![]() | リバーシブル 3 (3) (角川スニーカー文庫 194-3) 水月 昂 角川書店 2007-07 by G-Tools |
【仲間たちが同じ夢をみているとしたら? 「調停者」に干渉し、人を自由に操る謎めいた"霧"の正体に迫ろうとする俺たちの前に、美しい転校生が立ちはだかる】
白き闇を見極めろ
超高性能IFツール「調停者」を巡るSFミリタリーアクション。
毎晩、白い霧の中を彷徨う夢を見始めた樹たち。
その霧の謎を追っていくうちに新しくクラスにやってきた転校生と新任教師の密かな陰謀をしってしまい云々というお話。
相変わらず、超高性能なガジェットを下らないことに・・・。
確かにゲームやi-Pod、ブックビューワーとしても便利なツールなんですが、もっと有効な使い道があるじゃろうよと。
画像解析機能を活用したビリヤードや格闘シミュレーターは面白いですけれども、「調停者」の無駄に高いスペックを持て余し気味なのが勿体ないなと。
「調停者」を持ってるせいで、軍隊や犯罪組織から目をつけられてるのに危機感がないなとは思いますがそれはさておき、
伊緒がスーパーガール過ぎる。
気象衛星にも侵入できるハッカーの腕だけでなく、拳銃も撃てるしナイフも投げれる、って、卑怯でしょうそんなヒロイン。
結局、伊緒がいなかったらどうしようもない気がしてくる。
前半後半で二つの山場があるんですが、なんというか、テンポが悪くて間延びした感があるんですよね。
日常パートからアクションパートに突入したら、あとはノンストップで最後まで駆け抜けてしまった方がいいです。
敵である『愚者』もスケールこそは大きいんだけれど、どこかアマチュアっぽくて緊張感に欠けてしまっていました。
どうやら今回で打ち切りっぽいですが、樹と伊緒の関係だけは最後でまとめてくれたのでそこは及第点です。
まあ1巻の頃と比べれば格段の進歩が見られますので、この経験を活かした作者の次回作に請う期待。