竜は神代の導標となるか (電撃文庫) エドワード・スミス クレタ KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-04-10 by G-Tools |
地方郡主の子カイ。武道はだめだが、頭は回り口も達者。幼馴染のエレナを許嫁とし、ささやかな領地を継ぐ。待つのは平凡だが幸せな人生。だが、事態は一変する。王国軍戦略参謀ウェインが王位を狙い挙兵したのだ。エレナが王位継承権を持つ血筋であったことから、カイは戦乱の只中に巻き込まれていく。
かの竜は世界の守護者か破壊者か
戦乱に陥った王国を立て直すため地方貴族の少年が王位をかけて鉄の竜を駆る英雄たちの物語
ドラゴンとロボットは男の子のロマン! それが融合してるんだから、好きにならずにはいられないな!
謀反によって勃発した内乱に巻き込まれた地方郡主の少年カイが、許嫁であるエレナを守るため祖父の残した騎士竜レイバーンに乗って反乱軍に立ち向かい、巨大兵器が大激突するバトルが手に汗握りました。
戦記ファンタジーかと思いきや、熱いロボットアクションものでした。敵も味方も魅力的でこれはいい!
武芸はへっぽこだが弁が立ち領民に好かれるカイと、そんな彼のぐうたら振りを叱りつつも長所を理解するエレナの気心の通じあった幼馴染みの関係が微笑ましく、いまどき珍しいくらい王道な主人公とヒロイン。
クーデターが起き、反乱軍の操る鉄騎竜に故郷の街を焼かれるなか、祖父の研究していた新兵器である騎士竜レイバーンを起動し、見事に敵を撃退したはいいものの、平穏な日常が崩れていく展開がやるせない。
遠縁ながらも王家の血筋であるエレナの命を狙ってくる反乱軍に対し、ゴタゴタを繰り広げながらも地方郡主たちが一致団結して、エレナを旗頭に政権争いに名乗りを上げる光景がなんともロマンと野望あふれる。
これまで鉄騎竜を持てない下級の地方群主は、中央政府や大領主の横暴に大人しく従うしかなく、悔しい思いをしていた郡主や領民たちと力を合わせ、積年の鬱憤を晴らすカイとレイバーンの無双ぶりが痛快でした。
反乱の首謀者であるウェイン・クローザの傑物っぷりや、王国最強の騎士ルガールの天才ぶりも敵として実に手強く、配下の戦力も強大で付け入る隙がなく、そんな相手にどうやって立ち向かうのかと期待が高まる。
戦略面での駆け引きというのはそれほどでもなく、戦術的なアクションに重点を置いているっぽいですが、それだけでは物足りないので、綺晶機関を活かした技術攻めプレイでもしたら面白いんじゃないだろうか。