![]() | 神曲奏界ポリフォニカ ぱれっと 神曲奏界ポリフォニカ シリーズ短編集 (GA文庫) 浅井 ラボ あざの 耕平 神野 オキナ ソフトバンク クリエイティブ 2007-08-09 by G-Tools |
シェアードワールド・ポリフォニカ短編集。第二弾。
四人の作家による短編集+五人のイラストレータの競演。
というかGA文庫自体が初めての人ばっかじゃないか!!
そしてなんという豪華作家陣!!!!wwwwwww
GA文庫、よくやった!!
◆たとえ時が経とうとも 三田誠
周囲からは天才と賞賛されども、自分では凡才と思っているレンバルトのある日を描いた「ポリ赤」のサイドストーリー。
普段は軽薄なイメージが先行しているレンバルトが渋い!
珍しく失意に浸る彼と人生の重みを感じるピアノ弾きの老人との世代の差を越えた友情ってのが、またいいです。
レンバルトは主人公に匹敵する魅力ある名脇役だと思うのですが、いかせん、本編ではフォロン×コーティが強すぎる。
レンバルト×ボウレムズにも、美味しいところを与えてくれ。
そして、折角のレンバルト回なのにハーメルンにお役を奪われているシンクラヴィスの存在不憫。
◆音色は遠く、耳に届かず 浅井ラボ
あいかわらず、容赦なくグロく不条理で救いがない!
作者色が真っ黒、というか汚濁色だな!
そしてこれも浅井ラボならではというのか、周波数しつこい。
まあ音楽における周波数は、それだけで本が一冊できてしまうほど重要な要素らしいですがなんともアカデミック。
ときに神曲とは『魂の形』なので、低脳な下級精霊とはいえ、神曲を奏でられる以上は、このハートレスなおっさんも、自覚してないだけでちゃんと心があるはずなんですよね。
そうした裏まで心得て描いてるとしたら、さすが浅井所長。
◆ワイルドウェスト・いえろー 神野オキナ
ポリフォニカ大陸とはまた別の新大陸での物語。
またポリフォニカに新しいステージの可能性が広がりました。
「あそびにいくヨ!」は途中で止まっているのでゲストキャラが誰なのかはわかりませんが、それでも十分楽しめました。
ヘイホンと六がやりすぎな感もありますが、可愛いから良し。
ときに赤黒白青ときたら、次は黄だと思っていたんですが、
そんな戦隊色を短編で使ってしまっていいのだろうか・・・。
◆ダン・サリエルと白銀の虎 あざの耕平
虎型の上級精霊コジを巡る自意識過剰な音楽家ダン・サリエルとあがり症の天才少女アマディアの物語です。
ワガママだけれども、ダン・サリエルのあのぶっ飛んだキャラは清々しささえある。性格破綻者っぷりが最高!w
ダンはレンバルトと同じ葛藤を抱えてなお、堂々と開き直って大衆のための音楽を目指す姿がカッコイイです。
アマディアの真の才能に打ちのめされはしたけれども、音楽は技術だけ優劣は決まらないと思う。
天才ダン・サリエル先生の今後の活躍に期待です。
お気に入り順としては、あざの>三田>浅井>神野かな。
しかし、それぞれ特色が溢れていて甲乙つがたしでしたぞ!
それではポリフォニカのさらなる発展を願って。