![]() | 神様ゲーム 6 宮崎 柊羽 角川書店 2007-08-31 by G-Tools |
【魔神により地形を組み替えられ、すごろく盤となってしまった叶野市。秋庭多加良は卵から孵った謎の生物タマちゃんを連れて駒として魔神と勝負することに!?】
大切なものは目に見えないけれど
神様の出すゲームに挑む少年少女の学園青春もの。
今回のゲームの種目は叶野市を舞台にした「すごろく」。
魔神ギエナの望みを叶えるため、駒に選ばれてしまった多加良が、「願いの花」を芽生えさせた他の駒と共に、ゴールを目指して次々と出題されるお題をクリアしていきます。
「願いの花」を咲かすゲストのエピソードがよかった。
誰にも触れらず箱に入れて飾っておくことが大切にすることだと思い込んでいる少年が、使い込まれた玩具を見て他人に触れられる喜びと家族の暖かさに気づく「キミノオンド」。
人と人の繋がりの重さを極端に拒否する少女が、避けられても友人として慕い続ける羽黒と手を取り合う「キミノオモサ」。
そして最後に、これまで他人の大切なものを壊し続けてきた魔神ギエナが、大切なものを得ることへの恐れと向き合い、
壊れてしまうからこそ大切にするということを知る「キミノテ」。
「大切なもの」というテーマで語られる、登場人物たちひとつひとつの思いの叫びが心に響きます。
触らなければ傷つかないし、持たなければ失うことはない。
そうやって最初から近づきさえしなければ、壊れることも、汚れることもないけれど、そういうのは寂しいですよね。
大切なのは失うことを恐れずに求める勇気を持つこと。
たとえ壊れたとしても大切に思っていた記憶は消えない。
いつまでも忘れずにいることが大切にすることでもある。
大切にされるということを学んでいく、"物"としてのタマちゃんの視点がいいですね。あと喋り口調も面白くてカワイイw
「自分を信じるな。俺を信じろ。お前を信じている俺を信じろ」的な多加良の熱血漢あふれる教授も素敵です。
最後ちょっとかのう様が黒いセリフを吐いていますが、そういうかのう様には大切なものとか、かけがえのないものとかはないんだろうか。彼女にとっても多加良たちとゲームで過ごしてきた時間が大切なものになっていくといいなぁ。


