刀語 第8話 微刀・釵 西尾 維新 講談社 2007-08-02 by G-Tools |
【虚刀流の剣士・鑢七花と奇策士・とがめは、江戸の不要湖へ。十二本の変体刀の中で『人間性』に重点をおいた微刀・釵を持つ次なる対戦相手は、からくり人形、日和号!】
鑢七花の人間試練
四季崎記紀の12本の伝説の刀をめぐる新本格時代活劇。
日本人形を模したからくり人形型変体刀、微刀・釵。
あきらかに七花たちの時代には、ありえないオーバーテクノロジーの塊なんですが、もう日本刀からかけ離れたものをヒネリ出すことに命かけてるでしょ、西尾ちん。
ようやく尾張の否定姫とのご対面。
とがめが二人いるーってなカンジですな。
初っ端の挨拶から舌戦を繰り広げる二人ですが、どこかお互いに相手とのやり取りを楽しんでいるような?
策士としての共感覚みたいのもあるんでしょうね。
微刀・釵の情報を入手し、江戸の不要湖へと向う二人ですが、案内人の左右田右衛門左衛門がいなくなった途端、イチャイチャし始めるのは、なんつーか本当に仲がいいなお前ら。
膝の上だっこで作戦会議ですか。そのナチュラルさがいい。
いくらでもやっちゃってください。
作中では微刀・釵の特性を「人間らしさ」と評していますが、その実は使い手すらも排除した、武器としての本質・「無情さ」を表した変体刀であったと思いますね。
人間らしく成長していく七花には、いままでの自分自身を振り返る上で大きな意味を持つ相手でした。弱かったけど。
ランク付けだと、日和号は仕込みカラクリがある分、校倉必よりちょっと上ってくらいか。
少しだけ四季崎記紀の人物像に迫ってきましたが、否定姫の正体も含めて後半の主題になるのかな。
それと左右田右衛門左衛門が単体で真庭忍軍を下してしまいそうな勢いにはびっくり。残りの頭領はあと三人。
このまま最後までかませ犬忍軍で終わってしまうのか。
いよいよ残すはあと四本。テンション維持でお願いします。