さて、食欲といえば、ライトノベルの異世界ファンタジー作品では、「グルメもの」が大人気のジャンルになっています。現代日本の料理をファンタジー世界観で再現するというのが基本ですが、最近では居酒屋であったり、喫茶店であったり、スイーツショップであったり、料理だけでなくお店の独特の雰囲気や居心地を異世界の人々に味わせるという方向性にシフトしてきています。
そんな異世界グルメ作品でも、とくにこの夏、食べたい絶品グルメを私の独断と偏見でランキング形式でご紹介します。
※グルメものではVRMMOが舞台の作品もありますが、今回は舞台が異世界の作品に限定します。
※舞台が異世界であっても料理要素が物語のメインテーマと外れている作品も除きます。
※書籍版では現段階で未収録のものもあります。web連載版で読めます。
それでは10位からいってみましょう。
10位 『迷宮レストラン』の和風朝食
あらすじ
ある日、ダンジョンの最深部に現れたファミリーレストラン。そこは魔界にいるはずの魔王が趣味の料理の腕をふるって冒険者をもてなす不思議な場所だった。
レビュー
アジの干物、キュウリとナスのお新香、ジャガイモの味噌汁、甘い卵焼き、そして白いご飯と納豆、海苔という、日本の家庭では朝食の定番メニューですが、現代日本から異世界に召喚されホームシックにかかってしまった女勇者リサにとってはどんなご馳走にも勝る懐かしい故郷の味だったのです。読んでいるとこちらまで田舎の実家に帰省したような気持ちになります。
9位 『異世界料理道』のギバ・バーガー
あらすじ
火災によって実家の大衆食堂と共に焼け死んだはずの見習い料理人アスタは、目覚めると異世界の森にいた。森の猛獣ギバを狩る「森辺の民」に身を寄せたアスタは、料理なき場所で料理を始める。
レビュー
イノシシに似た猛獣ギバは血抜きをすればとても美味な食材に変わる。そこでアスタが作ったのはギバの肉をパテに使ったギバ・バーガー。それを屋台で売り出したことでギバを嫌忌する都の民と森辺の民の相互理解に繋がったきっかけの一品でした。遊びにでかけた時に食べてみたくなります。
8位 『最強の鑑定士って誰のこと?〜満腹ごはんで異世界生活〜』の米麹の甘酒
あらすじ
家事が大好きな男子高校生悠利は、気づいたときには異世界のダンジョンに。偶然、知り合った冒険者のクラン「真紅の山猫」に拾われた悠利は、彼らの暮らす寮の主夫として毎日ごはんを作る。
レビュー
甘酒は酒粕から作るのが一般的ですが、悠利が作ったのは米麹の甘酒。米麹の甘酒は酒精がないので子供でも飲めるのだとか。作り方も詳しく描かれていますから参考にして作れるかも。
甘酒といえば今でこそ冬に飲むものですが、実は江戸時代では夏に飲んでいて季語にもなっています。「飲む点滴」ともいわれて夏バテ予防に最適なのだとか。
7位 『冒険者クビにされたので、嫌がらせで隣にスイーツ店ぶっ建ててみる』のコーラフロート
あらすじ
パーティの仲間に裏切られて冒険者を辞めさせられた主人公マツスケが、食材にステータス上昇を与える「料理エナジー付与」というスキルを使ってスイーツショップでリベンジを企む。
レビュー
マツスケが恩人である武器屋のおやっさんに振る舞った、バニラアイスとサクランボののったコーラフロート。レモン汁と黒酢を混ぜており、酸味のさっぱり感とコクのあるコークがバニラアイスのまろやかな甘味をひきたてる一品。甘酒もいいですが、暑い日には炭酸飲料も飲みたくなります。
6位 『傭兵団の料理番』のカレーライス
あらすじ
買い物帰りに異世界に迷い込んでしまった主人公シュリは、ひょんなことからガングレイブ傭兵団の料理番として働きはじめる。やがて彼らは稀代の英雄と伝説の料理人として歴史に語り継がれていく。
レビュー
カレー粉の再現に試行錯誤を重ねるシュリが、チョコレートを隠し味に完成させたカレーです。辛いものを食べると体内の発汗作用を促して涼しく感じるのだとか。平均気温が上がるほどカレー店の売上げも上がるといわれています。
5位以上の作品はシミルボン上にて掲載しています。興味のある方は、こちらのリンク先までよろしくお願いします。
この夏、食べたい絶品異世界グルメ作品10選byシミルボン