Only Sense Online5 ―オンリーセンス・オンライン― (富士見ファンタジア文庫) アロハ 座長 ゆきさん KADOKAWA/富士見書房 2015-05-20 by G-Tools |
“センス”と呼ばれる能力を組み合わせ“唯一”の強さを目指すVRMMORPG―「オンリーセンス・オンライン」。生産ギルド主催イベントがついに開幕する。町中でのMOB掃討戦やPvP大会でみんな浮き足だっているけれど、ユンはひとり、とっておきのアイテム“蘇生薬”の準備をしていた。
頂点を争う決闘者たち
不人気スキルを駆使して最強の生産職プレイヤーとして活躍するVRMMORPGファンタジー
タクが頭脳戦をしている…だと…!? ばかな、主人公の男友達がこんなに頭がいいわけがない。
蘇生薬作りやレイドクエストの準備、新人プレイヤーのサポートなど忙しくするなか、生産ギルド主催のお祭りイベントが開催され、露店巡りやPvPバトルで盛り上がるプレイヤーたちの熱狂ぶりが楽しかったです。
モンスター相手のPvEとは求められる戦術やテクニックも違うPvPならではの駆け引きに引き込まれました。
苦労のかいあって蘇生薬の成功にこぎつけるユンですが、そろそろ合成の仕組みが把握しきれません。
生産ギルド主催のイベントが学園祭みたいで面白そう。MMORPGって、オークションという売買システムがあると、こうしたプレイヤー主催のマーケット文化が発展しないんですよね。職人が精魂込めて作品を作って売る、そこに喜びを見出す生産職の人々の活き活きとした姿を描く、この作品のそんなところが好きです。
MMORPGにおけるPvPバトルは迷宮踏破とも大規模戦闘ともまた違った魅力がある。対人戦用に装備やアイテムを整えたり、集団に狙われないように立ち回ったり、対戦相手の対策を張ったり、駆け引きや戦術が重要。
逃げまわってばかりのタクの行動は一見ズルく思えても、実はあれが最善手なんですよねぇ。むしろ他のプレイヤーはどんだけ脳筋なんですかっていう……あ、ほとんどのヒロインが脳筋だったわー。
ただPvPとPKは違うんですよねぇ。まあ運営が禁止していないのであればPKも自由なんですが。
ときにいまだに恋愛要素が薄いのが気になるんですよね。ユンくんがメインヒロインなのはわかったんですよ、けれどラブ寄せや色気って重要だと思うんですよ。今回は前回から期待した割にミュウちんの活躍があまりなかったし、妹分でもいいから補給して欲しいですね。さて次回は未解読の謎の本に関わる話でしょうか。