![]() | スクールライブ・オンライン 6 (このライトノベルがすごい!文庫) 木野 裕喜 hatsuko 宝島社 2015-07-10 by G-Tools |
栄臨学園は生徒会選挙&学園祭へ突入。城主ギルドのマスターとして、選挙戦に出ざるを得ない零央だったが圧倒的に知名度&信頼性が不足。会堂の計画を阻止するためにも、《心の欠片(フラグメンツ)》の総力を挙げて、背水の陣を敷く。

攻略法はひとつじゃない
可愛いは正義、そしておっぱいは魔法。この世のたいていの問題は可愛さとおっぱいで解決できる。
3Rのアップデートを阻止するため、生徒会長を目指して生徒会選挙に挑む零央が全校生徒に決闘をふっかけ、言葉よりも雄弁な自分の行動によってレベル至上主義への疑問を訴えかけていく姿が痛快で胸がすきました。
それぞれができることを活かして学園祭で影ながら零央を応援する仲間たちの活躍ぶりも微笑ましかった。
零央の選挙戦のライバルである他の城主ギルドの候補者もギルマスたちに勝るとも劣らずキャラ濃いなぁ。
《心の欠片》の公約も十分に魅力的だと思うんだけど、演説やギルドの肩書きではなく自分個人をアピールするために零央の取った手段がマッチョネスで燃える。普通なら不可能なことをやっちゃうから愉快なんだ。
学園祭に向けてヒロインたちもコスプレ姿に気合が入って盛り上がっていくお祭りムードがワクワクする。
公約の試金石として学園祭でのイベント集客や成功が、投票結果に影響するというのもわかりやすい。
バグによって想定外のステータスを持ってしまったレイドボスに、ギルドの垣根を超えて敵味方もなく立ち向かうギルド連合軍の戦いぶりにアドレナリン出まくりですね。これぞまさにMMORPGならではの祭りの一体感!
そして正攻法以外の抜け道を見つけ出すのもプレイヤースキルのうちだと思う。穂香ちゃんマジ歌姫!
巻末の短編は、智早先輩と会堂の馴れ初めと、なぜ会堂がトチ狂ってしまったのかの顛末が描かれるのですが、会堂の行動を容認した《高天原》の先輩組の育成方法がまず悪いですね。戦闘ノウハウや攻略情報提供やアイテム提供はまだしも、低レベルからのパワーレベリングはプレイヤースキルが腐るから推奨できない。
途中で誰も会堂の間違いを正せなかったのが彼を歪んだ考えに追い詰めてしまったように思えてきました。
人として、ゲーマーとしてねじ曲がった性根を零央が叩きなおしてやって欲しい。