バッカーノ!1934 完結編―Peter Pan In Chains 成田 良悟 メディアワークス 2007-04 by G-Tools |
【三百箇所の同時爆破と二百人の失踪事件。殺し屋と不死者を巡る騒動。混乱をきたしたその舞台にすべての役者がそろった時、それぞれの配役が動き始める】
「好きにすりゃいいじゃん?」
人生、深く考えたら負け!w
毎度おなじみ悪党たちのバカ騒ぎ。1934年完結編。
アルカトラズでヒューイの眼を抉ったフィーロ。仲間を連れ去られ少しずつ狂い始めたレイル。シカゴに戻ったジャグジー一行。喧嘩を楽しむグラハムとクリストファー。企むネブラの幹部たち。そして再会を夢見るミリアとアイザック。
ノンストップですべての騒動がひとつの結末へと収束する。
その瞬間までの盛り上がる緊張と興奮がたまりませんな!
今回はそれとなくレイルとリカルドの成長の物語でした。
自暴自棄になったレイルを保護したジャグジーたちチンピラ。
何故、自分を忌避しないのか。何故、優しくしてくれるのか。
その答えは、なんのことはなくヤツらの方がブッ壊れてるからですな。狂うくらいなら、景気良くブッ壊してしまうべき。
最後には心の檻をジャグジーが壊して少し強くなれた様子。
クリストファーとリカルドの友情も奇妙なものではありましたが、そもそも普通なところが一切ない吸血鬼だからな。
いや、生活態度は一般的なんだが、それが逆に不気味だ。
レイルには毒でも、リカルドにとってはクリストファーの狂気がいい具合に薬になったのか、毒舌も活き活きしてますね。
クリストファーを尻に敷くとは、なかなかのボスの器。
しかし、NYでグラハムと合流して、ラッドまで出所してきたら・・・。やヴぇ、一気に一大勢力が作れちゃう!w
面白かった。面白かったが、ボリューム大増量で3巻使ったわりに内容がなかったような気がするのはどうしてかな。
この程度なら2巻もあれば綺麗にまとめられるだけの実力は持っているはずだけれど、無用なシーンが多かったな。
これだけキャラが「NYへ行きたいぜ!」言ってるんだから、次回は再びNYがバカ騒ぎの舞台となることでしょう。
今回、出番のなかったキャラにもスポットを当てて欲しい。
って、あれ? 『葡萄酒』は? クレアの兄貴が出てねぇぇ!