![]() | 織田信奈の野望 全国版 (13) (富士見ファンタジア文庫) 春日 みかげ みやま 零 KADOKAWA/富士見書房 2015-05-20 by G-Tools |
明智光秀を救う策として、良晴は修羅の国・九州へ。しかし道中、小早川隆景の陰謀により、良晴はひとり遭難してしまい、流れ着いた先の姫大名に謁見することとなる。美しく、高貴と評判な彼女の名は相良義陽。同じ苗字を持ち、どことなく他人とは思えない義陽の窮地を前に、九州最強の姫武将・島津四姉妹との合戦に臨む。
修羅の国に咲く姉妹愛
戦国時代にタイムスリップしてしまった少年と美少女戦国武将たちの天下布武ラブコメディ。全国編
良晴さんまた現地妻作って死にかけてる。こいついつも女のために命かけてんな(´;ω;`)イイハナシダナー
大友宗麟の加勢を得るため九州へとやってきた良晴が、その道中で相良家と島津家の合戦に巻き込まれ、些細な誤解からすれ違っていた姉妹の絆を結びつけるため、捨てがまりの覚悟で奮闘する姿に胸を打たれました。
女子供や肉親同士ですら殺し合う修羅の国で、お互いを想い合う少女たちの純粋さが涙を誘いました。
九州への船旅の途中、難破して肥後国に流れ着いた良晴が相良家の庶子・徳千代に拾われ、妹・徳千代を疎んじる姉・相良義陽の態度を目にし、またもやお節介を焼く図々しさにさらに磨きがかかってきてニヤける。
合戦に加わり『釣り野伏』を見破ったものの捕虜となってしまい、島津四姉妹の詮議にかけられるのだけれど、人徳の義久、武力の義弘、知力の歳久、天才の家久とそれぞれ個性派の姉妹の会話が姦しくて楽しい。
姉妹会議の結果、窮地に陥る良晴ですが、姉たちに負い目を抱える家久の苦悩を知り、姉妹の間にある溝を埋めるべく、自分のことは二の次で泣いている女の子のために奔走し始めるお人好しぶりがまた痛快なんだ。
ようやく和解することができた相良姉妹と島津四姉妹ですが、離れていた絆を埋め合わせる時間も許さず、合戦が再開してしまい、そんな姫たちを活かすために自ら玉砕していく薩摩隼人たちの死に様に胸が熱くなる。
相手の事を大切に思っているからこそ、ときに突き放すことも大事なのだけれど、遠ざけてしまったことで気持ちまで離れてしまい、孤独を抱えながらも心の距離を越えて互いを支え合う姉妹が健気で泣けました。
武田、上杉、毛利に続き敵サイドの内情を深く知るにたびに、織田家が憎らしく思えてくる。おのれ織田信奈許しがたし! 信奈が良晴にハーレムを作るのを許せば、みんな戦わなくていいんですよ!