オー・ドロボー! (1) 怪盗淑女は恋きに盗む? (富士見ファンタジア文庫) 岬 かつみ れい亜 KADOKAWA/富士見書房 2014-09-20 by G-Tools |
「ボンソワール、わたくしアルセーヌ・ルパンと申します」大泥棒の末裔である少年の自宅に、ある日突然、金髪碧眼の少女が訪れた。なんでも彼女はドロボウの技術ゼロのくせに、かの「世界大泥棒選手権」に参加し、さらには優勝しなければならないというのだ!?
怪盗の世界へ、ようこそ
世界中の大泥棒の子孫たちが世界一の座をかけて盗みの腕を競い合う怪盗ロワイヤル
アルセーヌたんきゃわわわ。万国偉人列伝びっくりショーみたいになってしまってるがそれがいい。
司法の手も届かない悪党の島で開催される「世界大泥棒選手権」に参加した主人公・石川五右衛門とアルセーヌ・ルパンの子孫アル、さらに名の知られた世界中の大泥棒たちが繰り広げるバカ騒ぎが可笑しかったです。
世界中で有名な人気キャラクターたちを勢揃いさせて、ぶつけ合うワチャワチャ感が愉快でした。
怪盗紳士アルセーヌ・ルパンの子孫アルと同盟を結び、優勝を目指す五右衛門ですが、パートナーのアルは泥棒としての腕は素人同然の天然お嬢様で、大きなハンデを抱えながら、ライバルたちと鎬を削る姿が楽しい。
競争相手は、誰も彼も一癖二癖もある大泥棒の子孫たちで、それぞれ伝統ある技術や秘術のお家芸(?)を継いで独特な泥棒稼業のスタイルを貫いているがキャラ立ってて個性的でした。気合の入ったコスプレですな!
勝利条件となる「黄金の懐中時計」を巡って、マフィアや犯罪シンジケートが守る建物に侵入しては、居合わせたライバルたちとバトルになるのですが、そこにあるのはどれも偽物ばかりで、大会の裏に隠された企みの存在が徐々に浮き彫りになっていく筋書きが興味深かった。互いに競い合ううちに認め合い、同世代のライバルたちとの絆が芽生えていく光景も微笑ましかった。本来、同業者の技術交流会を兼ねてるんじゃないかと。
しかし、他で言われているように、もうちょっとストーリー構成を整理した方がいいんじゃないかな。
シーンが初日から最終日まで一気に飛んでたり、終章はシーン2つはやや間延びしてて蛇足に感じた。すでに2巻がでるのが確定なら、ビーチのシーンは次巻への引きじゃなくて、次巻の序章に持っていきなよ……。
ドン・ディエゴが格好良かったので次も読みたいのですが、あらすじ的に出番なさそうだなおい。