![]() | 狼と香辛料 5 支倉 凍砂 メディアワークス 2007-08 by G-Tools |
【ホロの故郷ヨイツの手掛かりを求めて、材木と毛皮の町レノスにやってきたロレンス。ところが、レノスでは毛皮が売れないという事態が持ち上がっていて・・・】
「望んでも手に入らないかもしれない。だが、望まなければ絶対に手に入らない」
さよならは恋の終わりではなく
行商人ロレンスと狼神ホロの旅物語。
旅の途中で訪れた町レノスでの毛皮騒動を利用し、またもやロレンスは一攫千金を狙いますが、賭けるのはホロ自身。
自覚し始めたホロへの愛情をとるか、商人としての夢と誇りを貫くか、ロレンスが決断を迫られます。
ロレンスとホロの掛け合いは、ますます糖度アップ。
言葉にせずとも、お互いにすっかり気持ちが通じ合っている姿をこれでもかと見せつけてくれるんだからたまらない。
街を歩いていてもホロのご機嫌を取ることばかり考えているロレンス、そしてかまって欲しくて甘えてくるホロときたら最高!
しかし、そんな楽しい旅もいつかは終わるというロレンスの不安をホロがより強く抱いていために二人の間にすれ違いが。
お互いに好きでいるうちに別れようなんて、ホロらしくない!
ロレンスの夢を叶えるため、自分が取引されるというのに、躊躇う彼の背中を押してやるホロが見ていて辛かった。
突然ホロに拒絶されたロレンスの苦悩も痛々しいですが、最後の最後で本当に大切なものに気付き、常に強迫観念のように染み付いていた商人魂をついに打ち負かした彼に拍手を贈りたいですね。ロレンスがひと回り大きくなってみえました。
商人である前に、人間としての心を忘れしまったらそれこそが守銭奴、金の亡者というものですよ。
人間として成長することが、商人としての成長ではないかな。
色々な問題を乗り越えて再び手を取り合ったホロとロレンス。
別れの不安がすべて拭い去られたわけじゃないけれども、
例え、出会った頃の初々しさや新鮮さが薄れたとしても、そこには同じ月日を重ねただけの強い絆があるはずですよね。
そのことに今度はホロが気付いて欲しいです。
さて、次の巻こそは温泉の町。ホロの入浴シーンにかける作者の意気込みはファンの間で有名ですが、ホロたん変身前後はしょっちゅう脱いでるしなぁ。もうすでに十分エロい話。
それよりは二人の旅の結末を気にさせないくらい甘くて愉快な話が読みたいな。コミック化、TVアニメ化も期待してマス。
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