カラクリ荘の異人たち~もしくは賽河原町奇談~ 霜島ケイ ミギー ソフトバンククリエイティブ 2007-07-12 by G-Tools |
【異世界へ行く方法を尋ねられ「車か電車で行けば?」と答えた太一。しかし下宿することになった空栗荘へ向かった彼がバスを降りると、そこは妖怪たちの住む町で・・・】
0144-14106!
一人暮らしを始めた太一の下宿先、古びた旅館の空栗荘は、あちらとこちらが混じりあう不思議な場所。
人間たちの住む表側と妖怪たちが棲む裏側の賽河原町を行き来するようになったことで、自閉に陥っている太一が少しずつ人との関わりを取り戻していくといったお話です。
妖怪モノというよりは、変人アパートもの?
素朴な妖怪たちと心に傷を負った少年との物語なのですが、
変人ばかりな空栗荘の住人たちとの交流がメインですかね。
妖怪たちより住人たちの方がユニークなのは事実。
中でも半人前霊能者のミヨシがお気に入り。
お調子者な彼を見ていると、こちらも自然と頬が緩んでくる。
他人と距離をひいている太一にも、みんなマイペースにも、
なにくれと世話を焼いてやってる場の温かさに和みますね。
こんなお隣さんばかりだったら騒がしくも賑やかで毎日楽しいでしょうね。
後半、ちょっと妖怪退治風味になりますが、そこでおばあちゃんと再会して、少しだけ「好き」という感情を取り戻して、人との関わりの大切さを思い出していくところがよかったです。
太一と采菜との関係も注目ですが、空回りしがちな采菜と輪から外れがちな太一が噛み合うことはあるのでしょうか。
次があったら、学校を舞台に采菜との話を期待したいです。
ときに異世界へ行く方法があるとしたら、どうやっていくか?
愛咲の答え:本のページを開けば、いつだってファンタジー。