![]() | レンズと悪魔 3 (3) 六塚 光 角川書店 2007-05 by G-Tools |
【エルバのもとに10年前のオーラン虐殺を指揮したと言われる男、クラヴリーが現れた。エルバの父に預けた物を返してもらいに来たという彼もまた魔神の契約者で・・・】
悪魔的な紳士登場
レンズで悪魔を喚ぶ悪魔召喚士たちのバトルロワイヤル。
魔の監獄デスドレッド島から十一人の受刑者が脱獄した。
賞金目当てに彼らを追うエルバは、その中の一人、オーラン民族虐殺の首魁とされる男・クラヴリーと接触する。
エルバの父が残した"とある物"を賭けて、エルバは魔神の契約者でもあるクラヴリーと戦うことになります。
表面は紳士なのに、性格はキレやすくてデンジャラス。
実に作者らしい素敵に変態なオッサンが出てきました。
変人だけれど、オーラン民族を虐殺したと言われるほどの悪人には思えず戸惑うファルナの気持ちは理解できますね。
敬意を払うべき敵であるからこそ、正々堂々とした戦いを望むエルバの覚悟と意気込みがよかったです。
バトルでは終始一方的で、マグレ勝ちのエルバに対して、
攻めも、守りも完璧なチキュウ空手の使い手を相手にした、テッキペアの鮮やかな活躍が見所でした。
ときにテッキの「能力逆流」は固体にしかなれないのかな。
気体や液体にまで変化できれば物理攻撃無効じゃないか。
使い方を考えれば、弱いわけでもないと思いますがねぇ。
オーラン民族の虐殺やら、新たな獄炎の魔神の登場やら、
テッキが右腕を失った過去の出来事やら、いろいろ新展開。
ただ単純なバトルロワイヤルだと思っていたものから、次第に大きな陰謀と契約者たちの思惑が絡み合ってきました。
残りの魔神は五体。さて、どうなりますでしょうか。
ギャグは控えめすぎるほどなのに、どうして面白いシリーズ。