ロムニア帝国興亡記 (6) ─迫り来る決戦の時─ (富士見ファンタジア文庫) 舞阪 洸 エレクト さわる KADOKAWA/富士見書房 2015-07-18 by G-Tools |
レムリガスの騙し討ちにより数人の部下とともに罠をかけられ、監禁されてしまったサイファカール。レムリガスの背後にいる第三皇子・ミラニエゥスの元へと身柄を送られてしまえば、命すら危うい。タイムリミットまでは、残りわずか。サイファを窮地から救うため、リ・イン、フレイヤらは決死の戦いを挑む
忠義には恩賞を、裏切りに報復を
帝国のうつけ皇子がはみ出し者の仲間と共に希代の英雄へと駆け上がる戦記ファンタジー。
リ・イン……ただのおっぱい中華娘じゃなかった。笑って死地に赴く彼女が格好良かったです。
レムリガスの裏切りによって囚われの身となったサイファカールを救出するため、リリィやギ・ジュカら幹部たちが知恵を巡らせ、身体を張って囮になるグラゥクスやリ・インたちの姿にハラハラしっぱなしでした。
将の価値は忠臣の数で決まる。最大の窮地に一致団結して困難を乗り越える臣下の活躍が光ってました。
サイファカール軍よりも数が多いミラニエゥス軍に脅され、裏切ったレムリガスですが、サイファカールに意見を聞いていたらまた変わったんじゃないかなぁ。でも、部下にするには危なっかしいからいらないか。
皇子が捕われた事を知り、サイファカールに頼らず自分たちだけで方策を練る幹部組の議論も見所でした。サイファカールを見捨てるという意見が誰からも出ないのがほっとする。しかしヨーコがアホの子すぎて泣ける。
そうして形になった救出作戦も役者に詐欺師にイロモノ揃いの幹部たちだからこそ実行できる策だ。サイファカールが部下に恵まれているのは単なる戦闘狂だけじゃなくて様々な分野の専門家がいるからと思います。
サイファカールを逃がすために囮役をすすんで引き受けるグラゥクスとリ・インの主従の絆に胸が熱くなる。フレイヤやリ・イン、ネムネモ、ステラステラとの出会いのエピソードとかも短篇集でやって欲しいですね。
サイファカールの頭脳チートの陰に埋もれがちな脇役のおっぱい以外の魅力を掘り起こした巻でした。
リリィはおっぱいがない分、普段から超活躍してるしなぁ。果たしておっぱいがある方がキャラとして恵まれているのか、むしろない方が活躍を与えられて良いのか。これが世に有名な『舞阪パラドックス』である。
なお男性キャラは(r さて次回は裏切りの代償を支払わせる番だ。激おこサイファカールの手腕に期待。