ダフロン

2007年07月20日

ヒツギでSOSO! /文岡あちら

4757736274ヒツギでSOSO! (ファミ通文庫 ふ 4-1-1)
文岡 あちら よう太
エンターブレイン 2007-06-30

by G-Tools

【凶悪犯罪撲滅のため、エリート処刑官を育成する“十三学園”。そこに通う比津木奏輔は、超粛清の力“PTSD能力”発現の期待を受けながらも、なぜか葬儀実習に打ち込む日々で・・・】

死体と愛と憎しみの逃避行


所得格差が広がり、世界中で凶悪犯罪が増加した未来。
エリート処刑官育成学校に通う処刑官候補生の奏輔は、なぜか葬儀実習ばかりを好む変わり者の通称『葬儀官候補生』。
処刑された凶悪テロリストの葬儀の途中、ボスの遺体を取り戻しにきたテログループに拉致され、彼らと共に身元も出身も不明なホトケさんの正しい葬儀のやり方を探し求めるという、
なんとも世にも奇妙な「お葬式」についてのお話です。

頑なに完璧な葬儀の方法にこだわる奏輔。
どうしてテロリストなんかのためにそこまでと不思議でしたが、すべては遺族に禍根を残さないために、これ以上悲しみや恨みの連鎖が起こらないように、なによりも生きている人の幸せを願っての行動だったというのが、格好よかったと思います。

テロの頭目を継いだ少女アリカがやたら可愛いとか、奏輔のパートナーの穂風里はひたすらラブコメだったとかはともかく、
巨乳で、美人で、犯罪者には容赦無しの処刑人という姫璃子のぶっ飛びぶりは圧巻の一言ですな。
テロを恨む気持ちはわかるが、明らかにやりすぎだ!
なんというか正義を掲げる人間の怖さを改めて思い知った。

大量に人は死んでますが、「処刑と葬儀」という暗いテーマなわりには、明るくて結末にも救いがあってよかった。
身近な人の死を乗り越えて歩き出せる強さというのは、誰しも必ず来る"その時"を覚悟して持っておくべきなのでしょうね。
ちょっと変化球めいた代物ではありましたが、キャラ設定や物語の展開は素直に描いているのですんなり読めました。
次回作はもっと普通のものでお願いしたいかな。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | ファミ通文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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