ダフロン

2015年01月05日

紅 歪空の姫/片山憲太郎

4086310155紅 ~歪空の姫~ (ダッシュエックス文庫)
片山 憲太郎 山本ヤマト
集英社 2014-12-19

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大晦日を乗り越え、新たな年を迎えた揉め事処理屋の紅真九郎。崩月家で夕乃たちと穏やかな正月を過ごしていたが、そこで、冥理から奇妙な話を持ちかけられる。真九郎との見合いを望む少女が現れたというのだ。しかも、その少女は裏十三家の筆頭“歪空”の一人娘。断ると崩月家に迷惑が掛かると考えた真九郎は、その見合い話を受けることにする。しかし、二人の出会いは紫にまで影響を及ぼして…。

 可憐なる暴君の失恋

 世の中の理不尽に立ち向かう若き揉め事処理屋の少年のクライムサスペンス・アクション

 相変わらず真九郎くんは頭のおかしい女の子に好かれるフェロモン出てるな。これがロリコンの運命律か。
 正月を迎えた真九郎に舞い込んだ『歪空』の一人娘・魅空との見合い話が、それが後に揉め事処理屋の依頼が絡む冤罪事件へと繋がって、裏社会の武闘派を巻き込んだ一触即発の紛争へと発展してく展開が盛り上がる。
 数年ぶりの紅の世界観がマッポーすぎて安心した。これだよこれ、このサツバツした社会がいいんだ。

 覚悟が甘くてヌルくて、周囲に流されるままの真九郎ですが、それがごく普通の人間の感性であって、しかし、死闘を演じた惡宇商会とも好悪感情なくサッパリと和解できるのがやはり決定的に異常人なんでしょうね。
 裏十三家『歪空』の娘と見合いをすることになり事前調査でヤバさを聞き取っていたのに、お見合い会場に紫も連れて行くわ、フレンドリーに自己紹介するわ、真九郎の警戒心と緊張感が足らなすぎてハラハラする。

 久しぶりにやってきた揉め事処理屋としての依頼を通じて、冤罪事件を知り、首を突っ込んで真犯人を探し始める真九郎の優しさは好きなのですが、調査の手際が行き当たりばったりで、まるで成長していない……。
 事件の背景や情況証拠から歪空魅空に行き着くのですが、女子中学生とお風呂で尋問とかうらやまけしからん。真九郎くん、女子中学生とガチで殴りあって負けるとか……巻を重ねるごとに弱くなっている気がする。

 紫に励まされるか、幼女に危害が与えられないと本気出さない真九郎くんはよいロリコン。いつもいつも手遅れになってからじゃ遅いんだよ!とじれったくなりますが、そのもどかしさのフラストレーションを発散させてくれる展開をいつも最後に残しておいてくれるからこのシリーズを愛してやまない。 どうか今回だけじゃなくてもっとシリーズが続いてください!! 切彦ちゃん、もっと切彦ちゃん分をください! なんでもしまry

posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | ダッシュエックス文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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