レンズと悪魔 4 (4) (角川スニーカー文庫 179-10) 六塚 光 角川書店 2007-07 by G-Tools |
【探偵業を営むテッキやエルバの周りで起きる様々な出来事。それらの面倒事も、命がけで八眼争覇を戦う彼らにとっては、ごく平凡な日常】
拷問的な彼女
八眼争覇の合間の探偵業務を描いた短編集。
家出娘を連れ戻すお話。博物館に盗みに入った泥棒を懲らしめるお話。殺人事件の捜査に首をつっこむお話。
短編2話、中編1話といったところです。
久しぶりのギャグ巻ということで、テッキがハッチャケてます。
博物館の所蔵品を盗んだゴロツキたちを脅し、依頼主にたどり着くまでに、いつの間かそのゴロツキたちまで仲間に加わって、押しこみを仕掛けていくんですから笑いが止まりません。
それにしても嬉々として拷問に勤しむテッキ、ノリノリである。
エルバに嫉妬するテッキやファルナの様子にニヤニヤ。
かたや最後の「敗北者たちの挽歌」では、前回の八眼争覇に関わったある人物を通して、いま一度、八眼争覇で戦う目的を再認識するエルバがシリアスで印象的でしたね。
例え復讐という非生産的な理由でも、すでにファルナを犠牲にしている以上、このまま負けて引き下がることはできない、と決意を新たにする姿に、ギャグでゆるんだ気持ちを引き締め直されましたよ。
「タマラセ」と違ってギャグがなくても面白いんですが、たまにはこういったコメディパートも本編に交えてほしいですな。
恋愛要素が絶対的に少なめなので、そちらの進展も期待。
あとは鬱な超展開にならなければ個人的にはOKです。