俺の教室にハルヒはいない (3) (角川スニーカー文庫) 新井 輝 こじこじ KADOKAWA/角川書店 2014-07-31 by G-Tools |
「前日、ユウの家に泊まっていいかとか…」マナミさんは登校するにあたって、俺に意外な提案をしてきた。それは、恋愛禁止のアイドル声優にはあるまじき行動かもしれない。でも、俺はマナミさんの気持ちを大事にしようと、お互いの家族を説得することを選ぶ。一方、カスガは一緒に海に行こうと俺を誘い
アイドル声優がお泊まりに来たら
ごく普通の男子高校生が、ひょんなことから業界のディープな裏事情に巻き込まれていく学園青春ドラマ
なんだこの出来すぎなくらいの昔なつかしの純愛ストーリーのノリは。ええぞ、こういうのがええんや!
マナミと仲直りをして関係を戻し、カスガは声優として最初の一歩を踏み、夏の思い出にみんなで海水浴にと主人公・ユウを取り巻くヒロインたちが複雑な人間関係を形成していく姿が初々しくて胸を締め付けられる。
登場人物の恋愛関係が甘酸っぱすぎてもうね。若さが眩しくて読んでるこちらが逆に恥ずかしいよお前ら!
マナミさんとあっさりと仲直りをして、登校する条件としてお泊りイベントとか、このアイドル声優ちょろい! と思ったけど、あとから幼馴染のカスガが軽々とそのちょろさを上回っていく! この巨乳やりおる!
表面はちょろく思えても、カスガはあれで芯がしっかりしていそうなんですよね。マナミさんのほうが芯がグラついててすぐに折れそう。でも、ヒロインズの中では別格だからそう簡単に折れて欲しくないんだよなぁ。
ノーガード戦法で積極的に迫る神楽坂先輩のキャラも強烈ですが、親友ポジションから徐々に距離を詰めていこうとする清澄もなかなかのやり手。それぞれの方法、方向からヒロインたちに引張り回され、あっちこっちに揺れるユウの男心がニヤニヤ。毎度、ご都合主義的なイベントに強制的に巻き込まれて、アニメ業界の裏側に引きずり込まれていくこの神がかった運命力。どこが平凡な男子高校生だ。ハーレム神の加護受けてるだろ!
特別な存在になっていくカスガに寂しさと喪失感を覚え始めたユウの想いが切ない。
そんなに落ち込むんなら幼馴染のその先へ関係を進めちゃえば、と思うのだけれど、ユウ自身どこまで気持ちを自覚しているのか、わかっていなさそうなんですよね。気づいた時にはもう遅しのパターンになりそう。
そろそろルート分岐を決めなくてはならないタイミングが近づいてきたか、ユウの成長が見たい。