための障害となる怪造学会総長・激流院潮静抹殺に憤怒大公率いるドラゴンの軍勢が進軍を開始する。
魔王に対抗できる最終兵器を手にした伊依は、戦いを止めることができるのか、そんな感じで「第三部 魔王編」スタート。
前回の事件を引きずって、すっかり自信喪失な伊依。
いつも夢と理想に全力疾走な彼女もやや疲れが出てきたか。
そんな伊依と潮静が接近遭遇し、急変する事態の流れに負けて《独唱第五番》なる最終兵器を起動したはいいけれど、やっぱり戦いたくないとか言っている彼女の甘えを斬って捨てる激流院潮静の言葉は、いつもはボケボケな人なのに、やはり人の上に立つ人間としての迫力がありますね。
自分の気持ちすべてが噴切れたわけではないけれど、戦いを止めるために立ち上がる伊依の花嫁姿は凛々しいかぎり。
何かの決意に燃えているところが格好いいよなぁこの娘は。
そして潮静に拉致されてこき使われている伊依に代わって、
遊、香美、魔夜、舞弓、罠奈たちが各々の裁量で事態に対処すべく動き始めていく場面は、彼らの伊依への信頼や仲間としての絆を感じて胸が熱くなりました。
なんにせよ伊依や友人たちの成長ぶりが見えてよかった。
魔王と激流院潮静の関係、寂憐院とアンダカ創造についての秘密の一端が明かされて、個人的には舞弓と高橋十、血影の絡みや氷蜜の思惑なんかも気になるところではありますが、
とくに間幕で虚無大公として力を取り戻した影文を追いかけて「冒険中」の真子ちゃんは次回でも要注目ですね。
あと残りニ冊? 日日日作品の中ではとくにお気に入りのシリーズでもあるので、このままのペースで頑張って欲しいです。