![]() | Re:ALIVE 1―戦争のシカタ (1) 壱月 龍一 小学館 2007-06-19 by G-Tools |
【拓真颯が最近気になっているのが、同級生の菜月カナデ。ある晩、菜月に公園に呼び出された颯は、親友に似た顔の男が、血まみれの女性の死体を抱えている姿を見る・・・】
縞パンはよいものです
どこかで起きていることは知ってるけれど、平凡な高校生の拓真颯には、まったく実感のない。TVの向こう側の戦争。
そんなことよりも学校へ通って、放課後に仲間とバンドの練習をする方が大事という彼の日常が、やがて他人事だったはずの<戦争>によって奪われていくというお話。
ただ本人たちは平穏な日常を過ごしたいだけなのに、
不条理に奪われていく主人公たちの境遇が不憫です。
とはいえ、完全に巻き込まれ型のストーリーで、話の展開に主人公たちの主体性を感じられなかったかな。
話に対して作っていたキャラが完全に宙に浮いていた。
登場人物たちはそれぞれ特殊能力を使用し、陣地の所有権を表す「FLAG」を体内に隠した人物とそれを守る「守護者」。
または「FLAG」を狙う攻撃側となって、様々な思惑に従って殺し合いを繰り広げるわけですが、それこそ嫌々ながらやってるので、戦闘シーンにも水を差されて素直に楽しめない。
軍事企業や幾つかの組織がFLAGを奪い合う理由とか、
それをわざわざ生きた人間に埋め込む必然性とか、
何故にこんなゲームじみた戦争が成立してるのかとか、
詳しい説明がぼかされてるので世界観が掴めない。
最初からシリーズものとして続けるつもりとはいえ、
一巻目で状況が読めない本は読者に優しくないと思う。
描けなかったことは続編で補完しますと言っているものの、
次を買うかは正直微妙。だが璃奈がまたパンチラを披露してくれるなら是非とも。縞パンはよいものです。