ダフロン

2015年02月14日

ラテラル 〜水平思考推理の天使〜/乙野四方字

4048692496ラテラル 〜水平思考推理の天使〜 (電撃文庫)
乙野四方字 おかだアンミツ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-02-10

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瑞平すすめ。極限まで肌を隠し、合成音声で自己紹介する不可思議な少女。アクシデントがきっかけで論がその肌に触れた瞬間、突如世界が暗転した。『天使』が支配する闇の空間に引きずり込まれた論は、その空間とすすめの謎を解き明かすため、『天使』が生み出す謎の【状況】の【解明】に挑む――

 何故、少女は沈黙を選んだのか?

 奇妙な空間に閉じ込められた少年少女たちが水平思考推理ゲームに挑む謎解き系学園ミステリもの

 前作は個人的に辛い部分が目立ち、自分とは合わない作家かなと思ってたのだけれど、これは面白かった。
 他人との接触を避ける不思議な少女・瑞平すすめに触れると引きずり込まれる異空間で、主人公・論と級友たちが、難問に挑んで友情を築き、過去に現実世界で起きた事件の真相に迫っていく過程が興味深かった。
 人の死なないパズルミステリ。人の生き死にが関わってないのでゆっくり推理や思考に集中できました。

 マイペースで理知的な論と感情豊かな幼馴染みの結瑠のバカップルぶりにほっこりしつつ、言葉を無くした不思議な少女・瑞平すすめと彼女の親友・晴希の秘密をひょんなことから知ってしまい、彼女らの抱える問題に関わるようになって、周囲と壁を作る彼女らと衝突しながら関係を発展させていく四人の姿が微笑ましかった。
 四人とも普通とはちょっと変わった感覚や感性の持ち主なので、変人同士が合わさる化学反応が可笑しい。

 瑞平すすめの作り出す異空間では、ウミガメの天使ウミエルが出題する問題に正解するまで出られず、『ウミガメのスープ』という表題で有名な水平思考推理ゲームに挑むのですが、登場人物らの掛け合いの中からヒントが芽生えて、突拍子もない答えに行き着く思考展開が毎回意外であっと言わされる。読んでいて『自分は頭が固いなぁ』と何度も悔しい思いを味わいますが、次こそは問題を解いてやると推理意欲を駆り立てますね。

 ただ頭の良い論だけ活躍するのではなく、女子ならではの考えをする結瑠や脳筋の晴希の素直な発想力が活きたり、お互いに力を合わせて問題に取り組み、正解への道筋を作っていく思考の共同作業が不可欠で、いつの間にか相手への警戒心や猜疑心も忘れて謎解きに夢中になってしまう水平思考推理ゲームの魅力が素敵でした。
 これ人狼などの対話型ゲームが好きな人は楽しめると思いますね。彼らに混ざってやってみたいなぁ。
posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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