ダフロン

2014年09月22日

棺姫のチャイカ 10/榊一郎

4040701453棺姫のチャイカ (10) (富士見ファンタジア文庫)
榊 一郎 なまにくATK
KADOKAWA/富士見書房 2014-09-20

by G-Tools

全ての『遺体』が集まり、黒チャイカの儀式によって現世に復活を果たした“禁断皇帝”アルトゥール・ガズ。しかしそれは同時にチャイカの生きる目的だった父親の『遺体』を集める行為は、ガズ皇帝によって使い捨ての道具として仕組まれたものであるという真実を知ることになる。

 理由なき人生を生きる理由

 世界に追われる亡国の王女と乱破師の兄妹が遺体探しの旅を繰り広げる異世界ファンタジー。

 フレドリカがエロい。うんうん、人外ヒロインが大好きな人だって知ってた。いいよね、人外ロリ!
 蘇った禁断皇帝アルトゥール・ガズの魔術によって世界中で異変が起こるなか、騒動の核心にいるトールとチャイカ、ジレット隊が知らされる世界の真実と驚愕の神殺しのスケール感に言葉もなく息を飲みました。
 初めは個人的な旅が、いつの間にか世界観の根幹に関わる話に発展していく、これが榊一郎だよなぁ。

 契約を迫るフレドリカとの濡れ場シーンにニヤニヤし、使い捨ての道具だったと知らされ、自らの存在理由を失ってしまったチャイカに、「新しく生きる道を探せ」と説くトールの主人公としての成長が素晴らしい。
 紅チャイカも自分の信念が崩れた直後なのにセルマとダヴィードを助けるために立ち上がる姿が泣ける。白と紅のチャイカはよき仲間に恵まれたなぁ。こんな時だってのに思考が卑猥方面に偏るアカリさんさすやでぇ。

 アルトゥール本人の誕生と過去を思うと、道具として生まれた者の悲哀や苦悩は誰よりも分かっていたはずなのに、チャイカを道具として生み出すことは、自分が嫌う神と同じことをしているという自覚あるのかな。
 神と人間の関係が明らかになったわけですが、殺してしまって今後の世界に影響はないのだろうか。そしてずいぶんとあっさり倒せてしまったが、神様雑魚すぎじゃないか。何かまだどんでん返しがある気がするぞ。

 世界征服宣言を行ったアルトゥールですが、まあいいんじゃないかな。変に無能で強欲な王様が統治するよりは、有能で無欲な暴君の治世の方が発展すると思うんだけど。戦争は、彼以外でも起こす奴は数限りないよ。
 今回の表紙は、これまでのシリーズの中で一番好きだなぁ。チャイカの凛とした眼差し、片手に機杖を抱え、もう一方は握りしめ何かに耐えるようでもあり、向かい風に踏みだそうとする意思を感じる。うん、イイネ!
posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | 富士見ファンタジア文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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