![]() | サクラサク上等。 三浦 勇雄 メディアファクトリー 2007-04 by G-Tools |
【第二世界に落とされた鉄平。そこは脱走した槍ヶ岳たちと五寸釘が対決しているド真ん中だった。果たして鉄平は、みんなの記憶を取り戻せるのか、そして二次試験は受けられるのか!?】
「俺の愛をなめんなよ?」
世界平和は、二次試験のあとにw
熱血少年と薄幸少女のド根性アクション、最終巻!
世界を崩壊から守るため、どんな犠牲も厭わない五寸釘。
ゆかりとの未来を実現するため、闘うことを決意した鉄平。
愛が勝つか、世界平和が勝つか。二人の信念が激突する。
そして槍ヶ岳がその対決すらエンタにする。やーさんステキw
始終、鉄平と五寸釘の信念のぶつかり合いが熱いです。
どちらの信念が正しいとは一概には決めつけられませんが、
五寸釘の信念は崇高なのだけれど、ぶっちゃけアンタの過去の尻拭いに付き合わせるなよとツッコミたい。
世界を救う。世界を守るとかエラそうに言っちゃってるけど、
それって余計なお世話ですよ。罪の意識なんて、知るか。
誰だって個人レベルの問題だけで手一杯なんですよ。
でも、世界は幾人もの個人が集まって出来ているんです。
世界平和って、誰かが無理矢理に作り上げるものじゃなくて、
個人個人が互いを思いやる心、愛する心があって初めて築かれていくものではないのでしょうか。そう思いました。
やっぱり勝負の勝敗は関係なくとも鉄平が正しく感じるな。
いくつもの姦計をめぐらせ、ときに暴力で訴え、ときに脅しをかけて凄んでみてもやられるときは、実にあっけなかった五寸釘。
まあ後ろ向きな信念なんて脆いものですよ。
共同戦線を張ったあひると柚子の二人を差し置いて、紫露草が思わぬド根性っぷりを見せてくれました。
思えばハヤミマコトを始め、色々な登場人物が次々と鉄平症候群(症状:熱血キャラ化)に感染していきましたね。
鉄平はひたすら『ただのどこにでもいる男の子』です。
でもだからこそ、皆が「自分にもできるんじゃないか」と考えるワケですよね。性少年の妄想の力ってスゲェや!!
ラストは毎度おなじみのBGMでの大団円。
いやぁ、熱かった、上等シリーズ一番の燃焼度です。
シリーズ通して、とにかくハイテンションに突っ走ってました。
ストーリーは単純でも、燃え系ライトノベルの傑作でした。
以上で上等シリーズは綺麗に燃え尽きましたが、作者には今後とも愛と情熱を燃えたぎらせる作品をお願いしたいです。