![]() | オイレンシュピーゲル 2 (2) 冲方 丁 角川書店 2007-05 by G-Tools |
【ミリオポリス郊外にロシアの原子力衛星が墜落した。現場から奪われた原子炉を巡り7つのテログループが暗躍する。MPBの「黒犬」「紅犬」「白犬」が超警戒態勢の街を駆け抜ける!】
狂犬に注意!!!
テロや凶悪犯罪に機械の手足で立ち向かう少女達の物語。
警察組織MPBの特甲児童・「黒犬」「紅犬」「白犬」の今回の任務は、ロシアの軍事衛星から奪われた原子炉の奪還。
七つのテログループを次々に渡っていく恐怖の核爆弾リレーに、三人はバラバラの立場から追い駆けることになります。
あいかわらず、クールでキュートでグロテスクな三人娘。
大人の事情と政治と宗教と欲にまみれた社会を容赦なく皮肉った掛け合いが可笑しくてなんとも言えない。
ロシアの特殊部隊に貸し出された涼月が、最初は嫌々ながらもお互いに衝突し、戦闘を経ることで、戦友としての信頼感を築いていくところが、なんというか男の世界でカコイイ。
しかし涼月を「女の子らしい」とは、吹雪くん。お前、すげぇ。
「女の子らしい」と言えば、なんといっても陽炎ですね。
表面上は冷静を装ってるのに、ダンディな中隊長の一挙一動に胸をズキュンズキュン打ち抜かれている様子がやたら可愛い。
これはいい乙女っぷり。なんとリリカルな女の子でしょうか。
そして逆に賑やかなのに一番感情の底が見えない夕霧。
愛想はいいけれど、三人でもっとも怖いのはこの娘だな・・・。
それぞれが配属された部隊は、実力も経験もプロ意識もあるのだけれど、それでは自分の力を思うように発揮できないことに気づき、「三人で一頭の獣である」自分たちの絆を改めて見つめ直すところが印象的でした。
離れていても同じものを必死に追いかけて、絶体絶命の危機的局面で三人が集結するシーンは感動に震えました。
いやはや、次々と事態が急展開していく加速感が素晴しい!
それに今回は「スプライトシュピーゲル」のMSSの三人が登場し、涼月たちと邂逅を果たしたことが大きなポイントですね。
セリフこそはなかったものの、今後、彼女たちの関係の行方についてはシリーズの重要な見所でしょう。
来月発売の「スプライトシュピーゲル」は、今回の事件をMSS側から見たアナザーストーリーらしいです。これは超期待。
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