GOSICKs 3 (3) 桜庭 一樹 富士見書房 2007-04 by G-Tools |
【季節は秋。久城一弥は迷路花壇の中を走る。姫─ヴィクトリカに会うために。今日も彼女を退屈せないように謎とお菓子と花を抱えて】
花と愛とミステリー
聖マルグリット学院に戻ってきたヴィクトリカと久城くん。
再び暇をもてあまし始めたヴィクトリカのため、久城くんは、
毎日、彼女の元へ花と一冊の本をもっていくのでした。
久城くんの行動が何かに似てると思ったらアレだ。働きアリ。
とりあえずは、ヴィクトリカかわいい。
もう彼女さえフリルっていれば満足なのです。
おまけに今回の挿絵のフリルは気合入ってます。
お菓子をつまむ姿やニンジンを齧る絵がテラ小動物。
ああ、俺もこの着せ替え人形が欲しいよう。欲しいよう。
久城くんがもってきた幾人かの手記で綴られる物語群。
フランス革命で命を奪われた貴族の青年とお嬢様。
オランダのチューリップブームで引き裂かれたカップル。
中国でひとりの男の立身出世を影から支えた女。
アメリカに渡って花の栽培に自らの思いを託した少女。
ロンドンを騒がせた風雲児の前にあらわれた妻の幽霊。
ただ歴史に翻弄された者もいれば、ときにしたたかだったり、
優しい真相が隠れていたりと、少なくとも波乱万丈な人生を送ったであろう過去に生きた人々の息づかいを感じます。
それぞれの短編の結末には、ヴィクトリカによる花言葉で綺麗に綴じているのがよかったです。存分に癒させて頂きました。
ちなみに今の私の気持ちを花言葉で言うと「柿」です。
意味は「広大な大自然の中でわたしを静かに眠らせて」。
もう・・・寝かせてください・・・・・・はたらきたくないんです・・・。