祓魔科教官の補習授業2 優等生は振り向かない (一迅社文庫) すえばし けん NOCO 一迅社 2014-10-18 by G-Tools |
異世界との亀裂から現れる異形―魔禍魂を狩る“祓魔技能士”を養成する天原学園。教官を務める“常人”にして最強の祓魔技能士、日垣悠志朗は、稀有な才能や能力を持つドロップアウト組5人の生徒と合宿を行うことに。しかしそこでは、フィオと因縁浅からぬ男と、謎の組織が暗躍していた
才能を超える者
最強の教官と落ちこぼれ咒禁師たちが戦いの中で成長していく学園育成退魔バトル。
神和強すぎ怖すぎワロタ。魔禍魂とか、戦争屋より主人公たち神和の方がよっぽどこえーわ。
補習授業という名目で強化合宿へやって来た教官・日垣悠志朗と生徒たちが、犯罪組織の陰謀に巻き込まれるなかで、祓魔技能士としては未熟ながらもチームワークで強敵に立ち向かう成長ぶりが頼もしかった。
チームに新規加入したフィオと木竜が悠志朗と落ちこぼれトリオに馴染んていく姿が微笑ましかったです。
前回の事件の機密保持という名目で落第生チームに組み込まれた優等生フィオと問題児木竜の先輩組にフォーカスが当たり、人物背景や内面描写でより人間味が出て、親しみがわいて好きになってしまいました。
学園屈指の実力者のフィオですが、伸び悩む自分の限界を感じ始めていて、才能が開花しつつある落第生三人組に追いつかれる焦りを抱き自信を無くし、完璧に思えても優等生なりの苦悩を抱える姿がもどかしい。
木竜くんは硬派を気取っていたのに、怪我を治療してもらった優しい女医さんにいつの間にかデレていて、彼女のピンチには幾度となく前に出て庇う姿にニヤニヤ、これ裏で女性陣に恋話のネタにされてますね。
悠志朗不在の状況で学生たちが急事に対して独自の判断で動き、騒動を巻き起こしたプロの傭兵団の裏をかいて立ち回る機転、それぞれの固有咒術を組み合わせて魔禍魂を討伐する連携プレーが素晴らしかった。
早くも水着回かよ!という唐突な合宿イベントでテコ入れ感漂う展開なのですが、シリアスな戦闘を乗り越えて心身共に成長して、信頼関係を築いた落第生チームが一つにまとまって、話の中身は充実しててよかった。
かがりさんや悠志朗に加え、新しく登場した神和も壊れてて、「うわぁ…」と背筋が凍ります。境遇が悲惨なだけに仕方がないのかもしれませんが、花耶には悠志朗だけと言わず神和全員を救って欲しいと思います。