新年も開けて10日も経っているのに去年の下半期まとめです。
去年はなんやかんやあって新人作品や新刊がそれほど読めていないので縮小版でお送りします。
許してくださいなんでもしま(ry
1.スチームヘヴン・フリークス
![]() | スチームヘヴン・フリークス (ガガガ文庫) 伊崎 喬助 小学館 2014-07-18 by G-Tools |
魔性の霧ミアズマによって生み出された機械と神秘の怪人たちが繰り広げるスチームパンクファンタジー。
正体不明の霧をエネルギーとした仮想科学によって発展した都市ビザーバーグで、マフィアや警察、超能力者、マッドサイエンティストたちを相手に三つ巴、四つ巴の大活劇を繰り広げる奇想天外な世界観が愉快でした。
2.Occultic;Nine
![]() | Occultic;Nine1 -オカルティック・ナイン- (オーバーラップ文庫) 志倉千代丸 pako オーバーラップ 2014-08-22 by G-Tools |
九人の変わり者たちがオカルトの真理を暴く新感覚の超常科学ノベル。
ネット上のオカルト板まとめブログ『キリキリバサラ』を巡って、オカルトに関わる九人の変人奇人たちの運命が交錯し、些細な日常が次第におぞましい非日常の世界へと変容していく展開が今後の興味をそそります。
3.Vermillion 朱き強弓のエトランジェ
![]() | Vermillion 朱き強弓のエトランジェ (このライトノベルがすごい! 文庫) 只野 新人 フルーツパンチ 宝島社 2014-09-10 by G-Tools |
リアル志向のハード志向海外製MMORPGに似た異世界にやってきてしまった二人の異世界転移ファンタジー。
凄腕プレイヤーとしてコンビを組む主人公とヒロインが、日常的に命がやりとりされる過酷な世界で生き抜いていく姿が胸に迫りました。普通の村人ですら信用できない、このサツバツとした緊張感がたまらない!
4.十三矛盾の魔技使い
![]() | 十三矛盾の魔技使い (電撃文庫) 十階堂 一系 雛咲 KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-11-08 by G-Tools |
13人の魔法の天才児たちが最強の称号を賭けて戦うバトルロイヤルマギアクション
魔技使いを育成する学園の最優秀生徒『ソルヴァナイト』を決めるため、バトルロイヤルに挑んだ13人の天才児たちが繰り広げる友情と裏切りと駆け引きとガチンコ戦闘がハラハラ、ドキドキ、手に汗握りました。
5.ひとりで生きるもん! 〜粋がるぼっちと高嶺の花〜
![]() | ひとりで生きるもん! ~粋がるぼっちと高嶺の花~ (MF文庫J) 暁雪 へるるん KADOKAWA/メディアファクトリー 2014-11-21 by G-Tools |
クラスヒエラルキーの底辺にいる少年の高嶺の花の美少女が織りなす学園ラブストーリー。
『美少女=性悪』説を唱え、美少女との接触を避けていたぼっち系主人公が、とある事情で学校一の美少女と親しくなり、漫才好きの彼女に振り回されるうちにお互いに芽生えていく純愛に胸が締め付けられました。
次点
オー・ドロボー!…世界中の怪盗が集って競争を繰り広げる無秩序なエンタメ精神がよい。
ガンソード.EXE…不遇職と呼ばれた主人公とヒロインが協力して活躍する姿がワクワクする。
クインテット・ファンタズム1…生きている実感が得られない若者たちが必死に生きている姿が胸に迫る。
フォルセス公国戦記…戦争と金融が密接に結びついて物語が進行し、歴史の縮図を味わえる。
はてな☆イリュージョン…ラブコメの大家が異能バトルにも踏み込んだ意外性が際立った。
総評
2014年下半期のビッグニュースといえば、ダッシュエックス文庫の創刊(再創刊?)でしょうか。創刊ラインナップの作家陣が、従来のスーパーダッシュ文庫の人気作家に加えて、榊一郎、杉井光、鈴木大輔、野村美月など他のレーベルで活躍している一線級の作家を揃えてきていて、編集部の並々ならぬ意欲を感じます。スタートダッシュは決めたので、今後どういう飛躍を見せるのか、今月発売の新人賞に注目しています。
その他の細々としたニュースでは、次期アニメ化大本命とされていた電撃文庫の『エスケヱプ・スピヰド』が完結してしまったり、ファンタジア文庫で今後を期待されていた『蒼井葉留の正しい日本語』が2巻で続きが出ない事となり、それまでファンタジア文庫でも2巻打ち切り作品が続出していたことで、『3巻の壁』よりもファンタジア文庫は『2巻の壁』の方が高いのかとか騒がれてましたね。
一昨年から去年にかけて、各レーベルとも、新人や新作シリーズの作品を月に3〜5冊は出してくるので、消費者はどれを買ったらいいのかわからなくなっているように思います。1巻からナンバリングを振るくせに、打ち切りラインが低いので、果たして編集部はこの作品を長期にわたって続ける気があるのか?と購入にもブレーキがかかってしまいます。
まあ現実的には契約している作家に作品を書いてもらって小説家として食っていけるようになってもらわないと困るし、他の出版社に取られないように定期的に仕事を回さないといけないし、競争力をつけるためにも新人賞やらで新しく入ってくる作家を確保しないといけなしで、作品の回転数を上げないといけないのはわかるんですけどね。でもやってることはチキンレースですよそれって。
1巻完結や野村美月の『アルジャン・カレール』のように、初めから2巻完結を提示して出版すれば、消費者も納得して買いやすいのですが……。レーベルとしての体力が残っているうちに、作品数を絞って少数精鋭で、その分、手間暇と宣伝をかけて作品を育てるという方向転換をどこかでしないといけないのではと思います。
ああ、あと今日中に好きなライトノベルを投票しよう!! 2014年下期とライトノベルツイッター杯にも投票しないと。ふえええ、読んでない本やラノベアニメもたまっているのにぃ。
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