ダフロン

2014年08月23日

オタク荘の腐ってやがるお嬢様たち 2/長岡マキ子

4040701348オタク荘の腐ってやがるお嬢様たち (2) (富士見ファンタジア文庫)
長岡 マキ子 森山 しじみ
KADOKAWA/富士見書房 2014-08-20

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俺こと霧島英君が学生ながら、管理人をすることになった「オタク荘」。そこで俺は生徒会長、御車響子が腐女子であることを知り、秘密を共有しながら、彼女の創作活動を手伝うことに。無事、初イベントを誰にも知られず、乗り切ったと思いきや、同じ住人の花垣汐実に目撃されてしまい、なぜか彼女から突然の告白を受け!?

 一番星に微笑みを

 隠れ腐女子なお嬢様たちと平凡な男子高校生のシークレットラブコメディ

 自分達の夢に向かって頑張る腐女子を見守るこの関係いいなぁとニヤニヤして、完結と知ってファッ!?
 全校生徒の憧れの生徒会長・御車響子が腐女子だという秘密をバラすと脅され、花垣汐実に恋人になれと迫られた主人公・英君が、汐実と付き合ううちに作家として小説に情熱を傾ける彼女の意外な一面を垣間見て、どちらも魅力的な二人の美少女の間で揺れ動く三角関係が微笑ましくて、生温かい目で見ていられました。

 ギャルのような外見でも、実はとても清純で真面目な汐実のキャラが可愛かったですね。仕方なくデートに付き合わされているハズだったのに、次第に汐実の知られざる魅力にノックアウトされていく英君が可笑しい。
 ヒット作を出したものの編集者との不和やスランプに陥って、同人小説しか書けなくなって、しかもそれも売れなくて、創作活動へのモチベーションを失う汐実の作家としての懊悩や煩悶に胸が苦しくなりますね。

 そんな弱気になっていた時に作品を褒めてくれたから、英君に惚れてしまったというのも、いじらしくて愛らしいんですよね。英君の好みにイメチェンしたり、家庭的で男に尽くすタイプというのも女子力高いぞ!
 急激に距離を縮める二人の仲をジェラシる響子がまた可愛いんだ。汐実に対抗して英君とより親密になろうと寮でも学校でも積極的になりはじめて、その方法がいかにも拙くて、ドジッ子ぶりが初々しいんですよね。

 そうして響子と汐実が張り合ううちに、創作者としての情熱が再び高まって成長していく姿が眩しい。
 次回は、他の寮生とのエピソードだろうなと期待してたのに、完結ってどういうことだよぅ! いろいろ伏線っぽい部分を裏読みしていたんですけど、本当はもっと続きを書く気だったんじゃないでかね。ここまで腐女子の生態を赤裸々に書いている作品はレアなので続けて欲しかった。女性向けだけどアピールできてないと思う。

posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | 富士見ファンタジア文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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